director's voice

横山正美さん・柿渋染め・愛知

今年の工房からの風へも、多種多彩な布仕事の方が出展くださいます。
今日ご紹介するのは、布を柿渋で染めて、
バッグや暮らしまわりの布小物を制作する横山正美さんです。

Q
横山さんは、『工房からの風』に、どのような作品を出展されますか?

A
わたしは柿渋染のおおらかさと力強さ、色が好きです。
ざっくりとした手織りの布を染めています。
布に墨で柄を手描きして柿渋で染めたのや、媒染でいろんな柿渋色を作って、
それをカットし、つぎ合わせたりして作品を作っています。
工房からの風には、そんなつぎ合わせした柿渋染めのかばんを中心に、
そして、かばんの製作から出来るはぎれ布を使った
生活小物などを見て頂きたいと思っています。

横山さんの作品は、柿渋の茶と炭の黒のコントラストがあるところも特徴的です。
ちょっとワイルドな感じのものもありますね。
また、男性にも素敵に映えるものもあって、選ぶ楽しさいろいろです。

Q
『工房からの風』は、横山さんにとってどんな風ですか?

A
工房からの風は、下を向きかけてた”つくる仕事”への気持ちを、
すっとやさしく前に向けてくれました。
自分の中でガチガチに固くなってた焦りと自信の無さを薄く伸ばしてくれました。
そして、改めて「つくること」が自分の中で一番大切なものなんだって
思い出させてくれました。
下を向いてぐるぐる悩んでばかりで自分の足先しか見えてなかったのが
今、道の向こうが見えます。
日々、つくることがたのしい。
わたしに吹いてくれたやさしい工房からの風を、
今度は当日、たくさんの方々へ向けて。
たくさんの風を楽しんで頂けたらと思っています。
そして、わたしも思いっ切り楽しみたいです。 

 

工房に籠って仕事を進めていると、
ふっとどこの誰ともつながっていないのではないだろうか?
そんなことを思ってしまう作家の方も多いように伺います。
けれど、横山さんは、工房からの風を起点に、
いろんな作り手の方とつながって、そこから伝え手、使い手の方々と、
ぐんぐんつながっていく道を拓いているんですね。
気持ちが風を起こし、風を進めていくのかもしれません。

横山正美さんのホームページはこちら →
出展場所は、コルトン広場、モニュメント周りです。
お日様と柿渋染めは友達ですから、きっと鮮やかな展示になることでしょう!