director's voice

aei (装身具)

2015年に初めての出展をされたaei の桑山明美さん。
7年ぶりにこのアニバーサリー展へ出展くださいます。

Q1
aeiさんは、「工房からの風」に、どのような作品を出品されますか?

A1
金属加工によって制作した装身具、オブジェをお持ちします。

画家が風景を描くように目で見た景色や日々の些細な出来事を作品に閉じ込めて表現しています。
ひとつひとつに名前を付けて物語を伝えています。
是非合わせてご覧ください。

今回、糸鋸によって板材を切り抜き制作する“すかし”という技法の作品を特に力を入れました。
手仕事のくせのある風合いをお楽しみいただけたら幸いです。
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Q2
aeiさんの工房の中で、特に大切にしている場所、あるいは部分、印象的な場所、空間、または、道具の写真を1カット撮ってください。
そして、その説明をお願いします。

A2
2年前にアトリエを移りました。
以前のアトリエは、北に一箇所窓があるだけでとても暗い空間でした。
今度は明るいアトリエにするぞ!と意気込み、作業机は部屋のセンターに。
目の前に大きな窓を設けました。
部屋の中にして大空の下で制作している気分です。
おかげで手元がよく見えて助かります。
窓の外には田んぼが広がり、お米、麦、大豆が季節ごとに植えかえられて、いつ眺めても飽きません。
悩みは、うっかり窓の鍵に手が届かなかったことと、窓を開けすぎると風が強くて部屋中に金属粉が舞うことぐらいです。

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Q3
aeiさんが自作以外で、大切にされている、あるいは、愛用されている工藝品をひとつ教えてください。

A3
大切なものがありすぎて悩む問いでした。
考えてみると、毎日使用しているものは意外と少なく、生活の一部になっていたこれは視野に入っておらず「あ!これがあった」という具合でした。

「小川麻美さんのカップ」です。
(取っ手はないので湯のみかもしれませんが、我が家ではコーヒーや紅茶にも使うので私にはカップです。)

私が初めて野外展に参加した際に主人が購入してくれたものです。
毎朝欠かさずこのカップでコーヒーやお茶を飲みます。
何を入れても私にはこのサイズで飲む量がちょうどいいのです。
少しずつカケが出てきてしまいましたが、口をつけても気にならないのが不思議。
カップにつけられた小川さんの〇のイニシャルを娘はカタツムリ!と言っています。

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結婚、出産を経られて、今は制作発表も順調になさっているaeiさん。
初出展の後、帰宅されていの一番に送ってくださったメールが、2015年にブログに残っていました。
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プロとして立っていけるか、トライする気持ちも抱えて出展された日。
その日の経験も糧として、人生のさまざまなタイミングにも作ることを手放さなかった人。
その成熟したお仕事と「工房からの風」の場で再会できることがとても楽しみでなりません。

aeiさんの出展場所は、おりひめ神社の脇。
作家ページはこちらです。
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