director's voice

橋本 瞳さん(金属)

Q1
2017年に出展くださった橋本瞳さん。
今年の「工房からの風」には、どのような作品を出品されますか?

A1
今回は装身具に加えモビールも出品する予定です。
装身具は、長く行っている植物をモチーフにしたもの、天然石の石留めを施した一点物のブローチ、作品に合わせてフレームを制作したブローチ、鉱物のような表情をした装身具などをお持ちします。
植物以外の作品はその時その時で仕上げで出てくる色が異なり、同じ色が再現出来ません。
是非自分の一点を探して頂きたいと思います。

今回の出展では空間に作品達を凛と飾りたいというテーマがあります。
野外展は天気の影響もあるのでどこまで想像した空間になるのかわかりませんが、その作品をしっかりとその空間に存在させる、それがあることで空間が少し変化するような空気感のあるものを飾りたいと思っています。
きっとそういった作品達は選んで頂いた皆様のところでも日常を少しでも心地良いものにしてくれるのではないかと思っています。

1植物装身具

3フレーム装身具

2brooch石留

Q2
橋本瞳さんの工房の中で、特に大切にしている場所、あるいは部分、印象的な場所、空間、または、道具の写真を1カット撮ってください。
そして、その説明をお願いします。

A2
いつも使っている道具達の一部を紹介します。
学生の頃から使っている自分で制作した蝋切り用の道具、スパチュラ、そして彫刻刀などです。

彫刻刀は良いものでなく、小学生の図工の授業で買った彫刻刀も含まれています。
石膏や蝋をそれらで加工や修正します。
正確に作るというより周りの現象に合わせて形を修正します。
彫刻刀は錆びたりベトベトになったりするのでこれぐらいが身の丈にあっていて良いと思っています。

スパチュラはワックスを原型で作る方は必需品だと思います。
ちょっと皆さんと違った使い方をしている気もしますが、これらは制作中の必須アイテムで、手に馴染んだ道具達です。

道具

Q3
橋本瞳さんが自作以外で、大切にされている、あるいは、愛用されている工藝品をひとつ教えてください。

A3
ご紹介したいのは磁器作家の櫻木綾子さんの作品です。
櫻木さんとは数年前に二人展をさせていただきました。
その少し前から櫻木さんの周囲の空気を纏うような作品がとても気になっていまして、二人展の相手を探していたところ、快くお受けいただきました。

写真の作品は普段、作業場に置いてあります。
愛用しているリングなどを作業中に置いておきます。
制作する過程でその表情や変化を繊細に感じ、受け入れたり離したりするであろう櫻木さんの作風は自分に通ずるところが大いにあり、とても刺激を受けます。

そして細かな表情や表現される色、とてもシンプルなのに包むような形が、側にあることで不思議と気持ちを落ち着いかせるとともに背中を押してくれるような気が勝手にしています。

櫻木さん作品

橋本さんが大切にされている作品を語ってくださるフレーズに、橋本さんの制作への想いも垣間見られますね。
どのようなものを大切にされているか、皆さんのストーリーがとても豊かです。

橋本瞳さんの出展場所は、ニッケ鎮守の杜、入って左側、銀座アスターを背中にしたエリア。
十代田さんの隣です。
お天気に恵まれ、モビールが映えるといいですね!

作家ページはこちらになります。
→ click