2025年10月の記事一覧

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キンノイト(糸装身具)

Q1
「工房からの風」への出展作品についてお尋ねします。
キンノイトさんの代表的な作品、または、定番的な作品、作り続けている作品の中から、ひとつをご紹介ください。

A1
屋号を立ち上げた頃より作っている作品の一つにちょうのブローチがあります。
当初は真鍮のフレームにラメ糸を編み込んでいました。
デザインはそのままに、最近は14KGFのフレームに本金糸を編み込んで、より繊細で上品な輝きと編み目の透け感を感じていただけるブローチも作っています。
ニッケ鎮守の杜の手仕事の庭に来る昆虫たちの仲間になれたら嬉しいです。

Q2
もう一つ作品について教えてください。
今回、特に見ていただきたい作品はどのようなものでしょうか。
新作や、今特に力を注いでいる作品についてひとつをご紹介ください。

A2
国産の笹和紙の糸を普段から作品に取り入れているのですが、今回、手仕事の庭で育てている楮を使って和紙糸を自作し、装身具に仕立てました。
楮の幹から和紙ができ、和紙から糸ができ、身に纏う装身具へと形を変える。
その装身具は「お守り」というデザインでちょっとした大切なものが仕込まれています。
素材を原点から作ることで自然や先人に思いを馳せることが出来ました。
お庭の楮、ぜひ探して見てください。

Q4
「工房からの風」の出展が決まってから、キンノイトさんに起こった変化について教えてください。

A4
今まで感覚的に選んできた糸に今一度注目し、どうしてその素材に惹かれるのか言葉にするきっかけになりました。
追求する気持ちもさらに湧いて生紙からの紙糸作り、新しい色の草木染めにつながりました。
作り手同士の交流や話を聞く機会も多く、刺激をいただいたり、世界の広がりのありがたさを感じています。
積み重ねていきたい探究心、柔軟に感受する心を今後も大切にしていきたいと思います。

1次選考に通過されたキンノイトさんは、その機会を活かして作り手同士や企画者との出会いを得て、制作を支える思考を育まれたのですね。
キンノイトさんの手から生まれる唯一無二の小さき美しきもの。
その素材感と共に、ゆっくりご覧いただければと思います。

キンノイトさんの出展場所は、ニッケ鎮守の杜に入って左側に沿って歩いたところ。

インスタグラムはこちらです。
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ブレイク

出展作家からのメッセージも55作家のうち、31作家をご紹介してきました。
あと、24作家からのメッセージですね。
あらためて感じる出展作家の真剣な制作への想い!
皆様に伝わりますように、

出展作家のほか、食品関係、ワークショップなどの情報も今後ご紹介していきます。
まずは、出展作家名を記したページに、追加をしましたので、ご覧ください。
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下の方にスクロールいただくと

フード
ワークショップ
風人(サポート・ワークショップ・デモンストレーション)
とお名前を記しています。

マップはこちら(後日、プリントアウトできるように、データを整えてご案内します)

今回、作家の方へ映像撮影を募りました。
16作家がチャレンジくださり、その素材をいとうゆりさんに編集をしていただきました。

16作家それぞれにインスタグラム用に編集いただいたものは、作家紹介に合わせて公開していきます。

また、3作家ずつ3本、9作家の編集分は、ニッケコルトンプラザ内のデジタルサイネージで本日から公開されました。

サクッと画像ですが、こんな感じで館内数か所、開催当日まで映し出されます。

記録用にyoutubeのショート動画にも上げましたので、ご覧いただけましたら。

〇 榎並伸太郎さん/スプーン榧(かや)さん/戸隠かごや 朗々 -rou rou-さん
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〇 山野うさぎさん/Leather Lab. hi-hiさん/樋野由紀子さん
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〇 旅する羊さん/glassworks treさん/アトリエひと匙さん
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ちょうど山野うさぎさんのところが流れるのを見ていたお客様が
「まぁ、かわいい!」
とお声をあげてくださっていました。
当日に向けて、佳き情報宣伝になることを願っています。

では、引き続きの作家からのメッセージ、どうぞお楽しみに~

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1loom(染織)

Q1
「工房からの風」への出展作品についてお尋ねします。
1loomさんの代表的な作品、または、定番的な作品、作り続けている作品の中から、ひとつをご紹介ください。

A1
これまで何度も織ってきたデザイン「玄/KURO」を紹介します。
私が感じている織の魅力は、“柄”を作るだけでなく経と緯の重なりによって立体的な質感を生み出せるということです。
それを一番表現できたものがこの作品です。

幾つかの織組織が一つの布の中に存在し、一見シンプルな格子模様ですが、よく見ると様々な表情が見えてくると思います。
手触りには濃厚なとろみ感があり、綿素材で秋冬春と使っていただけるボリュームのあるストールに仕上げました。
今回はシリーズとして藍を多く使ったもの、遊び心を入れたものも持っていきます。

Q2
もう一つ作品について教えてください。
今回、特に見ていただきたい作品はどのようなものでしょうか。
新作や、今特に力を注いでいる作品についてひとつをご紹介ください。

A2
この夏「漣SAZAMANI/凪NAGI」シリーズ制作のため、徳島の馴染みの工房にお世話になりました。
藍染めのグラデーションは深く、後染めによって織だけでは表せない藍色の魅力が生まれます。

藍瓶の吸い込まれそうな深い黒緑の表層と向き合い、何度も繰り返し染めていきます。
灰汁を洗い落とし藍本来の色が見えてくると、水の反射でより透き通った美しい青に目が覚めます。
その瞬間の光景が見たくて、また何度でも藍染めをしたくなります。

染めた直後の瑞瑞しい藍を、少しでも感じてもらいたいとこの作品を制作しています。

Q3
1loomさんの「工房」で印象的な「もの」をひとつ教えてください。

A3
1loomを始めた頃に海で出会った猫のもん、お別れも経験しました。
もんの大切なものを入れている手作りの巾着は、心のお守りのようにいつもお部屋に鎮座しています。

徳島の工房では朝日が差し込む部屋と西陽の当たる部屋に織り機を置いていました。
冬になったら午前は朝日の部屋、午後は西陽の部屋に移動して自然の暖房を。
夏はその逆。

猫の習性と同じだったようで、気付くといつも同じ部屋に。
私が機織りしている隣ですやすや眠ったり、窓の外を警備したり。
作家としての開拓の時期を見守ってくれた、良き相棒です。

もんちゃん、っていうんですね。
『作家としての開拓の時期を見守ってくれた、良き相棒』
猫と共に生きる私には何だかじーんと心に響いて、目頭熱くなってしまいました。

東京の美術大学に入られてより、現在は関東で制作される1loomさんは徳島のご出身。
徳島の美しい藍を中心に織りを続けていらっしゃいます。
若々しい感覚で、伝統の豊かさに学びながら織り上げられた布。
風にそよがせ、光を通して、その美しを感じていただけたらと思います。

1loomさんの出展場所は、ニッケ鎮守の杜に入って少し歩くと出会う梅とアーモンドの木の間。

インスタグラムはこちらになります。
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工房からの映像もご覧ください。
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アトリエひと匙(金属装身具)

Q1
「工房からの風」への出展作品についてお尋ねします。
アトリエひと匙さんの代表的な作品、または、定番的な作品、作り続けている作品の中から、ひとつをご紹介ください。

A1
シルバーや真鍮素材で作った「tibumi(ちぶみ)ブローチ」 です。

沖縄の自然が育んできた薬草・フーチバー(ヨモギ)がモチーフです。
工房を立ち上げたときに、家族や友人の健康と幸せを願い、お守りのように身に着けられる装身具として作り始めました。
沖縄方言で「つぼみ」は「ちぶみ」といいます。
ヨモギの花言葉が「幸福」だと作り始めて、しばらくしてから知りました。

Q2
もう一つ作品について教えてください。
今回、特に見ていただきたい作品はどのようなものでしょうか。
新作や、今特に力を注いでいる作品についてひとつをご紹介ください。

A2
沖縄の工芸、金細工の房指輪(フサユビワ)をモチーフにした「房指輪ピアス」です。

むかし、親が嫁ぐ娘の来世までの幸せを願い、7つの吉祥文様に願いを託し贈った房指輪。
扇、花、魚、蝶、葉、柘榴、桃の七つの文様にはそれぞれに幸せな生活を続ける上で欠かせない、大切なものを表しています。
沖縄の文化をまとう、おまもりアクセサリーです。

Q3
アトリエひと匙さんの「工房」で印象的な「もの」をひとつ教えてください。

A3
ENTROのペンダントライト。

工房に併設する小さなギャラリーのために、ガラス作家の友人に作ってもらいました。
形はストゥーパ(仏塔)について話した過去の会話からイメージされ、ひと匙のイメージカラーでもある琉球藍の青色と、菌の発泡作用を内包した実験的なライトです。
まいにち、アトリエを照らしてくれています。

沖縄県南城市から出展くださるアトリエひと匙の濱元香織さん。
ミーティングにもはるばる駆けつけてくださるとても熱心な作家の方です。

沖縄に古くから伝わる祈りのあるかたち、装身具。
それらに敬意を抱きながら、新鮮な気持ちで今に作られた作品は、現代に生きる私たちの身を守る佳き飾りとなることでしょう。

アトリエひと匙さんの出展場所は、ニッケ鎮守の杜に入ってレンガ道を進んだ先。

ホームページはこちらです。
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工房からの映像はこちらをご覧ください。
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mnoi(革)

Q1
「工房からの風」への出展作品についてお尋ねします。
mnoi(ムノイ)さんの代表的な作品、または、定番的な作品、作り続けている作品の中から、ひとつをご紹介ください。

A1
mu long wallet
縫い目を無くし革本来の力強さ、大小深い浅い傷をも美しく、その人の軌跡や装飾にと考えています。
そこへ一つ一つ透かし技法を施した真鍮チャームを合わせ、陰影や空気の流れ、日々のふとした瞬間を感じられるようにと想いを込めて制作しております。

Q2
もう一つ作品について教えてください。
今回、特に見ていただきたい作品はどのようなものでしょうか。
新作や、今特に力を注いでいる作品についてひとつをご紹介ください。

A2
珍しい和牛を使ったバッグにはワックスやオイルが多く含まれ深く艶やかに、季節の変化も楽しめます。
形状維持能力や繊細な表情を活かした膨らみや滑らかな形、彫刻のような佇まいへと育っていきます。

Q3
mnoiさんの「工房」で印象的な「もの」をひとつ教えてください。

A3
部屋の片隅で偶然見つけた大塚の祖母のミシン椅子。
座り心地や高さも丁度良くとても気に入っています。
僕はお会いした事がないのですが椅子を通じ、ミシンの前に座ることで、モノを作る喜びやその人の面影を感じ繋がっているように思います。
座面はこの椅子のため探したカピパラの革に張り替えています。

『革職人と金属装飾家の夫婦ではじめたムノイ
ただの日用品としてだけではなく
​今、その空間にある モノ としての美しさ、力強さを』

mnoiさんのホームページの冒頭で綴られている紹介文。
美しい存在感を醸し出すバッグや革小物は、おふたりの感性と技術のハーモニーから生まれてきます。

mnoiを立ち上げて若々しい2023年に出展くださってからの今年。
アイテムの多さよりも高い完成度のひとつひとつの作品群。
作家自らのご説明のもとに、ぜひゆっくりご覧いただければと思います。

mnoiさんの出展場所は、ニッケ鎮守の杜に入って右側のテントの並び。
お隣は、草木の色の「アトリエ桒雨」さん。

インスタグラムはこちらになります。
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アトリエ桒雨(草木の色)

Q1
工房からの風」への出展作品についてお尋ねします。
アトリエ桒雨(そうう)、藤本里菜さんの代表的な作品、または、定番的な作品、作り続けている作品の中から、ひとつをご紹介ください。

A1 
草木の顔料です。

そのままではこの世に留まれない草木の秘めた色。
草木染めは物質を通して草木の色が、この世にあったということを喜びをもって確認する作業でした。

草木の色はどれも、なぜか懐かしく美しく。
その色がどこから来ているのか知りたいと願い、色をそのものとして留め手にすることは出来ないものか思案する中、草木顔料とも出会い制作を続けています。

草木顔料は自然の色の結晶です。
古来からの方法を学び、より自然に近い材料を使用出来るよう研究し制作しています。
化学物質のみで作られた顔料や染料が主流になる以前のあたたかで美しい色。
季節と共に繊細に移ろう草木の色、現在200種以上の草木から色を頂いています。

Q2
もう一つ作品について教えてください。
今回、特に見ていただきたい作品はどのようなものでしょうか。
新作や、今特に力を注いでいる作品についてひとつをご紹介ください。

A2
草木の原石クレヨンです。

草木花の色が地に帰っていくようなひとつの植物からの色の機微を地層の様に積み重ねて制作した石に見立てたクレヨンです。
櫨蝋の美しいつや感が移ろいの色を引き立たせてくれます。
使用していく度、角が取れ地層の様なグラデーションが現れ、石の様に模様、形を変えていきます。
色を純度の高いものにするため顔料の余分な塩(えん)を取りのぞき粉砕後の顔料をさらに手挽きし高配合しています。

Q3
アトリエ桒雨さんの「工房」で印象的な「もの」をひとつ教えてください。

A3
染め場の自然光のさす透明な天井です。

アトリエは築100年程の建物を改装しており、元々は納屋の様に使われていた所を一から手を入れ染め場を作りました。
その際に自然の光が入る様にしたいとのわがままを、夫が案を出し大工さんと共に施工し叶えてくれました。

自然の色は、自然の光の中でこそ現れてきてくれることを実感させてもらえるなくてはならないものです。
日々、その日の光の中で草木の色を探しています。

桒雨
桒とは桑の異字体で「そう」と読みますので、桒雨は「そうう」。

届いた応募用紙、何度も何度も読み返しました。
23回目にして初めてのジャンルでしたらから。

藤本里菜さんは染織の人間国宝のもとで学び、その先に色そのものを作り出して、人に手渡していく仕事を拓いて来られたようです。
具体的には「顔料」や「クレヨン」の販売。
これらは、ものづくりのプロが欲するものでもあり、私のような素人でも何かを描きたくなる絵心を刺激する魅力に満ちています。

自作の染色布の展示もあわせ、今までの「工房からの風」では見られなかった作品構成が現れること、楽しみで仕方ありません。

アトリエ桒雨さんの出展場所は、ニッケ鎮守の杜のゲートを入って庭園の縁に沿って並んだ4つのテントにひとつ。
okapiさんの隣です。

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okapi (帆布カバン)

Q1
「工房からの風」への出展作品についてお尋ねします。
okapiさんの代表的な作品、または、定番的な作品、作り続けている作品の中から、ひとつをご紹介ください。

A1
messenger bag

普段からジェンダーレスを意識して制作しています。
このmessengerは特に年代、ジェンダー関係なく様々な方に使っていただけるものになっていると思います。
小さなお子さんのいる方には、様々な着替えやおもちゃなど沢山のお子さんのものを入れるカバンとして、
ジムやピラティスなど着替えや室内用シューズなどを運ぶカバンとして、
1泊の出張用として、
時を経て変化する生活環境に対応できるカバンです。

毎回描くカバンの柄によっても随分雰囲気が変わります。
 migiwa / 海や川の水の流れの際(汀)の様子

Q2
もう一つ作品について教えてください。
今回、特に見ていただきたい作品はどのようなものでしょうか。
新作や、今特に力を注いでいる作品についてひとつをご紹介ください。

A2
STORM

大好きな家族の可愛い子どもの名前がSTORMと言います。
わたしは彼がお腹の中にいる時から生まれてくるのを楽しみにしていました。
生まれてからも可愛くて大好きで、彼がこの世界に出てきたことに素晴らしさを感じています。

彼の名前からインスパイヤされて、彼の名前の付いたカバンを制作したくて作ったカバンです。
STORMという柄の名で、何種類かのカバンの形で展開しています。
最近は色の組み合わせを、白×黒、黒×白、白×シルバー、黒×ゴールドと、様々試してみています。

Q4
「工房からの風」の出展が決まってから、okapiさんに起こった変化について教えてください。

A4
クラフトフェアに参加するのはとても久しぶりで、わたしのプロフィールの中では珍しい機会です。
参加が決まったことで、デザイン、アート、クラフトとフットワークを軽く保ち、それらを横断するように活動することが、自らの特色として際立つことができるのでないか、と思うようになりました。

普段から自分の制作するカバンを「日常で持ち運べるArt Piece」のようなものにしたいと考えています。
技術を伴ったクラフトとしてのカバンをより意識して制作、活動することが、今後できるのではないかと考えられるようになりました。

「工房からの風」の会場に、アートピースのような帆布のカバンがたっぷり並ぶと晴れ晴れと気持ちよいでしょうね。

okapiさんの出展場所は、ニッケ鎮守の杜、ゲートから入って右側、野田マリコさんのお隣です。

インスタグラムはこちらになります。
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野田マリコさん(ガラス)

Q1
「工房からの風」への出展作品についてお尋ねします。
野田マリコさんの代表的な作品、または、定番的な作品、作り続けている作品の中から、ひとつをご紹介ください。

A1
「紡ぐ実シリーズ」です。
作り始めて15年程、毎年のように新作を発表してきました。

コンセプトは夢を紡ぐ実。
私は幼少から毎日リアルな夢を見るのでまるで二つの世界を生きているように感じる時があります。
その世界にはこんな実たちが実る樹があるかもしれない。
忙しい日常から一時でも心を遠くへ飛ばせるような存在になれたらと思います。

Q2
もう一つ作品について教えてください。
今回、特に見ていただきたい作品はどのようなものでしょうか。
新作や、今特に力を注いでいる作品についてひとつをご紹介ください。

A2
鋳造技法で作る氷のような花入れたちを是非お手にとっていただきたいです。

硝子のかたまりが好きなので、その美しさを感じていただける氷のような花入れは、色を抑えながらもどっしりと存在感があり、植物の魅力を一層引き立てる事を目指しています。
永く暮らしと共にあるひと品になりますように。

Q3
野田マリコさんの「工房」で印象的な「もの」をひとつ教えてください。

A3
制作時に作業場から見える「裏庭」です。

作業の合間に庭をぐるりと一周しながら枯れた花を摘んだり雑草を抜いたり伸びすぎた枝を切ったりしているとふわーっと心が軽くなります。
ライフワークとして花入れを作っているので、庭の植物は仕事にも欠かせません。

新しいデザインの作品を作った時などは、植物の良さを引き立てているか挿して確認してから世に送り出しています。

野田マリコさんの出展は2016年から9年ぶりとなります。
その間、定番となる作品群を成熟させて、また、新たな創作をかたちに実らせてきました。
9年前は愛らしく感じられた作品構成が、すっかりレディーの品格も感じさせるような愛らしさに進化されています。

庭、植物もこよなく愛する野田マリコさんは、今回ブースの中でガラスと植物の素敵空間を創りだそうと構想されています。
マリコさんのガラスの花器とのコラボレーション、とても楽しみですね。

そして、月間MOEの9月号では、野田マリコさんの記事頁が掲載されています。
「夢の世界に誘う果実のように」
とサブタイトルが書かれたページ、こちらからも少し見ていただけます。
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野田マリコさんの出展場所は、ニッケ鎮守の杜、ゲートを入って右側に進んですぐのところ。

インスタグラムはこちらです。
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榎並伸太郎さん(陶芸)

Q1
「工房からの風」への出展作品についてお尋ねします。
榎並伸太郎さんの代表的な作品、または、定番的な作品、作り続けている作品の中から、ひとつをご紹介ください。

A1
僕の作品の中で1番最初に完成したのが、リム皿でした。
平らな器で流線の鎬模様がどうしたら美しく見えるのか何度も考えました。
リムの部分に段をつける事で、模様がより浮き出て見え、光が当たった時に陰影がはっきりと現れる工夫をした作品です。

Q2
もう一つ作品について教えてください。
今回、特に見ていただきたい作品はどのようなものでしょうか。
新作や、今特に力を注いでいる作品についてひとつをご紹介ください。

A2
茶漉し付きのマグカップです。
学生時代上海に留学中に茶漉し付きのマグカップを見た事がありました。
当時は陶芸家になるなんて思っても見なかったので、あんまり意識して器を見る事がありませんでしたが、いざ自分が陶芸家になってオリジナルの器を考えてる時に、あの時見た茶漉しの付いたカップが淡い記憶で蘇り、自分なりに作ってみました。
1人でお茶を飲む時にとても便利で、お気に入りの作品です。

Q3
榎並伸太郎さんの「工房」で印象的な「もの」をひとつ教えてください。

A3
器を削る為の道具です。
僕は器を作る工程で1番好きなのが削りの作業で、削る事でより自分の理想の形に近づき一気に愛着が湧く瞬間です。
形状に応じてさまざまな鉋や彫刻刀を使用し、種類が豊富です。
包丁のように常に切れ味のいい状態をキープするために、いつもしっかり研いで大切に使っています。

信楽で作陶する榎並伸太郎は、大谷哲也さん、桃子さんの工房の「弟子1号」!として励み、今年独立したところ。
自らの名を冠して器を発表する初めての年に「工房からの風」に応募くださいました。

大谷さん夫妻が「スタッフ」ではなく、「弟子」として若手を迎える形を取られたのは、現代において「工藝作家」という生き方に進む人を育てていきたいからだと伺いました。
もちろん大変なことはたくさんあるけれど、手ごたえ豊かなすばらしい人生を拓いていくことができると実感されているからだと思います。

そんなあたたかな心映えのもとで、技術と思考を学んだ榎並さんの出展場所は、ニッケ鎮守の杜に入ってレンガ道を入った中央あたり。
インスタグラムはこちらになります。
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また、工房での制作光景はこちらからご覧いただけます。
click
映像編集:いとうゆり

追記
10月25日(土)14時から、大谷哲也さんと、ディレクターの稲垣早苗によるトークイベントを開きます。
詳しくは、あらためてお知らせいたしますね。

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相馬佳織さん(ガラス)

Q1
「工房からの風」への出展作品についてお尋ねします。
相馬佳織さんの代表的な作品、または、定番的な作品、作り続けている作品の中から、ひとつをご紹介ください。

A1
うたかたの器
「うたかた」と名づけたこのシリーズは、シンプルな器の形の中でガラスの新しい表情を探している時に生まれました。
透明な小さいガラスの粒をまとった表面は光を柔らかく受け止めるだけでなく、心地よい手触りが特徴です。
同じシリーズで不透明色もありますが、こちらは陶器のような温かさを感じる手触りになっています。
同じガラスでありながら少し肌寒くなってきた季節にも出番が増えるような柔らかさやぬくもりがある器になりました。

Q2
もう一つ作品について教えてください。
今回、特に見ていただきたい作品はどのようなものでしょうか。
新作や、今特に力を注いでいる作品についてひとつをご紹介ください。

A2
最近制作している作品のひとつ「ミチカゲ」があります。
フラット板皿で表と裏に決まりがなく、どちらの面も自由に使えるのが特徴です。
片面には色をのせマットな質感に仕上げています。
ガラス特徴であるクリアで艶のある面とは違い、落ち着いたやさしい表情を楽しんでいただけます。

色のある面に焼き菓子をのせて柔らかい雰囲気をみせたり、ガラス面にはフルーツやケーキを盛ると明るくすっきりと。
ひとつの器で、食卓の空気をがらりと変えてくれる皿になっています。
その日の気分などに合わせて、自由に使っていただけたら嬉しい作品です。

Q3
相馬佳織さんの「工房」で印象的な「もの」をひとつ教えてください。

A3
工房と同じ空間にある印象的なものという意味で、自身の「店」です。
直売店と言えばよいでしょうか。
大きなものになってしまいますが、訪れる方が制作のすぐそばで作品を手に取ってくださり、そこで会話ができる時間があることで、日々の制作を支えてくれる大切なものとなっています。

FUKUglassworksの相馬佳織さんが前回出展されたのは2014年。
11年も経ったのですね。
成熟したお仕事を皆様とともに楽しみにお待ちしています。

前回はコルトン広場での出展でしたが、今回はニッケ鎮守の杜。
入って中央の下草萌ゆる空間に建つテントです。

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