2022年10月の記事一覧

「director’s voice」New

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inch”(ビーズ装身具)

Q1
2018年に出展くださったinch”さん。
今回の「工房からの風」には、どのような作品を出品されますか?

A1
編んで編んで編み込んで、余計なものを削ぎ落とし、出来るだけ編み図もシンプルに。
そうして“必然”的な形になったinch”の粋となる作品です。

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Q2
inch”さんの工房の中で、特に大切にしている場所、あるいは部分、印象的な場所、空間、または、道具の写真を1カット撮ってください。
そして、その説明をお願いします。

A2
糸玉を入れるための器です。
作業するときに目に触れるものは、温もりのあるもの美しいもの、愛おしめるものでないと良いものは創り出せないのではないかと気づき、それまで使っていたプラスチック容器をやめ、母に制作してもらいました。
ずんぐり丸い形、飴釉の美味しそうな照りが栗饅頭のようで、糸を引き出すときに鳴るカロコロという音まで愛おしく、「どんぐり」と呼んで愛用しています。
勢いよく糸を引き出しても糸玉が飛び出さないよう蓋付で、大きい糸玉も入る大きさ。
プラスチックから陶器になったことで重量が出、ずれることなく安定して糸を引き出せるようにもなりました。
手放すことのできない道具のひとつです。

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Q3
inch”さんが自作以外で、大切にされている、あるいは、愛用されている工藝品をひとつ教えてください。

A3
もう20年以上ほぼ外すことなくしている指輪です。
指にあるのが自然で、これをしていることで自分が完成されると思われるくらい個性のひとつになっています。
この指輪のように長く使い続けられ、つけることでより自分らしく、快適で居られるような作品を作りたいと思っています。

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inch”さんの作品は、こまやかな手仕事ながら、完成した姿はクールでどこかロックな感じがします。
けれど、
『作業するときに目に触れるものは、温もりのあるもの美しいもの、愛おしめるものでないと良いものは創り出せないのでは』
との想いで、このような素敵な道具を傍らに制作されているんですね。
inch”さんの作品の魅力の奥行きの一端に触れた想いがしました。

inch”さんの出展場所は、コルトン広場スペイン階段前の大きなテントの一画。
作家ページはこちらになります。
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Q1-3
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山下透さん(陶芸)

京都市で作陶する山下透さん。
2016年以来6年ぶりに「工房からの風」にやってきてくださいます。

Q1
山下透さんは「工房からの風」に、どのような作品を出品されますか?

A1
青い器は素地の凹凸と釉薬の濃淡で模様が浮き上がる、「葉と実」と名付けた皿です。
飴色の器は表札やタイルを制作する際に使っていた装飾を、器にも彫りはじめた新しい作品です。

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Q2
山下透さんの工房の中で、特に大切にしている場所、あるいは部分、印象的な場所、空間、または、道具の写真を1カット撮ってください。
そして、その説明をお願いします。

A2
マグカップのハンドルをつくる石膏型。
陶芸の仕事をはじめた頃に試行錯誤して作ったので不恰好ですが、以来10年以上使い続けています。
これまでたくさんマグカップを作りましたが、その全てにこの型から作ったハンドルがついている、と思うと感慨深く。
作家としての原点のひとつのような気がしています。

Q2

Q3
山下透さんが自作以外で、大切にされている、あるいは、愛用されている工藝品をひとつ教えてください。

A3
小さなグラスで飲むビールをウチでは小ビールと呼んでいて、いくつかあるお気に入りのひとつが左藤玲郎さん作のモールグラスです。
分厚さはあるけれど重たくない。
モールのデザインも軽やかで手にしっくりとなじみます。
仕事終わりの晩酌に、気持ちがほどける器です。

Q3

青や飴色といった色合いがまず美しい山下さんの器。
「葉と実」の文様もまた愛らしく、料理が映えそうですね。
食器棚に揃えたくなるシリーズ、ぜひご覧になってください。

山下透さんの出展場所は、コルトン広場モニュメント周り。
お庭に向かう南側です。

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ジャム匙
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金城貴史さん(木工)

ここまで女性の作家からのメッセージが続きましたが(極楽寺がらすの岩沢彰一郎さんをのぞいて)、
今年は例年よりも男性作家が多い年になりました。
今時、性差でものごとを分けるのはナンセンスではありますが、
腕力の活かされた作品が例年よりも多いかも知れません。

岐阜県中津川市で制作する金城貴史さんは、木の匙に絞って制作を深める作り手。
2回目の出展となります。

Q1
金城貴史さんは「工房からの風」に、どのような作品を出品されますか?

A1
様々な形・用途・大きさの木の匙を展示します。
型紙を用いて製作する、食事用・調理用の匙と、型紙を用いず即興的に造形する取り分け用の大匙があります。
心が動く一本との出会いがありましたら、幸いです。

 

ジャム匙

汁蓮華

大匙

Q2
金城貴史さんの工房の中で、特に大切にしている場所、あるいは部分、印象的な場所、空間、または、道具の写真を1カット撮ってください。
そして、その説明をお願いします。

A2
作業机の正面の棚に、収集した古物の匙を並べています。
地域・時代を超えて、自分の中の匙の枠を広げてくれる物たちです。
匙に囲まれ、匙を作っています。

工房

Q3
金城貴史さんが自作以外で、大切にされている、あるいは、愛用されている工藝品をひとつ教えてください。

A
3大きな古い竹籠で、お世話になっていたギャラリーの方から頂いた物です。
季節になると、箱で買ってきたミカンを、ヘタを下にして竹籠に並べます。
暖房の届かない玄関先に置いてある、竹籠いっぱいのミカンが、我が家の冬の風景です。

竹籠

匙、スプーン。
ひとが食べ物を口に運ぶ古来からある生きていくための道具。

ひとつのものを深く追求しながらのものづくりは、どこか哲学的な行為でもあるように感じます。
使う人が使いやすいように。
心地よく、おいしくものが食べられるように。
そして、それが美しいものであるように。

金城貴史さんのブースは、ニッケ鎮守の杜、稲荷社の脇。
これからの日々の食事の友(伴)になる作品を探しにお訪ねください。

作家ページはこちらです。
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atelier bōc (製本)

5年前、空想製本屋という名前で出展くださった本間あずささん。
今回は、自ら主宰される自作手製本レーベル atelier bōc として出展くださいます。

Q1
atelier bōcさんは、工房からの風に、どのような作品を出品されますか?

A1
読むだけでなく、生活の中で飾ったり、季節のしつらいとして楽しめる手製本作品を紹介したいと思います。

雨にまつわる言葉が刷られ、本を開くと吊るしてオーナメントのようにも楽しめる『雨音(あまね)』、
頁をめくるごとに月が満ち欠けしていき、月の季語と共に月の形の変化を手の中で楽しめる『月の舟』、
窓から覗いた移りゆく雲の景色を本として表した『雲のまど』など、季節や自然をとじこめた本6種を出展します。

一点制作のアートブックも数冊お披露目したいと思います。

屋号のbōcは古英語で、「本」と「ブナ」の二つの語源となることばです。

ブナの木のように深く大地に根を張って、植物的ヴィジョンを抱きながら本と人の手との関わりを深めていけるようにと名付けました。
初出展時は「空想製本屋」としての参加でしたが、今回はこの作品制作部門の屋号で出展します。
生活空間や時間をそっと照らす、ささやかな工芸としての手製本をご紹介できれば嬉しいです。

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Q2
atelier bōcさんの工房の中で、特に大切にしている場所、あるいは部分、印象的な場所、空間、または、道具の写真を1カット撮ってください。
そして、その説明をお願いします。

A2
譲り受けた鉄製のプレス機です。
知る限りは私で3人目の持ち主で、元はイギリスで製本を勉強された方が船便で日本まで運び、その後別の方を経て、私のところにやってきました。
たいへん重く、動かすのには大人3人がかりです。

譲り受けたのは15年近く前で、会社員をしながら初個展を終えた後でした。
場所もとるし重さもあるものなので、「これからずっと製本をやっていくのだ」という覚悟を決めた覚えがあります。

それ以来、幾度かの引っ越しの度に移動に難儀しましたが、マンションの8階や古い平家の床、さまざまな場所に変わらずある存在でした。

道具としては、製本前の紙の束を平らにする際や、見返し貼りの圧力をかけるのに欠かせないものです。
どっしりと、いつもアトリエの床にある佇まいは、心の重心、のようになっているのかもしれません。
これからもこのプレスでたくさん本を作っていきたいです。

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Q3
atelier bōcさんが自作以外で、大切にされている、あるいは、愛用されている工藝品をひとつ教えてください。

A3
私のふるさとである、茨城県、笠間の焼き物です。
さまざまな作家さんの作品が混じっていますが、どれも思い入れのあるものです。
陶器市で求めたもの、好きな作家さんのもの、親の長年の友人でもある陶芸家の方のもの、実家から持ってきたもの……
気づけば家にあるうつわの多くは、笠間のものでした。
故郷で過ごした時間より離れて過ごした時間の方が長くなってしまいましたが、
毎日食卓で触れるたび、故郷の土に触れている感覚になっているのかもしれません。
大切なつながりを記憶に留めてくれる存在です。

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atelier bōc
の名前の由来も素敵ですね。
本間さん、そう、本の間、という名字がまさにぴったりのお仕事。

本間あずささんの世界。
知と手の抱くすばらしさが、デザインとしても堪能できるところがなんとも心が躍ります。
今回の出展場所は、おりひめ神社鳥居の正面に向かって右側。

作家ページはこちらになります。
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前川わとさん(陶芸)

富山県から2016年に出展くださった前川わとさん。
6年ぶりに「工房からの風」にやってきてくださいます。

Q1
前川わとさんは、工房からの風に、どのような作品を出品されますか?

A1
これまで細く長く続けて来た泥漿を重ねレリーフしていく技法の作品を出品します。
磁土の素材感の中で透け感というものが魅力の一つだと思うのですが、積層した磁土を削った際にでる水彩絵の具を重ねたような色味を感じていただけたらと思います。

普段は中量産的な仕事もしているのでそのイメージがあると少し驚く方もおられるかもしれません。自分の表現の中で一番大切にし悩み考えてきたものを「工房からの風」という機会にご覧いただけること嬉しく思っております。

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Q2
前川わとさんの工房の中で、特に大切にしている場所、あるいは部分、印象的な場所、空間、または、道具の写真を1カット撮ってください。
そして、その説明をお願いします。

A2
私の工房は自宅の1階部分で、2階が住居スペースになっています。
なので、厳密にはこの場所は工房では無いのですがこちらを紹介したいと思いました。
インドのカンタをかけたソファーの横には、祭壇と呼んでんでいる大事な物を集めたスペースがあり。
少しずつ集めたアンティークや工藝品を飾っています。

朝起きたら、このソファーに座ってコーヒーを飲みながらその日の仕事の段取りをし、時には事務仕事をしたり、ランチを食べたり。

作業中以外のほとんどの時間をここで過ごすので、私にとって気持ちを整えるとても重要な場所です。

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Q3
前川わとさんが自作以外で、大切にされている、あるいは、愛用されている工藝品をひとつ教えてください。

A3
アンティークのレース刺繍です。
極細の糸を編み上げた繊細なもので、こんな雰囲気の仕事をいつかしてみたいなぁと思って、
その気持ちを忘れないようにと、その当時の自分には少し高価な物でしたが少し背伸びをして手に入れました。

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studio moccaとして、制作発表を続ける前川わとさん。
磁器ならではの美しい表情との再会がとても楽しみです。

前川わとさんの出展場所は、ニッケ鎮守の杜の入って中ほど。
作家ページはこちらです。
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aei (装身具)

2015年に初めての出展をされたaei の桑山明美さん。
7年ぶりにこのアニバーサリー展へ出展くださいます。

Q1
aeiさんは、「工房からの風」に、どのような作品を出品されますか?

A1
金属加工によって制作した装身具、オブジェをお持ちします。

画家が風景を描くように目で見た景色や日々の些細な出来事を作品に閉じ込めて表現しています。
ひとつひとつに名前を付けて物語を伝えています。
是非合わせてご覧ください。

今回、糸鋸によって板材を切り抜き制作する“すかし”という技法の作品を特に力を入れました。
手仕事のくせのある風合いをお楽しみいただけたら幸いです。
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Q2
aeiさんの工房の中で、特に大切にしている場所、あるいは部分、印象的な場所、空間、または、道具の写真を1カット撮ってください。
そして、その説明をお願いします。

A2
2年前にアトリエを移りました。
以前のアトリエは、北に一箇所窓があるだけでとても暗い空間でした。
今度は明るいアトリエにするぞ!と意気込み、作業机は部屋のセンターに。
目の前に大きな窓を設けました。
部屋の中にして大空の下で制作している気分です。
おかげで手元がよく見えて助かります。
窓の外には田んぼが広がり、お米、麦、大豆が季節ごとに植えかえられて、いつ眺めても飽きません。
悩みは、うっかり窓の鍵に手が届かなかったことと、窓を開けすぎると風が強くて部屋中に金属粉が舞うことぐらいです。

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Q3
aeiさんが自作以外で、大切にされている、あるいは、愛用されている工藝品をひとつ教えてください。

A3
大切なものがありすぎて悩む問いでした。
考えてみると、毎日使用しているものは意外と少なく、生活の一部になっていたこれは視野に入っておらず「あ!これがあった」という具合でした。

「小川麻美さんのカップ」です。
(取っ手はないので湯のみかもしれませんが、我が家ではコーヒーや紅茶にも使うので私にはカップです。)

私が初めて野外展に参加した際に主人が購入してくれたものです。
毎朝欠かさずこのカップでコーヒーやお茶を飲みます。
何を入れても私にはこのサイズで飲む量がちょうどいいのです。
少しずつカケが出てきてしまいましたが、口をつけても気にならないのが不思議。
カップにつけられた小川さんの〇のイニシャルを娘はカタツムリ!と言っています。

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結婚、出産を経られて、今は制作発表も順調になさっているaeiさん。
初出展の後、帰宅されていの一番に送ってくださったメールが、2015年にブログに残っていました。
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プロとして立っていけるか、トライする気持ちも抱えて出展された日。
その日の経験も糧として、人生のさまざまなタイミングにも作ることを手放さなかった人。
その成熟したお仕事と「工房からの風」の場で再会できることがとても楽しみでなりません。

aeiさんの出展場所は、おりひめ神社の脇。
作家ページはこちらです。
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Anima uni(装身具)

2012年の初出展ののち、毎年風人として「工房からの風」を支えてっくださったAnima uniの長野麻紀子さん。
今年は10年ぶりに出展作家として参加くださいます。
10年間で制作活動をうんと広げ、飛躍されてきました。
その独自な世界観は、高まった技術をもって自在に表現され、かたちとなって「工房からの風」にやってきます。

Q1
Anima uniさんは、工房からの風に、どのような作品を出品されますか?

A1
ふっと原点に立ちかえってみたくなったのでしょうか。
なにやらよくわからない力に突き動かされ、10年ぶり2回目の出展です。

はじめての時は、スペイン階段下のテントで緊張した面持ちで佇んでいたら、
あれよあれよという間に終わっていた2日間でしたが、
あれから、わずかでも進化できているのでしょうか。

迷いながら、立ちどまりそうになりながら
揺れて、揺らいで
それでもわたしを内側からつきうごかすなにか。
たましいがふるえるからつくる、つくらずにはいられない、
そういうのだけを掬いとって集めたのなら。

作品があるひとつの形態をなしてから、また変奏曲のように刻一刻と変わりゆき
あたらしい和音が謐けさのうちにたちのぼる。
そんな印象の今回の作品群では、庭のシリーズが深化して
四季折々、とりわけこっくりと秋の実りの季節が展開されます。
エルダーには深紫のベリーがたわわに実り、豊穣を唄います。

またずっと作りたかった<ふれる ear cuff>が完成して、
お披露目いたします。
研ぎ澄まされたバランス感覚から生まれてくる色石の作品。

はじめること、つづけていくこと、おわりを告げること、
どこの地点においてもたいへんで、愛おしい日々なのでしょうか。
それぞれの日々に祝福あらんことを願いつつ。

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Q2
Anima uniさんの工房の中で、特に大切にしている場所、あるいは部分、印象的な場所、空間、または、道具の写真を1カット撮ってください。
そして、その説明をお願いします。

A2
彫金机

身長、腕の長さ、てのひらの大きさ、
細部に渡る隅々までわたしの身体と動きに合わせ、フルオーダーで作っていただいたもの。
使い手にとことん寄り添ってくださるアトリエ倭さんのすばらしいお仕事です。
動くわたしをフレーミングしている、という視点から考えると、
先の倭さんの個展でのオーダーフレームと相通じるものがあるような気が多分にいたします。

眼前の大きな硝子窓のむこう、エルダーの木がサワサワと梢を揺らし、
小鳥たちがピチチチとのぞきこんでいきます。
明るい陽光がしずかに射し込んで、白い机と壁面をちろちろきらめかせるなか作業する
冬のあさが一等好きな情景です。

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Q3
Anima uniさんが自作以外で、大切にされている、あるいは、愛用されている工藝品をひとつ教えてください。

A3

◯絶賛愛用中

松塚裕子さんの珈琲カップ&ソーサー
朝から晩まで。もう365日手放せません。苔むした竹っぽいから、竹苔カップと勝手に命名。
なんでしょう、この吸いつくような手触り。これで飲む珈琲の美味しいこと。

◯宝物

佐藤亜紀さんからいただいた茜と藍染の糸巻き
これは神棚風に作業場の上の方にしつらえてあって、いつでも彫金作業を見守ってくれているのです。

下地康子さんからいただいた草木染めの糸一式
織の際に出る端っこだそうで、あまりに美しくて言葉を失う色糸。
後生大事にしまってありますが、いつか作品に使わせていただく時がくるかもしれません。
恐れ多いことですが。

武井春香さんの藍甕で染めていただいた真珠
あらたに加わった宝物。なんとも愉快な思い出と共に、この青い真珠を眺めることでしょう。

大野八生さんの落書きのうちのネコ
八生さんからの小包とか紙袋には落書きがしてあるので、もう絶対に捨てられません。

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2012年には、工藝作家のつながりをあまり持っていなかったというAnima uniさん。
この10年豊かに工藝作家とのつながりを育まれて、制作と日々の暮らしの両輪が豊かになられた一端を感じられるメッセージを寄せていただきました。

Anima uniさんの出展場所は、おりひめ神社の奥。
作家ページはこちらになります。
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飯野夏実さん(陶芸)

2013年に初出展くださり、その後作品発表を豊かに続けて来られた飯野夏実さん。
実力を蓄えて、アニバーサリー展に二回目の出展を果たしてくださいます。

Q1
飯野夏実さんは「工房からの風」に、どのような作品を出品されますか?

A1
金彩色絵の磁器作品を出品します。
4分の3くらいはお皿やカップなどの食器、4分の1はアクセサリーや小物入れなど食器以外のものになります。

制作方法としては、箸置きやアクセサリーなどの小物以外、ほとんどのものがロクロ成形です。
上絵付け(本焼きが終わったあとに絵付をして800℃くらいで焼き付ける)がメインですが、下絵付け(素焼きの段階で染み込ませるように絵を描く)、和紙染め(下絵付けの一種で、筆で直接描かずに型紙に絵の具を染み込ませて模様をつける)、いっちん(土の絞り出し)、クエルダセカ(スペインの釉薬掛け分け技法)など、さまざまな装飾技法を取り入れています。

温かみのある白い生地に、私の大好きなお花模様や動物の模様を、華やかな色絵金彩で施したものが多いのですが、私のもうひとつのライフワークでもあるウクライナのピサンキ、西洋中世の装飾美術、イスラム建築の唐草模様、などなど世界中の私の好きなものからインスピレーションを受けつつ、20代半ばに絵付けの勉強をした京都の清水焼の影響もあるかな、という無国籍にミックスされた感じになってきたような気がします。

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Q2
飯野夏実さんの工房の中で、特に大切にしている場所、あるいは部分、印象的な場所、空間、または、道具の写真を1カット撮ってください。
そして、その説明をお願いします。

A2
今年のはじめに埼玉県から台東区に引越しまして、新しい工房を作ったのですが、外から見ても楽しいアトリエになるように、窓下の腰壁のモルタル部分にモザイクを施しました。
色ガラスと大理石をランダムに割って組み合わせたブローチのようなパーツを70個ほど作っておき、壁に埋め込みました。

私も、左官をしてくれた職人さんも、こんなことをするのははじめてでしたので、かなり苦戦しましたが、なんとかスタジオカラクサらしい壁ができあがりました。
来年のゴールデンウィークにはオープンアトリエをしようと考えています。
ぜひ遊びにいらしてください。

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Q3
飯野夏実さんが自作以外で、大切にされている、あるいは、愛用されている工藝品をひとつ教えてください。

A3
たくさんあって迷いましたが、一番よく手に取る工芸品を選びました。
津田清和さんのグラスです。
型吹きガラスのゆらぎの表情が好きで、適度な大きさとずっしり感も良く、ビールを飲むときはたいがいこれです。

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精緻な加飾の作品を生み出す飯野さんの愛用の工藝品がすっくり端正な津田清和さんのガラス。
一見離れた表現のようですが、それぞれ完成度の高さのベクトルが近いのかもしれませんね。

飯野夏実さんの出展場所は、ニッケ鎮守の杜の中央あたり。
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極楽寺がらす工房(ガラス)

鎌倉で極楽寺がらす工房を築く岩沢彰一郎さんと睦子さん夫妻。
極楽寺がらすさんとして1度、岩沢睦子さん個人として1度出展くださっています。
今回は、極楽寺がらす工房として、アニバーサリー展に出展くださいます。

Q1
極楽寺がらす工房さんは「工房からの風」に、どのような作品を出品されますか?

A1
二人の作風が違いますので、お互いの作品と共作の作品を出展します。
彰一郎は雪代シリーズを出します。
ガラスの表面がサラサラとした肌触り、薄っすら透ける白い物や一手間加えた作品。
画像は雪代と雪代の間にオリジナルパーツを付けた透明ガラスをカップリングしたグラスになります。
他にグラス・一輪挿し・蓋物など出します。

睦子はkirieシリーズ。
黒いガラス生地を作りサンドブラスト技法で絵柄を彫り込んで表情を付けています。
自分癒しの猫柄が多いです。
彫り込んだ事で表面の凹凸の手触りが心地良く、絵柄も剥がれる心配が有りません。
グラス・花入れ・鉢・ポット等を出します。画像は月夜グラスとポットになります。

共作の干支や鏡餅は、工房立ち上げ時から2人で毎年大切に制作し続けています。
お家でホッコリ和む時間に活躍してくれれば幸いです。

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Q2
極楽寺がらす工房さんの工房の中で、特に大切にしている場所、あるいは部分、印象的な場所、空間、または、道具の写真を1カット撮ってください。
そして、その説明をお願いします。

A2
ガラスを溶かしている溶解窯です。
工房立ち上げ時、自分たちでコンクリートを流して作りました。
制作中は1200℃になり、夏場など工房内は大変な温度になりますが、冬場は近所のお爺さん達が温まりに来ます。
19年経って、所々不具合やご機嫌が悪くなりますが、この子が居ないと何も出来ません。
大切な窯です。

Q2

Q3
極楽寺がらす工房さんが自作以外で、大切にされている、あるいは、愛用されている工藝品をひとつ教えてください。

A3
「信楽焼 長角皿」 案山子窯陶芸工房 故山田先生より譲り受けた作品です。
ガラス製品とは対照的な大地を感じさせる大胆なテクスチャーに魅せられて愛用しています。

Q3

貴重な窯の画像もありがとうございます。
今年の猛暑の中にも、制作に励まれたおふたり。
爽やかな秋の日に、皆様と制作の実りを介して豊かな交流がはかれますように。

極楽寺がらす工房さんの出展場所は、ニッケ鎮守の杜の中央部。
作家ページはこちらです。
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作品2
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吉岡さおりさん(フェルト)

今年はフェルトの作家はおふたり。
そのおふたりともが3回目の出展となります。
それぞれが成熟した独創的なフェルト制作を展開されています。
では、高知県から3回目の出展となる吉岡さおりさんからのメッセージをご紹介します。

Q1
吉岡さおりさんは、「工房からの風」に、どのような作品を出品されますか?

A1
今回は、フェルトジュエリーと布フェルトバッグなどを出品予定です。
心に響いたことや留めておきたいと思ったこと、そんな気持ちや考えを形にしてみたいと思い、フェルトジュエリーを作りました。
胸元や耳元に不思議な記号たちが散らばると面白いのではと思っています。

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作品3

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吉岡さおりさんの工房の中で、特に大切にしている場所、あるいは部分、印象的な場所、空間、または、道具の写真を1カット撮ってください。
そして、その説明をお願いします。

A2
フェルト制作に欠かせないものは、水。
制作していると時折、水で”縫っている”ような感覚になります。

今日はふと顔を上げると、魚か何かが泳いでいるように水の中にフェルトが泳いでおり、そのゆったりとした景色をしばらく見つめて、写真を撮ってみました。

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Q3
吉岡さおりさんが自作以外で、大切にされている、あるいは愛用されている工藝品をひとつ教えてください。

A3
このお茶碗は、随分前にに女性の作家さんから購入。
大きいので何度かご飯を盛られそうになった事も数知れず。

仕事後、このお茶碗でお茶を飲むことが現実世界に戻ってくるための儀式のようになっています。
随分、色味も変化し欠けも作ってしまいましたが、私の好きな器です。

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工藝は、火や水など自然のエレメンツと結びついて制作されますが、フェルト制作の水との関りを、このように捉える感性がとても素敵ですね。

吉岡さおりさんのブースは、おりひめ神社のお社の脇。
作家ページはこちらになります。
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今野恵さん(フェルト)

Q1
今野恵さんは、「工房からの風」に、どのような作品を出品されますか?

A1
ショールやバッグ、帽子、アクセサリーの身につけるフェルトと、モビールやクッションなどお部屋に飾るフェルトを出品します。
蝶々のモチーフが付いた立体的なベレー帽やフェルトボールのモビールは新しい試みで制作しました。

ブースの中にモビールを飾りますので、ゆったりとゆらめく様子を楽しんでもらえたら嬉しいです。
フェルトのクッションや猫型クッションも出品しますので、フェルトの温もりを体感していただきたいと思っています。

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Q2
今野恵さんが、工房の中で特に大切にしている場所、あるいは部分、印象的な場所、空間、または、道具の写真を1カット撮ってください。
そして、その説明をお願いします。

A2
祖母と母から譲り受けた年季の入ったお茶箱です。
羊毛を入れてます。

フェルト前の羊毛を湿気から守ってくれます。
乾燥剤を入れなくてもいつもカラリとしてふわふわの状態を保ってくれます。
「さて、今日は何を作ろうかな」とお茶箱の蓋をあけるときに宝箱を開ける気分になるのも良い感じです。

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Q3
今野恵さんが、大切にされている、あるいは、愛用されている工藝品をひとつ教えてください。

A3
アトリエ倭さんの「森のスピーカー」です。
制作時間に聞くラジオや音楽の音が耳触りの良い優しい音になります。
壁掛けにもなりますが、私は作業場所を移動するときは連れていき、いつも一緒に制作を見守ってくれる相棒のような存在です。
好きなラジオ番組は、「武田鉄矢の今朝の三枚おろし」です。

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今野恵さんのフェルトは、野性的というか野性をしっかり作り手が受け止めて形にしたもの。
その形が、力強さの中にも愛らしさがあふれているのが、他の作家の作品にはない独特な魅力です。
久しぶりの大きな野外展にむけて、新作も豊かに構成されているようで、とても楽しみですね。

今野恵さんの出展場所は、コルトン広場で、ニッケ鎮守の杜の入り口の近く。
作家ぺージはこちらです。
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いわもとあきこさん(裂織り)

第20回「工房からの風」まで、あと1週間となりました。
毎日、天気予報が気になる期間がやってきましたねー、いよいよ‼
よいお天気を祈りつつ、企画事務局も、日々準備を進めております。

今日から、恒例となりました出展作家の方々からのメッセージをお届けいたします。
毎回、このブログ形式のメッセージを「熟読」して(「予習」という方もいらしたり・・)
より丁寧に作家の作品に向かってくださる方が多いのが「工房からの風」のひとつの特徴となってきたように思います。
54ブース。
読み応えありますよー。

その54ブース。
今年は、複数回出展作家がいつもより多いのも特徴です。
3回目の方が4ブース
2回目の方が20ブース(2回目の方が多いんですね)
とはいえ、初出展の方が30ブースと、一番多いのが初出展の方々!

まず3回目の出展作家の方々、そして、2回目、
そして初出展の方々からのメッセージをご紹介してまいります。

最初は、香川県高松市からのいわもとあきこさんです。

Q1
久しぶりに「工房からの風」に帰って!きてくださったいわもとさん。
今回は、どのような作品を出品されますか?

A1
いろいろな色でいろいろな柄を織り込んで、いろいろなかたちの裂き織のかばんを作っています。
マイナーチェンジを繰り返して、たどり着いた今の一番をご覧頂けたらと思っています。

そしていつも意識している端材の存在。これを生かしたかばん以外の何か。も、並べたいと思っています。
ちょいと笑って帰ってもらえたらこれ幸いです。

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Q2
いわもとあきこさんの工房の中で、特に大切にしている場所、あるいは部分、印象的な場所、空間、または、道具の写真を1カット撮ってください。
そして、その説明をお願いします。

A2
作業場として借りた建物は、75年前に建てられた町のお医者さんで、レントゲン設置などの関係で壁には鉛が挟まっているとのこと。
この壁には釘も押しピンも刺さりません。
唯一いい場所に釘が一本。
ここには時計をかけなさいなと言われたかのように時計をかけました。
会ったことはないけど、壁を見るときっといい先生だったように思えて安心します。

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Q3
いわもとあきこさんが、大切にされている、あるいは、愛用されている工藝品をひとつ教えてください。

A3
耐火ポットは、知り合いの陶芸家の方のもの。
冬はストーブにのせて、常にお湯を沸かします。
夏はコンロでお茶を沸かして冷ましてがぶがぶ飲みます。
気が付いたら一年中使っています。
ペンギン的なシルエットと存在感も気に入ってます。無いと困ります。

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コロナ禍で久しぶりの関東遠征!ではないでしょうか。
いわもとさんの展示ブースは、ニッケ鎮守の杜「galleryらふと」の前です。
カラフルな裂織りのバッグが鮮やかにハタメク、元気のよい光景が映し出されますね!

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