2025年10月の記事一覧

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Yu-ten(ガラス)

Q1
「工房からの風」への出展作品についてお尋ねします。
Yu-tenさんの代表的な作品、または、定番的な作品、作り続けている作品の中から、ひとつをご紹介ください。

A1
「雨上がり」のシリーズです。
雨が上がったあとの瑞々しくきらめく情景を、朝・夕・夜で時間ごとに色分けした3種類を展開しています。
朝の澄んだ爽やかさ、夕やけの優しい温かさ、夜の凛としたきらめきを楽しんでいただけると嬉しいです。

Q2
もう一つ作品について教えてください。
今回、特に見ていただきたい作品はどのようなものでしょうか。
新作や、今特に力を注いでいる作品についてひとつをご紹介ください。

A2
星空のシリーズです。
学校や職場からの帰り道、星空を見上げて穏やかな気持ちになった思い出をもとに制作しているシリーズですが、今回リニューアルいたしました。
今まで使ったことがない色や、ガラスを還元させて輝きを出す技法を用いて星空を表現するため試行錯誤したので、ぜひ繊細な輝きの表現をご覧ください。

Q3
Yu-tenさんの「工房」で印象的な「もの」をひとつ教えてください。

A3
色ガラスです。
Yu-tenの作品は記憶をもとに制作しているので、それを再現する色もとても大切になります。
色の付け方や使う量でも色味は変わりますし、少しの違いで大きくイメージに影響するので、何回も試作を繰り返しながら、記憶の色と重ね合わせています。
納得する色を見つけられた時はとても嬉しいです。

元ブライダルジュエリーデザイナーと吹きガラス職人の夫婦によるYu-tenさん。

イメージを描き出してガラス作品に形作っていく制作スタイルを重ねて、
雨上がり、しゃぼんだま、さざなみ、木漏れ日・・・とシリーズを生み出してきました。

二回目のなる今回には、ブラッシュアップされた定番のほか、
「今展限定のアドリブ的な作品も登場したら楽しいですね」
というようなお話しもさせていただきました。
さて、どんな展開になることでしょう。

Yu-tenさんの出展場所は、コルトン広場モニュメント周り。
お庭のゾーンとつなぐ広やかなところ。
インスタグラムはこちらになります。
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今井梨絵さん(陶芸)

Q1
「工房からの風」への出展作品についてお尋ねします。
今井梨絵さんの代表的な作品、または、定番的な作品、作り続けている作品の中から、ひとつをご紹介ください。

A1
定番の作品は、マグカップです。
工房のある酒々井町のカフェ「tamaya cafe」でも使っていただいています。
うつわの大きさ、取手の形など、制作を繰り返す中で少しずつ改良し続けています。

Q2
もう一つ作品について教えてください。
今回、特に見ていただきたい作品はどのようなものでしょうか。
新作や、今特に力を注いでいる作品についてひとつをご紹介ください。

A2
今回特にご覧いただきたい作品は「stone vase」「seed vase」と題している花器のシリーズです。
自然物の化石などをモチーフにし、植物を生けた時に一体となるよう造形しています。
当日は鎮守の森の花と合わせたディスプレイをします。

Q4
「工房からの風」の出展が決まってから、今井梨絵さんに起こった変化について教えてください。

A4
2017年に第一子を出産してからは「毎日出来ることを出来る分だけ」と制作してきていましたが、
「工房からの風」への出展が決まった今年は「本当に作りたいものを作る」という意識で臨みました。
久しぶりにブレーキよりもアクセルを強めに制作することができたと感じます。
時間のかかるティーポットなどのブラッシュアップにも取り掛かることができました。

ものづくりの時間軸と、人生の時間軸、継続していくためには、バランスも大切ですね。
ブレーキからアクセルを踏めるタイミングに「工房からの風」への出展を活かそうと取り組む今井梨絵さん。
今ならではの作陶を楽しんで、初めての出展をぜひ充実したものにしていただきたいと思っています。

今井梨絵さんの出展場所は、コルトン広場、モニュメント周りのテント。
インスタグラムはこちらです。
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laglag__(パンチニードル)

Q1
「工房からの風」への出展作品についてお尋ねします。
laglag__(ラグラグ)さんの代表的な作品、または、定番的な作品、作り続けている作品の中から、ひとつをご紹介ください。

A1
houseデザインの椅子敷き。

2019年に訪れた米バーモント州の街並みからイメージをして生まれた作品です。
2020年発刊された著書のなかで表紙となり、以降自身の代表作品となっています。

Q2
もう一つ作品について教えてください。
今回、特に見ていただきたい作品はどのようなものでしょうか。
新作や、今特に力を注いでいる作品についてひとつをご紹介ください。

A2
本革とラグを組み合わせた作品

2020年から革の手工芸を学び、
自身のラグ制作の技法と組み合わせて生まれた作品です。
バングル、バッグなど
異素材を合わせた独自の技術で制作しています。

Q4
「工房からの風」の出展が決まってから、laglag__さんに起こった変化について教えてください。

A4
今年度出展作家の関連企画の出展機会をいただきました。
他の出展作家の方々のクラフトへの想いをさらに深く感じる機会となり、わたし自身も代表作である椅子敷きへの想いを再確認することができました。
この時に感じたものごとを、これからも大切にしていきたいと想います。

laglag__さんの出展は2回目。
昨年は、ワークショップを行ってもいただきました。

アメリカの東部、バーモント州(カレーで有名??)まで、はるばる訪ねて習得したパンチニードルの技法。
深く広やかな知識もお持ちですので、ぜひ会場で制作についてお尋ねになってみてください。

laglag__さんの出展場所は、コルトン広場、モニュメントの近く。
インスタグラムはこちらです。
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工房での制作光景はこちらの映像をご覧ください。
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映像編集:いとうゆり

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山野うさぎさん(陶芸)

Q1
「工房からの風」への出展作品についてお尋ねします。
山野うさぎさんの代表的な作品、または、定番的な作品、作り続けている作品の中から、ひとつをご紹介ください。

A1
代表作は、マグカップと湯呑み「ころんとカップ」です。

もともとは陶土でうさぎのオブジェを制作しており、その際の毛並み表現を活かして器に取り入れました。
可愛らしさと優しさを感じられる、どなたにも親しまれる表情やフォルムにするまでに一年ほど試行錯誤を重ねました。

制作初期には、当時アルバイトをしていたうさぎ専門店の店長に試作品を見せ、耳の長さや顔の丸みなどについて助言をいただきながら改良を重ねたことも、現在の形につながっています。

湯呑み「ころんとカップ」は、両手でうさぎを包み込むように愛でながら使っていただきたいとの思いから名づけました。
マグカップは丸みのあるフォルムと持ちやすい取っ手にこだわり、たっぷり容量を保ちながら軽やかな使い心地を実現しています。

近年は垂れ耳のデザインも加わり、より多くの方に“推しうさぎ”と出会っていただけるシリーズとなっています。

Q2
もう一つ作品について教えてください。
今回、特に見ていただきたい作品はどのようなものでしょうか。
新作や、今特に力を注いでいる作品についてひとつをご紹介ください。

A2
もう一つご覧いただきたいのは、うさぎのオブジェ作品です。

器と並行して現在もオブジェ制作を続けており、毛並みの質感や生き生きとした仕草を表現することに力を注いでいます。
日々の暮らしに寄り添う器とは異なり、オブジェはうさぎそのものの存在感や愛らしさを伝える大切な表現の場となっています。

特に目と舌の表現は、多くの方の目を引いて頂けるポイントになっています。
最初は口元は閉じた造形でしたが、開けて表情を加えることで好評をいただき、現在は積極的に取り入れています。
目の部分は「ビー玉を入れているのですか?」と尋ねられることもあり、海外製の透明度の高い釉薬を使い分け、丸くうるっとした質感を出しています。

絵を描くことが得意なので、必ずスケッチをしてから制作に取りかかります。
写真通りに再現するだけでなく、自分の記憶の中にある「最高に可愛い表情」とリンクさせ、一番可愛い瞬間を作品に映し出せるよう心がけています。
また学生時代に学んだ油絵の経験を活かし、陶芸用の絵の具や顔料を水彩画のように扱うことで、やさしくもリアルな色合いを追求しています。

Q3
山野うさぎさんの「工房」で印象的な「もの」をひとつ教えてください。

A3
大きな存在は、やはり「うさぎ」です。

幼少期から大学生まで10年間を共にした「ミミピョン」が私の原点であり、その後の制作を大きく後押ししてくれました。
現在は実家に2匹、自宅に1匹のうさぎと暮らしながら制作に励んでいます。

この写真は実家で暮らすうさぎヨーコとリンダです。

現在の作品づくりのテーマは「うさぎのいる生活を届けること」です。
うさぎが特に好きでない方でも、作品の可愛らしさをきっかけに迎えてくだされば、その家には「1うさぎ」がいることになります。
自分自身が使いたいと思えるものを形にすることから始まり、うさぎ好きの方にも、まだうさぎを知らない方にも、
「うさぎってこんなに可愛いんだ」と感じて頂けるよう、可愛い作品を作り続けていきたいです。

応募用紙を拝見した時、ちょっと驚きました。
描かれていたり、形作られているのは「うさぎ」のみなのですが、
単なるキャラクターではなく、バリエーションが豊かで、「うさぎ」愛の本気度がハンパなく感じられたのです。
(同一アイテムをキャラクター的に表現されていたら、この場には合わなかったと感じたと思います)

出展が決まり、実際に作品を拝見したり、個展へお訪ねしたり、お話を伺うほどに、制作への取り組みの真剣さに引き込まれました。
若くこれから切り拓いて行かれるものづくりの道、「工房からの風」での来場者の皆様、他作家の方々との出会いが、佳き滋養になることを願っています。

山野うさぎさんの出展場所は、コルトン広場、モニュメントの近く。
インスタグラムはこちらです。
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工房での制作光景はこちらの映像をご覧ください。
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映像編集:いとうゆり

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青人窯(陶芸)

Q1
「工房からの風」への出展作品についてお尋ねします。
青人窯さんの代表的な作品、または、定番的な作品、作り続けている作品の中から、ひとつをご紹介ください。

A1
地元の農家さんからいただいた柿灰を釉薬にしたお皿です。
質感を出すため釉薬が溶けすぎず、ガサガサにもならないギリギリの温度で焼いています。
コンピューターで1℃、1分単位でコントロールできる窯ですが実際には窯全体の3分の1くらいのスペースでしかとる事が出来ません。
開業以来、米どころ、酒どころである地元に「新潟焼」(仮称)を立ち上げる事を目標にしていますが、原点となるシリーズだと思っています。

Q2
もう一つ作品について教えてください。
今回、特に見ていただきたい作品はどのようなものでしょうか。
新作や、今特に力を注いでいる作品についてひとつをご紹介ください。

A2
食材に恵まれたご当地焼して「新潟焼」(仮称)を構想し続けていたところ、新潟県新発田市にオープンした地元食材のみを用いたオーベルジュNe(https://ne-auberge.jp/)の陶器を任せていただきました。

フランス料理という事でフラットな丸皿を連想していたのですが、和食器のような質感を重視した釉薬や焼、少し癖のある形になっており期せずして自分の構想を深める機会をいただきました。

Q3
青人窯さんの「工房」で印象的な「もの」をひとつ教えてください。

A3
阿賀町三川に築窯した穴窯です。
穴窯は登り窯以上に薪窯で焼いた火と灰の色がストレートに出る窯です。

作ったのは11年前ですが失敗続きで、焼けるようになったのは去年からです。
今年はNeの仕事とその成果発表が「工房からの風」での新機軸予定なので
特に失敗の許されない緊張した日々で、胃がキリキリしてました。

新潟焼(仮称)を実現するために課している課題として地元原料の釉薬(Q1)
地元原土の利用(Q2)
穴窯焼成による魅力的な焼成(Q3)
という事で、ようやくスタートラインが見えてきたので息の長い取り組みを続けられればと思います。

新潟県に窯を構える青人窯、大山育男さんは、3回目の出展となります。
「工房からの風」への来場を重ねてくださる方の中には、青人窯の器をご愛用の方も多いことと思います。
今回は新しい表情の作品も加わってくるようですね。

青人窯の出展場所は、コルトン広場モニュメントの近く。
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樋口萌さん(陶芸)

Q1
「工房からの風」への出展作品についてお尋ねします。
樋口萌さんの代表的な作品、または、定番的な作品、作り続けている作品の中から、ひとつをご紹介ください。

A1
染付花唐草マグカップです。
前回の出展の際に作風が決まり始め、少しづつ形や絵付を変えながら今の雰囲気に落ち着き始めました。
比較的シンプルな形に染付で絵を描いて、マットな釉薬で仕上げています。
高台部分に縄目文様を施し弁柄を巻くことで、華やかさだけでなくやきものの素材感を感じていただけるよう制作しています。

Q2
もう一つ作品について教えてください。
今回、特に見ていただきたい作品はどのようなものでしょうか。
新作や、今特に力を注いでいる作品についてひとつをご紹介ください。

A2
染付足付蓋碗です。
こちらは、私の品物を見て、中国茶を飲むときの蓋碗を作れないかとギャラリストの方にご提案いただき制作したものです。
先方の希望に力量が叶ったかは定かではありませんが、追加でご注文をいただいたり、その後他の発表の際にもご好評いただきました。
文様やつまみの形を様々にバリエーション展開して、お気に入りを選んでいただけるようにしています。
用途を中国茶に絞らず、小さな存在として手に取ってくださる方も多いように感じます。

何より自身の作っているものから発想をいただき、新しく品物が生まれたことが嬉しい体験で、
今後もこのような形で売り手の方と繋がり、買い手へ届けるという流れが生まれたらいいなと思っています。

Q4
「工房からの風」の出展が決まってから、樋口萌さんに起こった変化について教えてください。

A4
「工房からの風」はわたしにとってすこし特殊なクラフトイベントです。
それはサポートくださる同じ工藝作家でもある風人さん、そしてディレクション担当の稲垣さんの顔がそれぞれ明確に見えるというところです。
見えるということは同時にこちらも見られているのだ、と開催の日が近づくにつれヒリヒリと感じるようになりました。
前回(2023年)の出展からたかだか2年でまた選考を通過させていただけたことに感謝して、なんらかの進化を感じてもらえるように、と制作しています。
のびやかにかっこいい線を描きたいです。

二年前には未だ誕生していなかった、つまみに動物などの立体を据えた作品群。
そして、樋口萌さんが描き続ける呉須の線が益々伸びやかになっていること。
こつこつと制作を続けて来られた実りが、三重県からやってきます。

樋口萌さんの出展場所は、コルトン広場スペイン階段前。
インスタグラムはこちらです。
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柴田俊恵さん(装身具)

Q1
「工房からの風」への出展作品についてお尋ねします。
柴田俊恵さんの代表的な作品、または、定番的な作品、作り続けている作品の中から、ひとつをご紹介ください。

A1
漆の伝統工芸を学ぶ中で、上塗りや蒔絵とは異なる下地の魅力に気がつき、それらを装身具に活かしました。

下地を手でこね、何気ない日常生活で感じる自然の香り、生物の動き、音の響き、色、形、
それらが心の中で積み重なり形となって表れています。

そうしてできた物に漆の下地を塗り重ねています。
シルバーや真珠の部分は、漆を引き立てるためにシンプルなデザインにし、有機的な形と幾何学的な形を融合させることで、現代的な印象に仕上げています。

Q2
もう一つ作品について教えてください。
今回、特に見ていただきたい作品はどのようなものでしょうか。
新作や、今特に力を注いでいる作品についてひとつをご紹介ください。

A2
今回は遊びをテーマに制作をしています。
娘と粘土で遊んだ形から、漆で型をとり立体に仕上げました。
一見、重そうに見えますが中が空洞のため軽くなっています。
是非、手に取って見ていただきたい作品となっております。

Q4
「工房からの風」の出展が決まってから、柴田俊恵さんに起こった変化について教えてください。

A4
出展が決まってから、色々なことにチャレンジをするようになりました。
今まではクラフトフェアに参加したいな、という思いがあっても行動に移すこともなく時間ばかりが過ぎていました。
今年はいつもと違い意欲的に制作活動をし、新しい出会いがたくさんありました。

伝統的な漆芸を学んだ柴田俊恵さんが手がける装身具。
金属とは異なる質感と軽やかさなど、新鮮な表情も魅力です。

オヴジェもふくめ、個性豊かな作品群、楽しみですね。

柴田俊恵さんの出展場所は、コルトン広場スペイン階段前。
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加藤智恵美さん(陶芸)

Q1
「工房からの風」への出展作品についてお尋ねします。
加藤智恵美さんの代表的な作品、または、定番的な作品、作り続けている作品の中から、ひとつをご紹介ください。

A1
丸みを帯びた蓋のポット(茶器)です。
ベレー帽をイメージした形の蓋で、ポットが
帽子をかぶっているような姿が気に入っています。
陶芸を学んだ研究所の卒展でこのような茶器を作り、10年以上経った今でも家で使用しているほど、私はこの形が好きです。
丸みのあるフォルムは柔らかい印象で、使っていると穏やかな気持ちになれます。
「工房からの風」では、ボディが丸いもの・しのぎ模様を施した茶器を出展します。

Q2
もう一つ作品について教えてください。
今回、特に見ていただきたい作品はどのようなものでしょうか。
新作や、今特に力を注いでいる作品についてひとつをご紹介ください。

A2
しのぎ模様を施した花器です。
シンプルな直線の形に、細いしのぎを入れました。どんな色の草花でも、どんなボリュームの花でも映える器かなと思います。
口元は少し広げた形になっており、花首を支えられるようにしました。

Q4
「工房からの風」の出展が決まってから、加藤智恵美さんに起こった変化について教えてください。

A4
これから先のこと、5年後10年後···その先まで考えるようになりました。
これまでは目の前のやる事で、頭と体力がいっぱいいっぱいでした。

「工房からの風」は、出展決定から本番までかなり時間があります。
この期間に、一旦立ち止まって今後の作家人生をどう生きたいか、何を作って生きていきたいのかをじっくり考えることができました。

『やりたい事を絞って、そこに時間をかけ、精査する。』
これができたこと、その大切さに気づけたことは、とても有意義だったと思います。

清潔感のある白い磁土を、穏やかな丸みのあるフォルムで形づくられた器。
潔さと温もりの響きあった器は、長く暮らしを共にするほど愛着が湧いていきますね。

工房からの風出展までの準備期間を、制作と共に思考を熟す時間にも活用くださったこと。
これからの加藤智恵美さんのものづくりに、きっと活かされますね。

加藤智恵美さんの出展場所は、コルトン広場スペイン階段前。
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Tomoko Yuki(装身具)

Q1
「工房からの風」への出展作品についてお尋ねします。
Tomoko Yukiさんの代表的な作品、または、定番的な作品、作り続けている作品の中から、ひとつをご紹介ください。

A1
樹脂を用いた作品をずっと作り続けていますが、特にリングは沢山作ってきました。
エポキシ樹脂という素材を使っていて、硬化した樹脂のパーツに絵を描いて作っています。

少し前から樹脂の作品には一つ一つ名前を付け、小さな物語も一緒にご紹介するようになりました。
今回は「おかえりなさいうさぎくん」という名前の、うさぎのぬいぐるみをモチーフとしたリングを持ってゆきます。
そちらの物語も一緒に展示する予定なので、ご覧いただけると嬉しいです。

Q2
もう一つ作品について教えてください。
今回、特に見ていただきたい作品はどのようなものでしょうか。
新作や、今特に力を注いでいる作品についてひとつをご紹介ください。

A2
「はなうらない」という名前のリングが新作です。
同じ装飾でイヤカフの制作をしていたのですが、サイズの展開の幅があるシルバーのリングや天然石と合わせたもの等を新しく作っています。
はなびらが散らばっているのを見つけ、誰かがここでお花に相談事をしていたのかなぁと思いを馳せる一場面を想像し制作しました。
私は最初に樹脂を素材としてアクセサリーを作ることから物作りをはじめたので、金属と天然石で表現する作品は、新鮮な気持ちで取り組んでいます。

Q3
Tomoko Yukiさんの「工房」で印象的な「もの」をひとつ教えてください。
(制作道具、什器、壁にかけているもの、大切にしているどなたかの作品、ペット、、などなど)

A3
道具とは違うのですが、今、身近にあって嬉しいものはお客様にお渡しする紙箱です。
私は箱が好きで、お菓子の箱を集めたり、作家さんの手作りの箱を購入したり、蚤の市でジュエリーケースを探したりしています。

写真の箱は夏ごろに新しく発注したもので、樹脂の作品で紹介したうさぎくんの絵柄になります。
これまで使っていた柄を続けて使う事も考えたのですが、今はこのうさぎくんが私の心に添う絵柄だな…と感じて、なんとなく眺めていると嬉しい気持ちになるのです。
これからこの箱に入った作品たちが、どなたかのおうちへ元気に旅立って行ってくれますように…と願っています。

ame というブランド名で出展くださったのは、コロナ禍で小さく開催をした2021年でした。
今回は、お名前をアルファベットにして、フレッシュな構成で臨んでくださいます。
物語のある樹脂の作品と、新たに加わった天然石を用いた作品。
響きあってどんなディスプレイで見せてくださるのでしょうか。

Tomoko Yukiさんの出展場所は、コルトン広場スペイン階段前。
HPはこちらです。
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添田樹さん(陶芸)

Q1
「工房からの風」への出展作品についてお尋ねします。
添田樹さんの代表的な作品、または、定番的な作品、作り続けている作品の中から、ひとつをご紹介ください。

A1
代表的な作品は動物の角小皿シリーズです
あまり器に描かれない、ユニークな動物を描いています。
動物と周りの模様を関連させてデザインしてみたり、必ず絵柄の真ん中に四角の枠を設けているのですが、動物によって四角の枠をどうアレンジしようか毎回考えるのがとても楽しいです。

Q2
もう一つ作品について教えてください。
今回、特に見ていただきたい作品はどのようなものでしょうか。
新作や、今特に力を注いでいる作品についてひとつをご紹介ください。

A2
今回の新作、六角皿シリーズを特に見ていただきたいです。
今回、工房からの風に出展するにあたり「形にこだわる」「自分だけの線の表情、タッチを見つける」という目標を立てて制作をしました。
呉須を用いる下絵付けはとても奥深く、線の濃さや細さによって焼き上がった後の絵の印象が大きく変わるところが魅力だと感じております。
これからも線の細さ、濃さの表現の幅が広い中から、自分らしいタッチや線の表情とは何か?と考える意識をしていきたいと思うきっかけとなりました。

Q4
「工房からの風」の出展が決まってから、添田樹さんに起こった変化について教えてください。

A4
自分の作品をこれからどう展開していこうか。
方向性が少し見えたこと、作品をより良くするために、思いついた方法を試していく中で一つ一つの作品とより深く向き合うことができました。

第1回のミーティングに参加したことで、自分の作品への課題や気づきを得ることができました。
今回、今までの自分の作品をより良いものに越えていけるような展示にしたいと意気込み、新しい作品への挑戦や今までの絵の見直しをしてきましたが、改めて既存の作品の良いところにも気づきました。
それと同時にどうしたらより良い作品になるのか今まで漠然としていたものが固まってきた気がします。

添田樹さんも1990年代生まれの若き作り手。
制作自体は工房に籠って行うものですが、同時代にものづくりを生業としようと励むさまざまなジャンルの作り手との出会いが、創作の心を広やかにしたのではないでしょうか。
この数か月でも、ぐんと伸びた作品の姿、楽しみです。

添田樹さんの出展場所は、コルトン広場スペイン階段前。
インスタグラムはこちらです。
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