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よき機会に

第一次募集の選考を終えて、結果を投函いたしました。
ご応募くださいました皆様に心より御礼申し上げます。

今回、大変質の高い応募を多くいただきました。
コロナ禍前の2019年以来の一次募集を、実行できてよかったと思いました。
「新鮮な作り手は果実のように生まれてきます」
まさにこのフレーズのような作り手の出現を感じました。

25名を選ばせていただくのは大変難しく、27名の作家に選考通過通知を投函いたしました。
(これによって2次選考通過作家数を減らすことはありません。
2次でも25名以上の作家を選考予定です)
通過された作家の方々は、せっかくの豊かな準備期間をぜひに生かしてください。
さっそくに年明けからでもスケジュールを構築して、ミーティングなどもご検討ください。

:::

今日は、選外通知を受け取られた方に向けて特にお書きしたいと思います。

選考通過作家よりも、かなり多い数の方が選外通知を受け取られます。
とはいえ、決して愉快なことではないことと思います。
ご応募くださったお気持ちに添うことができませんでしたこと、心苦しく思っております。

大前提として、選考は力量の優劣のみの結果ではありません。
「工房からの風」という野外展を構成するイメージを抱きながら、そこになるべく合致する作家を選出したいと思っています。

そして、とても惹かれる作品写真であっても、バリエーションや出展数、現在の制作状況、
今後の方向性などを総合的に考慮して、2024年の出展が作家と「工房からの風」双方にとってよいかも考えます。

ジャンルのこともあります。
たとえばどんなによいと思うご応募であっても、同ジャンルばかりで構成することはできません。
1次としてのおおまかなジャンルごとの人数を考えていますので、それを超えた場合は見送らざるをえない作家の方がいらっしゃいました。

:::

と、いろいろ書きましたが、それは気休めや慰めや言い訳ではありません。

まず、応募用紙に向かい、ご自身の作品写真を整え、ご自身の制作を他者に伝えることを実行したこと。
素晴らしい経験だったと思います。
ご自身にエールを送ってほしいと思います。
通った、落ちた、という結果だけをみてはもったいないと思います。

そして、「工房からの風」が今のご自身に合っているか。
それもぜひあらためて考えてみてください。
機が熟して出展したほうが、きっと実りがあります。
「出た」という経験だけが残るより、「出た」ことが次につながるものであってほしいと願います。
そのような機会、タイミングに向けて、ぜひ、ご自身のお仕事を整え、進化、深化させて、よりよいプレゼンテーションをしていただきたいと思います。
それが、「工房からの風」なのか。
そして、そうだとしたら、そのタイミングがいつなのか。
二次のタイミングかもしれませんし、来年なのかもしれません。
いずれ、前向きにとらえていただきたと思います。

:::

「今回の応募が、ご自身の制作、発表の在り方を考えるよき機会となった」
そのように思うことができるのは、ご自身の力のみです。
ぜひ、今後の制作、活動に生かしていただきたいと願っています。

あらためて、ご応募をありがとうございました。

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庭の恵みの冬飾り ご予約の皆様へ

「庭の恵みの冬飾り」ご予約の皆様へ

12/17 予定通りの開催をいたします。
当日ご連絡のあるご参加者様は、お電話にてお願いいたします。
047-370-2244

こがねいろの銀杏の葉つもる庭にてお待ちしております。

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12月のワークショップ:庭の恵みの冬飾り

お申し込みをいただきました皆様へ、ご返信をさせていただきました。
未着の方がいらっしゃいましたらお問い合わせくださいませ。
galleryらふと  047-370-2244


庭の恵みのワークショップをひらきます。

12/17 (日) 「庭の恵みの冬飾り」
案内役:galleryらふと
第1回:10:30~12:00 →定員に達しました
第2回:13:30~15:00 →定員に達しました
定員:各5名様 会費:2500円

_MG_0177

手仕事の庭の植物(ローズマリー/ティートゥリー/レモングラスなど)を束ねて、
冬飾りをつくりましょう。

_MG_0243

ブーケにしてお持ち帰り。

_MG_0209

ご自宅で籠にいけたり、スワッグに仕立てたりとクリスマスの飾りとしてお楽しみください。

写真はイメージです。植物は生育状況にあわせて変わる場合があります。


○らふと室内でのワークショップとなります。
扉をあけて換気をしながらおこないますので、体温調節のできる服装でお越しください。
○マスクの着用は任意とさせていただきます。(スタッフは着用させていただきます)
○当日ご体調の悪い方はご参加をお控えください。
○急遽開催変更がある場合がございます。予めご了承のほどお願いいたします。


○ご応募は HP お申し込みフォーム から承ります。
ご希望の回(ご記入をお忘れなく!)、お名前、お電話番号をお書き添えの上、
お申し込みください。
ezwebのアドレスご利用の方は下記もお読みください。
○おひとり様ずつのお申し込みとさせていただきます。
○定員に満たなかった場合、開催を見送ることがございます。予めご了承ください。
○大人向けのワークショップになります。
○ドメイン指定受信などの設定をなさっている方は、
ドメイン名〈@ntp.nikke.co.jp〉〈@kouboukaranokaze.jp〉からのメールが受信できるように
設定をお願いいたします。
○ezwebのアドレスをご利用の方へ
当方のメールボックスに正常に届かない事例がございます。
メールが届かないとエントリーが完了できません。
ezweb以外のメールアドレスのご利用を推奨致します。

[ 受付期間 ]
12/ 8(金)10:00~10 (日)18:00
先着順ではありません。応募多数の場合は抽選とさせていただきます。

[ 応募結果 ]
ご参加の可否について
12/11 (月)12:00以降、順次ご返信いたします。

お席がある場合は、
12/11 (月)15:00より先着順にてお申し込みを承ります。
ご応募をお待ちしております。

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リボン織りのクリスマスオーナメント ご予約の皆様へ

「リボン織りのクリスマスオーナメント」ご予約の皆様へ

11/26 予定通りの開催をいたします。
当日ご連絡のあるご参加者様は、お電話にてお願いいたします。
047-370-2244

静かに紅葉ふりつもるらふとにてお待ちしております。

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一次募集について

2024年第22回工房からの風
出展作家の一次募集が12月1日から始まります。

HP運営会社の関係で正式公開が11月27日月曜午後になりますので、
公開内容を、一足先にこちらで記しておきます。

ブルーブラック太字の部分が特に新たな記載です。
一次で出展が決まると、2024年の予定が立てやすくなります。
また、準備が早く始められて、お仕事の成熟度が高まるように思います。

尚、一次で選外となっても二次への応募も可能です。
一次選外で、お仕事やプレゼンテーションを見つめ直し、二次で選考を通過して、よい出展経験をされた作家の方もいらっしゃいます。
もし、出展を希望されていらっしゃいましたら、ぜひ、一次からの応募をおすすめいたします。

意欲的なご応募、お待ちしております。

+++

●趣旨
素材の恵みと、それを生かす人の技術と美の感覚によって形づくられたもの。
現代の暮らしに響く工藝・手仕事・クラフトを柱として企画しています。
「craft in action」と名付けたのは、作家自身が作品を展示して販売する
ということを通じて、素材のこと、技術のこと、表現のこと、使い方のこと・・・
といった売買だけではない、作り手と使い手と伝え手の交流を願ってのことです。

企画をする上で目指しているのは、より有意義で手ごたえ豊かな工藝・クラフトの展覧会です。
新鮮な作り手と使い手と伝え手が集まってくる出会いの磁力のある場づくり。
展覧会への準備体験が、作り手の制作を進化させていくような展開。
自由で和やかな雰囲気の中にも、個々の上質で意欲的な試みが行われる野外展。
約50の個展が集まったかのような濃密さ。
展覧会全体のプロデュースと共に、個々の作り手と企画者が折衝を重ね、
各ブースでの展開を深めていきます。
来場者との出会いはもちろんですが、「工房からの風」に共に出展することによってつながる
作り手同士の出会いは、毎回、出展者の大きな喜びになっています。

この企画は、日本毛織株式会社のメセナ活動のひとつでもあります。
ニッケコルトンプラザの前身は、日本毛織中山工場でした。
その一角には、工場時代の女性従業員の守り神様として伊勢神宮より御神体を賜ったという神宮社があり、
当時から茂る樹木と共にひっそりと佇んでいます。
日本毛織株式会社では、「ニッケ鎮守の杜プロジェクト」を設け、残された自然環境を生かし、
手仕事に恵みを与えてくれる植物を育む庭づくりを行っています。
「galleryらふと」はこの庭園内にあり、「工房からの風」は、
この庭園を中心とした年に一度の大きな文化催事となっています。

◆2024年度開催にむけて
コロナ禍の中にも、規模や方法を工夫しながら「工房からの風」は開催を続けてきました。
2023年には、出展作家の展開はほぼ通常開催として実行いたしました。
2024年は、出展作家の事前準備を昨年以上に充実させるほか、ワークショップ、食品販売ブースなども復活させて、より広やかにご来場いただける内容を企画しています。

2024年 第22回「工房からの風 craft in action」応募要項
開催日: 2024年10月26日(土)27日(日)10時〜16時
応募期間: 一次募集2023年12月1日(金)〜12月20日(水)着
     (二次募集は、2024年3月を予定しています)
応募資格:
・展覧会として充実した作品内容、点数を当日に出品し、展示販売ができる人。
(目安として、1800mm×3600mm程のスペースで、2日間充実した作品展示ができること)
・会期中、会場で自らのブースに滞在し、搬入、搬出を自らできる人。
・野外展であることを認識の上で展示構成ができる人。
・趣味としての制作ではないこと。 作り手本人の作品であること。
・作品は展示販売を中心とした構成を組むこと。
・今回が「工房からの風」に初出展となる場合、開催当日が50歳未満であること。
・日本国内在住であること。
・2024年10月19日(土)〜11月4日(月・祝)に、個展または大きなグループ展、クラフトフェアなどへの出展がないこと。
・2022年、2023年の「工房からの風」に出展した作家は応募いただけません。

応募方法:
1-応募カテゴリーをお決めください。
A ・「ニッケ鎮守の杜」エリアでの出展(悪天候などで、やむを得ず場所が変更する場合があります)
B ・ 出展エリアを一任(「コルトン広場」または「ニッケ鎮守の杜」など)

2-応募期間中にweb登録を行ってください。(困難な方は郵送のみでも可)

3-以下のものを送付ください。
a・記入済みの 応募用紙
b・作品写真
(制作内容が伝わり、かつ出品予定の作品に近い1年以内に制作したもので6~10枚程度)
c・84円切手

出展料: 
出展料として33,000円を開催前にお納めいただきます。
納付時期はあらためてお知らせします。8月以降を予定しています。
主催者への納金は行わず、全額出展者の管理とします。

注意事項: 
・A4以内の封書で送付ください。
・メールやCDなど、デジタルデータでの受付はしておりません。
・写真の返却はいたしません。
・個々の選考結果へのコメントは一切できませんことをご了解の上ご応募ください。
・テントは当方で設置いたします。(無料)
・会議テーブルのリースを承ります。(有料)
・コロナ禍や天災など、やむを得ない状況により中止となる可能性があります。
・食品の募集は行っておりません。

一次結果発表: 2023年12月中に結果通知を投函いたします。
※一次で選外となられても、二次への応募は可能です。

◆応募・お問い合わせ
〒272-0015 千葉県市川市鬼高1-1-1 ニッケコルトンプラザ管理事務所内
「工房からの風」係 tel. 047-370-2244  fax. 047-378-3555

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リボン織りのクリスマスオーナメント

11/9(木)17:50追記
たくさんのご応募をありがとうございました。
ご応募をいただきましたすべての皆様へ、メールをお送りしました。

未着の方がいらっしゃいましたらご連絡をお願いいたします。
galleryらふと 047-370-2244

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11月のワークショップのご案内です。

■11/26 (日) 「リボン織りのクリスマスオーナメント
講師:藤原真子(糸花生活研究所)
第1回:10:00~12:00 ▷受付終了しました
第2回:13:30~15:30 受付終了しました
定員:各回4名様 会費:4400円

糸花生活研究所・藤原真子さんによるワークショップをひらきます。
工房からの風で、桜の木の下で展示された可憐で緻密な文様の作品が
印象に残っている方も多いことでしょう。

「リボン織り」は、真子さんが日本で染織をはじめ、
アジア諸国の布の研究や、北欧に留学した経験などをもとに生み出された、
糸花生活研究所さんオリジナルの技法です。

ひかる星の文様のリボンを織り、真子さんお手製のポンポンと一緒に、カラフルな連なるオーナメントをつくります。

らふとでは初めての糸花生活研究所さんのワークショップ。
イギリスからやってきたウールの刺繍糸を手仕事の庭の植物で、
ふかぶかとあたたかな色合いに染めてくださいました。

お好きな色をお選びいただき文様を織ります。

白地の糸はスウェーデンのオーガニックウール。
「織っていてとても気持ちがよい糸なのです」と真子さん。
織り機は木工家である夫、洋人さんの制作によるもの。
糸の手触りと共に、機能と美しさが宿った木の道具の心地よさも味わう時間を
お過ごしいただけましたら。

手織りが初めての方もどうぞご参加ください。
真子さんが優しく教えてくださいます。


藤原真子(糸花生活研究所)

多摩美術大学生産デザイン学科テキスタイルデザイン専攻卒業。
スウェーデンCapellagardenテキスタイル科留学。
2011年 木工家である夫、藤原洋人と共に「nysta o gnola 糸花生活研究所」設立。
2021年、2022年「工房からの風 craft in action」出展


○らふと室内でのワークショップとなります。
扉をあけて換気をしながらおこないますので、体温調節のできる服装でお越しください。
○マスクの着用は任意とさせていただきます。(スタッフは着用させていただきます)
○当日ご体調の悪い方はご参加をお控えください。
○急遽開催変更がある場合がございます。予めご了承のほどお願いいたします。


○ご応募は HP お申し込みフォーム から承ります。
ご希望の回(ご記入をお忘れなく!)、お名前、お電話番号をお書き添えの上、
お申し込みください。
○おひとり様ずつのお申し込みとさせていただきます。
○定員に満たなかった場合、開催を見送ることがございます。予めご了承ください。

[ 受付期間 ]  受付終了しました
11/7 (火)12:00~9 (木)12:00
◯先着順ではありません。
◯受付期間前のお申し込みは無効となります。ご注意ください。
◯応募多数の場合は抽選となります。

[ 応募結果 ]
ご参加の可否について
11/9 (木)15:00以降、順次ご返信いたします。

ご応募をお待ちしております!

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次回開催のご案内

これを書いているのは、11月3日金曜日16:00を過ぎたところ。
1週間前には、開催前日の準備がほぼ整って、薄暗くなる会場の庭で、明日からの成果を祈るような気持ちで過ごしていました。
早いですね、1週間。

余韻に浸っている間もなく時は進み、出展作家、風人さんたちも、次の活動に入っていくことと思います。
今年の「凪ぐ浜の宝物」は、この前の記事、風人長野麻紀子さん(Anima uni)の文章と、岡林厚志さん(hyakka)の写真で〆たいと思います。
味わい深い文学な文章と、芸術な写真。(あえて「的」とは書きません・・・)
才ある方々が心をくだいて風人さんとして臨んでくださること。
「工房からの風」の財産だと思っています。

そして、ここにはすべてを掲載はしませんが、出展作家の皆様から丁寧なお心のこもったメールをいただきました。
どのメールも、これからのご自身の丁寧なお仕事につながっていく内容に拝読いたしました。
今回の経験が、皆様のこれからの制作、発表、そして人生に、何らかの佳き潤いとなりますことを心より願っています。
また、折々、お会いできますことを。

さて、来年第22回「工房からの風」に向けてのご案内です。

開催は、2024年10月26日(土)27日(日)
募集は、4年ぶりに1次、2次の二回募集形式に戻します。
1次は、本年12月1日から20日着
2次は、来年3月予定
1次で出展が決定すると、来年の予定が立ちやすく、準備もより豊かにすることが出来ます。
また、1次で選外であっても、2次に再応募も可能です。
詳細は11月20日以降に「工房からの風」HPにてお知らせします。
2022年と2023年に出展された方は応募できません。

尚、来年は、食品販売ブースと、大人対象のワークショップブースを復活させます。
コロナ禍の余波を意識して、本年は控えた企画も復活させて、全面的に通常開催に向けて準備をいたします。
出展を検討されている方、ご応募をお待ちしています。
そして、出展に適した方をご存知の方は、ぜひおすすめくださいませ。

第21回工房からの風
終了後も、こちらの記事までご覧いただき、ありがとうございました。
こうして、丁寧にフォーローしてくださる方々がいて「工房からの風」が豊かに成立しています。
皆様方も「工房からの風」の中の大切な存在です。
あらためて、心より感謝申し上げます。

迎える第22回「工房からの風」が、関わる方々の心に、佳き風をそよがすものでありますように。
日々、庭に触れながら、スタッフ一同精進してその日を迎えたいと思います。

感謝を込めて
工房からの風ディレクター 稲垣早苗

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長野麻紀子さんから

風人、長野麻紀子さん(Anima uni)からのメッセージをお届けします。
2011年の初出展時、長野さんのウルトラ級の優しさに気づいてしまい!
風人さんをぜひにとお願いしてきました。

今回は、主にコルトン広場で出展作家のサポートを手厚くしてくださいました。

生物学を専攻し、英語も堪能な長野さん。
風人のことを「wind seekers」と訳しました。
箒の吉田さんなど、その訳のすばらしさにたましい撃ち抜かれ(笑)ておりましたが、私もまさにです。

それは、英語ができるからではなく、道を求めているからたどり着けた言葉なのだと思います。
wind seekers
と題されたテキスト、皆様に共有いたします。


(photo by hyakka)

 

2023 Nov

工房からの風 vol.21が終わった。
嵐の眼のように穏やかでやさしい光に満ちて。
長いと言えば長く、しかし短いといえば流れ星の如く瞬時に過ぎ去ったような瞬間の堆積たる時間が流れた。

悔いのないようやり切りたいと願っていたが、十分に役に立てたのだろうか。
時々で、できうる限りをお還ししたいと手足頭に心を動かしてきた。
しかし新芽はやがて枯ちる。
それはなんら寂しいことではなく、健やかなる代謝ととどまることなき循環こそが自然のなりわいであるのだと、庭が教える。

わたしは一枚の枯れ葉となり、朽ちながら微かな養分をまたきた場所へと還し、なもなきものへと帰りゆく。
豊潤なる土壌は、雨、風、光、微生物、大小様々な生物の織りなす時の錦。
工房からの風という場に、比喩ではなく実存として庭が育くまれ、来訪者の隣にあり続けることの意味を、おもう。

風人としてご一緒させていただいたこと、共に過ごしきた明るい時間、先達、仲間たちを想う。
さまざまの出逢い、しみじみと胸を打つ幾多の場面。

稲垣さんというひとりの、水先案内人の、明るい灯に照らされ、互いに照らしあいながら、これまで実に多くの小舟がそれぞれの、時に苛烈で時に安寧なる流れを懸命に渡りゆき、いまもまた地上のどこかで流れを漕いでいく。

工房からの風に流れる流れは、いつもどこまでも限りなくやさしくあたたかく、朝露から涙のひとしずくまで、すべてが恩寵に満ちていた。
さいわいなるしらべが空に流れ、手入れの行き届いた、しかし自然そのものの輝きに満ちた草花が風に揺れて、慈雨ふりそそぎ、行き交うひとびとはやさしい微笑みに満ちて咲きほこっていた。

流転を続けながらいつもかわらずそこはサンクチュアリであった。
誰もが懸命だったから。
そのことすら忘れるほどに。

手から手へと渡されつながるバトン。
帰り際の晴々としたまなざし、笑顔・笑顔。

不穏の世すら颯爽と渡る世代の力強い立ち上がりを見守ることができた今年。
言葉にしつくせぬほど多くの学びを実践的に得た場だからこそ、未来ある若人へと譲り、つないでゆかねばならぬ。

ひとときならずこの場にたずさわれたことを誇りに、わたしはわたしの孤独の舟を果敢に漕ぎ進んでゆかねばならぬ。
未来は曖昧模糊としてあまりに不とうめいで、眠れぬ夜もあるだろう。
しかし、決まりきった路になどそもそも興味などなかったはずだ。

旅はつづく。
この星のうえ、空のした、巡りゆくせかいの片隅で。
あらたなる地平線を探して、それぞれに、ゆるやかに、交錯しつつ、まっさらな水面にあたらしい弧を描く。

・・・

稲垣さま

風人としてご一緒させていただき本当にありがとうございました。
稲垣さま、本間さま、宇佐美さま、スタッフの皆さま、風人、庭人、警備、設営、運営で会場を見守ってくださった方々、そして各地から精一杯を持って駆けつけてくださった出展作家の方々。
みなさまと共に過ごしきたすべての時間が、大切な宝物です。

こころからの尊敬と深い感謝をこめて。

Anima uni 長野麻紀子拝


(photo by hyakka)

『 工房からの風という場に、比喩ではなく実存として庭が育くまれ、来訪者の隣にあり続けることの意味を、おもう。』

『 工房からの風に流れる流れは、いつもどこまでも限りなくやさしくあたたかく、朝露から涙のひとしずくまで、すべてが恩寵に満ちていた。』

『 流転を続けながらいつもかわらずそこはサンクチュアリであった。
誰もが懸命だったから。
そのことすら忘れるほどに。』

どれもが想いを正確に磨き抜いた珠玉の言葉で、詩そのもの。
このような想いの方たち「風人」さんが、出展作家を支え、「工房からの風」の骨格となってくださっていること。
あらためて、深く、しみじみと感謝したいと思います。

風人からの風の映像もトリ(最後)に登場されています。
→ click

長野麻紀子さんのHPはこちらです。
click

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風人からの風 映像公開

「風人からの風」テント
このような展開で臨みました。
→ click

制作公開やトークイベントの最中も、オリジナル映像を放映していました。
岡林厚志さん(hyakka)が編集してくださった制作の光景、まさに「工房からの風」。
(木工作家さんですのに、なんでしょう、この映像編集力!!)

内容はこの方々

片田学-木工 ボウル制作
勢司恵美-竹細工
大野七実-陶芸
岡林厚志(hyakka)-木工 家具つくり
香田進・香田佳人(アトリエ)-木工
和泉綾子(RIRI TEXTILE)-染織
鈴木友子(もくのすけ)-木工 挽き物
長野麻紀子(Anima uni)-金工 装身具

なんといったらよいか!
かっこいい。
手や身体の動きが美しい。
テロップに書かれている言葉が珠玉。
・・・
46分と長いものですが、ぜひご覧ください。
こちらです。
→ click

尚、この映像を含め、今年の映像はこちらにあります。
kouboukaranokaze → click

そして、昨年までの映像はこちらにあります。
工房からの風 → click

こちらの都合で分かれてしまったのですが、同じ運営ですので、共にご覧くださいませ。
便宜上、youtubeにあげておりますが、もちろん!ユーチューバーではありませんので(笑)
アーカイブ的に活用できたらと思います。
皆様にもそのようにご活用いただけましたら幸いです。

では、ぜひご視聴くださいませ。

そして、以下は岡林さんが撮影くださった風人さんたちのショット。


すべてphoto by hyakka

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落合可南子さんから

おりひめ神社の奥。
穏やかなモノトーン。
ろうの光に包まれた空間がありました。

ろう作家の落合可南子さんからのメールの一部をお届けします。

昨日は無事家路に辿り着きました!
出展が決まり昨日まで、本当にお世話になりました。

初めての野外での不安を皆様に手厚くサポートして頂き感謝でしかありません。
初日が終わり稲垣さんから頂いた作家宛のメール、心に響きました。
メールに書かれてあったことを参考に、二日目はレイアウトを変更したことにより多くのご来場者と初日よりたくさんお話ができました。
初日は作品を見せる方に頭が行き過ぎ、大事な対面での会話をすることを忘れていたような気がします。
気づきを頂けて本当に良かったです。

工房からの風は出展経験のある作家さん達から
「作家としての人生観が変わる経験ができる!」
と聞いていたのですが、自分のこれからの作家としての在り方と向き合えた日々でもありました。
出展させて頂けたことを光栄に思います。

稲垣さんの作家愛にも感銘を受け、スタッフ皆様が愛に溢れ共有させて頂けたことに本当に心がいっぱいです。。
反省点は数えたらキリが無いのですが、、

いつかまた、ひとつの風が吹かせらるようになった時に応募させてください!
感謝しても仕切れませんが心より感謝申し上げます。

またいつかお会い出来る時を楽しみにしております。

落合可南子

(photo by hyakka)

『作家としての人生観が変わる経験ができる!』

強烈なプッシュ!でお薦めくださった作家の方、こちらからも御礼申し上げます。

人生観というのかはわかりませんが、要は「リスペクト」なのだと思っています。
ものづくりという仕事自体へのリスペクト。
ものづくりである自分自身へのリスペクト。

ひとりで籠っての制作が続いたり、たまに出かけた先でよい想いができなかったりすると、気持が小さくなってしまうこともありますね。
所謂、自己肯定感が低くなってしまう方も多いような気がします。

でも、工房からの風で堂々とそれぞれの仕事を示す姿に触れることで、
「これでいいんだ、これがいいんだ」って気づき合えるような気がします。
また、お客様もものづくりへのリスペクトがある方が多いので、きっと励まされたことでしょう。

自らが出会い、ちからを注いできた「つくる仕事」を、ぜひ志高くこれからも続けてほしい。
「工房からの風」の願いです。

落合可南子さんの出展前のメッセージはこちらです。
→ click