2020年10月の記事一覧

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ご予約されていない方へのご案内

「工房からのそよ風」に来場をご検討くださっている皆様へ

ご来場を検討いただき、ありがとうございます。
10時の開園前、お並びの列が混みあわないように、また、開園後の作家テントへの集中がないように、30名様ずつ、11時までは120名様のご入園で運営させていただきます。

12日より予約を承っておりましたが、本日ご予約分は満席となりました。

予約をされていない方へは、整理券をお渡しします。
10時45分以降で、園内の混雑状況を考慮しながら、整理券番号順にご入園いただきます。
整理券は9時15分以降に配布予定です。

11時以降は、園内の混雑状況、お客様のテントへの集中などを考慮して、状況をみながら整理券の順番でご入園を案内いたします。
あくまでも予測ですが、午後は比較的お待ちにならずにご入園いただけるかと存じます。

なにぶんにも初めての展開ですので、当日の状況で急な変更が生じる可能性もございます。
ご理解とご協力の程をお願い申し上げます。

また、あらためてお伝え申し上げますが、通常開催は中止となっております。
規模、出展作家数、出品数も通常とは全く異なります。
秋のお庭を見ていただくことと、制作公開など、ものづくりの息吹に触れていただくことを主眼としております。
完全中止ではなく、小規模でも「工房からの風」のエッセンスを今後につなげようという趣旨でございますので、何卒ご理解の程お願い申し上げます。

通常開催時のような規模でのご購入希望のお客様には、数量としてご期待に添えられませんことを、あらかじめお知らせ申し上げます。

出展作家について


風人ブース10組 テント7基

風人(かぜびと)とは、「工房からの風」に出展経験のある近隣在住の作家で、企画運営にサポートくださる方々です。

通常開催時には、縁の下の力持ち!的な役割を担ってくださいますが、今回の「そよ風」では、制作工程の公開や、一部の作家は作品販売もご協力くださいます。

アトリエ倭 木工  │ ワークショップ・作品販売
RIRI TEXTILE 染織  │ 制作公開・作品販売
磯敦子+森友見子 綿+再生紙  │ 制作公開・ワークショップ・作品販売
大野七実+小泉すなお 陶芸 │  制作公開・作品販売(小泉すなおさんのみ)
hyakka 木工 │  制作公開・作品販売
Anima uni+CHIAKI KAWASAKI 金属  │ 制作公開・作品販売
吉田慎司 ほうき  │ 制作公開・作品販売


作り手ブース 5組 テント5基

今年度「工房からの風」出展予定だった作家のうち、千葉、東京、神奈川、埼玉、茨城在住で、出展経験のある作家の方々が作品の展示販売を行います。

am  │ 帆布と革のバッグ
きたのまりこ │ 金属装身具
曽田伸子 │ ガラス
比呂 │ 陶芸
町田裕也 │ 陶芸

このようにさせていただいた理由は、遠距離での移動が伴わないこと。
直前を含め予測がつかない状況下においても、出展経験があることで柔軟な対応が可能で、安心、安全な会の運営に確実にご協力を得らることから、このようにさせていただきました。

選考に通られた作家の方々には、誠に恐縮で、申し訳なく思っております。
こちらに一覧を掲載いたしましたので、ぜひご覧くださいませ。
→ click

また、来年の開催については、コロナ禍が収束していない現在、確定することができません。
開催時期、規模、内容については再検討をいたしております。
年内に行っていた一次募集も行いません。
いずれ、時代に即した姿で、新鮮な「工房からの風」をお届けできるようにと願っております。

長い文をお読みいただき、ありがとうございました。
以上、ご案内を申し上げます。

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大野七実さん 陶芸

Q1
「工房からのそよ風」では、七実さんはどのようなことをしてくださいますか?

A1
デモンストレーションを行います。
貼花(ちょうか)の制作工程の一部をお見せしたいとおもいます。

作品ができあがるまでにはたくさんの工程があり、かたちになるまでのなかには、普段見ている景色や記憶が様々に重なっていきます。
実際どんなふうに紋様をつくり出しているのかをご覧いただく事で、作品の奥に広がる世界をより身近に感じてもらえる機会になればいいなと思います。
当日は、お庭の植物をモチーフに何か描いてみたいです。

作品販売は用意がなくて申し訳ありません。

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Q2
「工房からのそよ風」は、風人さんと一緒に創ってきましたが、ご来場くださる方に、どのようなところを見て、感じていただきたいですか?

A2
皆が立ち止まり、暮し方、働き方、様々なことが大きく変化したこの半年でしたが、そういった中でも、ものづくりの営み自体は変わらずにつづいていて、つくること、手渡すこと、暮しのなかで活かされること、その循環は、より求められ確かさを増したように感じます。

私たちができることで場を未来へと繋ぎ、思いを共有することも、今とても大切なことのようにおもいます。

いつもの賑やかな活気溢れる工房からの風とはいきませんが、実際にものに触れ温度や色、伝わる思いを肌で感じ、そのよろこびを分かち合い、和やかに心通う豊かな時間を、今年ならではの過ごし方でゆったりと楽しんでいただけましたらうれしいです。

元気な姿でお会いできますように。
秋のそよ風と美しいお庭で安らいでいただけますように。

Q3
七実さんの「工房」で、特に大切な、あるいは愛着のある「道具」を教えてください。

A3
道具と呼ぶには少し違う気もしますが、いちばん大事なさいごの焼きを任せているのがガス窯です。
独立してからずっと苦楽を共にしてきた、大きな存在です。

それまで手のなかにあったものを窯の炎に委ねる。
いつも祈るようなきもちで手を合わせます。
こちらの思うようにいかないことがたくさんあるからこそおもしろいし、そこからまた発見があり、ときには受けいれる寛容さも必要だと教えてくれます。

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+++

陶芸は、大野七実さんと小泉すなおさんが一緒にテントで交代に制作公開をしてくださいます。
おふたりで、何やら楽しそうに企画をしていらしたので、ぜひご覧くださいね。
私も撮っても楽しみです。

お二人のテントは、おりひめ神社、お社の脇にあります。

大野七実さんのインスタグラムはこちらです。
→ click

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小泉すなおさん 陶芸

Q1
今年、初めての風人さんをしてくださる予定だったすなおさん。
そよ風開催となって、出展者側になっていただくことにもなりましたが、
どのようなことをしてくださいますか?
また、どのような作品を、展示販売されますか?

A1
ろくろをひいた後の作品を削り、成形装飾したいと思います。
マットな釉薬の食の器と、当日のデモンストレーション予定の花器を展示します。

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Q2
「工房からのそよ風」は、風人さんと一緒に創ってきましたが、ご来場くださる方に、どのようなところを見て、感じていただきたいですか? 

A2
自分自身と向き合う事の多かった時間の中で、手を止めずに生まれた作品達。
作品はもちろん、つくり手の言葉からも、それぞれの作品が生まれた背景を感じて欲しいと思います。

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Q3
風人さんの「工房」で、特に大切な、あるいは愛着のある「道具」を教えてください。 

A3
陶芸を始めた頃に「これを使って頑張って」と友人のお父さんが作ってくれた竹べら。
形やサイズもいろいろの十本ほどを、長く愛用しています。
今も使っている道具の中で1番古いものです。

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+++

一昨年出展くださって、今年は初風人さん予定だった小泉すなおさん。
風人さんの当日ミッションは例年とは異なりましたが、zoomミーティングをしたり、さまざまな課題に向かって話し合いましたね。
私たち企画側にとっても、これらのご一緒いただいた時間も振り返れば尊い気がしています。

YouTubeチャンネルへのプログラムの中で、作家さん数名が語る「工房からについて」を語っていただく!というインタビュー企画が生まれたのですが、
すなおさんの工房まで、映像制作のいとうゆりさんと共にお訪ねもいたしました。
この映像も後日アップいたしますので、ぜひご覧ください。

小泉すなおさんのテントは、同じく風人、陶芸の大野七実さんと一緒。
おりひめ神社の脇にあります。

小泉すなおさんのブログはこちらです。
→ click

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RIRI TEXTILE 和泉綾子さん 染織

今年の作家紹介は、風人テントから10組、作り手テントから5名の作家からのメッセージをご紹介していきます。
まずは、本日開設した「工房からの風YouTubeチャンネル」にも映像を公開した和泉綾子さんからのメッセージです。

Q1
RIRI TEXTILE 和泉綾子さんは、「工房からのそよ風」では、どのようなことをしてくださいますか?
どのような作品を展示販売されますか?

A1
草木染めのデモンストレーションをおこないます。

普段は一種類の植物を煮出して染めているのですが、
「工房からのそよ風」では、会場である「ニッケ鎮守の杜・手仕事の庭」で育まれた数種類の植物を一緒に煮出し、お庭の恵みを色として糸や布にうつしとる様子をご覧いただけたらいいなと思っています。

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また、数は少ないのですが、草木で染めたリネンガーゼのストールや、手織りのストールなども販売させていただく予定です。

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Q2
「工房からのそよ風」は、風人さんと一緒に創ってきましたが、ご来場くださる方に、どのようなところを見て、感じていただきたいですか?

A1
作るひと、使うひと、紹介する人、育むひと、が、豊かな恵みに彩られた手仕事の庭に集まる「工房からの風」は、ものづくりを巡る営みがこの手の先にある、この手で育むことができると信じさせてくれる場所だと思います。

今年、その風が形を変えて「そよ風」になっても、根幹にあるものは変わらず醸されると信じています。

個人的にこの半年間、変化する世界の中において、この手で何かを作り出すことは、なんてたしかな行為なんだろうと感じる日々でした。

「工房からのそよ風」では、よろこびとともにあるたしかな営みの数々をご覧いただけたらいいなと思っています。

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Q3
風人さんの「工房」で、特に大切な、あるいは愛着のある「道具」を教えてください。

A3
寸胴鍋。

糸や布の下処理や草木を煮出したり染めたりする作業でたくさん使う、なくてはならない道具です。

小さい鍋で草木を煮出して、大きな鍋に一番煎じ、二番煎じ、時には三番煎じくらいまでの染液を漉して染めることが多いです。

はじめて買った寸胴鍋は、工房のなかで一番付き合いが長い道具だと思います。

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+++

2018年の9月、デンマークのニット作家マリアンネ・イサガーさんの運営する施設へ滞在するツアーで、和泉綾子さんとご一緒いたしました。

そのツアーの中で行ったイサガーさんのお庭で摘んだ草花で毛糸を染めるワークショップ。
ブーケを束ねるように花を摘み、それをおおらかに煮出していく。

そのツアーには、染織作家が数名参加されていましたが、皆さん、目をパチクリと!
だって、分量も測らないし、そもそもさまざま過ぎる!草花をこんなに一緒に煮だしていいんだろうかと。
けれどイサガーさんは堂々と攪拌棒を回して煮込み、これまた堂々とウールの束を鍋に投入したのでした。
かくして、見事な緑色の毛糸が染まったのでした。

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この日の和泉さんのとっておきの笑顔もここに!

草木染めの部外者の私でさえ、なんだか目から鱗で、ああ、これでいいんだ。
これがいいんだ!と思わせてくれる体験でした。
その場にいた染織作家の方々も、それぞれのお仕事の中でそれを行うかは別のこととして、ものづくりの心に、爽やかな一筋に風が渡ったような表情でした。

あれから2年。
ニッケ鎮守の杜でも「ブーケ染め」したいねー。と和泉さんと話していたことが実現できました。
映像も、新設したYouTubeチャンネルに公開しましたよ!
→ click

「工房からのそよ風」では、「ブーケ染め」の実演と、映像を撮った日に染めたリネンのストールも販売してくださるとのこと。
一期一会のこのお庭での「ブーケ染め」、ぜひご覧になってみてくださいね。

和泉綾子さんの出展場所は、galleryらふとと花壇の間。
RIRI  TEXTILEのホームページはこちらになります。
→ click

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YouTubeチャンネル

工房からの風YouTubeチャンネルを開設しました。

click

幕開け?こけら落とし?には、9月に「galleryらふと」で開催しました
クロヌマタカトシさんの展覧会「共鳴」の映像を公開しました。

「工房からの風」「ニッケ鎮守の杜」「galleryらふと」にまつわる映像をこのチャンネルからお届けします。

今後は、「工房からの風」についての作家とディレクターからのメッセージ。
「ニッケ鎮守の杜」で行われたワークショップ。
今年度の「工房からのそよ風」に出展くださる風人の方々による制作公開の映像。
庭の営み、などを公開していきます。

チャンネル登録、ぜひ、お願いします。

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上の映像はこちらです。
https://www.youtube.com/watch?v=gphpEtuu6q8

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工房からのそよ風 概要

今年度の「工房からの風」は、感染症拡大防止のため、通常開催を中止とさせていただきました。
あらためて、私からも、開催を楽しみにしてくださいました皆様、
心を尽くして準備くださっていた出展予定作家の皆様、
開催を支えてくださる関係者の皆様へお詫び申し上げます。
そして、中止へのご理解とご協力を感謝申し上げます。

ここのところ少し落ち着き、さまざまな規制が緩められるように感じていますが、やはり例年のような開催は無理でありました。
何よりも密になってしまうことと、全国からの人の移動を促してしまうことは、現状避けなければならないことだと思っています。

そのような中ですが、作り手の営みをつないでいく気持ちを抱き、全面中止ではなく、今回ならではの企画を行うことといたしました。
名付けて「工房からのそよ風」。
大きな風ではありませんが、穏やかに優しく、けれどたしかにそよぐ風をイメージした企画です。

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企画名: 工房からのそよ風              

10月17日土曜日(1日のみ) 雨天の場合18日日曜日
(10月16日金曜日18時に発表)

10時から15時

混雑を避けるため、開園時定員予約制(予約は満席となりました10/13)
11より園内の状況をみながらご案内をいたします。

+++

「工房からの風」の会場の一部には庭があります。
「ニッケ鎮守の杜」と名付けられた空間には、「手仕事の庭」という花壇もあり、四季を通じて自然に即した手入れを続けています。

「工房からのそよ風」では、秋の庭をお楽しみいただくとともに、この庭にゆかりのある方々にご協力をいただいて、皆様をお迎えいたします。

風人ブース
アトリエ倭 木工 ワークショップ・作品販売  
RIRI TEXTILE 染織 制作公開・作品販売
磯敦子+森友見子 綿+再生紙 制作公開・ワークショップ・作品販売
大野七実+小泉すなお 陶芸 制作公開・作品販売(小泉すなおさんのみ)
hyakka 木工 制作公開・作品販売
Anima uni+CHIAKI KAWASAKI 金属 制作公開・作品販売
吉田慎司 ほうき 制作公開・作品販売  
    
庭人ブース
庭の恵み(ミックスハーブ・ミックスシード・ミニ盆栽など)の販売
※ブーケ・生花の販売はありません。

作り手ブース  
am  帆布と革のバッグ
きたのまりこ 金属装身具 
曽田伸子 ガラス
比呂 陶芸
町田裕也 陶芸

今年度出展予定作家のうち千葉、東京、神奈川、埼玉、茨城在住の「工房からの風」出展経験作家による展示販売を行います。
感染症予防を重視し、広範囲の人的移動を避け、展開に混乱なく安心して協働できる出展作家による出展です。

映像配信
YouTubeチャンネルなどを活用して、庭の営み、「galleryらふと」での展示、風人による制作工程公開、「工房からの風」からのメッセージをお届けします。
こちらは只今、鋭意制作中!
詳しくは、あらためてご案内させてくださいね。

そよ風そよぐ17日まで、こちらからの発信もぜひご覧ください。

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今年度出展を予定されていた作家の方々

2020年第18回「工房からの風」は、コロナ禍のため通常開催を中止とさせていただきました。
選考を通過されて、準備を進めてくださった中、感染症拡大防止のために出展を見送らざるを得なかった作家の方々には大変心苦しく思っております。
そのような中にも、中止をご理解くださり、今後の制作に向け、前をむいて進まれる作家の方々をここにご紹介いたします。
(尚、今展への出展を5月末時点で予定されていた方々をお知らせいたします)


● 陶磁 ●
大隅 新
大山育男
小黒ちはる
熊本充子
鈴木祥代
坪井俊憲
比呂
町田裕也
横田翔太郎


● ガラス ●
itsuka glass works
内田絹子
菊田佳代
小宮 崇
曽田伸子
三浦侑子


● 染織布 ●
糸の香
イラズムス千尋
saworiworks
SABLETTA
シャポー チホレーヌ鎌倉
スタジオ アユンク
zucu
中野紘子


● 木 ●
et craft
金城貴史
クドウテツト
SUGITA SŌSAKU
平と米の制作所=平米
まつもと工作室
もくのすけ


● 装身具 ●
きたのまりこ
せつ

toko aoki


● 革 ●
アンコエラン
am
NIZYU KANO


● その他 ●
etelä〈麦わら・ヒンメリ〉
カワムラ〈木・角・革・どんぐり〉
榊麻美植物研究所〈盆栽〉
三瓶祐治〈造形・オブジェ〉
stained glass Ginga〈ステンドグラス〉
中村 圭〈竹〉
Metalsmith iiji〈鍛鉄〉


● 風人 ●
アトリエ倭〈木〉
Anima uni〈装身具〉
磯敦子〈染織布〉
大野七実〈陶磁〉
小泉すなお〈陶磁〉
CHIAKI KAWASAKI〈装身具〉
hyakka〈木〉
森 友見子〈再生紙〉
吉田慎司〈ほうき〉
RIRI TEXTILE〈染織布〉

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galleryらふとにて

共鳴
クロヌマタカトシ 展
9/12(土)・13(日)・14(月)
11:00~18:00
虫の音すだくらふとにて

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2012年、第十回「工房からの風」に初出展くださったクロヌマタカトシさん。
おりひめ神社の奥に、オオカミの木彫作品を出品くださいました。

あれから8年。
その鮮烈な出現からじっくりと、大切なものを手放さず、醸成させながら、今日の制作につなげてこられたひと。

コロナ禍のために、4月開催予定だった会が9月になって、会期も3日となりました。
初日のみ予約とさせていただき、その初日が終えましたが、「よかった」、です。

作品を入手するパワーに追われる初日ではなく、作品にふかぶかと向かいあっていただく時間、
そして、作家と豊かに言葉、想いを交わす時間を創ることができた初日でした。
ご理解とご協力をくださった皆様に心より感謝申し上げます。

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多くの作品をお選びいただきましたが、すべてお預かりさせていただいておりますので、初日のままの世界観をご覧いただけます。
日曜日と月曜日、galleryらふとでクロヌマタカトシさんと共にお待ちしております。

尚、ギャラリー内、お客様は4名様定員とさせていただいております。
場面によってはお譲り合ってのご高覧をお願いいたします。
また、検温とアルコール消毒のご協力をいただいています。
皆様に安心してご覧いただけることを願っております。

共鳴

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第18回開催中止のお知らせ

10月に開催を予定しておりました今年度の「工房からの風」ですが、誠に残念でありますが、中止とさせていただくことを決定いたしました。

まずはお知らせを申し上げます。
今後についてなど、あらためてこちらからもご案内をさせていただきます。
どうぞよろしくお願いいたします。

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船ではなく小舟で

新緑の眩しい季節となりました。
ニッケ鎮守の杜の梅の木には、青梅がりんりんと実ってきました。

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千葉県でも緊急事態宣言が解除されました。
このお庭も閉園が解かれて、憩いの人々が行き交うようになっています。

募集の時点では思ってもみなかった社会状況になって、
「工房からの風」も、常にさまざまなことを考えながら進んでいます。
さまざまな工夫や皆様へのお願い事も生じるかとは思いますが、
現在、開催のために企画を進めております。

+++

企画を進める中で、スタッフそして風人(かぜびと)さんたちとzoomミーティングやメール、電話でのやりとりを重ねています。
風人さんというのは、出展経験がある作家の方で、企画や当日のサポートをしてくださる方々です。
その中で、とても印象的な話がありました。
船にまつわる話です。

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4月、例年では出展作家の「第一回全体ミーティング」を行っていました。
出席の義務はないのですが、例年9割以上の作家が万障繰り合わせて出席されます。
10月に向かっての入学式(学校ではありませんが!)や船出、出航式に捉える方もいらっしゃいます。
実際、この日に「はじめまして」を交わした作家同士が、切磋琢磨をする中で、ものづくりとして長く佳き関係を結んでいくことが多くあります。

+++

今年の「第一回全体ミーティング」では、「工房からの風」を島にたとえてみようと思いっていました。
この島は、こんな様子ですよ、こんなことが行われていますよ、こんな出会いの可能性がありますよ、と・・・。
そして、その島に向かうための準備の仕方、スケジューリング、島にたどり着いたときに有効なことがらをお伝えしようと思ったのです。
17回と会を重ねましたから、島でのことはおおよそお伝えできると思ったのです。
(もちろん、慣れることはなくて、毎回様子は異なってはいるのですが)

ところが、今年の島の様子を思い描くことができません。
島への想いはしっかりとあります。
けれど、経験したこののない新型ウィルス感染症が、10月の開催時にどうなっているのか。
予測がつかないからです。

開催に向かって準備をしていますが、いつも通りの運営はおそらく難しいことでしょう。
何を、どのように対策して臨むのか。
それによって、何がどう変わるのか?
企画者の想いだけではどうにもならない要素が生じています。

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風人さんとのzoomミーティングの時のことです。

「工房からの風」に向かう船への乗船券を、選考通過の作家にお渡ししましたけれど、
ほんとうに船に乗りますか?
とあらためて尋ねないといけないのではないだろうか?」

その私の言葉に異を唱えたのは、風人のNさんでした。

「工房からの風」に向かう時、私は連れて行ってくれる船に乗り込む気持ちはなかったです。
プロ、もしくは明確にプロを目指している作家であれば、ひとりひとりが船頭のはず。
小舟を自ら漕ぐ覚悟がなければ、プロとして作家にはなれないだろうから」

これは、私の中で大きな意識革命!となりました。
毎年、50名の作家を「工房からの風」の搬出までの時間を共にする中で、面倒をみるお世話係的な気持ちが生まれていたのかもしれません。
50人ともなれば、実にさまざまな方がいますから、なかなか手のかかる!(失礼!!)方もいて、どこかでその方に合わせて進行を考えてしまうこともあります。

同じ工藝作家であり、出展作家でもある人の言葉は重みがありますね。
むしろ同じ「船」に乗ってもらおうだなんてことが、そもそも失礼でした。
皆さん自ら櫂を持って漕いでいるのですから。
だとすれば、私がすることはなんだろう。
そう考えた時、島に向かって水先案内人としての役割を今一度整えること。
そして、今年の島はいつもと同じ状態ではないかもしれないこと。
航海中には時化や嵐に出会うかもしれないことをお伝えすることだと思ったのでした。

+++

島と舟のたとえを交えた私からの投げかけに、44組の作家が前向きに参加の意向を示してくださいました。
50組の内6組の方は、地域性やご家族の属性、関係性などで、今年の出展を辞退されました。
それぞれのご事情があって、きっと悩まれた果てのご辞退だと思います。
いずれ機が熟してご一緒出来る日が訪れることを願っています。
正直、もっと多くの方が見送られるかと思っていましたので、44組での構成はすごい厚みに思いました。
そして、多くの方々から、熱い、すばらしい思考、思索に基づいた丁寧なメールをいただきました。
以下に、幾つかのメールを一部抜粋して掲載させていただきますね。

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船と島のたとえはとても伝わってきました。
今年のこの状況を思うと、正直なところ不安でいっぱいです。
不安が大きく膨れ上がり、ぐらぐらと迷っていた時期もありました。
が、いつも未来は不確定で不安なものです。
だからこそ惹かれ、未来へと進みたくなるのだと思います。
私の船は、まだ進みは遅めですが、もう島に向けて動き出しました。
たどり着く島が定まらないことは承知の上です。
ひとつひとつ自分にできることを進める以外に私自身には選択肢がありません。
ともに進む仲間がいるのなら荒れた航海も乗り越えられそうです。
動き出したあとの過程が実りある積み重ねになることを確信しています。
出展希望です。
(ガラス)

 

私の作るものは全ての人の生活必需品ではありません。
それでも暮らしの彩りに、誰かの暮らしの糧になるものを作れたら…と思い制作しています。
誰も体験したことのない、この今だから何か出来るのではと考えています。
大きなことではなくても、小さなことから、誰かの暮らしに灯りを灯したい。
まだまだ小さな船の主の私ですが、稲垣さんの船を先頭に他の船主の皆さんと海へ出たいと考えています。
秋、開催されるかは誰も分かりません。
それでも、私は皆さんにご覧頂けるよう、変わらず制作していきたいと思います。
手を動かし 頭を使い 日々の暮らしに感謝しながら…。
(その他ジャンル)

 

ぜひ「出航」させていただきたく存じます。
現時点では全ての環境下において誰にも先が見えない状況ですので
大小あるにしても荒波の中へ進まないといけないと思っております。
何も準備せず出航して、突然の嵐に巻き込まれると転覆しますが
「たどり着く島」への航路も凪では無いことが予測できることはかえって良かったと思っております。
その中でどのように船を漕ぐかは作家自身によるところが大きいので
荒波の中での漕ぎ方を模索しながら進む時期なのだと思いながら制作しております。
今までも比較的波が荒い海で小舟を漕いできたと思っておりますが
数ヶ月で一変した海に一人で浮かんでいるのではなく、
稲垣さんをはじめ、出航しようと思う作家の方もいらっしゃることはとても励みになります。
ですので先行きが見えず航海が難しい時期に「たどり着く島」へ向かう切符をいただいたことはとても心強いです。
世の中の流れが大きく変わり、工芸や手仕事のあり方、伝え方を見つめ直すことが必要になったタイミングで切符をいただいたことは素晴らしいご縁です。
「たどり着く島」がどんな状況でも今回の航海をぜひ経験させていただき、より成長できればと思っております。
(染織)

 

出航する先は、昨年初めてニッケルコルトンプラザに訪れて見たあの島では無いと覚悟の上での出航です。
嵐の中の航海を楽しみながら挑みたいと思います。
と言うのも、工房からの風に参加が決まり、1月のミーティングに参加してから、以前よりも自分の中でものづくりへの意識が高まっているのを感じています。
惜しみなく手を動かし、出しきる、向き合う姿勢が大切だという事を学び、出来上がる作品や観て下さった方の反応等もみて、この数ヶ月で変化を感じていました。
10月がどのような発表の場所(島)になるかわかりませんが、私としては工房からの風まで残された時間で、どんな物が自分から生み出せるか、見てみたい気持ちが勝り、挑戦を続けたいと思っております。
(ステンドグラス)

 

1月のミーティングの時の風人さんのおっしゃったお話が印象的で心に残っています。
“工房からの風が自分に期待してくれているのに、自分が工房からの風に期待してしまっていた”
私も、“この出展で潮目が変われば”と精神的に工房からの風に寄りかかっていたことに気付きました…
春に予定していた自身の出展も全てなくなって、今までいかに作品を人にお見せし、その反応を喜びにして自分の力に変えてきたのかに気付きました。
他が先にあって自分があるのか
自分が先にあって他があるのか
自分の価値を他の何かで計ってはならないよ、
制作のモチベーションを他に置きすぎてはならないよ、と
何度も教えてもらっているような気がしています。
10月の状況が読めない中開催に向けて動いてくださっていること、ありがたく思っています。今年の時勢を感じながら、今できる作品を作っていきます。
(布)

 

新型コロナの影響で春の展示予定はすべてなくなりました。
「工房からの風」まで、展示の機会はありません。
こんなに長く展示が無いというのは、新鮮で貴重な時間だと感じました。
今はそれを逆手にとって、すでに取り組み始めていたり、
この先やってみたかった新たな試みに向き合うと同時に、製作全般を見直す時間に充てることにしました。
次の10年の製作へとつながる挑戦です。
小さな芽の形でもいいので、「工房から風」の場でお見せしたいと考えています。
先の読めない状況の中、ディレクターとしてのご苦労をお察しします。
例えどのような形であれ、現実の場で開催される限り、大切な発表の場として参加させていただきたく思います。
(木工)

 

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胸が熱くなりました。
これは、ほんの一部なのです。
心の成熟度がなんて高い方々なんでしょう。
「第一回ミーティング」をしていない中、未だ顔合わせが出来ていない方も多いのですが、既に「島」に向かって一緒に漕ぎ出している気持ちです。
状況を嘆くのではなく、状況の中での最善を目指すひとたち。

もちろん、正直に書けば、すべてがこのようなメッセージばかりではありません。
不安を多く綴る方もいれば、淡白な文章からはお気持ちが読み取れない方も数名はいらっしゃいます。
けれども、いろんな方がいるのが自然ですね。
それはいつもそうでしたし、一色ではないことが豊かさでもありますから。
それでも多くの方が、今までに経験したことのない社会状況の中で、考えること、哲学を深めることは、よいことなのだと思っています。

経験則や従来の常識にただ乗って進むのではなく、自らが漕いでいく力を蓄える。
それぞれが進むことで生じる波が、結果として周囲に、社会によい波動となっていく。
そんなことを希います。
そして、上に載せたようなメッセージを寄せてくださった方々の想いと実践が、よき連鎖になっていくといいなぁと思います。
不安も連鎖していきますし、希望も連鎖していきますね。
同じ連鎖であれば、実践を伴った希望が、今年の「工房からの風」を通して広がっていけるように、私たちは企画を進めようと想いを新たにしています。

この秋の「工房からの風」に向かって漕ぎ始めた44艘の小舟。
そして、風人さんたちと私たちスタッフ。
この航海が佳きものとなるように、そしてその実りが使い手の方々の喜びにつながれるように、どうぞ見守っていただけたらとお願いいたします。

航海日誌?的に、時々こちらも綴っていきますね。
そして皆様、このような中ではありますが、どうぞ心身お健やかにお過ごしくださいませ。

(画像は「ニッケ鎮守の杜」の今年の花や果実。
季節、季節を伸びやかに生きていますね)

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