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2024年10月の記事一覧
「出展作家紹介/工房からの風」New
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齊藤智美さん/陶芸
Q1
コルトンプラザからはほど近い東京都江戸川区で作陶される齊藤智美さん。
「工房からの風」には、どのような出品をされますか?
A1
陶芸で実用性のある生活に寄り添う作品を作っています。
土を使い、轆轤や型を使って形を作り 高温で焼成し完成させます。
私は作るものは器にとどまらず、インテリアやアクセサリー等も作っています。
異国を感じさせる模様や 鳥、動物をモチーフにしたものが多いです。
作品が目に入った時、使ってもらう時に思わずふっと肩の力が抜けるような、家での時間をリラックスして過ごしてもらえるアイテムになることを意識して作っています。
Q2
齊藤智美さんが大切にしている工藝品(古いものでも、新しいものでも結構です)をひとつ教えてください。
A2
20年前、大学で陶芸を学んでいた時にギャラリーで出会ったキムホノさんのカップです。
自由で伸び伸びとした形に心を奪われ 轆轤できちんと作らなければならないという器の概念を変えてくれました。
またそれは技術と鍛錬があってこそ存在するものでもあります。
作陶の心の拠り所でもあるし、目標にもなっている作品です。
自由で伸びやかな造形は、技術と鍛錬があってこそ。
まさに、ですね。
齊藤智美さんの指針がよく伝わるAnswerでした。
齊藤智美さんの出展場所は、スペイン階段前、コルトン広場です。
インスタグラムはこちらになります。
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Asuka Shimada/ガラス装身具
Q1
千葉県でガラスの装身具を制作するAsuka Shimadaさん。
「工房からの風」には、どのような作品を出品くださいますか?
A1
「ガラス通して現れる光の造形の美しさ」を大切に、経年変化を楽しめる金属と耐熱ガラスを合わせ、装身具とオブジェを制作しています。
日常にあふれる光や色彩を映し、しなやかに表情を変え、見る者の心をとらえるガラス。
身に纏った所作の合間に、ふと目に触れるガラスの輝きに心潤し、映り込む世界に心癒される。
自然と日常に「遊び心」を生み出し、身に纏う人の心を動かす「機能するオブジェ」としての装身具とオブジェの制作に心を注いでいます。
使い手にとって心豊かに生きるための暮らしの道具の一つとなればと願いをこめて。
「工房からの風」ではそんな一つ一つを、ゆっくりご覧いただけるよう展示したいと思います。
Q2
Asuka Shimadaさん、12歳の頃に将来なりたかった職業について教えてください。
A2
小さなころからピアノが好きで、12歳の頃はピアニストになりたいと思っていました。
漠然と憧れていたという感じです。
その後、高校進学で美術の道を選びましたが、今でもピアノは大好きです。
ピアノの単音の凛とした輝き、和音の重なり合った奥行きある響き、感情を揺り動かされる多彩な旋律、それがとても純粋に心に響くのです。
「わぁ、なんてキレイなんだろう…」って。
心が浄化されて、感性の鮮度が磨かれるような気がするんです。
それは光を受けて輝くガラスを見たときも同じ。
制作の合間、ほんの少しピアノを弾くのがとても良いリフレッシュになっています。
心の真ん中から指先まで感情をのせて血を巡らせる。
心も身体も柔軟にほぐす時間は日々に欠かせない大事な時間です。
リング、イヤリング、バングルなど装身具全般、ほかにモビールなども。
心が浄化されて、感性の鮮度が磨かれていくような小さなガラスピースが広げる豊かな世界。
ぜひご覧ください。
Asuka Shimada出展場所は、スペイン階段前、コルトン広場。
本部テント1の正面です。
Asuka Shimadaさんのインスタグラムはこちらです。
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equus ferus/革
Q1
「エクウスフェルス」という名で展開されている equus ferusさん。
「工房からの風」には、どのような出品をされますか?
A1
超高機能素材とレザーを合わせた「ダイニーマレザー」を使用した作品をはじめとする財布、カードケース、バッグなどのレザープロダクトを出品します。
ダイニーマレザーは紙のように薄く軽量でありながらも、破れにくい高い耐久性と耐引裂性を備えた画期的なレザーです。
equus ferusでは、ダイニーマレザーと天然のレザーを組み合わせた唯一無二の作品を強みとしながら、
天然のレザーのみの作品でも確かなクオリティとデザイン性を感じて頂けるように作品を制作しています。
コンセプトは、
「野生の馬が地平線を望み、どこまでも広がる野を駆けている。そのイメージを持つデザイナーから生み出される、レザープロダクトブランド」。
自分の中のイメージを安易に形に落とし込むのではなく、制作者の人間性や精神性を作品に宿らせたいと考えています。
Q2
equus ferusさん、12歳のころに将来なりたかった職業について教えてください。
A2
絵を描く人になりたかったと思います。
小さい頃から絵を描くことが好きで、仕事にしようとまでは深く考えていませんでしたが、後に芸術系の大学に行くことになりました。
芸術について、絵を描くということしかよく知りませんでしたが、大学で色々なことを学び、今のような手仕事をするようになりました。
紙のように薄く軽量で破れにくいという「ダイニーマレザー」、ぜひ見ていただきたいです。
そして、イメージ豊かなデザイン背景との響きあいでうまれるかたちも楽しみです。
equus ferusさんの出展場所は、スペイン階段前、コルトン広場。
天音琴音さんのお隣です。
ホームページはこちらになります。
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天野琴音さん/漆芸
Q1
はるばる青森県から出展くださる天野琴音さん。(お名前がすでにすごいです・・)
「工房からの風」には、どのような出品をされますか?
A1
「漆」をもちいての制作をしています。
欅や栃などの天然木の木地に漆を塗っていること、シンプルなラインや柔らかな色彩が特徴です。
(作品を)迎え入れてくれた方の生活に入って初めて完成するような、”余白”を大切に制作しています。
さまざまな技法で制作されたカトラリーや普段使いしやすいアクセサリー、一点もののアートピースのような器を出品します。
「breeze」滑らかなラインと二色のぼかし塗りが特徴のお椀
「根来小椀」使い込まれて塗りがかすれてきた様が特徴的な小さめのお椀。小鉢としても◎
「ティースプーン」ぬくもりあるふっくらとした塗りと、柄にあしらわれた小さな絵が可愛らしいティースプーン
「cotone./a drop」”さりげなく、軽やかに”がコンセプトのアクセサリー。
故郷青森の津軽塗や螺鈿で仕上げました。
Q2
大切にしている工藝品(古いものでも、新しいものでも結構です)をひとつ教えてください。
A2
芸術大学に合格した時に、叔父夫婦からお祝いでいただいた「裂き織り」のランチョンマット。
「芸術の分野に進むことになった姪のために…」と、選んでくれたものです。
恥ずかしながら入学当時は工芸に対する知識が乏しく、いただいた品物が裂き織りであることに気がついたのはしばらく経ってからでした。
パソコンの上に掛けたり、お茶やお菓子を収納している箱の目隠しに使っていますが、
どんなインテリアにも馴染んでくれる軽い色彩や、洗濯してもほつれてこないよう裂いた布に丁寧にこよりをかけられて織られた仕立ての良さ…。
私自身が作り手に回った今、ものを作る上で大切にしていかなくてはいけないことを教えてくれてる気がします。
もう15年以上使っていて、コーヒーをこぼしてしまい薄いシミも出来ましたし、
黄色かった経糸も褪せて白い横糸と馴染んできましたが、これからも大切に使っていきたいです。
この夏、天野琴音さんとお話しさせていただいて、制作への一途な想いに感じ入り、豊かな個性が伝わってきました。
漆の作品は馴染みのない方もいらっしゃるかもしれませんが、幅広い制作のなかから、
より天野さんらしさが香り立つようなものづくりに熟していっていただきたいと願わずにはいられませんでした。
お話もとても楽しくしてくださいますので、ぜひ漆のお話、お聞きになってみてください。
天野琴音さんの出展場所は、スペイン階段前、コルトン広場です。
ホームページはこちらになります。
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佐藤牧子さん/陶芸
Q1
茨城県土浦市で作陶される佐藤牧子さん。
「工房からの風」には、どのような出品をされますか?
A1
陶で器を制作しています。
焼き物は大学でオブジェ制作を通して学びました。
器の制作を始めたのは卒業後で、産地などには入らず独りでひたすらロクロを挽く事で技術を習得していきました。
ふだん制作の手掛かりにしているのは、遠くに見える山並みの形だったり、道端におちる建物の影だったり日常の中にあるものです。
そういった気になる形をもとにスケッチをしたり試作を繰り返したりして、これだと思った質感や色味を拾い上げて作品に仕上げていきます。
わたしが作る焼き物は何々焼きという決まった特徴は持ちませんが、現時点での「一番好きな焼き物」をお見せできたらいいなと思っています。
Q2
佐藤牧子さんが12歳のころ、将来なりたかった職業について教えてください。
A2
ケーキ屋さんになりたいと思っていました。
こどもの頃、よく行く製菓店の外から窓ガラス越しに見える職人の手捌きを夢中で見ていた覚えがあります。
くるくるとひと撫でするたびに平らになっていくクリームや、リズミカルに出来上がっていくマジパンの人形をワクワクしながら眺めていたものです。
結局ケーキ屋さんにはならなかったわけですが、土で形を作っていると期せずして共通点の多い職業を選び取ったなと思う事があります。
手でかたちを成形して、焼き上げる。
ケーキ作りと陶芸には、近いエッセンスがありますね。
幼い佐藤牧子さんの描いた夢、少しかたちを変えて、「工房からの風」にやってくるようですね。
佐藤牧子さんに出展場所は、スペイン階段前のコルトン広場。
ガラスの山崎雄一さんのお隣です。
ホームページはこちらになります。
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山崎雄一さん/ガラス
Q1
コロナ禍が続いた中、ちいさく開催したときに初出展くださった山崎雄一さん。
今回の「工房からの風」には、どのような出品をされますか?
A1
吹きガラスという技法を用いて作品を作っています。
作品の中には、吹きガラスで作ったガラスの表面を削って模様にしているシリーズも制作しています。
「工房からの風」への出品は、器類と一輪挿しをメインに考えております。
Q2
二問目の質問。
今年は稲垣から二つの質問を投げかけて、どちらかを選んでいただきました。
12歳のころ、将来は何になりたかったですか?
or
大切にしている工藝品(古いものでも、新しいものでも結構です)をひとつ教えてください。
です。
山崎さんは、大人になったら、、、にコメントをくださいました。
A2
小学生の時の卒業文集には、将来の夢は伝統工芸士になりたいと書いておりました。
えっ。
それは、あまりにストレートですね。
12歳で伝統工芸士という単語を知っていたのもすごいです。
夢を実現させた山崎さんのお仕事を見て、今年来られるお子様が「ガラス吹きになりたい!」って思うかもしれませんね。
山崎雄一さんの出展場所は、スペイン階段前、一番本八幡側です。
今年復活する大人のワークショップテントの近くでもあります。
数年ぶりに拝見する山崎さんの進化したお仕事に触れることができるのも楽しみです。
山崎雄一さんのインスタグラムはこちらです。
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2024年「工房からの風」
今年も10月の最終週の土日、26日、27日の開催です。
出展作家名を公開いたしました。
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そして、楽しいメインビジュアルもお披露目です。
今後、ワークショップや、食品販売のご案内も追加していきますね。
10月最終週の土日。
「工房からの風」でお待ちしています。
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映像:ものづくりのよこがお
インスタグラムで公開した出展作家の映像版。
もう少し長尺ヴァージョン(各2分ほど)をyoutubeで公開しました。
vol.1 → click
vol.2 → click
vol.3 → click
平井岳・綾子
(敬称略)
今回、全作家に募って、ご自身で映像を撮って送っていただきました。
12作家から送られてきたものを、映像作家にお願いして編集する、という試みをしてみたのです。
ものを作る表情、よこがお、手。
言葉では伝えきれない何か深いもの。
真剣で澄んだ空気。
この短い映像でも、感じていただけるでしょうか。
私からの初めての投げかけに、素直に!(笑)投げ返してくださった12作家に感謝と敬意を表します!
ご覧になられた皆様、ぜひ、各作家のブースで、感想などお伝えくださいね。
「見ました!」だけでも。
作家の方々、きっと励みになると思います。
そして、その中でも特にすばらしい映像を送ってくださった平井岳さん、綾子さんのものは、単独で長尺も作らせていただきました。
こちらもぜひ、ご覧ください。
→ click
追記
もうひとつ、お庭の映像を27日金曜日までに公開予定です。
初夏、初秋のお庭の風景、庭人さんたちとの庭仕事、そして、最新のお庭の風景。
21回目となる「工房からの風」。
今年のお庭は絶景です。
21回目の中で最も秋の草花が美しく咲いている2日間となることと思います。
director's voice
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平井岳さん・綾子さん(漆)
出展作家の方々からのメッセージも最後のひと組となりました。
このあとは、風人さんのデモンストレーション、ワークショップ、トークイベントなどのご紹介や、当日に向けてのご案内をしていきますね。
今回、あえて、皆さんから寄せられた長い文章を省略せずに、そのまま綴っていきました。
スマホの時代、短いセンテンスでキャッチ―に伝えていく方が広がりやすいと思ったのですが、あえて。
あえての理由は、出展作家の方々がこの機会に想いを心の中で確かにできればとの願いです。
その想いを、作家同士で読みあうことで、モチベーションを高めることはもちろんですが、もっと芯のところでこれからの制作に大切なものが育めたらと願って。
そして、その結果、当日の展示内容がよりよくなれば、来場者の方々にも一層喜んでいただけるのではないかと思ったのです。
実際のところ、出展作家、そして、過去出展の方々の反応が大きいように思います。
ちょっとディープでもありますから、一般の方にはちょっとすべて読み込むのはヘビーだったかもしれません。
けれど、あらかじめ、ここを読んでいただけたら、当日は何倍も楽しんで、充実した時間、交流を体験いただけるように思います。
きっと!
では、トリの平井岳さんと綾子さんからのメッセージをご紹介しましょう。
Q1
「工房からの風」には、どのような作品を出品されますか?
A1
磐梯山と猪苗代湖に囲まれた福島県猪苗代町で夫婦2人で、自ら採取した漆を使用して器を制作しています。
今回はこれからの寒い季節にぴったりな、木と漆の風合いを生かした溜塗りのお椀や蒔地のカップなど日常使いの器を出品します。
『溜塗り(ためぬり)』とは顔料の入っていない漆を木地に塗り重ねる仕上げで、木目が透けて見えるのが特徴です。
『蒔地(まきじ)』とは漆を塗った上から地の粉という珪藻土の粉を蒔いている仕上げで、さらっとしたマットな質感が特徴です。
この2つの仕上げの器をメインにしています。
どちらも“食卓に馴染む漆器“を目指して、形と色艶にこだわって制作しています。
そのために重要なのが材料選びです。
主に漆と相性が良く軽くて柔らかな栃と適度な重厚感とハッキリした木目が特徴の欅を使い分けています。
そして仕上げには自ら漆掻きをして採取した漆を使用しています。
採り方や時期によって少しづつ色艶が変わるので、それぞれの特徴を見極めながら仕上げによって最適な漆を使い分けています。
そして今回はじめてお披露目する新作の器もあります。
中でもご紹介したいのが高脚椀。
名前の通り高台が高くスラリとしたイメージなので洋風のスープなどもぴったりです。
私はこれにオニオンスープとチーズを乗せて焼いたバケットを乗せ、グラタン風にして食べるのにはまっています。
冬の食卓をよりおいしく温かくしてくれる器たちを沢山持っていきますので、ぜひ木と漆の風合いと手にした時の心地よさを感じにいらしてください。
Q2
平井さんの工房で大切な、あるいは象徴的な、あるいはストーリーのある「道具」について1点教えてください。
A2
仕上げ塗りに使う漆刷毛
漆刷毛は人の髪の毛で作られているのでとても高価な道具。
修行に入った直後の自分には欲しくてもなかなか手の届くものではなかったのですが、ある程度仕事ができるようになった頃に親方が買い与てくれた物で独立した今でも大切に使い続けています。
漆刷毛は使う人によって毛の長さや毛先の形が違い、自分の塗り方にあわせて調整するのがとても重要になってきます。
「いい仕事をするには良質な道具を使う」ということをこの刷毛からたくさん学びました。
今回出品する溜塗りの器のほとんどはこの刷毛で仕上げ塗りを施しています。(岳)
Q3
お手持ちの「工藝品」で愛用、または大切にされているものついて1点教えてください。
A3
村木雄児さんの三島飯碗と尾形アツシさんのヒビ粉めし碗です。
2点になってしまっていますが、実はこれが私たち夫婦の唯一の結婚記念の品なのです。
指輪や式はもちろん写真も撮っていないので本当にこれだけです。
入籍の前後に地元の器屋さんで飯碗を選んでご飯を食べるという会に行った時にそれぞれ選びました。
記念に買いに行こう、と考えていたわけでもなく選んだ後に『そうか、タイミング的にも物としてもこれがぴったりかもな』という具合です。
揃いじゃないという所も自分達らしいような感じがして気に入っています。
なんだか無計画でだらしないような気もしますが、自分の事となると畏まった事が苦手なのです。
丈夫で使いやすく使うほどに愛着が湧いてくるまさに質実剛健といった姿に、作りたい物も定まっておらず、とにかく模索する日々だった当時の私たちに指針となるような形を示してもらったような気がしています。
余談ですが、これを求めたお店の店主さんとはその時からお付き合いがあり、昨年結婚40年の記念として私たちの汁椀を選んで頂きました。
作り続けているとこんな思いがけない嬉しい事があるのか!と時間が経ってさらに思い出深い器になっています。(綾子)
平井夫妻との出会いは、2020年の冬の名残りの浅い春。
この年の「工房からの風」への出展が決まっていたのでした。
早々に個人ミーティングをお申し出くださって、
「これはすごい人たちが出てきた!」
と思い、秋の出展が楽しみになったのでした。
けれど、この年。
通常開催は中止となって、「工房からのそよ風」として、近隣在住の作家だけで小さく行ったために、平井さんの出展はなくなってしまったのでした。
これから世に出ていこうとしていた新進の作家には、ほんとうに大変な3年間でした。
その中にあっても、先に出会いの機会をいただいておりましたから、他の場での展示に何度か声をかけさせていただき、その中で益々力を蓄えていかれたのでした。
ようやく。
3年ののちに、出展が叶ったと喜んでくださったおふたり。
3年前よりもぐんと作品の量も質も高められての出展です。
今回、出展作家の方々から任意で映像を提供いただき、こちらで映像作家の方に依頼して編集いただいたものを制作しました。
先に公開したインスタ版に加え、少し長尺のyoutube版も本日公開いたしました。
また、特に優れた映像を提供くださった平井夫妻のものは、これだけで1本に編集制作させていただきました。
漆の植林、漆掻き、塗り・・・(&猫)で構成された3分32秒版もぜひご覧ください。
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平井岳さん・綾子さんの出展場所は、ニッケ鎮守の杜、花壇よりのgalleryらふと脇。
ホームページはこちらです。
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平戸香菜さん(鋳金)
Q1
富山県砺波市で金属を素材とした制作をする平戸香菜さん。
「工房からの風」には、どのような作品を出品されますか?
A1
生命のうつろいをテーマに作品を制作しています。
自分で金属を溶かして作品をつくることが、なにより楽しいです。
Q2
工房で大切な、あるいは象徴的な、あるいはストーリーのある「道具」について1点教えてください。
A2
溶けた金属が入った坩堝を掴む道具です。
鋳金の道具は市販されているものが少なく、あるものを加工したり作り直したりして使うことがほとんどです。
大切な大先輩から譲り受けたとても重要な道具です。
Q3
お手持ちの「工藝品」で愛用、または大切にされているものついて1点教えてください。
A3
野村瑞穂さんの抹茶茶碗
なんでもない形ですが、柔らかな釉薬の色がとても心地良い作品です。
野村さんの作品は白い釉薬が多いのですが、これは珍しく桜色です。
当たり前のことを丁寧に行う大切さを思い出させてくれます。
金属を鋳込む鋳造。
今回も金属を素材として制作する作家が7名ほどいらっしゃいますが、大掛かりな鋳造をされるのは平戸香奈さん。
金属材料を高温で溶解させ、独自に作った鋳型(いがた)に流し込んで冷やし固めることで制作する技法です。
小さなものは装身具から、花瓶からインテリアのものまで。
金属の幅広い作品世界に触れていただく機会になるように思います。
平戸香菜さんの出展場所は、galleryらふとと花壇の間。
秋のお庭にオヴジェも映えるように展示してほしいと思っています。
余談ですけれど、平戸さんはもともとは茨城県のご出身。
展示場所の隣、galleryらふとでは、茨城県在住の竹細工の勢司恵美さんが竹割りをしています。
茨城ののどかで楽しい言葉が行き交うエリアになるかもしれません。
平戸香菜さんのホームページはこちらです。
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そして、平戸さんの登場する映像はこちらです。
→ click