2020年10月の記事一覧

「出展作家紹介/工房からの風」New

director's voice | コメントする

岡林厚志さん hyakka 木工

Q1
岡林さんは、「工房からのそよ風」では、どのようなことをしてくださいますか?
販売作品は、どのような作品がありますか?

A1
スツールの公開制作を行います。
スツールの部材を旋盤を用いて削りだし、組み立ててかたちにするまでを見て頂ければと思います。
また、制作するものと同じスツールやこものを少量ですが販売致します。

hyakka写真1

Q2
「工房からのそよ風」は、風人さんと一緒に創ってきましたが、ご来場くださる方に、どのようなところを見て、感じていただきたいですか?

A2
大変な状況のなか小さな規模での開催にはなりましたが、
工房からの風が伝えていきたいことはどのような状況でも変わらないのではないかと思います。
確かな想いと手によって生み出された確かなもの、そのものの持つ力や豊かさ。
そんなことを感じて頂けたらと思います。

hyakka写真2

Q3
岡林さんの「工房」で、特に大切な、あるいは愛着のある「道具」を教えてください。

A3
鉋(かんな)です。
鉋は使い方や季節によっても調子が変わるもので、「仕込み」と呼ぶ調整が欠かせません。
鉋の仕込み具合は、そのまま仕事の精度やスピードに直結します。
木工の仕事を始めて15年ほど経ちますが、確度こそ上がっているものの、いまだに常に良い状態を保つのは難しいことです。
今までに何回刃を研ぎ、台を削り直したかわかりません。
仕事を始めた頃に手に入れた鉋の刃は、今ではだいぶ短くなりました。

写真の鉋はお世話になった方から譲り受けたもの。
使うたびにその方の仕事に向かう姿勢を思い出し、少しでもそこに近づけるようにと思いつつ仕事をしています。

hyakka写真3

+++

3年前から風人として、企画運営に加わってくださっている岡林さん。
注文家具を中心に制作をされています。

いつも惜しみなく心も身体も働かせてくださって、ものづくり全体が豊かになることを考えています。

まもなくアップする「工房からの風・巡る言葉」の映像にも登場していただきましたので、どうぞお楽しみに。

岡林厚志さん、hyakkaのテントは、おりひめ神社の奥側です。

ホームページはこちらになります。
→ click

director's voice | コメントする

森友見子さん 再生紙

Q1
森さんは、「工房からのそよ風」では、どのようなことをしてくださいますか?
販売作品は、どのような作品がありますか?

A1
「工房からのそよ風」では、らふとのお庭のハーブを混ぜ込んだ再生紙の器作りのワークショップをします。
販売作品は、再生紙の器、トレー、小箱、モビールなどです。

IMG_2154

_DSC8559

Q2
「工房からのそよ風」は、風人さんと一緒に創ってきましたが、ご来場くださる方に、どのようなところを見て、感じていただきたいですか?

A2
「工房からの風」とは、初期の頃からの長年のお付き合いです。
今年来ていただくお客様にはぜひ「工房からの風」の原点のようなもの(作る喜び)を再発見していただけたらと思います。

_DSC8061

IMG_2146

Q3
森さんの「工房」で、特に大切な、あるいは愛着のある「道具」を教えてください。

A3
作品を作る時、原型を粘土で作り石膏型で成形しています。

image1

IMG_2104

+++

今年、森友見子さんのワークショップでは、お庭のハーブを混ぜ込んだ白い再生紙、器を作ります。
参加された方は、型に入れたままお持ち帰りいただいて、ご自宅で乾燥させて器を抜き出します。
「そよ風」の思い出に、ぜひ体験なさってみてください。

ところで、再生紙を使って造形を続ける森友見子(もり ゆみこ)さん。
工房からの風、初期から共にこの会を作ってきてくださいました。
例年は「素材の学校」という子どもたちにむけての、ものづくりの楽しさを体験いただく学校の校長先生も担ってくださっています。

森さんの作る再生紙での作品からは、そのフォルムの美しさもひとしおなのですが、
人の心に美しいsomethingを投げかける力、アートの力も備わっていますえています。

YouTubeの映像では、ちらりとそんなエッセンスも感じていただけるかと思います。
→ click

森友見子さんのインスタグラムは、こちらです。
→ click

director's voice | コメントする

吉田慎司さん ほうき

Q1
吉田さん、「工房からのそよ風」では、どのようなことをしてくださいますか?
販売作品をご用意くださる方は、どのような作品がありますか?

A1
実演・箒の説明を通して手仕事の豊かさや、自然素材と歴史のwonderをお伝えしたいです!

販売は、定番の品物に加え、ややチャレンジした新作も・・・?
鋭意制作中です!

4yoshidashinji

2yoshidashinji

Q2
「工房からのそよ風」は、風人さんと一緒に創ってきましたが、ご来場くださる方に、どのようなところを見て、感じていただきたいですか?

A2
色々と大変な時期ですが、作り手のやるべき事は変わらないように思います。

展示を通して、豊かな暮らし、根を張った生き方、喜び、確かな手触りのある仕事を感じて欲しいです。
そして、新鮮な工芸に触れることが、そのような出会いの入口になると信じています。

考えるべき事や、思いを馳せる必要のある事はたくさんあるけれど、対話、交歓を通して、ハレの場はハレの場として、喜びを分かち合える場所を作っていきたいです。
工芸は、昔も今も、未来もここにある。
そんな青写真を感じられる機会にしたいです。

1yoshidashinji

Q3
吉田さんの「工房」で、特に大切な、あるいは愛着のある「道具」を教えてください。

A3
幾つかありますが、思い出深いのは包丁かも知れません。
大学の近くに、元・大工の棟梁がやっていた刃物屋さんがありました。
ちょこっと話を始めると、2時間くらい離してくれない人で…
適当に買おうとするものなら、砥石は持ってんのか?とか、聞かれて面倒な事になるので、好き嫌いの大きく分かれるお店でした。

箒を作り始めた頃、まずは刃物。
と思って、とりあえず話を聞きに行きました。
刃物の研ぎ方も、仕組みも、何も知らなかったから、延々と聞かせてくれる棟梁の話は本当にありがたかったし、職人さんって、こういうもんなんだ…!
と、生き様を見せて戴いた事が大きかったです。

なかなか、話にずっと付き合う若者もいなかったみたいで、しまいには中から奥さんも出てきて、勉強させてもらっているやら、今の若者に対する愚痴を聞かされているやら…という感じになりましたが(笑)

とにかく、仕事への愛と誇りに溢れていましたね。
あんな面倒な人、その後もなかなかお会い出来ていません。
心の底から信用できるものを買う原体験として、今も仕事の基準にしています。
その時購入したのがこの包丁。
このまま最後まで寄り添えたらいいなぁと思っています。

IMG_20201003_150450

+++

吉田慎司さんの初出展は2011年。
箒を編む青年!が、気づけばダリ?かポワロのようなお鬚のお父さんになっていました(笑

風貌はだいぶ変わられましたが、想いと実践は出会いの時に抱いていらした種や芽をふくふくと大切に成熟されたもの。
変わったのではなく、進化成長しているんですね。
そして、何よりものづくりとそれにまつわることへの愛が深い、信頼が深い。
人の営みをとても肯定的にとらえたうえで、客観的にものを見ようとしている姿勢に、いつも共感し、教えられてもいます。

今回の「そよ風」展も、吉田さんの思考、想いが企画の柱の中に染みているように感じています。
ぜひ、吉田さんのテント(おりひめ神社近く)で、ものづくりを巡る交流をなさっていただきたいと思います。

吉田さんにも「ニッケ鎮守の杜」で、箒制作の映像を撮らせていただきました。
BGMがロックな感じが何ですが・・・。

この映像、箒を編み上げる速度が速くて、制作のいとうゆりさんに「早送りしたんですか?」とお尋ねしましたら、
「いいえ、そのままです。むしろ、吉田さん、ゆっくり編んでくださったような気がします」と!
さすが職人!なのですね。
身体と素材がつながって生み出されるリズムは、そう、なかなかにロックだったのでした。

映像はこちらから。
ぜひ、チャンネル登録もお願いします!
→ click

director's voice | コメントする

磯敦子さん 綿

Q1
「工房からのそよ風」では、磯さんはどのようなことをしてくださいますか?
販売作品をご用意くださる方は、どのような作品がありますか?

A1
綿から糸を紡ぐデモンストレーションを行います。
会場では棉も育てていますので、植物をみていただいて、その実りである棉を棉にしていく過程をご覧いただいたり、体験いただけたらと思います。

IMG_4648

私の作品として、木綿手紡布ストール、ポシェット、巾着などの展示販売も行います。
また、スピンドルの販売も予定しています。

IMG_5416

IMG_5412

Q2
「工房からのそよ風」は、風人さんと一緒に創ってきましたが、ご来場くださる方に、どのようなところを見て、感じていただきたいですか?

A2
素材から作品への工程が見られるデモンストレーションを楽しんでいただけると思います。

季節の草花や、ものづくりの素材を丹精込めて育てた「手仕事の庭」を背景に展示をすることも喜びのひとつです。

IMG_5416

Q3
磯さんの「工房」で、特に大切な、あるいは愛着のある「道具」を教えてください。

A3
[つむ]

糸を紡ぐ時に糸車の先端にある一番肝心な部分です。
染織の工房を卒業する時に先生から譲り受けました。
とても古いもので、鉄とムクロジの実と篠竹で出来ています。
身の周りの自然から必要な道具を作り出すこと。
とても丈夫で使いやすく、姿も美しいこと。
私のものづくりの手本となるような道具です。

IMG_2931

+++

初期の工房からの風から出展くださっていた磯敦子さん。
今回は、YouTube用に映像も撮らせていただきました。

綿も美しいのですが、磯さんの棉繰りやカーディング、チャルカでの紡ぎなど、その所作のひとつひとつに見惚れてしまいます。
作り手が作り続けてきた所作。
こうして、映像で残せてよかったです。
ぜひご覧ください。

→ click

director's voice | コメントする

大野七実さん 陶芸

Q1
「工房からのそよ風」では、七実さんはどのようなことをしてくださいますか?

A1
デモンストレーションを行います。
貼花(ちょうか)の制作工程の一部をお見せしたいとおもいます。

作品ができあがるまでにはたくさんの工程があり、かたちになるまでのなかには、普段見ている景色や記憶が様々に重なっていきます。
実際どんなふうに紋様をつくり出しているのかをご覧いただく事で、作品の奥に広がる世界をより身近に感じてもらえる機会になればいいなと思います。
当日は、お庭の植物をモチーフに何か描いてみたいです。

作品販売は用意がなくて申し訳ありません。

IMG_2323

Q2
「工房からのそよ風」は、風人さんと一緒に創ってきましたが、ご来場くださる方に、どのようなところを見て、感じていただきたいですか?

A2
皆が立ち止まり、暮し方、働き方、様々なことが大きく変化したこの半年でしたが、そういった中でも、ものづくりの営み自体は変わらずにつづいていて、つくること、手渡すこと、暮しのなかで活かされること、その循環は、より求められ確かさを増したように感じます。

私たちができることで場を未来へと繋ぎ、思いを共有することも、今とても大切なことのようにおもいます。

いつもの賑やかな活気溢れる工房からの風とはいきませんが、実際にものに触れ温度や色、伝わる思いを肌で感じ、そのよろこびを分かち合い、和やかに心通う豊かな時間を、今年ならではの過ごし方でゆったりと楽しんでいただけましたらうれしいです。

元気な姿でお会いできますように。
秋のそよ風と美しいお庭で安らいでいただけますように。

Q3
七実さんの「工房」で、特に大切な、あるいは愛着のある「道具」を教えてください。

A3
道具と呼ぶには少し違う気もしますが、いちばん大事なさいごの焼きを任せているのがガス窯です。
独立してからずっと苦楽を共にしてきた、大きな存在です。

それまで手のなかにあったものを窯の炎に委ねる。
いつも祈るようなきもちで手を合わせます。
こちらの思うようにいかないことがたくさんあるからこそおもしろいし、そこからまた発見があり、ときには受けいれる寛容さも必要だと教えてくれます。

IMG_0494

+++

陶芸は、大野七実さんと小泉すなおさんが一緒にテントで交代に制作公開をしてくださいます。
おふたりで、何やら楽しそうに企画をしていらしたので、ぜひご覧くださいね。
私も撮っても楽しみです。

お二人のテントは、おりひめ神社、お社の脇にあります。

大野七実さんのインスタグラムはこちらです。
→ click

director's voice | コメントする

小泉すなおさん 陶芸

Q1
今年、初めての風人さんをしてくださる予定だったすなおさん。
そよ風開催となって、出展者側になっていただくことにもなりましたが、
どのようなことをしてくださいますか?
また、どのような作品を、展示販売されますか?

A1
ろくろをひいた後の作品を削り、成形装飾したいと思います。
マットな釉薬の食の器と、当日のデモンストレーション予定の花器を展示します。

koizumi-P1050276

Q2
「工房からのそよ風」は、風人さんと一緒に創ってきましたが、ご来場くださる方に、どのようなところを見て、感じていただきたいですか? 

A2
自分自身と向き合う事の多かった時間の中で、手を止めずに生まれた作品達。
作品はもちろん、つくり手の言葉からも、それぞれの作品が生まれた背景を感じて欲しいと思います。

koizumi-P1050077

koizumi_DSC4852

Q3
風人さんの「工房」で、特に大切な、あるいは愛着のある「道具」を教えてください。 

A3
陶芸を始めた頃に「これを使って頑張って」と友人のお父さんが作ってくれた竹べら。
形やサイズもいろいろの十本ほどを、長く愛用しています。
今も使っている道具の中で1番古いものです。

IMG_1527

+++

一昨年出展くださって、今年は初風人さん予定だった小泉すなおさん。
風人さんの当日ミッションは例年とは異なりましたが、zoomミーティングをしたり、さまざまな課題に向かって話し合いましたね。
私たち企画側にとっても、これらのご一緒いただいた時間も振り返れば尊い気がしています。

YouTubeチャンネルへのプログラムの中で、作家さん数名が語る「工房からについて」を語っていただく!というインタビュー企画が生まれたのですが、
すなおさんの工房まで、映像制作のいとうゆりさんと共にお訪ねもいたしました。
この映像も後日アップいたしますので、ぜひご覧ください。

小泉すなおさんのテントは、同じく風人、陶芸の大野七実さんと一緒。
おりひめ神社の脇にあります。

小泉すなおさんのブログはこちらです。
→ click

director's voice | コメントする

RIRI TEXTILE 和泉綾子さん 染織

今年の作家紹介は、風人テントから10組、作り手テントから5名の作家からのメッセージをご紹介していきます。
まずは、本日開設した「工房からの風YouTubeチャンネル」にも映像を公開した和泉綾子さんからのメッセージです。

Q1
RIRI TEXTILE 和泉綾子さんは、「工房からのそよ風」では、どのようなことをしてくださいますか?
どのような作品を展示販売されますか?

A1
草木染めのデモンストレーションをおこないます。

普段は一種類の植物を煮出して染めているのですが、
「工房からのそよ風」では、会場である「ニッケ鎮守の杜・手仕事の庭」で育まれた数種類の植物を一緒に煮出し、お庭の恵みを色として糸や布にうつしとる様子をご覧いただけたらいいなと思っています。

IMG-5136

IMG-5138
また、数は少ないのですが、草木で染めたリネンガーゼのストールや、手織りのストールなども販売させていただく予定です。

IMG-5175

Q2
「工房からのそよ風」は、風人さんと一緒に創ってきましたが、ご来場くださる方に、どのようなところを見て、感じていただきたいですか?

A1
作るひと、使うひと、紹介する人、育むひと、が、豊かな恵みに彩られた手仕事の庭に集まる「工房からの風」は、ものづくりを巡る営みがこの手の先にある、この手で育むことができると信じさせてくれる場所だと思います。

今年、その風が形を変えて「そよ風」になっても、根幹にあるものは変わらず醸されると信じています。

個人的にこの半年間、変化する世界の中において、この手で何かを作り出すことは、なんてたしかな行為なんだろうと感じる日々でした。

「工房からのそよ風」では、よろこびとともにあるたしかな営みの数々をご覧いただけたらいいなと思っています。

IMG-5169

Q3
風人さんの「工房」で、特に大切な、あるいは愛着のある「道具」を教えてください。

A3
寸胴鍋。

糸や布の下処理や草木を煮出したり染めたりする作業でたくさん使う、なくてはならない道具です。

小さい鍋で草木を煮出して、大きな鍋に一番煎じ、二番煎じ、時には三番煎じくらいまでの染液を漉して染めることが多いです。

はじめて買った寸胴鍋は、工房のなかで一番付き合いが長い道具だと思います。

IMG-5180

+++

2018年の9月、デンマークのニット作家マリアンネ・イサガーさんの運営する施設へ滞在するツアーで、和泉綾子さんとご一緒いたしました。

そのツアーの中で行ったイサガーさんのお庭で摘んだ草花で毛糸を染めるワークショップ。
ブーケを束ねるように花を摘み、それをおおらかに煮出していく。

そのツアーには、染織作家が数名参加されていましたが、皆さん、目をパチクリと!
だって、分量も測らないし、そもそもさまざま過ぎる!草花をこんなに一緒に煮だしていいんだろうかと。
けれどイサガーさんは堂々と攪拌棒を回して煮込み、これまた堂々とウールの束を鍋に投入したのでした。
かくして、見事な緑色の毛糸が染まったのでした。

IMG_0069

IMG_0204 (533x800)

この日の和泉さんのとっておきの笑顔もここに!

草木染めの部外者の私でさえ、なんだか目から鱗で、ああ、これでいいんだ。
これがいいんだ!と思わせてくれる体験でした。
その場にいた染織作家の方々も、それぞれのお仕事の中でそれを行うかは別のこととして、ものづくりの心に、爽やかな一筋に風が渡ったような表情でした。

あれから2年。
ニッケ鎮守の杜でも「ブーケ染め」したいねー。と和泉さんと話していたことが実現できました。
映像も、新設したYouTubeチャンネルに公開しましたよ!
→ click

「工房からのそよ風」では、「ブーケ染め」の実演と、映像を撮った日に染めたリネンのストールも販売してくださるとのこと。
一期一会のこのお庭での「ブーケ染め」、ぜひご覧になってみてくださいね。

和泉綾子さんの出展場所は、galleryらふとと花壇の間。
RIRI  TEXTILEのホームページはこちらになります。
→ click

director's voice | コメントする

台風のあとに

このたびの台風で被害に遭われた皆様へ心よりお見舞い申し上げます。
復旧とご健康を切に願っております。

:::

「工房からの風」の会場、ニッケコルトンプラザ、及びニッケ鎮守の杜は、
お陰様で被害はなく、今週末の開催に向けて、粛々と準備を進めております。

出展作家全員に確認を取りましたところ、一時避難をされたり、
少し水が上がってしまわれたり、倒木で近隣の道路がふさがれたり、
停電、水が止まったり、、、と、不自由をされている方もいらっしゃいました。
けれど、全員から、工房からの風へは必ず出展します!
と明るいメッセージやお声を寄せていただいております。

このような広範囲に大きな被害があった中、
さまざまな地から、ひとつ場所に作り手が集うことができる、
そのこと自体が尊いことのように感じています。

何事も当たり前ではないんですね。
あらためてそう思うと、この二日間が一層ありがたく思えてきます。
出展作家の方々も、きっとそのように感じているのではないでしょうか。

発送や、往復の道など、通常よりも大変なことが多いかもしれません。
けれど、いつにも増して、感謝の気持ちがきゅっつと詰まった一期一会の展覧会になりますね。
いや、ぜひ、そうしたい。
来場くださる皆様と一緒に、ぜひそのような時空を作り上げたいと希っています。

IMG_1918

画像は、台風一過の会場の一角。
秋晴れを願いつつ、準備を進めます!

+++

追記
皆様、フォローを、ぜひ、よろしくお願いいたします!

フェイスブック  → https://www.facebook.com/kouboukaranokaze/

インスタグラム → https://www.instagram.com/kouboukaranokaze/?hl=ja

director's voice | コメントする

col tempo 革 滋賀

Q1
col tempoさん、「工房からの風」にどのような作品を出品なさいますか?

A1
フィレンツェの伝統工芸の革小物と、シンプルな革のバッグを出品いたします。

革小物は縫い目がないことが特徴で、革を水で固めて成型し、熱をあてることで独特の色彩と艶を生み出す技法を用いています。

定番のコインケースは、イタリアで古くから親しまれてきた形で、開けたフタにコインを出して選ぶことができます。

バッグは体に馴染むように、また軽さを重視して余計なものをつけずに作っています。

今回、火からイメージして選んだ真っ赤な革。
秋冬の暗くなりがちな装いに赤いポシェットをさっと肩からかけていたら、きっと素敵だろうなぁと思って作りました。

革のものは使っていくうちにその風合いが増してくることが魅力だと思っています。
私が普段使っているものもお持ちしますので、ぜひお手に取って革の変化を感じていただければ嬉しいです。

coltempo1

coltempo3

Q2
ご自身の工房の中で、特に大切にしている場所、あるいは部分、印象的な場所、空間、または、道具の写真を1カット撮ってください。
そして、その説明をお願いします。

A2
私の制作は、そのほとんどを自宅のダイニングテーブルで行っています。

横と前にある大きく開いた窓から陽の光が射し込み、草木が風でなびく様子や、小さな鳥のさえずりに耳を傾け、時に入ってくる風を感じることができるこの場所がたまらなく好きで、その特等席に座って、制作しています。

家族が帰ってくるころには、片付けられて、姿を消す工房ですが、日々の暮らしと制作の場が共にあることが、今の私にはちょうどよい気がしています。

coltempo4

Q3
col tempoさんの、ものづくりの種火ともいえる、きっかけや動機、大切な人や物との出会いについて教えてください。

A3
始まりは旅で訪れたフィレンツェの工房で出逢ったコインケースでした。

その不思議な魅力にすっかり心を奪われて、仕事を辞めてフィレンツェへと渡ったのですが、手先が器用なわけでもなく、ものづくりの経験もさほどない私は、帰国してからも教わった技術をなかなか形にできずにいました。

「試して、試して、とにかく試し続けることだ」
師匠がくれたこの言葉を心に置いて、手を動かし自分で考え続けては失敗を重ねる中で、もうダメと思ったときには必ず、手を差し伸べてくれる人との出逢いがありました。

惜しみないアドバイスをくれる師匠、親身に相談にのってくださる革屋さん、私の作るものを手にしてくださる方々、いつも一番近くで私の尻をたたいてくれる主人、、、
私1人ではとっくに消えてしまっていたかもしれない、つくりたいと願う火。

思い返してみると、たくさんの人との出逢いが私の火を守り育んでくれていたのだなぁと感じています。
工房からの風でも、みなさまと佳き出逢いがありますようにと、楽しみにしております。

coltempo2

コロンとした美しい曲線と革の風合いが奏でるコインケースの存在感に魅せられました。
お話しを伺うほどに、ものづくりに至るまでの熱いパッションと行動力に驚きました。

ものがひとを動かす。人生を動かしていく。
幼いお子さんの母でもあるひとは、日々の暮らしを慈しみながらも、
ものづくりの志を高くおいて、日々コツコツと手を動かし、想いを育んでいます。

それでも何かが急に変わるわけではないでしょう。
一見見いだせない変化、単調な繰り返しの中に、実は進化成長があるのだと思います。
出展が決まってからのこの数カ月の真摯な制作時間を経て、col tempoさんの革の作品はぐんと輝きを増してきたはず。
皆様と一緒にその輝きに触れるのが、楽しみでなりません。

col tempoさんの出展場所は、おりひめ神社鳥居正面右手のふもと。
やりきった晴れ晴れとした表情で、皆様を迎えてくださることでしょう。

新しく整えられたホームページはこちらです。
→ click

director's voice | コメントする

工房 ゆり介 鍛金 北海道

Q1
工房ゆり介さんにお尋ねします。
「工房からの風」にどのような作品を出品なさいますか?

A1
銅板を打ち出して作ったカトラリーや、調理器具、インテリアなどを出品予定です。
金属工芸の鍛金という技法で、銅の板や線から打つことで形を作り、実用できるように叩き締めたものを制作しています。
鍛金の特徴的な打ち目の表情と、丸みを生かして、金属だけど温もりが感じられるようなものづくりを心掛けています。

_ ゆり介(カトラリー画像)

_ ゆり介(時計画像)

Q2
工房ゆり介さんが特に大切にしている場所、あるいは部分、印象的な場所、空間、または、道具の写真を1カット撮ってください。
そして、その説明をお願いします。

A2
鍛金は制作上、銅板を打つ音が響いたり、火を使う作業があるので、畑に囲まれた元農家さんの納屋だったところを工房にしています。

建物が、だいぶ風化していたことと、中の地面が土だったので、自分たちで壁を張り直したり、床を張ったり、軟石を敷いて薪ストーブを置いたり、改修しながら使っています。
なので、すべてに愛着があるのですが、なかでも大切にしている場所は、作品作りに向き合っている制作場所です。(散らかっていますが…)

自分たちは移住者なので北海道の雄大な景色と、開拓者精神への憧れもあって、ここからの景色を眺めながらモチベーションを上げて制作に打ち込んでいます。

_ ゆり介(工房画像)

Q3
竹島俊介さんにとって、ものづくりの種火ともいえる、きっかけや動機、大切な人や物との出会いについて教えてください。

A3
「作る」ということが好きで、生業としたいと考えたときに、本で金属工芸の「鍛金」に出会いました。
金属を手作業で思った形に加工できれば、面白い物が作れそうだなと思い、それからいろいろ調べて工房見学に行ったりしたのちに金属工芸を学べる学校に進みました。

高校生の時に1人で北海道に行ったことを機に、「旅」にも出会いました。
その2つの出会いが交わり、今は北海道で物作りの旅をしています。

_ ゆり介(ミルクパン画像)

6月、工房ゆり介を訪ねました。
北海道!由仁町。
新千歳空港から車で30分ほどの自然がいっぱいの土地。
ジャガイモ畑の中に、素朴でたくましい、手作り工房がありました。

「ゆり介」とは、夫人のユリエさんと竹島俊介さんの名前から付けられた工房名。
その愛らしい名前とユリエさんデザインのユニークな作品群のインパクトが強いのですが、
俊介さんの端正なお仕事も「ゆり介」の作品の柱となっているように思います。

旅という言葉が、俊介さんとの会話の中のキーワードのようでした。
旅が導き、旅が自らの姿を立たせてくれるような。

鍛金の仕事はとにかく叩いて叩いて形を創り上げていきます。
その叩くことは、歩くことに通じるのでしょうか。
トントン叩く遅々たる歩みの中に、俊介さんの創作の可能性が豊かに眠っているように感じます。
きっと、これから工房ゆり介を豊かにしていくラインを、模索している最中なのでしょう。

今展に向けて制作された作品群の中から、ぜひ、お気にとまったものについて、ご意見や感想をお伝えいただけたらと思います。
作品に対する皆さんの声を、何よりも聴きたくて、北海道からはるばるフェリーを使っておふたりで市川まできてくださるのですもの。

IMG_1648

IMG_1644

IMG_1645

IMG_1646

俊介さんの制作姿とともに、6月に私が取った写真も。
ワイルドな佇まいの中にも、凛とした展示室でした。

工房ゆり介の出展場所は、稲荷社のふもと。
ホームページはこちらになります → click