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2020年10月の記事一覧
「出展作家紹介/工房からの風」New
director's voice
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台風のあとに
このたびの台風で被害に遭われた皆様へ心よりお見舞い申し上げます。
復旧とご健康を切に願っております。
:::
「工房からの風」の会場、ニッケコルトンプラザ、及びニッケ鎮守の杜は、
お陰様で被害はなく、今週末の開催に向けて、粛々と準備を進めております。
出展作家全員に確認を取りましたところ、一時避難をされたり、
少し水が上がってしまわれたり、倒木で近隣の道路がふさがれたり、
停電、水が止まったり、、、と、不自由をされている方もいらっしゃいました。
けれど、全員から、工房からの風へは必ず出展します!
と明るいメッセージやお声を寄せていただいております。
このような広範囲に大きな被害があった中、
さまざまな地から、ひとつ場所に作り手が集うことができる、
そのこと自体が尊いことのように感じています。
何事も当たり前ではないんですね。
あらためてそう思うと、この二日間が一層ありがたく思えてきます。
出展作家の方々も、きっとそのように感じているのではないでしょうか。
発送や、往復の道など、通常よりも大変なことが多いかもしれません。
けれど、いつにも増して、感謝の気持ちがきゅっつと詰まった一期一会の展覧会になりますね。
いや、ぜひ、そうしたい。
来場くださる皆様と一緒に、ぜひそのような時空を作り上げたいと希っています。
画像は、台風一過の会場の一角。
秋晴れを願いつつ、準備を進めます!
+++
追記
皆様、フォローを、ぜひ、よろしくお願いいたします!
director's voice
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col tempo 革 滋賀
Q1
col tempoさん、「工房からの風」にどのような作品を出品なさいますか?
A1
フィレンツェの伝統工芸の革小物と、シンプルな革のバッグを出品いたします。
革小物は縫い目がないことが特徴で、革を水で固めて成型し、熱をあてることで独特の色彩と艶を生み出す技法を用いています。
定番のコインケースは、イタリアで古くから親しまれてきた形で、開けたフタにコインを出して選ぶことができます。
バッグは体に馴染むように、また軽さを重視して余計なものをつけずに作っています。
今回、火からイメージして選んだ真っ赤な革。
秋冬の暗くなりがちな装いに赤いポシェットをさっと肩からかけていたら、きっと素敵だろうなぁと思って作りました。
革のものは使っていくうちにその風合いが増してくることが魅力だと思っています。
私が普段使っているものもお持ちしますので、ぜひお手に取って革の変化を感じていただければ嬉しいです。
Q2
ご自身の工房の中で、特に大切にしている場所、あるいは部分、印象的な場所、空間、または、道具の写真を1カット撮ってください。
そして、その説明をお願いします。
A2
私の制作は、そのほとんどを自宅のダイニングテーブルで行っています。
横と前にある大きく開いた窓から陽の光が射し込み、草木が風でなびく様子や、小さな鳥のさえずりに耳を傾け、時に入ってくる風を感じることができるこの場所がたまらなく好きで、その特等席に座って、制作しています。
家族が帰ってくるころには、片付けられて、姿を消す工房ですが、日々の暮らしと制作の場が共にあることが、今の私にはちょうどよい気がしています。
Q3
col tempoさんの、ものづくりの種火ともいえる、きっかけや動機、大切な人や物との出会いについて教えてください。
A3
始まりは旅で訪れたフィレンツェの工房で出逢ったコインケースでした。
その不思議な魅力にすっかり心を奪われて、仕事を辞めてフィレンツェへと渡ったのですが、手先が器用なわけでもなく、ものづくりの経験もさほどない私は、帰国してからも教わった技術をなかなか形にできずにいました。
「試して、試して、とにかく試し続けることだ」
師匠がくれたこの言葉を心に置いて、手を動かし自分で考え続けては失敗を重ねる中で、もうダメと思ったときには必ず、手を差し伸べてくれる人との出逢いがありました。
惜しみないアドバイスをくれる師匠、親身に相談にのってくださる革屋さん、私の作るものを手にしてくださる方々、いつも一番近くで私の尻をたたいてくれる主人、、、
私1人ではとっくに消えてしまっていたかもしれない、つくりたいと願う火。
思い返してみると、たくさんの人との出逢いが私の火を守り育んでくれていたのだなぁと感じています。
工房からの風でも、みなさまと佳き出逢いがありますようにと、楽しみにしております。
コロンとした美しい曲線と革の風合いが奏でるコインケースの存在感に魅せられました。
お話しを伺うほどに、ものづくりに至るまでの熱いパッションと行動力に驚きました。
ものがひとを動かす。人生を動かしていく。
幼いお子さんの母でもあるひとは、日々の暮らしを慈しみながらも、
ものづくりの志を高くおいて、日々コツコツと手を動かし、想いを育んでいます。
それでも何かが急に変わるわけではないでしょう。
一見見いだせない変化、単調な繰り返しの中に、実は進化成長があるのだと思います。
出展が決まってからのこの数カ月の真摯な制作時間を経て、col tempoさんの革の作品はぐんと輝きを増してきたはず。
皆様と一緒にその輝きに触れるのが、楽しみでなりません。
col tempoさんの出展場所は、おりひめ神社鳥居正面右手のふもと。
やりきった晴れ晴れとした表情で、皆様を迎えてくださることでしょう。
新しく整えられたホームページはこちらです。
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director's voice
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工房 ゆり介 鍛金 北海道
Q1
工房ゆり介さんにお尋ねします。
「工房からの風」にどのような作品を出品なさいますか?
A1
銅板を打ち出して作ったカトラリーや、調理器具、インテリアなどを出品予定です。
金属工芸の鍛金という技法で、銅の板や線から打つことで形を作り、実用できるように叩き締めたものを制作しています。
鍛金の特徴的な打ち目の表情と、丸みを生かして、金属だけど温もりが感じられるようなものづくりを心掛けています。
Q2
工房ゆり介さんが特に大切にしている場所、あるいは部分、印象的な場所、空間、または、道具の写真を1カット撮ってください。
そして、その説明をお願いします。
A2
鍛金は制作上、銅板を打つ音が響いたり、火を使う作業があるので、畑に囲まれた元農家さんの納屋だったところを工房にしています。
建物が、だいぶ風化していたことと、中の地面が土だったので、自分たちで壁を張り直したり、床を張ったり、軟石を敷いて薪ストーブを置いたり、改修しながら使っています。
なので、すべてに愛着があるのですが、なかでも大切にしている場所は、作品作りに向き合っている制作場所です。(散らかっていますが…)
自分たちは移住者なので北海道の雄大な景色と、開拓者精神への憧れもあって、ここからの景色を眺めながらモチベーションを上げて制作に打ち込んでいます。
Q3
竹島俊介さんにとって、ものづくりの種火ともいえる、きっかけや動機、大切な人や物との出会いについて教えてください。
A3
「作る」ということが好きで、生業としたいと考えたときに、本で金属工芸の「鍛金」に出会いました。
金属を手作業で思った形に加工できれば、面白い物が作れそうだなと思い、それからいろいろ調べて工房見学に行ったりしたのちに金属工芸を学べる学校に進みました。
高校生の時に1人で北海道に行ったことを機に、「旅」にも出会いました。
その2つの出会いが交わり、今は北海道で物作りの旅をしています。
6月、工房ゆり介を訪ねました。
北海道!由仁町。
新千歳空港から車で30分ほどの自然がいっぱいの土地。
ジャガイモ畑の中に、素朴でたくましい、手作り工房がありました。
「ゆり介」とは、夫人のユリエさんと竹島俊介さんの名前から付けられた工房名。
その愛らしい名前とユリエさんデザインのユニークな作品群のインパクトが強いのですが、
俊介さんの端正なお仕事も「ゆり介」の作品の柱となっているように思います。
旅という言葉が、俊介さんとの会話の中のキーワードのようでした。
旅が導き、旅が自らの姿を立たせてくれるような。
鍛金の仕事はとにかく叩いて叩いて形を創り上げていきます。
その叩くことは、歩くことに通じるのでしょうか。
トントン叩く遅々たる歩みの中に、俊介さんの創作の可能性が豊かに眠っているように感じます。
きっと、これから工房ゆり介を豊かにしていくラインを、模索している最中なのでしょう。
今展に向けて制作された作品群の中から、ぜひ、お気にとまったものについて、ご意見や感想をお伝えいただけたらと思います。
作品に対する皆さんの声を、何よりも聴きたくて、北海道からはるばるフェリーを使っておふたりで市川まできてくださるのですもの。
俊介さんの制作姿とともに、6月に私が取った写真も。
ワイルドな佇まいの中にも、凛とした展示室でした。
工房ゆり介の出展場所は、稲荷社のふもと。
ホームページはこちらになります → click