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スパイス模様の冬飾り

来週末、15日(土)金属を用いて自然の息づかいを感じるジュエリーやオブジェをつくる
Anima uniさんのワークショップ『スパイス模様の冬飾り』を開催します。
現在、午前の部のみ若干名様の余席がございます。  受付終了しました。
お問い合わせ・お申込みは、HPお問い合わせフォーム
または、お電話047-370-2244 galleryらふとにて承ります。

■ 11/15 (土)「スパイス模様の冬飾り」
講師:Anima uni
第1回:10時半〜12時半 → 受付終了しました
第2回:14時〜16時 → 受付終了しました
定員 各回8名 会費 3500円+送料

シナモン、クローブ、オレンジピール。。。
金工作家のAnima uniさんと、
チャームとしてもお使いいただけるスパイス柄の真鍮の冬飾りを作ります。
鋳造工程を経てクリスマス前にお届けします。(レターパックプラス510利用)

鋳造用のワックスシートに、
シナモンやオレンジピール、手仕事の庭のハーブなどの粒つぶ模様や葉脈を写したり、
(柔らかいワックスシートに写したい形のものを押し付けると、
その模様がシートにきれいに写るのです)
枝でひっかいて表情をつけたりして、
リース型やお好きな形に組み立てた原型を作ります。
作業中は、きっとスパイスやハーブのよい香りが漂うことでしょう。
その原型を一度お預かりして、真鍮を流し込む鋳造工程を経て後日お渡しとなります。
細かな模様も再現されますので、金属となっての再会は心躍りますよ。
ペンダントトップや、インテリアとしても。
クリスマス前にお届けしますので贈り物にもおすすめです。

リース型はツリーにかけても素敵ですね。

自由な形にも作れます。

パーツそれぞれに好きな模様をつけていきましょう。
組み立てはAnima uni さんが優しく教えてくださいます。

らふとのお庭からも、ローズマリーや、ラベンダー、さまざまな葉っぱをご用意いたします。
スパイスとともにぜひお選びください。

冬の日、らふとの小屋で過ごすひとときをご一緒しませんか。
らふと茶菓部のお茶菓子もお楽しみに。

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11/6 発酵暮らしごはんの会 ご参加の皆様へ

発酵暮らしごはんの会 ご参加ご予約の皆様へ

11月6日(木) 
「発酵暮らしごはんの会」は予定通りに開催いたします。

らふとのアマランサスと白ごまの、つぶつぶコンビもお楽しみください。

つわぶきの庭のらふとにて、お待ちしております。

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加藤キナさんより

「工房からの風」が終わって2週間。
なんだかもっと時間が経ったような気がします。

出展作家の方々も、それぞれの日常、お仕事に戻られている頃ですね。
私の方はといえば、いつになく今年は終了後から来年に向けて、
さまざまな方たちとお会いする日々が続き、気持ちが次に向かっています。
来年の要綱なども整えて、遠からずご案内したいと思います。

「風の余韻」。
出展作家からのお便りをご紹介する「凪ぐ浜の宝もの」。
たくさんのお便りを寄せていただいていますが、
どれも公開前提ではなく私信ですので、
掲載確認をいただきながらこちらにお載せしています。

ゆっくり、皆さんに風の余韻を味わっていただければ、、、
そのような想いもありますが、
余韻というだけではなくて、凪ぐ浜の宝ものが、
これからの作り手にとっても何か心の栄養になったなら、、、
そんなことも思いながら、もうしばらく続けたいと思います。

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おりひめ神社の後方で展示されていた加藤キナさん。
ご夫婦でバッグづくりをされています。
少し時間をおいて、丁寧なメールをいただきました。

わたしは、物をつくることともうひとつ、同じくらいに好きな事があります。

それは、文字を書くということ。

わたしにとって言葉は、芸術であり、美しさ。
その人そのものを表すものだから、矯正されたような文字には魅力を感じません。
その人となりが表れた文字を見ると、心が弾む。

だから、自分でも文字を書くときは心を込めます。
一文字ひと文字、呪文のように、おどるように・・・

でもこの何年か、文字は書いていても 言葉を書いてはいなかった。
自分のことばで歌うのを、やめてしまっていたのです。
人の前で、素直なこころの歌をうたうのが、こわくなっていたのです。

きっかけもあり、自分という人間に自信を持てなくなっていたのだと思います。

それから何年か、私も人並みに色々と経験することになり、
口はひとつで、耳はふたつ。
話すよりも、まず人の話を聞こう・・・と感じるようになっていきました。
謙虚さに、うつくしさを見いだしはじめたのかもしれません。
実際、自分の話よりも、人の話を聞いている方が数段楽しく過ごせました。

そんなある日、ある舞踊家の踊りを見にいく機会がありました。
深い静かな湖のようなその人は、還暦がすぎてふと思ったそうです。
「自分はダンスですべてを伝えられると思っていたけれど、はたしてそうなのであろうか。
コトバも時には必要なのではないだろうか・・・」

はっとなりました。
ことばの葉が、ひらりと1枚 わたしの心に落ちてきたようでした。

数ヶ月後、工房からの風に出展が決まった私は、
封印していた自分のことばと向き合うことになったのです。

多くの作家さんが、自分の持つ歌声で、見事な音色を奏でていました。
作家さんだけではありません。
この展覧会にたずさわる人それぞれが、自分のことばで歌っていました。

私も、自分のこころの中、深く深くに湧いていることばの泉を、覗いてみてもいいのかもしれない・・・
そんな風に思えるようになった頃、1通のハガキが届きました。

よく滑るブルーブラックのインクで書かれたその文字は、
羽根のように軽やかに・・・

風とともに歩んできたその人は、羽根のような文字をもつ、風を宿した人でした。

ただ、生きるのではない。
どう生きるのか。

私たち夫婦が作り出せるモノの数は、限られている。
だとしたら、いったい何がつくりたいのか・・・
どんな歌を紡いでいきたいのか・・・

工房からの風で、数をつくるのではなく、自分たちが納得のいくものを作り並べました。
そして、その想いは、多くの方につたわりました。

「欲張らない」
これは、工房からの風が毎年50組の限られた出展者しか参加できないことにもつながっています。
あれだけ密に、作家ひとり一人と向き合っているのだから。

「欲を張らない」
自分の置かれた場所をよく見て、自分のできる範囲で充分な仕事をする。

この先、この学びを忘れないように。
吹いてきた風を クルクルと少しちいさくコンパクトにして、いつでも心から取り出せるように。

風はこれからも密やかに、私と一緒に歩んでくれそうな気がします。

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やっと、こころにあった言葉をすくいあげることができました。

工房からの風は、私の中でほんとうに大きな学びの場となりました。
ありがとうございました。

キナさんたちとは、今年初めてお会いしましたが、
「工房からの風」には、数年前から来場くださっていたとのこと。
満を持して?応募くださったようですね。

言葉とものづくり。

言葉はものづくりになくてはならない、
とは思っていませんが、
と、同時に、言葉がものづくりに必要ない、
とも思っていないのです。

ものを作る人の中に、たしかに生きた言葉を綴る人がいる。
という事実があって、そのことを大切にしたい、
ただ、そう思っています。

キナさんたちが、今展を通して上記のような熟した言葉、文章を綴られたのは、
想いが豊かに実って、自然に言葉となって弾けだしたのですね。

言葉とものづくり、が、どちらかを補うためのものではなくて、
どちらをも豊かに育むものであるように。

加藤キナさんからのお便りは、そんなことを伝えてくれました。

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本日、1日のお庭はお休みです

庭人、庭フレンズのみなさま

おはようございます。
本日のお庭作業は、雨天のためお休みです。
ご予定くださっていましたみなさま、ありがとうございました。
また晴れの日のご参加をお待ちしております。

庭人事務局

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ELLE ONLINE で取材を掲載いただきました。

「工房からの風」二日目、ELLE ONLINEさんが取材くださいました。

「器の新定番を探して」
ライター衣奈彩子さんの連載です。

掲載されましたのは、

松本美弥子さん
花岡央さん
叶谷真一郎さん
田中大喜さん

当日の空気感も伝わる素敵な作品写真と共に、ぜひご覧ください!

http://www.elle.co.jp/decor/pick/utsu-wa14_1027

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初日に取材いただいた雑誌もあります。
こちらも発行次第、ブログでもご案内させていただきますね。

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11月の庭フレンズ

庭人OGの方々による庭フレンズの皆様へ

11月のお庭
毎週月曜、水曜、土曜  10時~お昼ごろまで
上記日程で、私たちはお庭にいます。
庭フレンズさんのご参加をお待ちしております。


11/19(水) は、10時から夕方までとなります。
ご都合のつく時間帯でのご参加、大歓迎です!

サフラン摘みがはじまりました。

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小塚晋哉さんより

おりひめ神社の鳥居のほとりで、展示をされていた
木工のこ小塚晋哉さん。
京都からお便りをいただきました。

 

こんばんは。
日に日に寒くなって朝晩は暖房をいれることもあるほどです。
関東もかなり冷え込んでいるようで、大事ないでしょうか。

あっという間の二日間。
京都に戻って、後片付けなどをしながら、
なんだかあの二日間は夢だったんじゃないか、、、そんな気もしたり。。。
なんだか不思議な心地でおりました。
けれど、確かにあの二日間は存在し、多くの貴重な経験を得ることが出来ました。
いや、あの二日間だけでなく、それまでの準備の日々からも。

普段ひとりで工房に篭り、木と向き合って日々を過ごしているため
妻以外の人と話すことがほとんどありません。
また、元々自分のことを言葉にしろ文章にしろ、アウトプットするのが得意ではないので、
工房からの風の応募用紙を埋めるので、まず一仕事でした。

妻のほうが書くことは上手なので、いろいろアドバイスをもらうことも出来たのでしょうが、
なんだかそれじゃあ意味がないだろうと思いました。
ヘタクソながらも自分の気持ちを素直にありのまま綴ったらいいじゃないかと。
それで駄目なら縁がなかったと思うしかないな。
そう思ったら、肩の荷が降りた気がしました。
結局書き上げるのに苦労はしましたが。。。

ミーティングや懇親会などでも自分の気持ちを口にする機会が幾度かあり、
口下手なりになんとかかんとか乗り切って。。。

作品を車に積んで千葉へ向かっているときは、制作の重責から解放され、
気楽なもんでしたが、初日にブースの設えをしていると、
売れなかったらどうしようという緊張が襲ってきたりもしました。
なんだかんだと二日間を乗り切り、落ち着く間もなく慌しく撤収をして
会場を後にしました。

京都への帰路の中思い返していると、
正直今回は自分のことで精一杯だったなと。

自分としては、上出来だったんですが、
企画の方々が思い描いていた予想・理想に近づいていたのか、
自分があの場所での役割を果たしていたのだろうかと。
そのあたりに考えが及んでいなかったなと。反省すべき点だなと。

そう考えると、やはり他のクラフトイベントとは全然違うんだと改めて感じました。
スタッフ、風人、出展者みんなで作り上げているんだと。

もしまた工房からの風に出ることがあるのなら、
そのときはもっと展示会全体のことに
目を配れるように努めようと思います。
作品構成にしてもブース展開にしても。
工房からの風での自分の役割を果たせるように。

工房からの風というイベントのおかげで
なんだか、自分の普段開けない抽斗をスッと開けることができた。
そんな気がします。
工房からの風というモノが持つ力なのでしょうか。
自分でも、そんな抽斗持ってたんだなと再発見しました。
その抽斗は、たぶん強引に開けられていたら不快に感じていたかもしれません。
けれど、工房からの風はむしろ気持ちよく開けるのを促してくれた感じです。

実際に皆さんと過ごした時間は、5日間にも満たない短い時でしたが、
もっともっと長い間一緒にいた印象です。
この出会いは是非是非今後も大事にしていきたい。心からそう思えました。

今後も何か機会があれば、お仕事ご一緒させていただきたいです。
本当にありがとうございました。
お疲れ様でした。
またいつかお会いできることを願っております。

木工 小塚晋哉

小塚さんは準備期間にお訪ねくださったりしましたが、
確かに無口なほうの方で、積極的にご自身から言葉で発信する方ではありませんでした。
(でも、きっといろいろ考えていらっしゃるのだろうなぁ、ということは私なりに感じていました!)
けれども、こうして、大きな波(展覧会当日)を共に体験した後、
このような率直なお便りをいただくことができて、嬉しく、ありがたく思います。

抽斗(ひきだし)のお話しはとくにうれしく読ませていただきました。
クラフトフェアの定番、慣れっこの展開では、ほんとうにつまらないですね。
「工房からの風」へは、何かひとつでも、新鮮な思いで取り組み、
その成果が感じられる場でありたいと思っています。

5日ほど、というのは、全体ミーティング2日と個人ミーティング1日と本展の2日のことですね!
他の方々とも実際にお会いするのはそれくらいかもしれませんが、
多くは濃密な印象をお互いに持つような気がします。
それは、ずっと心の中に「工房からの風」を共に置きながら、
工房であるいは、私たちはこの場で、働いてきたからですね、きっと。
年にたくさんあるクラフトフェアや展覧会の中に、こんな会があってもいいのでは!
そんな風に思っています。

これからも、ひとつひとつを丁寧に、誠実に行うことから生まれる
手の実りを楽しみにしています。

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habetrotさんより

ニッケ鎮守の杜、「galleryらふと」の奥の方で、
自然光に揺られながら心地よさそうに服が展示されていましたね。
habetrotさん。
大阪から来られた、布を染めて、服を仕立てる女性からもお便りをいただきました。
 

こんにちは。
無事大阪に帰ってきました。
帰ってきてひと眠りして、目がさめたら、
今までのことが全部夢だったような気持ちになったのですが、
バッグの中に入っていたノートに、たくさんの方のお名前が記されていて、
夢じゃなかったんだなとまたこの9か月のことを思いだしていました。

今は感謝の気持ちでいっぱいです。
はじめ、私の技術の低さに稲垣さんをとても驚かせて困らせてしまったと思いますが、
それでも、作品を見せる場を与えてくださりありがとうございました。

直前の紹介で今までの出来事を書いてくださったこと、正直戸惑っていました。
あの出来事は私もごく一部の身近な人にしか詳しく話していなかったので、
いきなりたくさんの人に知られて、その反応が怖かったのです。

でも、見に来られた方たちみなさんが、
たくさんのあたたかいはげましの言葉をかけてくださりました。
6月の展示で在廊したときに一緒だったナカヤマさんが
「作っている人も作品の一部だ」
とおっしゃっていたことを思いだして、
今回の作品は、あの出来事があってのいろいろな想いもこめられてできたものだから、
あの出来事を知ってもらってよかったのかな、と今は思っています。

その紹介文をみてくださったからか、
本当にたくさんの方が見にきてくださって、作品が旅立っていき、嬉しかったです。
お客さんとお話しするのも、とても楽しくて。
両日来てくださった方が何人もいて(買ってくれた服を着て見せに来てくださった方も!)、
とても幸せな2日間でした。

この9か月の経験を、これからの肥やしにして、
また技術をみがきながら、制作にはげもうと思います。
ありがとうございました。
そして、これからもよろしくお願いします。
habetrot 

:::

ほんとうに、よく取り組んでくださいました。
ご紹介ブログでも記しましたけれど、
春の時のままではこの手応えは得られなかったでしょうし、
また、その時に凹んでしまったり、投げ出してしまっても、
この実りはなかったことと思います。 

habetrotさんは戸惑われたようですけれど、私には自信がありました。
「工房からの風」のお客様は、目は厳しいけれど、
温かで成長を見守ってくださる方が多いということを知っていましたから。
なので、もしお仕事が甘ければ、一瞥されるだけで終わってしまうでしょうけれど、
完成形でなくても、精一杯向かい合ったことが伝われば、
それに応じてくださると。

それは私などが思った以上にhabetrotさんの展示を包んでくださったようですね。
私からも、お客様に感謝申し上げます。

「工房からの風」は、一期一会ですから、
そこに向かって今の全力を向けていただくのですが、
それは終了の完成形ではなく、始まりに向かうひとつの完成形なのでしょうか。

今回、habetrotさんたちのお仕事の進化成長に触れさせていただいて、
企画者も思いをあらたにすることができました。
habetrotさん、心に残る出展者のおひとりでした。

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叶谷真一郎さんより

おりひめ神社のまうしろで、使い心地のよさそうな器が
さりげなく風景に溶け込んでいましたね。
叶谷真一郎さん。
神戸から来られた陶芸作家の方からもお便りをいただきました。

こんにちは、叶谷です。

無事帰りました!
疲れと余韻とが重なり、まだぼ~っとしております。

今年初めから、この日の為に考え、
目標にしてきたと言っても過言ではありませんでした。
頭の中に常に”工房からの風”の文字がありましたから・・・。

前日の準備の段階から終わるのが怖かったくらいです。

本当にあの場所は良かったです。
木漏れ日が器と花を照らしてくれて・・・
日々の器を作っている僕にとって、
皆さんがじ~っと器を見て、
食卓に思いを馳せていらっしゃる姿を拝見していると、とても嬉しくなりました。
季節を感じながら、器を選ぶこと、素敵だなとしみじみ感じた時間でした。

個人的には、今までと違った器も展示してみようと試みました。
改善点等、考える余地も生まれ、今後の指針となりました。

今回の展示で、結果が伴った人
(どういうことを結果が出たというのかは人それぞれだとは思いますが)、
思ったような展示にはならなかった人。
思いはさまざまだっただろうなと思いました。

売れたか売れなかったかとか、次の仕事が来たとか。
そういうことではなくて、こぼれ種が自分の中で芽生え、
それがどこへ向かうかだと思っています。

この2日間だけではないと思うのです。
そこからいつかどこかで何かに繋がっていく。
だから、この出展者の誰もが、これからの活動の糧になるはずだと。

若い人が多いこの工房からの風の中で、
おそらく年長者の方ではないかと思われる僕の経験を踏まえた実感でした。

同じ作り手の仲間と出会えたこと、有意義な1年間でした。
自分だけでなく、この仲間達の種が風に乗って、どこかでまた会えるように・・・
そう思ってやみません。

このような場を作って下さった、スタッフの皆様、
そして何より「工房からの風」にお越し下さるお客様に、感謝の一言です。
ありがとうございました。
また、ご一緒できるのを、楽しみにしております!

叶谷真一郎

叶谷さんとの会話やメールには、必ずなおこ夫人が登場して、
その恐妻ぶり!がおふたりの仲の良さを表しているのだと
今回お二人にお会いして気づきました。
でも、今回は妻話!(掲載はできませんが(笑))の他にも
しっとりとした文章を寄せてくださったのでした。

目まぐるしく進む時間軸の中で、数か月をかけて取り組んだ展覧会。
そこでの結果は これからの時間の中に。
ほんとうにそうですね。
出展年次も超えて、この風に吹かれた作家同士、
これからさまざまな地で、よき交流が生まれることを願っています。

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堀内亜理子さんより

スペイン階段前のテントで、ひときわ人の山ができていたブースがありました。
堀内亜理子さん。
北海道は旭川から来られた、漆の作家です。

戻ってくると、山は真っ白、紅葉は葉を落とし、街行く人は冬装備。
会場で送った自分の荷物が少しずつ戻ってきました。
いよいよ旅も終わりです。

この度は本当にお世話になりました、ありがとうございました。

「工房からの風」は「愛」なんだなあと思いました。
そこには作家への見返りや押し付けはなく、
ひたすらに希望や光を与える「愛」そのものです。
産み出すのはいつも「女性」なのですね。
だから続くのかなあと思いました。
12回…干支をひとつ巡ったのですね。

毎日「工房からの風」という言葉を頭にのせながら向き合った半年でした。
今年の大きな目標が終わりました。
こんなに創ったのも、人の手に渡ったのも初めてでした。
自分が生きている感じがしました。

終わったら、始まりです。
充実したし、楽しかったけれど、個人的には大きな課題を抱えています。
これからがっちり向き合わないと…。

私の工房に新しい言葉が増えました
稲垣さんのブログにあった
「取り組むことにケチにならない、出会いにケチにならない」
これ、名言ですね!!真理です!!
ケチらなかったらちゃんと得られるモノなのですね。

この切り捨ての時代にアーティストを惜しみなく支援して下さるニッケの方々、
スタッフの風人さん、庭人さん、サポート戴いた皆さんに…
心から、心から感謝を込めて。

堀内亜理子

北海道はいきなり冬支度の季節なのですね。

「自分が生きている気がしました」
という、ありこさんの言葉は、決して軽口ではないのだと思います。
産地ではない地方で、黙々と制作をしながら、
横のつながりもまだ豊かではない若い作家は、
作ってもそれに応えてくれる人と出会える機会があまりになくて、
きっと心を細くしていたのだと思います。
今回、思い切って出展されたことで、大きな反応を得たこと、
そのこと自体が、ありこさんの宝ものになり、
生きている実感につながったのですね。

懇親会で、笑い話のようにしてくださったこと。
大きな大きなお重箱をぜひみてほしくて作ったけれど、
きっと売れることはないだろうな、
と思ったというありこさん。
そのお重が売れたときにいれる大きな紙袋を買おうか買うまいか、
かなり悩んだそうなのです。
(作家の方々、きっと共感していますよねー)
けれど、やっぱり買おう!
と北海道から携えてきました。

そのお重、お選びいただけたのですね!
その瞬間、こみあげてきてしまい、涙がこぼれてしまったというありこさん。
心優しいお客様は
「いろいろ買い物はしたけれど、もの買って泣かれたのは初めてだよ」
と、励ますように言ってくださったとのこと。

「取り組むことにケチにならない、出会いにケチにならない」
は、紙袋を買うか買わぬかで迷ったありこさんの実感!だったのでしょうね。

ちょっと、おかしみをもって書きましたけれど、
実は私も最初その話を聞いた時には、目頭熱くなってしまったのでした。

「工房からの風」は、ハレの日であって、また日常、ケの日々となるのですが、
手ごたえという宝ものが心にあれば、きっと 日々の制作も心潤うはず。
ありこさん、時々は関東にもいらして、
今回の出会いの糸を豊かにつなげてくださいね。