ムラカミ染織(丹波布)
Q1
丹波布を織る村上樹里さん。
「工房からの風」には、どのような作品を出品されますか?
A1
兵庫県丹波市青垣町の伝統的木綿織物、丹波布(たんばぬの)を製作しています。
丹波布は、綿から糸を紡ぎ、草木で染め、織り上げる、それら全ての工程を人の手で行なっています。
また、養蚕が盛んだった時代に、商品にならない屑眉をほんの少し木綿織物に織り込んだことから、それが丹波布の特徴となっています。
伝統的な丹波布は、丹波の素朴な空気感を表すかのように、渋く静かな風合いのものが多いのですが、それと比べると、私の織る丹波布は明るい印象を受けられるかもしれません。
日々の生活の中で丹波の自然の豊かさや多様性を感じるにつれ、いつの間にかそのような作風になっていったような気がします。
昔ながらの丹波布を継承すること、それと同時に、現代を生きる私自身が感じるものを表現すること、両方を大切にしながら織り続けています。
工房からの風では、そんな丹波布を肌で感じられるストールやバッグ、日々の生活で使えるがまぐち小物やテーブルウェアなどを展示します。
日々使う物だからこそ、人の手、空気、水、光に触れます。そうした刺激を受けることで、草木染めの色や木綿の手触りが、少しずつ変化していきます。
そんな自然の移ろいを、生活の中で楽しんでいただけたらと思っています。
ぜひ、丹波で生まれた丹波布を、手で触れてみてください。
みなさまにお会いできることを、とても楽しみにしています。
Q2
ムラカミ染織で大切な、あるいは象徴的な、あるいはストーリーのある「道具」について1点教えてください。
A2
この織機は明治時代初頭のもので、とてもシンプルな作りをしています。
そのため、私でも簡単に持ち上げられるほど軽く、織っていると織機の木材が揺れ動きます。
最初はそれに慣れず、少し戸惑いました。
ただ、織機の揺れと自分のリズムが一致した時、織機と身体とが一体化しているかのようにとても心地よく織れるのです。
数年前、長年染織に携わっておられた大先輩がご高齢のため引退される際に、この織機を譲っていただきました。
そして元々はその先輩もまた、素敵な縞模様のもんぺを履いた方から、この織機を譲り受けたそうです。
先輩から織機をいただく際、「あなたにバトンを渡したからね」と言っていただきました。
約150年前から何代も受け継がれてきたそのバトンを落とすことなく走り続け、いつか私も次の世代へ渡すことが出来るだろうか。
この織機と共にあった人々と伝統の流れに思いを馳せながら、日々、織り続けています。
Q3
お手持ちの「工藝品」で愛用、または大切にされているものついて1点教えてください。
A3
秋田の曲げわっぱのお弁当箱です。
私が丹波市へ移住することになり、それまで働いていた職場を退職する際、同僚たちが贈ってくれたものです。
この時、私はとても驚きました。
実はちょうど、曲げわっぱのお弁当箱が欲しくて探していたところだったのです。
ただそのことは誰にも言っていなかったため、箱を開けてわっぱの姿を見た時、「どうやって私の心を読んだ・・?」と衝撃を受けたのです。
同僚に、「なんとなく、わっぱが好きだと思った」とあっさり言われ、見透かされているなぁと、なんだか嬉しくなったのでした。
丹波へ来て、毎日のように使ううち、今では良い風合いを醸し出しています。
壊れることもへたることもなく、秋田の職人さんの技術を感じます。
周りの人から「そのお弁当箱、いいね」と言われるたびに自慢しつつ、これからも大切に、この曲げわっぱを使い続けたいと思っています。
素敵なストーリーがたくさん散りばめられたメッセージですね。
『 約150年前から何代も受け継がれてきたそのバトンを落とすことなく走り続け、いつか私も次の世代へ渡すことが出来るだろうか。』
走り続けるその過程にある「工房からの風」への出展。
ぜひ豊かな経験にしていただきたいと思います。
そして、わっぱのお話も!
わっぱ、会場に持ってきてくださるといいなぁ。
ムラカミ染織さんの出展場所は、ニッケ鎮守の杜。
中央の花壇のほとりです。
和紙のPAPER BRUT さんがお隣。
糸車ももってきてくださるそうですので、きっとすぐわかりますね。
ムラカミ染織さんのインスタグラムはこちら
→ click
そして、映像はこちらです。
→ click
佐藤かれんさん(染織)
Q1
『 北アルプスの山々が初冠雪しました。』
と、コメントを寄せてくださった佐藤かれんさん。
「工房からの風」には、どのような作品を出品されますか?
A1
今回が2回目の出展になります。
前回から4年経ち、織るときに使う技法や色、作品の種類や量が増えました。
当日は、この4年間の織りの広がりを、作品を通してお見せできればと思います。
制作では、織物留学をしたスウェーデンでの経験や、日々の暮らしからの「実感」を大切にしています。
この「実感」とは、言い換えると、その作品を織りたいと感じたときの背景です。
今年の「工房からの風」に向けて織ったものから、3つ作品を紹介いたします。
タオル
コットンとリネンのタオルです。
ハンドタオルとバスタオルの、2種類を制作しています。
タオルとして拭くだけでなく、ランチョンマットのように敷いたり、カゴやバッグの目隠しに掛けたり、暮らしに合わせて用途が広がります。
留学中、ルームメイトがお風呂上がりに、薄手でクタッとした布を、いつも部屋に干していました。聞くとその布は、バスタオルだそうで、スウェーデンでは一般的だと教えてくれました。
タオルといったら、厚手でフワフワだと思い込んでいた私にとって、驚きの返答でした。
その後、授業でスウェーデンのタオルを織る機会がありました。
完成後に使ってみると、なんとも言えない心地よい質感で、手放せなくなりました。
手元には使い始めて9年目の、手織りのバスタオルがあります。
今回の出展の際に、見本としてお持ちいたします。
使い込まれたタオルと、新しく織ったもの、それぞれの手触りの違いを感じていただきたいです。
クッション
スウェーデンの民族衣装から着想を得て、ダーラドレルという技法で制作しています。
ダーラドレルは、スウェーデンのダーラナ地方の伝統の織りです。
この地方に学校があったので、留学中、ダーラドレルの布を多く目にしました。
特に、ダーラドレルの模様が織られた、民族衣装が印象に残っています。
スウェーデンの衣装はとても装飾的で、細かい刺繍や色鮮やかなポンポンが沢山付いています。
装飾と合わさると、ダーラドレルの模様が一層引立って、衣装の上でハッとするほど美しく見えました。
その美しさを織りたくて、表面にダーラドレルの模様、裏面に刺繍、四隅にポンポンを付けたクッションが出来ました。
表面、裏面、隅まで愉しめる、手仕事が詰まったクッションです。
会場でお手に取って、様々な角度からご覧いただけると嬉しいです。
膝掛け
コットンとラムウールで織った膝掛けです。
ラムウールのふんわりとした風合いに、コットンのさっぱり感が加わって、肌寒い季節に最適です。
自宅では、昼寝のおともにしています。
大判のストールとして羽織ったり、ソファーに掛けても素敵です。
今回の膝掛けは、8月の「工房からの風」のミーティングで、出展場所を確認した弾みで制作しました。
私のテントは、おりひめ神社の鳥居のほとりです。
木々の間で、少し薄暗く、木漏れ日がひらひら揺れる場所でした。
その様子を見たとき、ここに色で明かりを灯したい、その為に、何かぴったりのものが織りたいと感じました。
新鮮な気持ちのうちにと、帰路で頭をフル回転させて、翌日一気に織ったのが、写真の膝掛け3枚です。
勢いに任せて制作したからか、とっても爽やかな色調になりました。個人的に、今年の出展の、記念のような作品です。
Q2
佐藤かれんさんの工房で大切な、あるいは象徴的な、あるいはストーリーのある「道具」について1点教えてください。
A2
スウェーデンからやってきた、織り機です。綜絖16枚、織り幅150cm、重量約300kgの、大型モデルです。
北欧で初めて織りを学んだ私は、卒業後、日本で織りを続ける手立てがありませんでした。
知人もおらず、道具も場所も、何ひとつ揃っていない状態で、残念な気持ちでいたとき、スウェーデンの先生が、織り機を譲ってくださる方を見つけて、日本へ送ってくださいました。
その織り機の持ち主は、先生のお知り合いの作家さんで、本を何冊も出版するほど、織りに精通されていました。
ご高齢になり、織りをやめ、道具を手放すことにしたそうです。
私には勿体ないほど立派な織り機がやって来て、この織り機を活かすためにも、これからも制作を続けたいと、作家活動が始まりました。この織り機があるから、今の自分の制作ができている、とても大切な存在です。
Q3
お手持ちの「工藝品」で愛用、または大切にされているものついて1点教えてください。
A3
手作りのシャトルです。
スウェーデンで織りを学ばれた日本人の先輩が、私の作家活動の応援にと、昨年に譲ってくださいました。
彼女が北欧にいた頃に、知り合いの木工作家の方にお願いしたもので、糸を入れる所に、作り手のサインが入っています。
一般的なシャトルよりも分厚くて、曲線的なつくりです。
使い込まれて、艶やかな見た目をしています。
手によく馴染んで、糸が魔法みたいにスルッと通るので、他のシャトルも持っていますが、こればかり使ってしまいます。
佐藤かれんさんが前回出展くださって4年が経つのですね。
ちょうどコロナ禍の前年。
最年少作家でした。
もちろんベテランの染織作家のような完成度には至らなかったでしょうけれど、ひたむきに織り上げられた布の瑞々しさに、多くの方が魅了されていました。
コロナ禍の3年間。
弛まず織り続けた先の今展。
ひたむきさはそのままに、織りの手も成熟してきたかれんさん。
初期感動、初期動機の光を失わず、手が掴んだ技術をもって、作品のバリエーションも一層豊かになったようです。
8月のミーティングで、出展場所を確認したパッションのままに織り上げた膝掛け!
ぜひ、見て、触れてみたいですね!
おりひめ神社鳥居のふもとで。
かれんさんのインスタグラムは、こちらです。
→ click
畑からそだてた布(苧麻)
Q1
奥会津でからむし(苧麻)の織りをする「畑からそだてた布」さん。
工房からの風には、どのような作品を出品されますか?
A1
布小物やアクセサリーを中心にバッグ類も少し出品する予定です。
Q2
工房で大切な、あるいは象徴的な、あるいはストーリーのある「道具」について1点教えてください。
A2
おぼけ
績んだ糸を入れておく入れ物。
曲げわっぱでつくられたものです。
各家庭にはかなり古いものも残されていてそれを使っている方も多いです。
私は桧枝岐村のわっぱ職人さんに作っていただきました。
杉のまさ目の部分を使い丁寧に仕上げられています。
おぼけの外側は地元のおじいちゃんに柿渋を重ね塗りしていただきました。
「工房からの風」初期に出展くださって、久しぶりに今展にやってきてくださいます。
出展場所は、コルトン広場、スペイン階段前。
インスタグラムはこちらです。
→ click
すずきみきさん(服)
Q1
東京都町田市で洋服を制作するすずきみきさん。
「工房からの風」には、どのような作品を出品されますか?
A1
私自身目立ちたがりやな方ではないのですが、少しだけ個性のある服が好きでした。
服作りはそのような思いから始まりました。
一番楽しい瞬間は、基本に作った型紙からその時々で少しアレンジを加えて一点ものを作り出すときです。
凝り過ぎず、さりげない個性。
そんな感覚を共感していただけたら嬉しいのです。
今回はヨーロッパアンティークに刺激を受けて、大好きなギャザーをモチーフに制作しています。
ギャザーをたっぷり入れたかったので、薄くて軽い上質な天日干しコットンを選びました。 天日干しの奥深い風合いは、写真ではなかなか表現できないのが残念ですが、ぜひ実物を手にとっていただけたらと思います。
ギャザーたっぷりさらに薄く軽い透けるコットン生地サラッと上に重ねて着る
赤いタータンチェック柄のバルーンスカートとても暖かいウールガーゼ素材
エリとラペル部分を最小限に小さくラグラン袖のシャツジャケットです。エリは立てても寝かせてもお好みで素材は天日干しリネン
Q3
すずきみきさんのお手持ちの「工藝品」で愛用、または大切にされているものついて1点教えてください。
A3
山葡萄のカゴバック。
何年か前に福島県奥会津三島で開催される会津工人まつりに主人が出展した際におみやげとして買ってきてくれたものです。
九十歳越えている作り手の方が作っているんだってすごいよね、シンプルにいいなと思い購入したとのこと。
ものつくりをしている私達夫婦もいつまでも作り続けたいと願いも重なりとても尊敬するバックです。
素敵なお土産、いいですね。
購入されたのは、am鈴木厚司さん。
今回は、ご夫婦で近くながら、別テントで出展くださることになりました。
ニッケ鎮守の杜、稲荷社の方角です。
すずきみきさんのインスタグラムはこちらです。
→ click
am(帆布バッグ)
Q1
東京都町田市でamというブランド名で、帆布と革を使ってバッグを制作する鈴木厚司さん。
「工房からの風」には、どのような作品を出品されますか?
A1
タンニン染め帆布のベージュ色、カーキ色、黒色の定番色3色に加え去年ぐらいから使い始めた、レンガ色と白色のバッグも出品します。
今回は何度も試作を作った「普通のトートバッグ」と「ワンハンドルバッグ」を新しく作りました。
どのバッグも長く愛用していただきたいと思い、シンプルな作り、シンプルな見た目の使いやすいバッグ作りを心掛けています。
Q3
amさんのお手持ちの「工藝品」で愛用、または大切にされているものついて1点教えてください。
A3
「工藝品」では無いのですが、20年程前に自分が初めて型紙から作った手縫の革ミニショルダーバッグです。
その時は仕事では無く趣味で作っていて、少し不恰好ですが今でも「かわいい型だなあ」と思っています。
自分にはサイズが少し小さかったので母親に使って貰ってました。
ビニールに入れて引き出しの奥に保管していますが、たまに思い出したように引っ張り出してオイルを塗ったりブラッシングしたりしています。
鈴木さんは昨年は風人さんでお力をいただき、今年は出展くださることになりました。
鈴木さんは控えめでいつもにこやかに微笑んでいる印象。
けっしてご自身をアピールされないのですが、ひとつひとつの催事や、やりとりを通じて、ゆっくりそのお仕事に近づいて行ったような気がします。
強く主張されないけれど、手堅く嘘のないお仕事は、まさにお人柄そのもの。
他の作家さんたちもゆっくりそのお人柄とお仕事に惹かれていったのだと思います。
その鈴木さんが作る「普通のトートバッグ」って、一体どんなものなのでしょう??
興味が湧きます・・・。
amさんの出展場所は、ニッケ鎮守の杜、稲荷社の前方。
インスタグラムはこちらです。
→ click
コタニサツキさん(木工)
Q1
都内で木工制作に励むコタニサツキさん。
「工房からの風」には、どのような作品を出品されますか?
A1
いろいろなストーリーが詰まった古いガラスや陶器等の素材と合わせた木の蓋物をメインに、木のカトラリー等のテーブルウェアも出品します。
蓋物について…
私の作る蓋物のガラスや陶器等は、今まで何かに使われていたもの、デッドストックのものを私自身骨董市等で探してきています。
元々ガラスや陶器等の異素材と合わせた木の蓋物を作りたい、という気持ちが独立する前からありました。
それは単に木と異素材との組み合わせが好きだったから。
独立して間もない頃
「こんなにもたくさんの新しいものが生まれているのに、なんで私はまた新しいものを作っているんだろう。ものってこんなに必要なのかな。」
とモヤモヤした気持ちがありました。
やりたい事とそんなモヤモヤを抱えながら、自分が納得してできるものづくりとはどんなものなのだろうと思い続けていました。
そんな中最初に出会ったのが羊羹の型として使われていた古いガラスでした。
古いものが元々好きだったのもあり、骨董市等にはよく足を運んでいました。
そのガラスを見た途端、上に被せる木の蓋がパッと浮かび、すごく大切に丁寧につくったのを覚えています。
それから私は、ものが溢れている中でただ新しいものだけを制作するのではなく、使われなくなったものに木を添える事でまた新しいものとして使い続けていけるような、そんなものづくりがしたいと作り手として強く思うようになりました。
私がつくった蓋物を、生活に取り入れてもらうことが、またその先のいいことに繋がっていくよう想いを込めてつくっています。
カトラリーについて…
蓋物について熱く語っていながらもカトラリー等の木の小物をつくり続けている理由もあります。
それは完全に自己満足、自分のモチベーションとして。
私が木工をしたいと思ったきっかけは木の匙をつくりたい!という想いからでした。
私にとって初心を忘れないため、木の良さを伝えるために必要な存在なのです。
「工房からの風」当日は、もののストーリーやこれからどう使われていくのかをじっくりお話しながらご覧になっていただければと思っています。
これからどんな方の元で、どんな新しいストーリーが刻まれていくのか。
わくわくして新しい出会いをお待ちしています。
Q2
コタニサツキさんの工房で大切な、あるいは象徴的な、あるいはストーリーのある「道具」について1点教えてください。
A2
工房の古い大きな作業台です。
独立して工房を立ち上げる前にまずこの作業台を購入しました。
私は新品にはない、時の経過を感じるものに魅力を感じてしまいます。
この作業台もどこで誰がどの様に使っていたのか。
使い込まれた作業台の上で、新たに私の作品達がまた生まれていきます。
希望と矛盾を抱えながら、希望の光の方へ一歩一歩進んで今のお仕事につなげてこられたコタニさん。
作品である「もの」を介して、コタニさんのテントのもとで豊かな会話、交流が生まれるとよいですね。
作家の方々、来場者の皆さんとの会話をとっても願っています。
ぜひ、臆せず、会話を楽しんでいただければと思います。
コタニサツキさんは、滋賀の川端健夫さんのところで働いていたとのこと。
(マンマミーアさん!)
川端さんが初出展くださったのは2007年のこと。
16年の後、出会いのつながりがあること、とてもうれしく励みに思っています。
コタニサツキさんの出展場所は、おりひめ神社鳥居のふもと。
ホームページはこちらです。
→ click
坂田琢磨さん(木工)
Q1
北海道釧路市から出展くださる坂田琢磨さん。
「工房からの風」へは、どのような作品を出品されますか?
A1
自分の作品は材料選びにこだわりがあり、そこから出る木目は唯一のものですので同じものは作れず全て一点ものという考えで製作しています。
今回の出展では楡の埋木や楢、槐等地元の木材で一輪挿し、コンポート皿を出品いたします。
Q3
坂田さんのお手持ちの「工藝品」で愛用、または大切にされているものついて1点教えてください。
A3
自分が高校生の時から実家の玄関に飾ってある裂織の布と額です。
帰って来るといつも存在感がありかっこいいなと思えるものです。
釧路の工房を出て、フェリーで海を渡って本州へ。
そして積み込んだ作品と共に車で本八幡のニッケコルトンプラザへ。
長い距離を移動して辿り着くのは、ニッケ鎮守の杜。
galleryらふとの近く、桜や椎の木の下のテントで、北海道の樹々から生まれた作品が並ぶ予定です。
坂田さんのインスタグラムはこちらです。
→ click
宿木(木工)
Q1
岐阜県高山市で木工作品を制作する「宿木」(やどりぎ)さん。
「工房からの風」には、どのような作品を出品されますか?
A1
木の燭台を中心に展示します。
照明は最小限にして、ロウソクを灯しゆっくりと食事をする時間を大切にしています。
かつてあった素朴な営みの尊さと美しさへの憧れを抱きながら制作しています。
Q3
お手持ちの「工藝品」で愛用、または大切にされているものついて1点教えてください。
A3
ハタノワタルさんの染紙です。
ものを置いたときにそのものが美しく見えるんです。
撮影で使わせていただいたり、壁に飾ったり、他の素材と合わせてみたり、想像力が膨らみます。
宿木
そのお名前からはじまって、どこか、ミステリアス。
木工の盛んな飛騨にいらして、燭台を中心に制作をする作家。
作品写真もとても雰囲気があって。。。
今回の出展作家の中で、私にとっては、ある意味一番謎めいて??いる作家の方です。
どんな構成のブースになるのでしょう。
ニッケ鎮守の杜、入っておりひめ神社の方に向かう途中に出展されます。
インスタグラムはこちらです。
→ click
Little Riddle(金属装身具・道具)
Q1
Little Riddleは都内で制作を行う喜谷かおるさんのブランド。
「工房からの風」には、どのような作品を出品されますか?
A1
「工房からの風」では、主にシルバーを使ったジュエリーと、真鍮を使った日用品を出品します。
シルバーのジュエリーについては、ここぞというときに着けるものというより、日常の暮らしの中で何気なく身に着けるような、シンプルでデイリーユースなものを中心にお持ちします。
華やかなジュエリーは心躍りますが、年齢が上がるとともに、シンプルなものをその時々でコーディネートして着ける方が自分らしさを無理なく出せると感じるようになりました。
また、性別やピアスホールの有無関係なく着けられるジュエリーを提案していく中で、自分自身もよりコーディネートを楽しめるようになったので、その楽しみをイベントでお伝えできればと思います。
真鍮の日用品は、ジュエリー以上に男女関係なく暮らしの中に取り込んでいけるものを提案したいと思い、2018年からスタートしました。
インダストリアルのようなシンプルな形状の中に、クラフトの個性が感じられるアイテムを製作しています。
また、自分の中で「こうだったら便利だな」と思うような機能を持たせたアイテムも多くあります。その中でも、本を読んでいる間も指に引っ掛けておけるしおりは、本が好きな人ならわかっていただける便利なアイテムで、リピートで購入してくださる方、本が好きな方へのギフトにされる方も多くいらっしゃいます。
インテリアコーディネーターでもあることから、インテリアの中に取り入れられる花器やスタンドミラーなども展開しています。
最近では、ドリッパーやメジャースプーンなど、コーヒー関連のアイテムも充実してきました。
ジュエリーも日用品も、ふだんの暮らしの中にさらっと取り入れていただければと思います。
Q2
工房で大切な、あるいは象徴的な、あるいはストーリーのある「道具」について1点教えてください。
A2
一番重要な道具は、自作の彫金の作業台です。
彫金には「彫金机」という専用の作業台が使われることが多いのですが、美大や専門学校で彫金を学んでいない私は彫金の道具を揃えるのも手探りで、とても彫金机を用意するところまで回りませんでした。
しかし一般の机の高さは彫金には低すぎて作業がしづらかったため、板を買ってきて組み立て、使っているワークデスクの上に置ける作業台を作りました。
糸鋸などの作業に使うすり板を付け、下には切り粉を受けられるトレイを置き、内部には端材入れや手元で使う工具などをセットしています。
上に金床を置いて金属をがんがん叩きますが、ハードユーズにもよく耐えてくれています。自宅でワークショップをする際にも、作業部屋から持ち運べるので便利です。
これなくしては今のように仕事はできませんでした。私らしくもあり、また、私の仕事を支えてくれる相棒のような存在でもある道具です。
クールでスマート。
Little Riddleの装身具や暮らしの道具は、凜!とアンテナに響く方がいらっしゃいますね。
コルトン広場、スペイン階段前のブースで、身体に当てて見られたり、日々の中に置いてみたシーンを想像したりして見ていただければと思います。
Little Riddleさんのホームページはこちらになります。
→ click
aurora glass(ガラス装身具)
Q1
遠く佐賀県から出展くださる井手千春さん。
aurora glass というブランド名で「工房からの風」にはどのような作品を出品くださいますか?
A1
aurora glass コンセプトメッセージ
目を 奪われるような瞬間
それと、あの日の 何気ない風景
取るに 足らない時間
理想、あこがれ
それと、いまの わたし
いろんなものがやってきてはとおりすぎていく
心がゆれる きらきらと ひかる
記憶の中のささいな、劇的な、いとおしい
かなしい、無数の瞬間
がらすのとうめいにそれらを託す。
がらすは色を持たず、無数を色をもって
あなたの、わたしの、
こころを映す
日々の生活や自然の景色、幼少期の記憶に想いを馳せ、その中に潜む尊く美しいものに想像を得て作品にしたガラスアクセサリーを出品させて頂きます。
基本素材は透明の耐熱ガラスを使用し、バーナーで溶かしながら一つ一つ型は使わず手先で形を作っています。
軽くて強度があり透明度も高いので、数あるガラス素材の中でもとても身につけやすい素材の一つです。
ice jewel イヤーカフ
雪景色の氷に魅せられ、ガラスを削り氷の宝石のように表現しました。
氷が鉱石の様に綺麗なのに、いずれ溶けてなくなる事が尊いと思ったエピソードがデザインソースになっています。
凍っている部分と溶けている部分それぞれの表情に思いを込めて作りました。
aqua ネックレス
ガラスの中に気泡が入った水々しく清らかなデザイン。
雨上がりの日に枝木や草の葉から雫が落ちそうになっていて、それがとても水々しくて綺麗だなと感じる瞬間があり作品になりました。
普遍的で美しい水にまつわる情景を想像しながらお手に取って見ていただけたら嬉しいです。
hanabi ピアス
線香花火の丸くて優しい光にインスピレーションを受け作品になりました。
球体ガラスの中に七色に光るホログラム加工のガラスの欠片を閉じ込めています。
ぱちぱちと心地よい音と穏やかな光。
大切な人や家族みんなで囲んで楽しむ花火だからこそ、よりやさしく美しい記憶の宝物になる。hanabi には大切なストーリーも込められています。
Q2
工房で大切な、あるいは象徴的な、あるいはストーリーのある「道具」について1点教えてください。
A2
実際に使う道具ではないのですが、 アトリエで育てている植物にガラスで自作した支柱が大切な存在です。
植物が伸びてきたら支柱もバーナーで溶かし合わせて長く伸ばしていく。
成長を愛でる仮定と、大好きなガラス素材との組み合わせが私の心を豊かにします。
作品を生み出す思いを深く育てる上で大切な行為の様に感じています。
Q3
お手持ちの「工藝品」で愛用、または大切にされているものついて1点教えてください。
A3
昔、蚤の市で購入した切子ガラスのコップ。
切子模様を光にかざして見たり、氷を入れてコップが結露する様子を楽しんだりと、今年の暑い夏に大活躍しました。
透明度の高い美しいガラスを装身具に作りあげたaurora glass。
ニッケ鎮守の杜、galleryらふとのすぐ前のテントでの展開です。
さっそくに身に着けて、秋のお庭の光のもと、散策したくなりますね。
aurora glassさんのホームページはこちらです。
→ click
horieee(装身具)
Q1
二回目の出展となるhorieeeさん。
今回の「工房からの風」には、どのような作品を出品されますか?
A1
天然石やアンティークビーズ、ガラスビーズを使った刺繍装身具です。
身に纏う人に寄り添うお守りのような存在であってほしいと願い、仕立てています。
2023年。
今年の夏は例年にも増してとてつもなく暑かったので、室内に篭ってチクチクたくさん仕立てていました。
ほぼ1点もののバングル、ブローチの数々。
ご覧いただけると嬉しいです。
作品のエッセンスになるものは、建物、扉、窓、壁など日常にあふれるものが多く、旅先で出会うことが多いかもしれません。
通りすがりにステキな窓をみると、あ、これブローチのモチーフにしたいな。
と連想する事があります。
Q3
hohieeeさんのお手持ちの「工藝品」で愛用、または大切にされているものついて1点教えてください。
A3
柳のカゴ
ラトビアでカゴ編みの技術を習得されたBasket Moonさんの柳のカゴ
作業道具を入れて、家とアトリエをいつも移動しています。
軽くて丈夫で使いやすく、少しずつ飴色に経年変化をしていくところがとても愛おしいです
腕に集合!したバングル!!
壮観ですね。
これら、ひと針、ひと針、horieeeさんがちくちくビーズを刺して作られているのです。
タイヘンそうとか、キュークツそうに感じさせないところが、horieeeさんらしいかっこよさ、素敵さでもあるのですが、映像もぜひご覧になって見てください。
→ click
horieeeさん、前回はおりひめ神社の真裏でしたが、今回はコルトン広場、モニュメント周りです。
木工の石井宏治さんと陶芸のteteさんの間ですね。
ホームページはこちらになります。
→ click
村上ハルナさん(装身具)
Q1
茨城県石岡市で制作する村上ハルナさん。
「工房からの風」には、どのような作品を出品されますか?
A1
海で採集した小石、水牛の角などの自然物と、銀やステンレスなどの金属を組み合わせた装身具やオブジェを出品します。
自然物の粗く素朴な質感と、幾何学的でコンテンポラリーな金属造形を組み合わせ、記憶の中のどこかの何かを思い起こさせる、“情景的なかたち”をコンセプトに装身具やアートピースを制作しています。
海で採集した石や水牛の角などは色も模様も同じものはなく、すべてが1点ものです。
自然の素材のおもしろさはプリミティブな美しさと力強さ、そして一期一会の出会いにあると感じます。
ぜひお気に入りを見つけに来てください。
Q2
村上ハルナさんの工房で大切な、あるいは象徴的な、あるいはストーリーのある「道具」について1点教えてください。
A2
中くらいの棒ヤスリです。
大学の授業で真鍮の塊を削るために買ったもので、真鍮の硬さにびっくりしたことを覚えています。
今では銀、ステンレス、水牛の角などたくさんの素材の成形に使用しますが、硬さや粘りなど、それぞれの素材の特性をひしひしと感じます。
Q3
お手持ちの「工藝品」で愛用、または大切にされているものついて1点教えてください。
A3
お世話になった先生に頂いた拭き漆のお皿です。
会津の職人さんが挽いて、先生が拭き漆をしたもので、軽くて使い勝手のよいお皿です。
一部割れてしまったので、自分で漆継ぎをして大切に使っています。
小石や水牛の角などの自然物と金属を組み合わせた装身具やオブジェ。
村上ハルナさんの生み出すかたちは、ひとつひとつが異なる背景を持ちながら、並べてみると響き合う不思議なハーモニーを感じます。
ニッケ鎮守の杜、galleryらふとと参道をはさんだ木立の中に建つ一基のテント。
物語の中に現れたような空間で、村上ハルナさんの世界をご覧いただきます。
村上ハルナさんのインスタグラムはこちらです。
→ click