2014年10月の記事一覧

「出展作家紹介/工房からの風」New

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佐々木ひとみさん 金属装身具 東京

LCFさんに続いては、同じく二回目の出展となる佐々木ひとみさんです。

Q
今回、ひとみさんは 「工房からの風」に、どのような作品を出品くださいますか?

A
いろんな国で集めた変わった宝石と彫金の動植物を組み合わせたアクセサリー。
あとは 動植物や昆虫の模様が彫られたスプーンやフォーク、
いろんな風景に見立てた小皿やブローチなど自由に遊んだ一点ものも持って行きます。

ベルギー アントワープ王立芸術アカデミー ジュエリー科に在籍中には、
HRD Awards 2007 (アントワープダイヤモンド 国際コンペ)で
ファイナリスト受賞もされた佐々木さん。
そのイマジネーション、表現力、技術力を、
日本に帰国されてから、こつこつとかたちにされています。
:::

Q
再び出展が決まってから、佐々木さんご自身やお仕事などに変化はありましたでしょうか?

A
2011年に初めて出展して以来の2回目だったので
『その時と違う何か、成長した何かを、、、』
と構えていたのですが、『自分の好きなワールド全開で!』という言葉をかけてもらって
作ることや描くことがもっと楽しくなりました。

ええ、ほんとうに!
佐々木ひとみさんの世界観、ワールドは、圧倒的に佐々木ひとみさんなのです。
無難にしないで、もっと、もっとそのワールドを
思いっきり描き出してほしいと心から希っているのです。

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Q
好きな言葉、座右の銘、何気なく工房の壁に貼りとめているフレーズなど、
ひとみさんが大切にしている言葉を教えてください。

A
『わたしのワンピース』

『飛ぶ鳥とめる 絵にしてとめる』

『蝶のように舞い 蜂のように刺す』(誰かを倒したい訳ではありません!)

わぁ~
なんとも不思議ちゃんオーラが醸し出されておりますが、
どれも、佐々木ひとみさんとお会いすると、ぴったり!な感じです。

『飛ぶ鳥とめる 絵にしてとめる』
なんて、表現者としては、ぐっと来ますねー。

佐々木ひとみさんの出展場所は、ニッケ鎮守の杜の手仕事の庭、花壇のほとり。
お隣は、藍の戸塚みきさんです。

青空のもと、ひとみさんワールド全開で、皆さんを心地よく刺激して!くださいねー。

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LCFさん 金属装身具 東京

複数回出展6名のうちのおひとり。
LCFさんです。

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Q
LCFさんは、「工房からの風」に、どのような作品を出品くださいますか?

A
シンプルで身に着けやすいシーグラスを使った作品や、
天然石の原石、ちょっと変わった研磨をした鉱石を使った装身具を出品します。

大胆なフォルムも、彫金技術を丁寧に用いて作られているために、
品のある逸品に仕上がっているのがLCFさんのジュエリー。

石の魅力を金属の技術が支えているのですね。

:::

Q
出展が決まってから、ご自身やお仕事などに変化はありましたでしょうか?


2011年に初めて「工房からの風」に出展させていただきとてもよい刺激を受けました。
あの出展が終わってから今年まで、日々僕は準備していたように思います。

2回目の「工房からの風」。
お客様に僕の変化を感じていただけたらと思います。

LCFさんは、8月のプレ展覧会の日本橋三越展にも参加いただき、
さまざまなお客様にもとても認められていらっしゃいました。
今展を通して制作を高めてくださることが、とてもうれしく思います。

それにしても
「あの出展が終わってから今年まで、日々僕は準備していたように思います」
なんて、なかなか書けないですねー!

:::

Q
好きな言葉、座右の銘、何気なく工房の壁に貼りとめているフレーズなど、
LCFさんの大切にしている言葉を教えてください。

「身に着ける人にとってなくてはならない宝物になるようなジュエリー」
をコンセプトに日々作品を制作しております。
量産ものには絶対に出せない1点物ならではのよさを追求して、
皆様に作品を楽しんでいただけたらと思います。

そうですね。
ところで、LCFさん、今回まじめーに回答くださっていますけれど、
本当はもっとユニークな文章力のある方なのです。
次回は?ぜひ、そのあたりもご紹介できたらと思います。

LCFさんの出展場所は、ニッケ鎮守の杜の花壇の近く。

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古木裕子さん 布バッグ 埼玉

作家のご紹介もあとわずかですね。
今回はニッケ鎮守の杜に入ってすぐ、
ちょっと小高い丘?のうえで展示をする古木裕子さんです。

Q
「工房からの風」に、古木さんは、どのような作品を出品くださいますか?

A
ざっくりとした素朴な風合いの綿と麻に、
手染のこっくりとした色合いの布を組み合わせたバッグです。

長く使うことで生まれる表情にまで、愛着を持って頂けるように。
持ち手やポケット、バッグの底など、
細かなところを大切に仕立てています。

手染布の色の組み合わせは、色の遊びというのでしょうか。
パッと見たときに心が弾むような、
愉快なバッグだなぁと感じてもらえたら嬉しいです。

服作り、縫製のプロのお母様のもと、ミシンに親しんできた古木さん。
仕立ての丁寧さには、特に心を配っていらっしゃいます。

:::

Q
出展が決まってから、ご自身やお仕事などに変化はありましたでしょうか?


これからもずっと作り続けていきたいもの。
そう思えるものを作りたいと心に留めるようになりました。
そして、作家名をすっきり名前にしたこと。
どこかふわふわとしていた気持ちが定まった気がします。

どこか自信なさげだった古木さんですが、こつこつ制作を重ねるほどに、
笑顔がいっぱいになってこられたような気がします。
お天気のお庭で、カラフルな布バッグがはためくのが、楽しみですね!

:::

Q
好きな言葉、座右の銘、何気なく工房の壁に貼りとめているフレーズなど、
古木さんが大切にしている言葉を教えてください。

A
「ひとつ、ひとつ」
忙しく手を動かしているときほど、唱える言葉です。
布を染めて、裁断して、縫う。
ざっくりと分けるとシンプルですが、細かな工程の積み重ねで仕上げていくバッグ。
どの工程もひとつ、ひとつ。
きちんと進めていかないと、最後に残念なことに・・・。
慌て者の自分を落ち着かせるため、(笑)勇気づけるための言葉です。

同じく慌て者としては、共感しきりです。

古木さんの出展場所は、ニッケ鎮守の杜、入ってすぐの小高い丘。
スタッフ間では、王様の丘!と呼んでいるところ。
下々を見渡して!気持ちよく展示をしてくださいね!

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鴫原利夫さん 手製本 千葉

今回は、一般的に工芸のジャンルでとらえられているもの以外の作り手
の方々も多く出展いただきました。

Q
鴫原さんは、「工房からの風」に、どのような作品を出品くださいますか?

A
糸かがりによる手製本です。
工芸製本というよりは、もっと日常的なものをご案内します。

文庫本の半分サイズの「はん・ぶんこ」の本やノートを中心に、
洋古書をミニチュア化した豆本、文庫本サイズのノート等を準備しています。

背表紙がなく糸でかがっただけのシンプルな造本ですが、
使い勝手と使い心地を追求した結果たどり着いたカタチです。

機械で作られた本に対する「不満」から手製本を始めたので、
「こうでなければならない」という視点よりも、
「こうであっても良いのではないか?」という発
想がもとになっています。

製本、ルリユール、ということで選考させていただいたつもりだったのですが、
私が思っていたそれとは違っていたことに気づいて、
正直にお書きすれば、たぶん、お互い想いのすりあわせにぎくしゃくしたように思います。

でも、それは決して不毛なことではなくて、そのことを通して、
鴫原さんはご自身のお仕事を見つめられたことでしょうし、
私も自身が想うものづくりのことを、あらためて確かにできたように思います。

鴫原さんが綴じる「はん・ぶんこ」のアイデアから、
今回の出展者有志による「手の本」が生まれたことが、何よりの実りでした。
これについては、あらためて別のエントリーでご紹介いたしますね。

:::

Q
出展が決まってから、ご自身やお仕事などに変化はありましたでしょうか?

A
技術的にはさほど変化が無いというか、
いまでも満足なモノがなかなかできないのが悩みです。

「作品を売る」ことよりも
「本を作ること」を案内したいなと考えていました。
製本そのものは裏方的な仕事なので、作品としておもてに出すよりは、
カタチにする手伝いのほうが「しごと」として意味があるのかな、と。
それが一つのカタチになったのは大きな収穫でした。

あとは「プロ」を意識するようになったこと。
以前は語学のプロの端くれだった(完全に過去形)のですが、
手仕事のプロ、書物のプロでありたいなと、時間はかかるだろうけど・・・

:::

Q
好きな言葉、座右の銘、何気なく工房の壁に貼りとめているフレーズなど、
鴫原さんが 大切にしている言葉を教えてください。

A
Mon livre rien qu’à moi.
いせひでこさんの絵本『ルリユールおじさん』にあるフレーズです。
ポストカードを書棚に飾っています。
「わたしだけの本」のフランス語訳です。

もうひとつ、「天衣無縫」の書です。
8月の三越展のとき、予告ブログで気になって、どうしても欲しくなり
初日に駆けつけて求めたもの。
「工房からの風」つながりで素敵な作品に出会えました。

2011年に出展くださったデザイン書家の国分佳代さんの書ですね!
出展年度が違っても、こうして交流していただけることが、
「工房からの風」を続けてきた喜びのひとつです。

鴫原利夫さんの出展場所は、ニッケ鎮守の杜の東側。
花壇のほとりの小さなテントです。

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花岡央さん ガラス 岡山

今回ガラスの出展者は5名の方。
トリでご紹介させていただくのは、花岡央さん。
ヒロイスタジオという名の工房を岡山にひらいた作家です。

:::

Q
花岡さんは、「工房からの風」には、どのような作品を出品くださいますか?

A
秋冬のテーブルを暖かく演出するような、
カラフルかつスリットを生かした”ren”シリーズ。
日本家屋の戸や窓にみられる縦格子、
連子(れんじ)をモチーフにしています。
テーブルウェアだけでなくペンダントライトや
キャンドルホルダーなどの灯りもお届けします。

もう一点、自家製の”お米”をガラスに熔かしこんだ、
ブルーのガラス”GRICE”(グライス)シリーズ。
備前焼や土地の歴史から生まれた物語と共に、
秋晴れの空の様な爽やかなテーブルウェアをご覧ください。

フォルムがしっかりとして、佇まいが美しいガラスの器ですね。
グライス!とは、ネーミングもユニークで。
ぜひ、光にかざしてご覧になっていただきたいです。

:::

Q
出展が決まってから、ご自身やお仕事などに変化はありましたでしょうか?

A
独立から半年もたっていない頃に出展の機会をいただいて、
とても嬉しい反面、まだまだ作風を確立できていない自分自身に不安を覚えました。

それからの今までの7か月間、「工房からの風」のミーティングはもちろん、
様々な展覧会を通じて多くのことを学び、
作風と言えないまでも、少しずつ自身の考え方と方向性を作品に表せるようになってきました。

オープンから約1年、一区切りを迎えるこの時期に
私自身の成長を皆さまにご覧いただきたいと思います。

「工房からの風」当日までに、何度も通信などのやりとりがあるのですが、
それぞれに個性があって、そこはかとその人となりも感じていきます。
花岡さんはいつも丁寧に対応してくださって、
人とのやりとりを大切にされる方なのだなぁといつも感謝していました。

独立したばかりとのことですが、
しっかり今までガラス工房で働かれたことを礎に、
今展も追い風のひとつとして、ながく央やかに続く制作を
深めていただければと思っています。

:::

Q
好きな言葉、座右の銘、何気なく工房の壁に貼りとめているフレーズなど、
花岡さんが大切にしている言葉を教えてください。

A
「あせらず、ためらわず」

大学時代の恩師から届いた年賀状に、一言添えられていました。
常に周りと比べてあせり、
常に自身の決断にためらいながら生きてきた私に
一歩を踏み出す勇気を与えてくれました。

何度も訪れる選択の時に、
いつも抑制と肯定と希望を同時にくれるこの言葉に救われています。

抑制と肯定と希望
思わず、メモしてしまいました。
(このランプ、飴釉みたいで、きれいですねー)

花岡央さんの出展場所は、ニッケ鎮守の杜に入って、レンガ道のすぐのところ。

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長野大輔さん 陶芸 高知 

大分の垣野さんと同じように、農業をしながら陶芸をする方がもうおひとり。
高知の長野大輔さん。
80年代生まれの若い作家です。

Q
長野さんは「工房からの風」に、どのような作品を出品くださいますか?

A
食器を軸に小さな花器なども出展します。
粉引きや木灰の釉薬などです。
使って愉しいうつわを手から手へ。

根源的な仕事を若々しさをもって進めるひと。
ささやかな大きさの碗やカップにも、ダイナミックなちからがひそんでいるようです。

:::

Q
出展が決まってから、長野さんご自身やお仕事などに変化はありましたでしょうか?

A
はい!結婚しました笑。 
「工房からの風」が追い風になりましたね笑。

笑って照れをごまかしてる??
おめでとうございます。
追い風、ますます引き寄せてくださいね。

:::

Q
好きな言葉、座右の銘、何気なく工房の壁に貼りとめているフレーズなど、
長野さんが大切にしている言葉を教えてください。

A
『半農半陶』 
が僕の人生のテーマです。
暮らしと仕事のサイクルが「土」を真ん中にして心地よく循環していると感じています。
やきものと畑は繋がっていますね。

ご実家が農家の長野さん。
自然の恵み豊かな中で育ったことが、長野さんの原点で、
それを人生の柱に据えて陶芸にも取り組まれています。

これからさまざまな出来事に巡り合うことと思いますが、
根っこを大切にする思いは、進む道の櫂になりますね。

長野さんの出展場所は、ニッケ鎮守の杜に入って下草の上。
木工の岩野彩さんと隣です。

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垣野勝司さん 陶芸 大分

今回ご紹介する出展者は、遠く九州から。
2012年、千葉より大分県国東半島に移住して、
「くにさきかたち工房」を開いた陶芸の垣野勝司さんです。

:::

Q
「工房からの風」には、どのような作品を出品くださいますか?

A
現在、田、畑を耕作しています。
作品は、土に根ざした生活の中で、身近に手に入る材料を使って作っています。

「わらのうつわ」は自分で作っているお米の藁を利用していて、
備前の火襷にヒントを得て作っています。

「きなりのうつわ」、「しのぎのうつわ」は薪ストーブの灰や、砂浜の砂鉄を使って釉薬を作っています。

「ペルシャシリーズ」は以前は、赤いものを作っていたのですが、
地元の方との話の中で、「国東の海の青はむらさきがかっているんだよ」という言葉から、
青いものを作り始めました。

基本的に普段使いの器が中心に出品する予定で、
古いものも好きなので、出土品のような陶小物(一輪挿し、動物小物)も出品します。

さまざまなシリーズで展開されていて、見ごたえありそうですね。

:::

Q
出展が決まってから、ご自身やお仕事などに変化はありましたでしょうか?

A
今まであまり、他の作家さんとの繋がりがなく制作していましたが、
最近は他の作家さんがどのような考えで、ものつくりをしているか、とても興味があります。
今回参加することで、たくさんの出会いがあることを期待しています。

遠く九州からの出展。
ぜひ、今展を介して、新たな佳き出会いを結んでくださいね。

:::

Q
好きな言葉、座右の銘、何気なく工房の壁に貼りとめているフレーズなど、
垣野さんが大切にしている言葉を教えてください。

A
足るを知る、
自然から学ぶ。

移住した一つの理由は、最後は自然から学ぶしかないのかなと思ったからです。
シンプルに暮らして、自分の感度を上げていった先に、何を感じるか、何が作れるか。
まだ、全然、よくわかりませんが、日々淡々と暮らして、作っていきたいと思っています。

くにさき半島に移住して何ヶ月かは、
本当に時間が止まったような静かな場所だと思っていたのですが、
だんだんと、色々なことを感じるようになりました。

半島暮らしは「ノイジー」だなと思っています。
なつかしい潮風、静かに襲いかかる新緑、雨後の川のざわめき、
朝露にぬれる稲穂のにおい、沖の涛音、空気をゆらす鳥たちの羽音、その他。

そのような、「自然のノイズ」が、感じられるような作品を作りたいです。

東京の美術大学を出られた方の多くの進み方とは異なる、
独自の歩みをなさる垣野さん。
「最後は自然から学ぶしかないのかな」
という言葉には、確かな重みを感じます。
そして、自然をノイジーと感じ、そのよきノイズが感じられる作品作り、
という想いに共感を覚えます。
どんな作品と出会えるのでしょうか?
まだ、きっと途上のことと思いますが、ゆっくり、じっくり育まれることと思います。

垣野勝司さんの出展場所は、ニッケ鎮守の杜、手仕事の庭の花壇の奥。

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平野日奈子さん 陶芸 岐阜

複数回出展者が、今年は6名(組)。
少数精鋭の中から、平野日奈子さんをご紹介します。

:::

Q
日奈子さんは、今回の「工房からの風」にどのような作品を出品くださいますか?

A
粉引きの白い器(ポット、ピッチャー、カップ、お皿、蓋ものなど)と
緑のコバルト釉の器と飾るもの、アクセサリーも並ぶ予定です。

前回は粉引きの器で揃えた空間が印象的でしたけれど、
今回は新たな展開が加わるようですね。
アクセサリーって、どんななのでしょう??

:::

Q
2回目の出展が決まってから、日奈子さんご自身やお仕事などに変化はありましたでしょうか?

A
今回は2回目の参加で、2010年に参加した時と今の作品で、きちんと進化できているかな?
やりたいことができているかな?と
少し立ち止まって考えることができたような気がします。

制作の句読点のように、「工房からの風」を活用してくださるのも、
企画者としては、うれしいことなのです。

:::

Q
好きな言葉、座右の銘、何気なく工房の壁に貼りとめているフレーズなど、
日奈子さんが大切にしている言葉を教えてください。

A
チームラボの猪子さんが
「ものづくりで社会を変えたい」
と言っていたのが格好いいなと思いました。

日奈子さんと同世代のひとの言葉。
今を生きる日奈子さんの心に響いたのですね。

平野日奈子さんの出展場所は、ニッケ鎮守の杜に入って、花壇の前の下草の上。
緑と白い器と日奈子さんの笑顔が映えそうですね!
お隣には、ガラスの大山隆さんがいらっしゃいます。

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殖ゆ星さん ミトン 神奈川

Q
殖ゆ星さんは、「工房からの風」にどのような作品を出品くださいますか?


スウェーデンとスコットランドの毛糸を用いて、ミトンを編みます。
鉤針をつかった、引き抜き編みの技法で編みます。
小さな子どものサイズから、少し大きな子どものサイズ、それから大人のサイズのものまで。

:::

Q
出展が決まってから、殖ゆ星さんご自身やお仕事などに変化はありましたでしょうか?

A
日々の暮らしは、これまで続いてきたように、変わらず続いてゆきました。
けれども、春にも夏にも、いつも心のどこかで秋を思っていて、
それが不思議な感じがしました。
大事だと思あっていたことを、後回しにしてしまわぬように、
という気もちで過ごしていたように思います。
ひとりのお母さんですので。

:::

Q
殖ゆ星さんが好きな言葉、座右の銘、何気なく工房の壁に貼りとめているフレーズなど、
大切にしている言葉を教えてください。

A
好きな詩があります。
フィンランドの、エイラ・キヴィッカホという詩人のものです。
この詩が胸にあることを感じながら、小さな娘や息子の服をこしらえたり、
繕ったり、料理をしたりしてきました。
娘はもう十代ですけれど、私の胸にはまだこの詩があって、
時々、小さな娘が樹々の間を走っていた様子が、思い浮かんだりなどするのです。

「小さなハンナ」
 エイラ・キヴィッカホ 岡松 栄策訳

小さなハンナ
私の娘
私はあなたに絹の服は着せない

この目の粗いズボンと洗いざらしのシャツ
それがあなたの身につけるもの
なぜ?
なぜって それは眼にやさしいし
水の青にも 樹々の緑にも でこぼこの小道に
そして田舎の純朴な生活の喜びや美しい自然にも
とてもよく似合うでしょう

小さなハンナ
私の娘
粗い白樺の樹皮にあなたの頬を
そっと押しつけてごらん
いつまでもその感触 香り そして
そのやさしさを忘れないように……

殖ゆ星さんの展示の場所は、ニッケ鎮守の杜、藤棚のほとり。
テントや藤棚にミトンがゆれていることでしょう。

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山田睦美さん 陶芸 石川

突然ですが、珠洲焼(すずやき)って、ご存じですか?

石川県の北東部に珠洲市というところがあります。
ここに、須恵器の流れをくむ無釉の焼き締めので、
黒っぽい灰色の乾いた質感が印象的な陶器がありました。

戦国時代の初めごろになぜか途絶えてしまったものを、
1970年代になって地元で復活された珠洲焼。
それを、今につなげて制作する若き作り手が、山田睦美さんです。

:::

Q
山田さんは、「工房からの風」に、どのような作品を出品くださいますか?

A
食器や花器など日常の生活に使えるものを。

珠洲焼独特のグレイの色調に象嵌で白い文様を描くのが
山田さんのひとつの特徴ですね。
乾いたタッチが、とてもモダンなのです。

:::

Q
出展が決まってから、山田さんご自身やお仕事などに変化はありましたでしょうか?

A
自分がしたいことの整理を。

山田さん、とってもハンサムウーマン。
からっと明るい、てきぱきしていて、
でも、きっとあったかいものをいっぱいもっている方なのだろうなぁ。
とお会いするたびに感じていました。
作品に、それが見事に表れていますし、この明快!な回答にも、なるほど~
という感じなのです。

そして、山田さんが応募くださったのは、ある工芸がとてもお好きなお客様が
「工房からの風」を勧めてくださったのだと、後になって知りました。
ご遠方から、何回か「工房からの風」にいらしてくださったことのある
目と心のあるお客様がつないでくれたこのご縁。
とてもありがたく思うのでした。

:::

Q
山田さんが好きな言葉、座右の銘、何気なく工房の壁に貼りとめているフレーズなど、
大切にしている言葉を教えてください。


日日是好日

山田さんのご実家は鎌倉時代に開山された700年以上続く名刹と伺いました。
その山田さんの大切にしている「日々是好日」は、
なんだか深くて、ありがたいような、しみじみとした想いを感じます。

山田さんが珠洲焼の作品を展示するのは、
ニッケ鎮守の杜、「galleryらふと」の脇のテント。
椎の木がこんもりと茂る中、どんな出会いが結ばれるでしょうか。

近くには、habetrot さんや、simple soeurさんのテントがあります。