2013年10月の記事一覧

「出展作家紹介/工房からの風」New

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橋村野美知さん(ガラス)

小川麻美さんとレンガ道の通路を挟んで、
ガラスの橋村野美知さんが出展されます。
藤棚のふもとで、ハーブの花壇のほとり。
夢の時間が手元に宿るような作品を作られる方です。

Q
野美知さんは、「工房からの風」にどのようなガラスを出品されますか?

A
色を重ねて吹いたガラスの表面を削って、模様を描いた作品を出します。

ふふ。
作家の方からのメッセージは実にいろいろ。
たとえば小川さんのように、長いメッセージもあれば、
野美知さんのようにとってもシンプルなお答えも。
そして、その作品は正反対で、小川さんの作品はシンプルで、
野美知さんは物語を綴ったような装飾的なもので。。

野美知さんのホームページの「物語」というところを読んでいただくと、
その世界観に、少し触れられるような気がします。

Q
野美知さんにとって、「工房からの風」って、どんな風なのでしょうか?

A
今の自分を追い越していけるような風をつかみたい。

出展が決まってからの時間、きっと精一杯取り組んでくださったことと思います。
その時間が、風をつかむきっかけを生み出してくれますね、きっと。

Q
野美知さんは、小学生の頃、何になりたいと思っていましたか?

A
新体操の選手

ああ、なんとなく、わかります!
敏捷な野美知さんの感じ。
それにしても、野美知って、とても素敵なお名前ですね。

野美知さんは、夫の大作さんとともに工房で仕事をされています。
そのホームページはこちらになります。 → 

出展場所は、最初にお伝えしましたように、花壇の奥、藤棚のほとりです。
ハーブの香りがそよぐ中で、ガラスに描かれた物語とゆっくり出会っていただきたいと思います。

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小川麻美さん(陶芸)

日々の暮らしに寄り添ううつわ。
小川麻美さんが願う、うつわの在り方です。
そのように願って作る作家は多くなりましたね。
それだけ日々の暮らしを丁寧に楽しくしたい!
という使い手の方も増えたのですね。

Q
小川さんは、「工房からの風」にどのような陶器を出品されますか?

A
淡黄色の粉引、マットな白、炭化の燻しによるスモーキーな黒、
この3つのバリエーションで、カップやお皿、鉢、水差しや花入れ、
木とコラボのシュガーポット・・・
そして小さな動物の置物などをお持ちします。

シンプル、シックでありながら、どこかほっこりする器。
優しい時間を生み出すのが、小川さんの器の特徴でしょうか。
白くまやスワンなど、動物の置物も愛らしいですよ。

Q
小川さんにとって、「工房からの風」って、どんな風なのでしょうか?

A
「工房からの風」の選考結果の通知は、今年一番最初に感じた春。
小さな春風のように届きました。

封を開けた時の驚きと興奮は半端なものではなく、
落ち着きが戻るまでしばらく走り続けてしまった次第…
あの時走りながら切った風、春先でまだ冷たかったけれど、素敵な予感のする風でした。

あれから、ミーティングを重ねたり、制作を進めたりする中で、
色んな風が自分の中を吹き抜けていきました。

「工房からの風」での展示を想像しながら手を動かし、
焼きあがったものたちを広げて、当日はどんな風をそよがせることができるだろう…?
ほんわり心地よさを感じてもらえるような風になっていればと願っています。

そして、他それぞれの作り手さん、スタッフさんや風人さん、
みんなの風がひとつになって会場を包む、そんな光景もたのしみにしたいと思ってます。

封(風?)を切って走り続ける・・・
って、なんだか映像が浮かんできます。
素敵な予感をぜひ実らせてくださいね。
そして、みんなで作り上げる光景を楽しみたい!
そんな風に思ってくださる作家がいること、私たちの喜びでもあります。

Q
小川さんは、小学生の頃、何になりたいと思っていましたか?

A
仕事として具体的な何かこれ、ということは
まだ浮かんでいなかったと記憶していますが、
今に通じる何かを思い起こせば、やはりつくることが好きな子供でした。
図工の時間は何より待ち遠しくてたまらなかったです。
ちぎり絵やミサンガづくりなど、はまっていた懐かしい思い出が蘇りました。
コツコツと時間をかけて少しずつやるものが好きだったようです。

当時、土に触る機会があったらあの頃の私はいったい何をつくっていたでしょうか…
逆に今、興味深いです。

小川麻美さんも内田美紗子さんのようにシャイな感じの方ですけれど、
おふたりともにコツコツ仕事が好きだったという共通点も面白いですね。

小川麻美さんのホームページはこちらになります。 → 

出展場所は、ニッケ鎮守の杜「手仕事の庭」エリア。
藍の花壇と道路の間のテントです。
お隣は、沖縄からの木工作家、玉元利幸さん
なんだか和めるゾーンになりそうですよ。

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沼田智也さん(陶磁器)

陶磁器のお仕事もいろいろとありますね。
日本の陶芸文化の広さ、深さをあらためて思います。
今日ご紹介するのは、茨城県で作陶される沼田智也さん。
染付けや色絵が描かれた器を作られます。

Q
沼田さんは、「工房からの風」にどのような作品を出展くださいますか?

A
染付や上絵など、日常を彩る普段づかいの器を中心に出品します。
古いものが好きで、古典的な図案を多く手掛けますが、
現代の生活にも違和感なく同居できる作品を志しています。

日本画を学ばれていた沼田さん。
少し儚げな絵付けも印象的です。
そこはかとなく色気のある器に感じるのですが、皆さんはいかがでしょうか。

Q
沼田さんにとって、「工房からの風」は、どんな風でしょうか?

A
今回の出展に際し、多くの仲間に恵まれました。
今年出展を共にする同期、以前出展された先輩方。
このような出会いのなかで、改めて「工房からの風」 の持つあたたかな空気、
豊穣な厚みを感じました。
同じものづくりを志す仲間達と今回の展示を通し、
工房からの風という場を共有できることを 嬉しく思います。

工房からの風は、私を翔ばせてくれる風。
この風を受けて、しっかりと羽ばたきたいです。
心を込めてつくった作品達、多くの皆様に みていただけることを楽しみにしております。

展覧会当日までに、すでに出会いに恵まれたと感じていらっしゃる沼田さん。
当日のお客様や伝え手の方を加えて、この出会いの風は、ずっと育まれていきますね。

Q
沼田さんは、小学生の頃、何になりたいと思っていましたか?

A
マラドーナのようなサッカー選手になりたかったです。
陶芸は、土練りや轆轤など、運動的な側面が多い表現手法なので、
案外遠からずなのかもしれません。
アスリー陶です。笑

アスリー陶!ですか!
確かに、肉体労働でもありますよね。
心身バランスよく働かせてのお仕事から、美しい器は生まれてくるのですね。

さて、沼田さんのブログはこちらになります。 → 

出展場所は、ニッケ鎮守の杜「手仕事の庭」エリア。
入ってすぐの緑の下草の中です。
結城琴乃さんがお隣ですね。

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千種さん(フェルト)

ニッケ鎮守の杜も、さまざまな鳥がやってきます。
ハトやムクはもちろん、オナガやツグミなども。
今日はそんなこのお庭に、たくさんの小鳥たちなどを連れてきてくれる
千種(ちぐさ)さんからのメッセージをご紹介いたしましょう。

Q
千種さんは、「工房からの風」にどのような作品と一緒にやってこられますか?

A
羊毛フェルトで作った小物を出品します。
暖かみのある色合いの木の実や落ち葉、
ふわふわした毛並みの動物と、たくさんの鳥たち。
それらをブローチやインテリアアイテムに仕立てて出品します。

世界中の鳥を中心に、新作の動物や植物も。
会場と季節にぴったりですね。

Q
千種さんにとって、「工房からの風」は、どんな風ですか?

A
だんだんと強さを増して近づいてくるような風です。
思っていたより強い風の気配を感じて、ハラハラドキドキしています。
けれど風に逆らうことなく、普段と変わらずに身をゆだねていたいです。

ええ、その作品同様に、自然体でお客様と出会いの時間が生まれるといいですね。

Q
千種さんは、小学生の頃、何になりたいと思っていましたか?

A
童話作家になりたいとか、コックさんになりたいとか、
さまざまに夢をみていました。

夢は今もその手から生み出されているようです!

千種さんのホームページはこちらになります。 → 

出展場所は、コルトン広場からニッケ鎮守の杜に入ってすぐ。
少し小高いエリアで、織りのnomamaさんとお隣です。
カラフルで楽しげなおふたりの作品が、桜の木のふもとに並びますね。

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京野桂さん(陶芸)

三重県伊賀市で、古民家を生かして素敵に暮らす陶芸家の京野桂さん。
おいしいもの好きなご夫婦は、器使いから楽しむ日々を送っていらっしゃいます。

Q
京野さんは、「工房からの風」にどのような作品を出品くださいますか?

A
コーヒーのための道具や、皿・鉢・土鍋など、
普段使いの食器類を出品します。
土そのものの味を出した焼締めと、色化粧で仕上げたシンプルな器です。

京野さんは二回目の出展。
前回は焼き締めの小ぶりな花器が特に人気でした。
それから年月を経て、器のバリエーションがとっても広がりました。
コーヒーのための道具、なんて、そそられますよね。
そして、土鍋類も充実なのは、さすが土鍋の産地伊賀の窯ならでは!

そして、京野さん、時間によって轆轤引きの実演もしてくださいます。
お子さんをはじめ、意外と見たことのない方もいらっしゃるのではないでしょうか。
こちらもぜひご覧くださいね。

Q
京野さんにとって、「工房からの風」は、どんな風ですか?

A
さまざまな「きっかけ」を与えてくれる楽しい「風」です。

前回出展されたとき、見てもらえたら、、という思いで出品した
大き目の自信作が初日に完売して、嬉しい驚きの表情だった京野さん。

お客様のそのような反応が、作家にとって、何よりの励みになるのですね。
この風に集まってくださるお客様を思って、
きっといろんなきっかけが、京野さんに生まれたことでしょう。
なんだか、とってもうれしいです。

Q
京野さんは、小学生の頃、何になりたいと思っていましたか?

A
科学者(両親が共に理系人間だった影響でしょうか・・・?)
でも焼き物作りって、以外に科学実験的みたいな側面も多いのです。

そうですね、陶芸って、ほんとに科学であり、化学ですよね。
毎日実験ができて、幸せそうな京野さん。
(得意のお料理も、実験みたいなものですし!)

さて、京野さんのホームページはこちらから → 

出展場所は、コルトン広場モニュメントエリア。
皮革の大濱由惠さんの間になります。
角のテントで、轆轤引きの実演もときどきしてくださいますよ。

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内田美紗子さん(金属・七宝)

しばらく器の作家のご紹介が続きましたね。
今年も器の作家、とても充実しています。
そして、彫金・アクセサリーのお仕事もさまざな素材や技術を持った方が
たくさん出展くださいますよ。
その中のお一人、内田美紗子さんは、群馬県桐生市で
kusumiという工房名で作品を制作されている方です。



Q
内田さんは、「工房からの風」に向かって、どのような作品を作られましたか?

A
七宝焼きという工芸の技法を使った色とりどりのアクセサリーです。
金属板を一枚、一枚切り出して、少しずつ丁寧にガラス質の釉薬を焼き付けています。
出来上がった小さな七宝焼きの粒を、花や実に見立ててピアスやネックレス、
ブローチなどに仕立てたものを出品します。

花びらのような、涙粒のようなちいさな金属を切りだし、
七宝に焼き付ける内田さんのお仕事。
そのちいさなパーツが、集まってひとつずつの形となっていきます。
内田さんの七宝(エナメル)は、その色合いが特徴的。
ちょっとスモーキーなニュアンスカラー。
Kusumiという名前が表しているように、ちょっとくすみを含んだ素敵な色調なのです。

Q
内田さんにとって、「工房からの風」って、どんな風でしょうか?

A
わたしにとってはわくわくした気持ちと、不安と緊張が入り混じった強風ですが、
来場されたお客様には、手しごとの楽しさやおもしろさが伝わるような、
ふわふわと温かく心地いい風を出展作家のみなさんと吹かせられればいいなと思います。

内田さんは、初めて来場者としてこの場に立ったとき、とっても感動したんです!
と伝えてくださいました。
その日から年月を経て、ご自身としてはやっとの思いで「工房からの風」の出展が決まったとき、
自分が感じたように、誰かを感動させたい気持ちが揺るぎなく芽生えた、、とも。

いつも控えめに微笑んでいらっしゃる内田さんのその熱いメッセージは意外でもあり、
その内に秘めたパッションが、あのこまやかな仕事の熱源でもあるのかもしれない、
そんなことを思ったのでした。

Q
内田さんは、小学生の頃、何になりたいと思っていましたか?

A
具体的になりたかった職業はなかったのですが、
遺跡発掘作業や、古い絵画の修復する映像をみて、
繊細な作業を慎重に丁寧にこつこつと進めて、
少しずつ形が見えてくる仕事にとても憧れていました!

このこつこつというのが大好きで!
七宝焼きも出来上がるまでにたくさんの行程を経て形になるので、
自分の憧れていたようなこと(こつこつ)が出来る、
七宝焼きに出会えてよかったなあと思っています。

子どもの頃から、繊細でこつこつと積み重ねていく仕事に憧れていたとは!
制作の時間が、内田さんの内なる幸せな時間なのでしょうね。
そんな幸せな時間を経て出来上がった作品を身につけた人にも、
内なる幸せ、つながっていきそうですね。

内田美紗子さんのホームページkusumiはこちらになります。 → 

出展場所は、コルトン広場モニュメントエリア。
木工の加賀雅之さんと、皮革の大濱由惠さんの間のテントとなっています。

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加賀雅之さん(木工)

岡山県美作市から参加くださるのは、木工の加賀雅之さんです。
「Semi-Aco」(セミ・アコ)という工房名で制作されています。

Q
加賀さんは、「工房からの風」にどのような作品を出品されますか?

A
イスやスツール、タオルハンガーなどの小さな木の家具と、木の小物を出品します。
昔から、シンプルな形がたくさん並んでいる様が好きだったので、
そんなイメージを投影した製品をお持ちします。

「セミ・アコ」とは、セミアコースティックギターから引いてつけられた名前とのこと。
プロダクト製品でもなく、手工芸一辺倒でもなく。
人の手で、作り手の気持ちの速度で作られたものでありながら、
そのことの特異性を訴求するようなものではない仕事。
そんな加賀さんの目指すところを表したのが、「セミ・アコ」なのですね。

今回は、「galleryらふと」の形から、片流れ屋根のバードコールも出品予定とのこと。
会場でキュルキュル、鳴らしてみたいですね。
そして、タオルハンガー、とっても素敵ですねー。

Q
加賀さんにとって、「工房からの風」って、どんな風ですか?

A
ものづくりの世界に足を踏み入れて以来、実に沢山の魅力ある人々と出会うことが出来ました。
そんな諸先輩方の共通点を思う時、「工房からの風」というキーワードが常にありました。
僕に取っての「工房からの風」は、憧れた場所へ向かうための、
優しくも厳しい追い風のような気がしています。

会社勤めを経験し、家族を得て、木工で生活をしていく方たちが、
たくさん「工房からの風」にやってきてくださいました。

なんとなく、近年の傾向として、結果をすぐに求める方も増えたような気がします。
結果はもちろん大切ですけれど、加賀さんたちのような来し方でものづくりをされている方は、
案外、直接的な結果(売上だとか、ギャラリーとの出会いなど・・)よりも、
ちょうど把握できる人数の最大限くらいの出展者同志との出会いの中から、
ご自分の仕事を客観的に感じ取ったり、
日ごろ会う機会のない多くのお客様からのささやかな反応の積み重ね
のようなものから得るものがとても大切なような気がします。

会社勤めを経験した人は(わたしもですが)、まじめに課題をこなそうとしてしまうのですが、
すぐに出る結果に振り回される生き方から離れてみると、
案外自分ならではの芽に気付くことって、あるような気がします。
それこそを求めていたわけですしね。

なーんて、まじめな加賀さんとお話しているような気持ちになって、つい筆が滑りました!

Q
加賀さんは、小学生のころ、何になりたかったのでしょうか?

A
小学校の文集に書いた記憶があるのは「サラリーマン」です。
ズバリ、父の影響です。
ですが思春期を過ぎ、大人になるにつれ、
実は父も作家という生き方に強い憧れを持っていたことを知りました。

結局は父の影響を、今も受け続けているようです。

お父様との関係がとても豊かでいらしたんですね。
きっと、加賀さんの息子さんにも大切な何かが、脈々と受け継がれていくんでしょうね。

さあ、加賀さんのブログをご紹介しましょう。 → 

加賀さんの出展場所は、コルトン広場モニュメントエリア。
お庭に入っていくちょうど境目の広やかな場所です。
通路を挟んで東側には、日本酒の寺田本家さんのテントもありますよ。

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田中啓一さん(陶芸)

今日ご紹介するのは田中啓一さん。
モノトーンでシンボリックな造形が、今回の出展者の中でも印象的な作品です。

Q
田中さんは、「工房からの風」にどのような作品を出品されますか?

A
日常の生活で使われるものということをいつも意識して作品を制作していて、
そういったものを今回も出品したいと思っています。
僕の作品が日々の生活を少しでも豊かな気持ちにさせることが出来たらいいなと思っています。
フランスに滞在して制作をしていたこともある田中さん。
シックな器や空間にアクセントをつける花器など、モダンな雰囲気の作風です。
個性的でありながら、使い人の感覚でさまざまな表情を見せてくれる陶器です。

Q
田中さんにとって、「工房からの風」って、どんな風ですか?

A
自分の作品を新たに見てくれる人々との繋がりをもたらせてくれる風だと思います。

田中さんのブースでは、いろいろな角度で作品を見ていただくと、楽しいと思います。
作品を介して、イメージが広がるような・・・。
そんなあれこれを、伝え合えたらいいですね。
この作品、こんな空間にあったら素敵!というような空想も芽生えたり。

Q
田中さんは、小学生のころ、何になりたかったのでしょうか?

A
読書が好きで、本屋になりたかったです。

どんな本がお好きなんでしょうね。
本好きな方、来場者に多いと思いますので、お尋ねしてみては。

そして、田中さんは武蔵野美術大学で陶芸を学ばれた方。
今回も含めて、「工房からの風」には、多くの方が出展くださっています。
来場者の方にも多いかもしれませんね。

田中啓一さんの出展場所は、コルトン広場モニュメント周り。
木工のふるいともかずさんと、陶磁器のJUNIOさんの間になります。

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浅井洋子さん(織)

石川県のたくまポタリーさんに続いては、富山県で制作する浅井洋子さんです。
2回目の出展。
染織のお仕事です。

Q
浅井さんは、「工房からの風」にどのような作品を出品されますか?

A
ノッティングという技法で織った椅子敷きを持って行きます。
ノッティングとは、たて糸に毛糸の束を結びつけて作るやり方で、
毛足のあるフカフカしたものです。
そしてとても丈夫で長持ちです。

定番の椅子に敷くサイズをメインに、変形サイズや少し大きなものも用意していきます。
すわり心地や踏み心地を体験しにいらしてください。

浅井さんは、前回はキッチン周りのものから、多種の織物を出品なさっていました。
その中に椅子敷きもすでにあって、ぴかっと輝いていましたね。

制作をいちど絞って(また、将来的には広がることもあるでしょうけれど)、
今回はこの作品群を集中して制作しようと手を動かす浅井さん。
ぜひ見て、触れて、布の感触味わってみてくださいね。
(踏むコーナーも登場するかもですよ!)

Q
浅井さんにとって、「工房からの風」って、どんな風でしょうか?

A
3年前に初めて出させていただいたときは、
「自分が一番得意な事ってなんだろう?」と真剣に考えるきっかけになりました。

工房からの風に関わる全てのひとに、だらっとした所がなくて、真剣で、さらに楽しそう!
だったので、自分と向き合わないわけにはいかなかったのだと思います。
自分の小さな部屋から押し出されるくらいの、勢いのある風です。

真剣に楽しそう!
って、たしかに作家もスタッフも、関わる人たちの共通な感じかもですね!
小さな部屋から押し出されて3年ののちのお仕事。
とっても楽しみですね。

Q
浅井さんは、小学生のころ、何になりたかったのでしょうか?

A
父方のもう亡くなった祖母が多才な人で、革細工、絵、書、お裁縫、なんでもする人でした。
祖母を知る人に会うと、「踊りが上手だった」、「着物を着るのがほんとに早かった」、
「しばらく軽食屋をやっていた」・・・などと、皆さん口々に違うことを言われます。

ずいぶん年をとってからは「ばっちゃま劇団」という、お年寄りばかりの劇団を立ち上げて、
脚本から人形制作から皆やっていたようで、本当にパワフルな人でした。

自分では覚えていないのですが、「将来なりたいものは?」という作文に
「おばあちゃんの作ったものを売るお店がしたい」と書いていたみたいです。

あと私が小さい頃は、まだ個人商店(駄菓子やさんとか、小さい本屋さんとか)が普通にたくさん
近所にあって、そのなかでも「クリーニングやさん」にちょっと憧れていました。
業務用のアイロンで、大量のシャツに黙々とアイロンをかけているのを見て、
漠然といいな~と思っていた気がします。

なんだか、いいですねー、浅井洋子さんがおばあ様のことを綴られている文章。
おばあ様のお話、今度もっと聞かせてくださいね。
そして、業務用アイロンに憧れるところなど、働き者の片鱗がすでに表れているような・・。

:::

では、浅井洋子さんのホームページをご紹介しましょう → ☆

出展場所は、モニュメント周り。
たくまポタリーさん鳥居明生さんの間のテントです。
ふかふかと、お尻に!心にあたかな文様も楽しい椅子敷き が待っていますよ。

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たくまポタリーさん(陶芸)

たくまポタリーさんは、石川県で作陶する方。
「工房からの風」へは、二回目の出展です。

釉薬や土を変えて白の表情も豊かな器や、つややかな飴釉(あめゆう)、
口べりに茶の筋を引いた皮クジラと呼ばれる意匠の器など、
日々の器に定評のある作家です。

Q
たくまポタリーさんは、「工房からの風」にどのような作品を出品されますか?

A
生活の器を色々持っていきます。
ご飯茶碗やお皿色々、鉢や花活けなど。

前回出展から1000日あまり。
”自分の真ん中にあるもの”に向き合い続けると、
磨いていきたいもの、手放していいもの、努力しなければいけないこと、
自分のものにしなくてもいいことがわかりやすくなって、
静かな気持ちで制作を続けてこれたような気がします。

それと同時に、”自分の真ん中にあるもの”と作品がちゃんとつながるように、”
もっと使いやすくなきゃ”、”もっと暮らしに馴染むように”、”もっと情緒があればなぁ”・・・
と、たくさんの”もっと”があふれ続け、一窯ごとに探り探り制作していたら、
あっという間に今年の工房からの風の直前です。

器制作業として、しっかりとした”定番”を作れるようにと励んでいるけれど、
天然原料であることや、サイズやフォルムの改良、窯の具合など、
様々な理由により、作品は常に流動的です。

工房からの風の二日間、今年の収穫をたくさんの方と分かち合えたら・・・と思います。

たくまポタリーと、工房名での出展ですが、制作されているのは、ゆうこさんおひとり。
「器制作業」と、明言されるように、作家というよりは、使う道具を作る、
という気持ちが前面にあるように思います。

その作り出すものへの責任感のような思いは、静かで美しいなあと、
やりとりをしながらいつも感じます。
私見ですが、皮革の大濱由惠さんや、クッキー・ジャムのn*cafeさんの制作姿勢と、
とても響くような・・・。
いずれの方も、働き者で、誠実なお仕事ぶり。
(そして、素がお茶目さんです!)

Q
たくまポタリーさんにとって、「工房からの風」って、どんな風ですか?

A
3年前と同じく、”工房からの風”に吹かれることによって、
自分の仕事の輪郭がはっきりするような・・・そんな風です。

一方で、自分が今立っている足元から、ふわっと巻き起こり、
思いがけない景色を見せてくれる風、のような気もします。
綿毛や種をとばす、あの風。


「工房からの風」という場、機会を長く大切にしてくださる方は、
強風というより、ふわっと感じられる方が多いような気がします。
直後の感想よりも、じわじわと寄せてくるような風や波。
たくまさんも3年の間、工房の、心のどこかにそよそよとわたる風を生かして制作を続け、
波を生んでこられたのですね。
その波に乗って、ふわっと、どんな器が生まれているのでしょうか。

Q
たくまさんは、小学生のころ、何になりたかったのでしょうか?

A
サーカスの空中ブランコの人、だったかなぁ・・・。

えっ!
ちょっと、びっくりです。
イメージと・・・ ・・・

そんなギャップ?のあるたくまポタリーさんのホームページをご案内しましょう。 → 

出展場所は、モニュメント周り。
陶磁器のJUNIOさんのお隣です。
このゾーン、特に器の選び応えがありますよ。