月別アーカイブ: 10月 2022

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小宮 崇さん(ガラス)

Q1
北陸富山県から出展くださる小宮崇さん。
「工房からの風」に、どのような作品を出品されますか?

A1
私は吹きガラスを用いて器を制作しています。
代表的な作品は「白のうつわ」というシリーズです。
ガラスの表面に白い粉上のガラスを溶かしつけることによってできる表情に魅力を感じ、長く続けているシリーズです。
今回はこのシリーズをメインに出展させていただく予定です。

Q1白のうつわ2

Q2
工房の中で、特に大切にしている場所、あるいは部分、印象的な場所、空間、または、道具の写真を1カット撮ってください。
そして、その説明をお願いします。

A2
私が気に入っている場所は多々ありますが今回は溶解炉の写真を送らせていただきます。
吹きガラスという技法は自ら溶融させたガラスを巻き取って作り上げていく技法です。
ただ原料を入れれば溶けるというわけではなく、温度管理と溶融時間を考えながら溶かさなければきれいなガラスにはならないので、気を遣う場所であり作業を始める大事な「はじまりの場所」です。
どんなことでも基礎がしっかりしていないと形にしていくことはとても困難なことだと思います。
私の中で溶解炉の前はそんなことを思い出させてくれる場所です。

Q2溶解炉jpg

Q3
自作以外で、大切にされている、あるいは、愛用されている工藝品をひとつ教えてください

A3
増渕さんのトクサ模様の飯碗をいつも愛用しています。
あるうつわのギャラリーで目に留まってのですがその温かみのある佇まいに一目惚れし、購入させていただきました。
手触りやサイズ感も丁度良く手に馴染む感じでずっと使いたくなる気もちになります。

Q3 増渕さんの飯碗jpg

2020年、コロナ元年の出展予定だった小宮崇さん。
縮小開催で出展が見送りとなって残念だったのです。
今年あらためてご応募くださり、満を持して出展ですね。

小宮さんの出展場所は、ニッケ鎮守の杜入って中央部の緑の下草の空間。
白いガラスを中心に緑の草が映えることと思います。

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maumvillage(革)

Q1
四国は高知県から出展くださるmaumvillageさん。
(遥々、ありがとうございます!)
「工房からの風」に、どのような作品を出品されますか?

A1
イタリア・トスカーナ地方原産の牛革を使用し、 その中でも地肌を隠してしまうような余計な加工をせず、元々は生き物であった証や息吹、恩恵を深く感じれる素材から、鞄や財布を中心に暮らしの道具に徹した作品を出品します。

強度や美しさなどのバランスを考え、手縫いとミシンを使い分けながら縫製していますが、時には1mmにも満たない隙間を針で狙い、手縫いでしか表現できない立体構造や曲線を意識するなど、実用性と創造性のバランスを大切にしています。

独自の価値観で作られた革ものたちは、使い手それぞれの癖を学び徐々に使いやすくなるようデザインしています。
工房からの風で直接お話することで、少しでも作り手の理念や技術を感じていただき、より豊かな暮らしを送るための道具として作品を手にしてもらえると嬉しいです。

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Q2
maumvillageさんの工房の中で、特に大切にしている場所、あるいは部分、印象的な場所、空間、または、道具の写真を1カット撮ってください。
そして、その説明をお願いします。

A2
特に大切にしている場所は1日の大半を過ごしている工房のこの位置です。
眠い目を擦りながら朝ごはんを食べ、顔を洗って歯磨きをし、それでも目が覚めない。。
そんな朝が弱い自分でも工房に向かいここに座ると、その日の製作スケジュールが頭の中を駆け巡りシャキッと目覚め、仕事モードに切り替わります。
椅子には何かスイッチが付いてるんじゃないかと思うほどです。
不思議です。

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Q3
maumvillageさんが自作以外で、大切にされている、あるいは、愛用されている工藝品をひとつ教えてください。

A3
工藝品は色々と愛用しているのですが、その中でも陶器は暮らしに深く関わっていると感じます。
仕事終わりのお酒はその日一番の癒しを与えてくれます。
ビールグラスやゴブレットなどとも迷いましたが、これから日本酒が美味しい季節なので、龍門司焼のぐい呑みを選びました。
この白蛇蝎「しろだ(じゃ)かつ」という釉薬はエネルギーに満ちていて、お気に入りの一品です。

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maumvillage(マウンヴィレッジ)さん。
HPからもシックな作品世界を素敵に感じて、実際に作品を拝見するのがとても楽しみです。
maumvillageさんの出展場所は、コルトン広場、鎮守の杜のゲートに近い方。
両隣は、木工のクドウテツトさんとフェルトの今野恵さんです。

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アトリエラヒヨ (注染・裂織)

Q1
神奈川県で注染での制作をされるアトリエラヒヨさん。
「工房からの風」に、どのような作品を出品されますか?

A1
注染てぬぐいをメインに出品いたします。
活動10周年となりますので、今まで制作した柄の中から、できるだけたくさんの種類を並べて、10年間の活動をご覧いただきたいと思っています。

手ぬぐいは型染めの一種である「注染」という明治に生まれた日本独自の技法で制作をしています。
デザインと型紙の手彫りを私が行い、型の仕上げとなる漆を使った紗張りと、注染による染めは職人さんに行っていただいています。

注染には独特の滲みやボカシ、柄の柔らかなライン、裏まで染まっていることなどいくつか特徴があります。
量産が可能な技法ではありますが、全く同じものをたくさん作れるわけではなく、特にボカシを使った柄については大きな違いが出ている事も多く、それぞれの仕上がりに個性が生まれます。

重ねた状態の布に、ジョウロのような道具を使って染料を注ぎ込む面白い技法で、そういった技法の魅力なども、お伝えできるような展示にしたいと考えています。

その他にも手ぬぐいを縫い合わせた作品、そしてここ数年で力を入れているB反を裂き織りした小さなマットも、ぜひ観ていただきたい作品です。

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Q2
アトリエラヒヨさんの工房の中で、特に大切にしている場所、あるいは部分、印象的な場所、空間、または、道具の写真を1カット撮ってください。
そして、その説明をお願いします。

A2
丸キリです。
型紙を彫る時に使う道具で、綺麗な丸の形を彫り抜くことができます。
彫る時の力加減や角度で丸の形が多少変わってしまう事や、優しく扱わないと刃先がかけてしまうので、使う時には集中しています。
点が集合した文様が好きで、少しずつ丸キリを増やしていっています。

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Q3
アトリエラヒヨさんが自作以外で、大切にされている、あるいは、愛用されている工藝品をひとつ教えてください。

A3
寄木細工の小さな箱です。
箱根の伝統工芸士の方がつくられた作品で、その方が館長をされている美術館のお店で出会いました。

美術館にはその方が長い年月をかけ収集された歴史的な品々と、ご自身がつくられた作品も展示されていて、この小さな箱は展示作品を制作された時の余った一部で、装飾をされたものだと教えてくださった記憶が残っています。

ひとつひとつ違ったデザインになっていて、いくつかあった中から私はこの2点を選びました。
蓋を持ち上げて初めて見える身の側面まで、全てが違う文様になっていて隅々まで美しく、本当に素敵な作品と出会うことができて幸せな気持ちになりました。

ちょうど私が今の活動をはじめようかと考えていた頃の出来事だったので、自由自在に素材を扱って美しいものを生み出せるその職人さんに憧れて、私もいつかはそうなりたいなぁと心が動き、今の道へと背中を押してもらったような気がします。

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アトリエラヒヨさんは、zucuという屋号で10年間、活動を続けて来られました。
そして、この29日。
「工房からの風」の初日に、新たに「アトリエラヒヨ」として活動を始動されることに!

そのことへの想いは、ぜひHPなどでお読みいただけたらと思います。
(HPも29日にリニューアルされるそうです。それまでは「zucu」になっています。)

「工房からの風」が、アトリエラヒヨさんの始動の日!
是非、素敵なスタートを切っていただきたいですね。
ひとりの作家の記念日。
めったに出会えませんね。
皆様もぜひ、じっくり作品ご覧いただければと思います。

アトリエラヒヨさんの出展場所は、ニッケ鎮守の杜の入ってレンガ道のほとり。

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平と米の制作所=平米(木工)

Q1
「平と米の制作所=平米」は、沖縄で木工の制作をする平安山なほみさんと米須美紀さんのユニット工房。
(遙か南の島からありがとう!ございます!!)
沖縄から、「工房からの風」に、どのような作品を出品されますか?

A1
沖縄の木を使った器を出品します。
沖縄のやちむんの古典柄をモチーフにしたやちむん風の木の器、ぱっと見やちむんなのにやちむん(焼きもの)ではないので文字って「やむちん シリーズ」と名付けています。

またホウロウ風の木の器、これも少し変えて「ロウホウシリーズ」と名付けています。
この器に盛り付けて美味しいご飯の時間を楽しむことができたら朗報(ロウホウ)が舞い込んでくるかも!という期待も込めています。

他にも平米の2人の上に何人かの絵描きが降りてきて自由にペインティングをして行ったようなカラフルな「ペインターズシリーズ」も用意しています。

器以外にも琉球松や寒緋桜で作ったバターナイフや何も乗せなくともそれだけで存在感のあるコンポート、節や割れなど木の特性をより生かしたランプシェードを出品いたします。

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Q2
平と米の制作所=平米さんの工房の中で、特に大切にしている場所、あるいは部分、印象的な場所、空間、または、道具の写真を1カット撮ってください。
そして、その説明をお願いします。

A2
器の型とトンボです。
外側と内側のそれぞれの実寸の断面図に寸法が書かれています。

木工旋盤で成形しながら最終調整でサイズや角度などが大きくズレていないか実際に器に当てて確認し、形のズレをバイト(大きなノミのような刃物)で削り調整していきます。

トンボは陶芸家の方も使いますが使い方は同じで、竹串部分を器の中に入れてちゃんと型通りの深さが足りているか確認するために使います。

「やむちんシリーズ」「ロウホウシリーズ」「ペインターズシリーズ」などシリーズの中でも様々なサイズやデザインの器を制作する時にこれが無いことには同じような形を成形できません。

より使いやすい形をと考えていく中でデザインを見直し、ブラッシュアップもしていきますが過去に制作していたデザインの型も全て平米の歴史(まだ4年ですが)の財産として別の箱に入れて大切に保管しています。

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Q3
平と米の制作所=平米さんが自作以外で、大切にされている、あるいは、愛用されている工藝品をひとつ教えてください。

A3
よなは民具さんのクバ籠です。

何度かイベントでご一緒になっているのですがよなは民具さんはいつもクバの葉を大量に持ってきていてゴザに座って実演をされているのですがその時にも時々新作が出来てきます。
このクバ籠もその時に試作されていたのですが制作の途中から「これ絶対可愛いのができる!」と思いちらちら様子を伺いながら出来上がりを待ってすぐに声をかけお迎えしたい旨を伝えました。

「まだ荒削りだけど、、、」とおっしゃいましたがそこがまた魅力的に感じたのかもしれません。

ワインや5合瓶、バゲットが入るくらいの大きさなので差し入れ(もちろん籠は渡しませんが)や野菜のストック、ちょっとした買い物に使うにはもってこいの大きさです。

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平安山さんと米須さんで、平米。
なんだか、楽しいネーミングですね。
そもそもおふたりがとても楽しい方たち。
直前となって、遠足の前のようなワクワクが止まらないそうですよ。

平と米の制作所=平米さんの出展場所は、ニッケ鎮守の杜 稲荷社の前方。
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クドウテツトさん(木工)

Q1
北海道札幌市で木工に取り組むクドウテツトさん。
(遙か北の大地からありがとう!ございます!!)
「工房からの風」に、どのような作品を出品されますか?

A1
一輪挿し、照明、お皿、箸置き、燭台、鏡などを用意します。
地元である北海道の樹を素材として使っています。

木工旋盤で製作していますが、鉄染めや彫りを施したりもしています。
樹の美しさをみていただきたいですし、そこにそっと添えた、人の手から生まれる揺らぎのような何かを感じ取ってもらえたら嬉しいです。

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Q2
クドウテツトさんの工房の中で、特に大切にしている場所、あるいは部分、印象的な場所、空間、または、道具の写真を1カット撮ってください。
そして、その説明をお願いします。

A2
暗い作業場に差し込む光。

コンクリート製の車庫で仕事をしていて、そこには小さなガラスブロックの窓があります。
窓の近くだけが明るくなるほどの光しか入ってきません。
空間のほとんどが薄暗く隅の方は暗闇に包まれるような場所です。

そんな暗く作業しずらそうな場所ですが、私にとっては暗いこの場所が落ち着けて、また手元だけを照らす光に集中できます。
そしてガラスブロックを通した光がつくる陰影は、製作物の形をよく捉えられるように感じます。

意図して選んだ環境ではないのですが、仕事がしやすく気に入っている自分の居場所です。

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Q3
クドウテツトさんが自作以外で、大切にされている、あるいは、愛用されている工藝品をひとつ教えてください。

A3
工藝品として多く持っているのは器なのですが、ひとつだけ紹介するとなると悩みました。
なので一番工藝品的な付き合い方をしている物はなんだろうと考えたら、眼鏡でした。
これはメーカーの量産品で、工藝品とは言い切れないですが、紹介するならこれしかないと思いました。

鼻あてやレンズを交換して5年ほど使っています。
とてもしっくりきていて、これと出会ってから新しい眼鏡を探さなくなりました。

プラスチック部分も壊れてしまったら、樹で作り直そうかと思案しています。
そこまでいったら工藝品って言ってもいいのかも?
どのように作られたものなのか。
どのような質のものなのか。
そういった大事なこととおなじように、どんな付き合い方ができるのか、も大切だなと改めて思いました。

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眼鏡のお話し、面白いですね。
クドウさんの言う
『樹の美しさをみていただきたいですし、そこにそっと添えた、人の手から生まれる揺らぎのような何か』
を、ぜひ会場で触れてみたいです。

クドウテツトさんの出展場所は、コルトン広場。
ニッケ鎮守の杜のゲートにやや近いブースです。

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安藤大悟さん(陶芸)

『新鮮な作り手は、時代の中で果実のように生まれてきます』

「工房からの風」の第一回目から掲げてきたフレーズを、今年、あらためてかみしめています。

コロナ禍で2年を縮小開催としてきましたので、新人作家との出会いの機会を少なく過ごしてきました。
今年、3年ぶりの通常開催を前に、初出展作家の魅力あるお仕事に、始める前から期待が高まっています。

準備期間中、コロナ禍のため、2019年以前のようなミーティングや工房探訪もささやかにしかできませんでした。
それでも、何とかお会い出来たり、メールや電話でやり取りをさせていただく中で、はっとさせられるような発見がいくつもありました。

少し残念に思ったのは、その新鮮な果実のように熟しつつある作家たちが、他者との交流経験に乏しいことでした。
作家同士、お客様・使い手の方々、そしてギャラリーやショップなどのつなぎ手。
コロナ禍の約3年、難しかったですね、交流は。
でも、長い作家生活、ものづくりを進めていく中では、佳き人との出会いや交流はとても大切だと思っています。

今回出展される30組の初出展作家の方々が、これをひとつの機会として、豊かなものづくりの道を歩まれることを願っています。
そのためのひとつの栄養として、佳き人との出会いに恵まれますように。

では、さっそくメッセージをご紹介いたしますね。

+++

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三重県津市で作陶される安藤大悟さん。
「工房からの風」に、どのような作品を出品されますか?

A1
秋が深まり、だんだんと温かい食べ物や飲み物が恋しい季節となりました。
マグカップや珈琲ドリッパー、珈琲焙煎器、リム皿やカップ、ボウルなど、暮らしの中で共に生活を楽しむことのできる器や季節の草花を愛でる花器。
アクセサリー、ブローチなど、陶器を身近に感じることのできる装飾具を出品する予定です。

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Q2
安藤大悟さんの工房の中で、特に大切にしている場所、あるいは部分、印象的な場所、空間、または、道具の写真を1カット撮ってください。
そして、その説明をお願いします。

A2
僕は、三重県津市にて、2階建ての古い倉庫を改装し、アンドーワークス〈Pottery Lab &-works〉という陶芸教室とギャラリーを夫婦で営んでいます。

2017年に創業し、2021年には古い工場跡に工房を移転しました。
自分たちで出来る事はやりつつも、大工さんや内装を手がけて頂いた方々のお力添えのおかげで少しづつ思い描いた場所になっていく姿に胸が熱くなりました。

とても古く、暗い工場だったので、光をたくさん取り入れるために、工房に大きな窓を作りました。

その大きな窓からは田んぼが見えます。
春には田植えが終わり、夏には蛙の鳴き声が聞こえ、秋には稲刈りの様子を見ることでき、鱗雲の広がる茜色の空に沈む夕焼けは、今日もがんばったねと肩をポンと叩いてくれるような気がします。

自分たちが創った場所に、陶芸を通じ、様々な方が足を運んでくださり、ワクワクするような発見や心が踊る体験を共有をする事が出来ました。
僕にとって、『この場所』はなくてはならない大切な場所です。

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Q3
安藤大悟さんが自作以外で、大切にされている、あるいは、愛用されている工藝品をひとつ教えてください。

A3
僕が卒業した陶芸学校の講師でもあり、師と仰ぐ陶芸家の阪口浩史先生の灰釉湯のみをご紹介いたします。

こちらの作品は釉薬の垂れ具合や、口元の厚み、木ベラで削いだ後など、陶芸の良さがたくさん詰まった作品で、使い続けて10年ほど経ちますが、どんどん味わい深くなってきています。

先生から粘土の扱い方や、釉薬の塗り方、陶芸に望む姿勢など多くの事を学び、今の作陶に繋がっています。

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尊敬する師を持てるというのは、とても幸せですね。

今回、「工房からの風」の広報用のインスタグラムでは、安藤さんの作品もご紹介させていただきました。
動物の蓋物の造形に、今展のイメージカラーの緑がかった藍色がとても映えています。
インスタグラムに上がってきましたら、ぜひ、いいね!してみてくださいね。

安藤大悟さんの出展場所は、ニッケ鎮守の杜中央部、花壇のほとりです。

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風人からの声

出展作家からのメッセージ。
怒涛の!公開になっておりますが、お読みいただけましたでしょうか。

毎年、私たちが思う以上にこの記事を読み込んでくださる方がいらして、
「予習してきました~」と、おっしゃるお客様も多くなってきました。

もちろん、白紙の状態、まっさらな気持ちで作品にま向かうのもよし、ですね。
一方、作家からのメッセージを読んでから作品に触れるのも、味わいが一層増すかもしれません。

ここまでで24組の出展経験のある作家の方々からのメッセージをご紹介してきました。
ここからは、初出展の30組の方々からのメッセージをご紹介していきますね。

ところで、もう、ご覧いただけましたでしょうか。
20回展記念、アニバーサリー特設の頁。
本日は、風人からの声 という記事が公開になっています。
click

231022aここで内容をお書きするのは野暮ですのでぜひ特設頁を。

でも、どうしてもここでもお伝えしたいフレーズをひとつ。

新たな作り手が得た希望と喜びは、ものづくりの世界にとっての希望と喜びです。
それぞれの力で肥沃になった大地が、工芸という樹を強く、深く、伸びやかに育ててくれるものと僕たちは信じています。
これからも自身のためにも、僕たちの愛する仕事のためにも。

これは、箒をつくる吉田慎司さんのフレーズ。

『新たな作り手が得た希望と喜びは、ものづくりの世界にとっての希望と喜びです。』

なんて素敵な想い、言葉でしょう。
吉田さんご自身も1984年生まれと若き作り手ながら、
自らの後というより、共に進む人たちへの愛と、工藝、ものづくり自体への愛に満ちた言葉に心打たれました。

自分だけがいい、のではなく、このような想いがきらめいてる「工房からの風」でありたいと、あらためて思ったのでした。

特設頁、ぜひ何度もご覧いただけましたら幸いです。
→ click

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ひとつ、補足を。

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こちらは、特設頁にも載せた画像。
2020年「工房からのそよ風」という、縮小開催の時の風人さんの写真です。

「工房からのそよ風」は、会場がニッケ鎮守の杜だけで、出展作家数もうんと限られ、開催時間も短かったので、出展作家を送り出して、尚、お日様が出ていたんですね。
夕焼けがきれいだったのです。

いつもは出展作家全員を送り出すと真っ暗闇。
そのような中で記念撮影なんてとても思いつかない状況ですので、
風人さんとの貴重な記念撮影は、この日のこれだけなのでした。

ささやかな開催ながら中止とせず、二年続けて行ったこと。
正解はありませんが、振り返ってみると、小さくとも続けてきてよかったと思っています。
そして、配慮を続けながらも、ようやく通常開催を迎えられることを、皆様と共に喜びたいと願います。

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väli(装身具)

Q1
2015年に出展くださったväliさん。(ワリ、とお読みします)
「工房からの風」には、7年ぶりですが、今回はどのような作品を出品されますか?

A1
かぎ針を用いた糸装身具と、色を纏うと題して製作している天然石のお品をお持ちします。

今回装身具とは別に、近年好きで製作している古布のものも出品します。
近年、国内外で襤褸(ぼろ)の評価があがり、襤褸に関しては取引があるのですが、その一方、評価をされない古布が存在します。

私が使う古布は、襤褸より綺麗で、すこし襤褸としての魅力には欠けるかもしれないけれど、触れた感触が優しいもの。
そんな布で自分が作っていて楽しいと感じたものをプラスで製作しました。
あえて金具を付けず、装身具の概念を取り外し、自由に身につけてもらえたらいいなと思っています。 

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Q2
väliさんの工房の中で、特に大切にしている場所、あるいは部分、印象的な場所、空間、または、道具の写真を1カット撮ってください。
そして、その説明をお願いします。

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部屋の片隅に置いているイギリスの古い椅子です。
ここに座って繕いをしたりお茶の時間を楽しんでいます。
(椅子の上で座っているくまさんは次回繕いをする予定です。
骨董市の隅っこの方でそっとこちらを伺っていたので、レスキューしてきました。)

沢山の人が代わる代わる座ってきただろうその椅子は、木の質感や座り心地が良く、身体が守られている様な優しさも感じるいい椅子です。

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Q3
väliさんが自作以外で、大切にされている、あるいは、愛用されている工藝品をひとつ教えてください。

A3
生活の中に工藝品がそこかしこにあって、どれも大切に愛用しているからどれを紹介するべきかと悩みましたが、今回ご紹介するのは、毎日何度となく愛用している木製のカトラリーです。

自称スプーンコレクターで、様々な素材、形のスプーンを所持しています。
きっかけはフランスに行った時、道具の種類の多さに圧倒され、カトラリーだけでも用途が分かれていて面白いなと思って集め始めました。
木製のカトラリーを作っている人はたくさんいるけど、この方は他の人とは違う何かがあります。
この何かは私の感覚だから言葉に置き換えることは難しいけど、でもすごくいい仕事をしています。

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糸を編むことで装身具を生み出すväliさんですが、骨董の目が効き、金継ぎや繕いなど細やかな手仕事も深く探求と実践を続ける方でもあります。
幅広いようでいて、関心を寄せて手を動かすことは一貫しているväliさんには、「väli」というブランドを超えて、水野久美子さんとしての制作発表をしてほしいなぁと思ってきました。

とはいえ、途方もなく細かな手しごとゆえ、今回その全容を表現していただくことは叶いませんでしたが、
ほんの兆しでも感じていただけるような展示にしていただけるかと思います。

väliさんの出展ブースは、ニッケ鎮守の杜、galleryらふとの左側(おりひめ神社に向かって)。
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糸花生活研究所(木工・織・彫り絵)

「工房からの風」では、出展後二年間は応募をいただけない仕組みとしていました。
出展作家が固定せずに、いつも新鮮に門戸を開いていたいということなどが主な理由です。

けれど、2020年、2021年はコロナ禍の中、通常開催ができませんでした。
そのため、変則的に2020年、2021年の限定的な開催年に出展された方は、今年も応募ができることといたしました。
そのような中、昨年に引き続き出展されるのが、ご夫婦でひとつの世界観の制作を繰り広げる糸花生活研究所さんです。

Q1
糸花生活研究所さんは、工房からの風に、どのような作品を出品されますか?

A1
木工のカテゴリーでは、身近な植物をモチーフにした木の器やカトラリーを出品いたします。
木工部屋と絵付け机を行ったり来たりしながら生まれる食器は、
挽いて生まれる木目の表情や形と、焼きながら描く絵柄のバランスをとりながら、制作しています。

植物を育てたり飾ったりすることが大好きなのですが、
使ってくださる方の日常に、ささやかながら花を添えられるような存在になれたらと願って作っています。

織りのカテゴリーでは、日常の景色を描くように織った手織りの小さな作品を出品いたします。
縫い取り織りという技法で絵柄を織り出す細幅の織物は、手製のリボン織り機で織っています。
額装した背景の織物は、まだ試作中の手製の高機の調整を重ねながら、日々出会う空や景色の色合いを織っています。
道具も技法もオリジナルで探りながら進めている作品ですが、ご覧くださる方の心の中の景色と、少しでも響き合うことができたら嬉しいです。

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糸花生活研究所さんの工房の中で、特に大切にしている場所、あるいは部分、印象的な場所、空間、または、道具の写真を1カット撮ってください。
そして、その説明をお願いします。

A2
自宅兼アトリエのリビングです。
写真は、毎月開いている小さな手織り教室のときのレイアウトです。
普段は、1歳の息子と8歳の娘と一緒に、賑やかに過ごしながら制作している場でもあります。
暮らしと仕事が繋がる私たちの、真ん中にある場所です。

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Q3
糸花生活研究所さんが自作以外で、大切にされている、あるいは、愛用されている工藝品をひとつ教えてください。

A3
娘が幼かった頃にお店で出会って購入した、手回しのミシンです。
使うたびに、眺めるたびに、機械というのを忘れるくらい、細部まで美しい工藝品だと感じています。
カラカラカタカタ…という心地良い静かな音で縫えるので、赤ちゃんが寝ている側で手を動かす時間に使用してきました。
娘がミシンに興味を持ってからは、お人形の服を一緒に縫うときに使っていました。
最近は出番が少なくなっていますが、ずっと大切にしたい工藝品のひとつです。

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糸花生活研究所さんのお仕事、その想いについては、20回展アニバーサリー特設サイトで取材頁を掲載いたしました。
こちらもぜひご覧ください。
とても素敵な工房ですよ。
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糸花生活研究所さんの出展ブースは、ニッケ鎮守の杜、galleryらふとと花壇の間です。
おふたりの雰囲気とぴったりの秋の草花揺れる空間です。

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Takahashi Naomi(装身具)

Q1
2回目の出展となるTakahashi Naomiさん。
今回の「工房からの風」には、どのような作品を出品されますか?

A1
金属のワイヤーをかぎ針で編んだアクセサリーを出品します。
繊細で美しく、金属なので柔らかく優しい印象を与えてくれます。

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Q2
Takahashi Naomiさんの工房の中で、特に大切にしている場所、あるいは部分、印象的な場所、空間、または、道具の写真を1カット撮ってください。
そして、その説明をお願いします。

A2
作業場の天井に真鍮や銅を編んで作った立体のモチーフをぶら下げています。
部屋の一角を作業場にしているのでオンオフの切り替えができるように”タカハシナオミワールド”に仕立てました。
疲れた時などに見上げて、助けてもらっています。

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Takahashi Naomiさんが自作以外で、大切にされている、あるいは、愛用されている工藝品をひとつ教えてください。

A3
小鹿田焼の器です。
自分の作風とも通じるものがあります。
自分から求めて買いに行ったりはしないのですが、出会ったら一つか二つ買って少しずつ集めています。

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金属のワイヤーをかぎ針で編むという細やかな手仕事をすっきりとデザインした新鮮な作品群。
小鹿田焼の器と通じる・・と伺って、一瞬おや?と思いましたが、なるほど!と合点がいきました。
モダンな表現の中に芯のようにあるもの。
ニッケ鎮守の杜、入って右側のブースでぜひご覧いただければと思います。

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