2016年10月の記事一覧

「凪ぐ浜の宝物/工房からの風」New

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梅田かん子さん(陶芸)

今回はいつも以上に、丁寧に心の籠った長いメールをたくさんいただいています。
皆さんにお返事をしたいと思っておりますが、今しばらくお時間をくださいね。

「工房からの風」を通じて、ものづくりに対する作家の気持ちの動きを
少しでも共有していただけたらと思い、10通ほどをご紹介していきます。
作家の許可をいただき、一部を抜粋しています。

生き物の絵付けが特徴的な梅田かん子さんからのメールの一部をご紹介します。

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この度は工房からの風に参加させていただきましてありがとうございました。

怒涛の2日間(半年間)が終わり、
昨日の夜中2時過ぎに富山の自宅に戻りました。

今朝は子供たちの保育園に間に合う様に普通に起きて
普通にご飯をつくり、いつもどおりに保育園に送りました。
あっさりと日常に戻りおかしな感じです。

終わってしまえば呆気ないもの。
とわかっていたからこの半年間頑張って
必死に後悔しない様に取り組んできましたが、
結局はやりきれなかった悔しさが残りました。

でも今の私にはこれ以上の力は出せなかったのだろうと自己分析しています。
最後に「これからよ」というお言葉をいただきましたが、
本当にこれからと感じています。

工房からの風に挑戦した事で、やっと自分のやりたい事の
ベースの様なものが出来た様な気がします。
まだまだ作れるし、もっと良いものが生まれる予感がしています。

今思えば7年間も音信不通で大変失礼な事をしてしまったと大反省ですが、
初出展が終わった後は特に結果も出せず、
私は50人近くの作家さんの中で埋もれてしまい
忘れさられている作家だと思っていました。

その様な事を思っていた事自体が稲垣さんやスタッフの方々、
そしてお客様への大きな無礼だったと、今回参加させていただき感じました。

今回とにかく感じる事、気付きが多く、
間違いなくここが私のターニングポイントになったと思っております。
ここは通るべくして通った道なのだと確信しました。

今回の気付きを胸に温かい風を感じながらつくり続けますので
今後もどうぞ宜しくお願い致します。
ありがとうございました。

梅田かん子

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7年前の出展を覚えてくださっていたお客様も多くて、
そのことがかん子さんをどれほど勇気づけてくれたことでしょう。

「その様な事を思っていた事自体が稲垣さんやスタッフの方々、
そしてお客様への大きな無礼だったと、今回参加させていただき感じました。」

という想いを引き出せたかん子さんは、
この7年でほんとうに豊かに成長されたのだと思います。
これからは、ご自身とそれを応援している方々を信じて、
ますますよいお仕事を続けてほしいと願っています。

梅田かん子さんの出展前のメッセージはこちらになります。
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hyakkaさん(木工)

こちらも木工のhyakka岡林厚志さんからメールをいただきました。

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この度は本当に、本当にお世話になりました。

昨日荷物を下ろして、2トントラックを返却し、
本当なら昨晩お返事するつもりだったのですが、
うっかりこどもと一緒に寝てしまい・・ 
今ようやく一息つきまして、お返事を書いています。
(書いているうちに夕方になってしまいました)

「工房からの風」に初めて訪れたのは、
たしか7、8年前だったと思います。
出展していた知り合いの方の搬出のお手伝いで訪れ、
そのときに目の当たりにした美しい光景の数々。

レベルの高い作品と作家の熱意。
そしてそれをあたたかく、穏やかに、丁寧に包み込む会場の空気。
神々しい樹々たちと、神社、
そこに溶け込むようにひっそりと、しかしながら美しく建つギャラリー。
ああ、いつか自分もここに出てみたいと、強く思ったのを覚えています。

今回、実は応募するかどうか少し迷いました。
当時まだ独立してから1年も経っておらず、
当然、まだ成熟したものづくりができているとは言えない状態でした。
あの美しい「工房からの風」という場を、
自分にとっても、また、「工房からの風」にとっても
良いものにしたいという思いもあり、今の自分では不十分ではないかと思ったのです。
ですが、本当に不十分ならば、きっとその判断は下される。
ならば、思い切ってやってみよう!と思い、応募に至りました。

出展が決まってからのこの半年間は、本当に濃密な時間でした。

自分が作りたいものとは、世界とは。
そしてそれらを的確に表現すること。
常に自問自答する日々でした。
時間をかけて出来上がった家具を見て、本当にこれでいいのか、
出品しないほうがいいのではと悩んだり。
時に大きな不安や焦りも感じていました。

そのなかで、自分の真ん中はやはり家具であり、
そこで営まれる生活なんだと、今回改めて実感しました。
幼い頃父に連れられ通った町教会のような、
あたたかい緊張感のある場を作れるものを。

当初、もっと小物も製作するつもりでいたのですが、
「自分の舵取りは、自分でするしかない」という稲垣さんの言葉を受け、
自分が本当に作りたいものだけに絞ることにしました。

前日に搬入を終え、並べられた家具たちを見たとき、
不思議と気持ちがすっきりとし、
今自分ができることはできたのかなと、前向きに捉えることができました。

当日はありがたいことに多くのお客様に作品を手に取っていただき、
家具の方でも嬉しい反応を沢山いただけました。
初日に来られた方が、一日考えた末に二日目にスツールを購入してくださったり、
二日とも手に取ってくださったお客様がいたり・・
感謝してもしきれません。
これも、「工房からの風」という場の力なんだと実感しました。

正直、反省点も多いですし、この半年を通し、また先輩作家さんたちの作品を見て、
まだまだ自分が未熟であることも痛感しています。
台風一過の美しい景色はまだはっきりとは見えませんが、
うっすらと、光が見えている気がしています。
今はとにかく、もっと深く心を澄まし、もっともっと良いものを作っていきたい!

稲垣さん初め、スタッフの方々、風人、風サポーターの方々、
出展作家の方々にも、本当にお世話になりました。
ありがとうございました!
今、みなさんともっともっとお話がしたいです。
「工房からの風」を通して、多くの方と知り合えたこと、
これも今後の宝物になってくれると思います。
お天道様にも、本当に感謝!

そういえば、また余談ですが、テントの中に家具が並べられた姿を見て、
絵本のばばばあちゃんというシリーズの
「いそがしいよる」のワンシーンを連想して、
一人微笑ましく思っていました。

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岡林 厚志

岡林さんもあまり積極的にお話しくださる方ではなかったのですが、
本展に向けて、ほんとうに丁寧に向き合ってくださったこと、
展示をみてひしひしと伝わってきました。

お客様の反応に対しての感性も優しくって心豊かですね。
この素直な気持ちが岡林さんの原点として、
これからのお仕事に据わっていくことでしょう。

一部掲載のお願いしましたら、

今まで、文章に対しての苦手意識もあり、
あまり自分の思いを言葉にすることはしてこなかったように思います。
ですが、今回の出展を通し、文章というかたちにすることで、
自分の中と製作とはまた違った角度で向き合い、
整理し、より深く潜っていける・・・そんな気がしています。
これも収穫のひとつですね。
これからは意識して、思いをかたちにしていってみようと思っています。
毎回、やたらと時間はかかってしまうのですが・・笑

というコメントをいただきました。

14回目の工房からの風で、ようやく、言葉、
というものの佳き機能が生かされたように思います。

ものづくりの方の中には、言葉を敵対視しているひともいたりします。
言葉じゃなくて、作品だろ、とか、
言葉で伝えないから、作品なんだ、とかとか。

言葉はハサミと同じで、うまく使えば役に立つし、
誤って使えばケガをします。

自分の想いや感じていることに向き合うひとつの手段として、
言葉を活用してみるのも、有効なこともあると思います。

(もっとも、私自身は便利ツールとして言葉を想ってはいなくて、
作家の皆さんが素材に向き合うような気持ちで向かいたいと思っていますが。。)

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岡林さんの木の家具、また出会っていただけますように。

出展前のブログはこちらです。
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岡野達也さん(木工)

おりひめ神社の鳥居の手前。
木工作品をたくさん展示していた岡野達也さんからもメ―ルをいただきました。

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このたびは大変お疲れ様でした。 
お世話になりました岡野です。
二日間野外展をするには最高のコンディションで本当に
いろんな意味で「工房からの風」は愛されているなぁと。

たくさんの来場者の方たちに作品を選んでいただき、
「がんばってね」「次はどこで会えるの?」
「楽しみにしている」とたくさんの声を掛けていただきました。

主催者さん、風人さんたちの作り手を応援したいという思いが、
10月の「工房からの風」本展の前に、
5月、6月の風の予感、
8月の日本橋三越での「工房からの風から」展、
9月の工房からの風プレイベントを通じて、
その思いが広く、深く使い手の方たちに伝わり、
使い手の方は応援したい、共感出来る作り手を探しにご来場くださり、
応援の言葉をかけてくださっているのかなと。
「工房からの風」の魅力はこういうところにあるのかなと思いました。

だから後悔があります。
工房からの風に“期待した” こと。
ここに出られればチャンスがあると勝手に決めつけて
期待してしまっていました。

もちろんチャンスはあるだのだろうけど、
“期待して”頼る気持ちで臨むのではなく
“期待される”ように臨むべきだったなと。

作品自体にはもちろん違いは無いのだけど、
自分の気持ちの問題で、
「まだまだ、だなぁ!」って反省しました。

妻や家族以外でも応援してくれる人たちがいることが分かったから、
その期待に応えるべくまた走り出せそうです。

そういえば、
「工房からの風はどんな風?」
って質問がありましたね。
あの時、羨ましいと憧れたあの風が吹きましたよ、自分にも!

ありがとうございました。

岡野 達也

岡野さん、ありがとうございます。
実直なお人柄が文面からにじみでているようで。

“期待して”頼る気持ちで臨むのではなく
“期待される”ように臨むべきだったなと。

こんなふうに思われるなんて、
もうすでに一段上のステージに上がられているんですね。

今回、ただの感想文ではなくって、内省されたメールが多いんです。
そして、内省しつつも、明るい。
なんだか、それぞれの作家が、自ら気づきを収穫されたような感じ。
今年の工房からの風の特徴なのです。

岡野さんの木工作品、これからもあちらこちらでご覧いただけますように。

開催前のメッセージはこちらです。
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とりもと硝子店さん(ガラス)

今年は例年になく、作家の方々からのメールが遅いです(笑
想像しますに、ぱぱっと到着報告をするのではなく、
じっくり想いを熟成させて、言葉にしようとされているのでは。。。

と思っていたところ、昨日あたりから次々にメールが届きだしました。
皆さん、一様に長ーい長ーいメールが。
(ちなみに、メールはお願いしたものではなくって、まったくの任意のものです)

例年以上に内容も熱い!メールが多く、
その熱量はすべて作家自身の今後のエネルギーになることと思います。
私あて、という形態ですけれど、自分あて、なんですよね。

大波が去った後に、浜辺に打ち上げられた貝殻やガラスのかけら。
凪ぐ浜の宝物のような作家の想いを、しばらく一緒に感じていただきたいと思います。

(作家から稲垣宛に私信で送られたメールを、一部抜粋して、
作家の許可を得て転載していきます)

おひとりめは、とりもと硝子店さんです。

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この度は大変お世話になりました。
明け方3時に無事に到着しました。

出展が決まった3月から、いろいろと見直し、
考える機会を得、仕事への取り組み方も充実した時間をいただきました。
前日出発前の、積み込みが終わった時点で、やりきれた。
と、思う事ができました。
現場で、お客様が楽しめることを思い、いま思いつくことは出し切れました。

当日のお客様との出会いはもちろん、稲垣さんはじめ、
運営に関わっていただいた皆様、出展者の皆様に心から御礼を申し上げます。
ありがとうございました。

いまの心の中にできたものを、書き留めておく事は、やってみようと思います。

ズシリときた半年間でした。
ありがとうございました。

とりもと硝子店
鳥本雄介

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とりもとさんのブース、すばらしかったですね。
作品バリエーションの豊さ、作品数、展示方法・・・。

とりもとさん、企画者に対して、
ものすごく積極的にアピールされる方ではなかったので、
最初はあまり気づけなかったのですが、
「工房からの風」という機会を
とっても大事に考えて取り組んでくださっていることが、
展覧会が近づくにつれて、じわじわ伝わってきたのでした。

前日出発前の、積み込みが終わった時点で、やりきれた。
と、思う事ができました。

こんなふうに思えて、京都から千葉への道は、
遠くであっても、輝いた時間だったのではないでしょうか。
そして、たくさんのお客様に恵まれての二日間は、
一層きらきらと眩しい時間だったことと思います。

いまの心の中にできたものを、書き留めておく事は、やってみようと思います。

というのは、私が投げかけてみたことでした。
メモでもいいので、飾らない、生々しい自らの実感の籠った言葉は、
いつかの自分を励ましたり、薬になったり、してくれるようになるかもしれません。

とりもと硝子店さんの透明なガラス、
また、あちらこちらで出会っていただけますように。

開催前のご紹介記事はこちらになります。
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大住潤さんから

「工房からの風」出展を終えて、工房へ戻った作家から届いたメッセージ。
一部を皆さんと共有させていただくことで、次への実りにつなげていきたいと
綴ってきました。
「凪ぐ浜のたからもの」

ご紹介したい宝物は、まだまだあるのですが、そろそろ幕を引きましょう。
最後は、木彫の大住潤さんからのメッセージです。

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会場となったニッケコルトンプラザに初めて訪れたのは、
5、6年前に開催された星野道夫さんの写真展でした。

写真展で感動をいっぱいもらった帰りに見かけたギャラリーらふと。
あの建物の佇まいが、ずっと心に残っていました。

「いつかあんなところでできたらいいな」と思ったこと覚えています。

そのギャラリーらふとのことから、「工房からの風」のことを知りました。
その頃は、自分自身の作品と言えるものがなく、いつか、いつかと思っていました。

そして、何を作っていきたいのか模索する日々の中、
木彫りの羽根を作り、
やっと僕も「工房からの風」に応募することができると喜んだこと鮮明に覚えています。

星野さんの生まれ故郷で出展が決まったことで、
「このまま進みなさい」と言われたようで励まされました。

風の予感展当日、自宅出発直前、持っていくつもりのなかった熊を、
なぜなのか持っていこうと思いました。
人に見せるつもりも全くなかったのです。
それが何のきっかけなのか見てもらうことになりました。
稲垣さんに熊を見てもらった時は、ものすごく恥ずかしかったです。
デッサンができなくて随分悩んでいたこともあり、
熊のプロポーションも何となくおかしいとわかるのですが、
どこがおかしいのかもわからない状態。
そんなところが気にかかって落ち着きませんでした。

けれど、その熊をいいと言って下さった稲垣さんの言葉に、
僕はものすごく衝撃を受けました。
デッサンができる、できないかは問題ではなかったのですね。
おかしいもので、そう言われると蓋をした自分の気持ちがわっと出てきました。

特別なこの場所で、まさか熊を彫ることになるなんて思いもしなかったです。

本当に夢のような時間でした。

第2回のミーティング、三越でのプレ展示を踏まえて
どのようにしていこうかと迷っていた時、
心の向かう方に、全ては僕の心次第だと言って下さったのが、
熊をもうひと段階成長させるパワーになりました。
本当に大切な気持ちで熊を彫ることができました。
とにかく人の心に真っ直ぐに届くものを彫ろうと、
余計なものは削ぎ落としました。

稲垣さんの紹介文、人に伝えようとする情熱が言葉から溢れていて、
僕もそんなふうに木を彫れたらいいなと思いました。
ものすごく感動しました。

そして、この2日間、熊を見て下さった方たちのたくさんの笑顔に出会いました。
励まされ続けてきた僕がずっと探していた人の心に届けられる形、
これからも出会いを重ねて見つけて届けていきたいです。

とても幸せな時間でした。

大住 潤

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工芸、クラフト、手仕事・・・・
と呼ばれる世界の仕事に携ってやがて30年になりますが、
未だにどの言葉が自分の仕事なのかと言い切ることができません。

「工房からの風」の中で赤木明登さんとのトークイベントの中で
こんなやりとりがありました。

工芸30年説というものがあって、
民藝の時代、自己表現の時代、生活工芸の時代ときて、
稲垣さんはこれからどのような時代になると思いますか?
と投げかけられました。
そこで私はこう答えました。

「お尋ねの答えにはならないかもしれないけれど、私は絶対的な何か、
に向かって仕事をしてきてなくって、相対的な何かに向き合ってきた気がします。
それは、先にこちらにこうあるべきというものがあるのではなくて、
作家に向かって、その作家が何を作るべきかをみるやり方。
男の人は定義づけが好きだからなぁ(笑)。
今まで意識したことはなかったけれど、私は女性だから?
母性とかと関係があるのかしら?
なーんて柄にもなく思ったりしますけれど・・・」
と、会話なので和やかに。

・・・それは学問にたとえれば、歴史学ではなく、社会学のようなものかもしれません。
揺るがない、確固とした姿が私自身にあるのではなくて、
対象に向かったとき、いかにその対象を正確に見て、感じることができるか、
そのことに心を注いできたのだとようやく思えるようになりました。

言葉や歴史学的な捉え方もとても大切だと思いますし、
そのことに注視してこの仕事を進める方々がいることも豊かなことだと思います。
一方、今何々の時代、とか、これからは何々の時代、というのを考えるよりも、
出会った作家のまんなかを見ることを深めたい、
そんなことをあらためて思った年でした。

人の暮らし、営みと結びついたもの、
素材の恵みとの関わり、
その作り手ならではの何か、
完成度・・・
「工房からの風」という展覧会としての
コンセプトやクォリティーはもちろん大切にしていますが、
先に枠を作ってしまうことで出会うべきものを
こぼしてしまわないようにありたいと思っています。

クマであってクマだけではない姿。
そこには大住潤というひとの中の真実があって、
その真実が幾ばくかの他者の心に芯から沁みていく。
そういうきらりと輝くものの意味を味わいながら確認できるのも、
凪ぐ浜で出会えた宝ものなのだと思うのです。

大住潤さんの出展前のメッセージはこちらになります。
→ click

-次年度応募に向けての記事など、しばらくブログ更新続けます-

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三浦侑子さんから

スペイン階段前で吹きガラスの作品を出品していた三浦侑子さん。
岡山に戻られて早々にメッセージをいただきました。

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まだ、頭がぼんやりしている状態ですが、
工房からの風が終わってみて私の中に吹いている風は、とても穏やかで心地良い風でした。

4月から始まり2日間終わるまで、本当に手厚いサポートをありがとうございました。
作品の梱包が驚くほど丁寧だったり、
広告に1人1人の作家名をちゃんとのせていただいたり、
「風の音」に温かいお手紙を添えていただいたり、
私自身まだまだ未熟な名もない作家なのに、こんなにも応援していただいて
頑張らないわけにはいかないという気持ちで、駆け抜けた半年でした。

そして、ステキな宝物をたくさんいただきました。
素材や技法は違っても同世代で頑張っている作家さんや、
自分よりもずっとずっと進んでいて深いところで
素晴らしい作品をつくっている先輩作家さんや風人さんとの出会いは、
これからも大切にしたい宝物です。

工房からの風当日、ずらっと並ぶたくさんの作家さんの展示を見て、
客観的に自分がまだまだとても浅いところに立っているのがよく分かったのですが、
同時に深いところに行くための光も見えた気がしていて、
自分でも驚くことに、今は早く制作をしたくてなんだかワクワクしています。

お客様には、不慣れでご迷惑かけてしまったところもあったのですが、
本当に端から端までしっかり見ていただけて、感激しました。
私の展示場所は入り口の方だったのですが、
わざわざ戻って来て下さった方がたくさんおられて嬉しかったです。

まだまだ頭の整理ができておらず、書ききれていないことも多分ありますが、
稲垣さんをはじめ、スタッフの皆様、風人さん、全ての方に感謝しています。
今の私は、家族や周りの協力がないと制作できない状況ですが、
そんな中、全力で悔いなく工房からの風を終えることができたのは、
工房からの風に携わる皆様のおかげです。
本当にありがとうございました!!

また、いつかお会いできるように頑張ります。

三浦侑子

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初夏の風の予感展にも参加くださった三浦さん。
その時の「企画会議!」で収穫祭をしましょう!
と盛り上がって、かぼちゃなどをたくさん制作くださいました。
お庭の草花とあいまって、実り豊かな収穫祭がキラキラ輝いていましたね。

50人の作家が共に出展する二日間。
けれども作家間の仕事の成熟度は、もちろんさまざまです。
これからいよいよ本格的にスタート!という三浦さんから、
このような素直をメッセージが寄せられたこと、
すばらしく感じました。

『・・・自分がまだまだとても浅いところに立っているのがよく分かったのですが、
同時に深いところに行くための光も見えた気がしていて、
自分でも驚くことに、今は早く制作をしたくてなんだかワクワクしています。』

こんな風に思える鮮らしき人は、ぐんぐん伸びてゆかれますね。
じっくりご自身の実りに向かって制作に励まれて、
収穫祭第二弾をぜひ見せてくださいね。

出展前の三浦侑子さんからのメッセージはこちらです。
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にしむらあきこさんから

高見由香さんと隣、おりひめ神社のほとりで展開していた
和紙造形、絵本のにしむらあきこさんからもメッセージをいただきました。

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(画像、只今整理中です。
いろいろ差し替えていきますね。
もし、イナガキのメルアドご存知の方で、
素敵な画像をお持ちの方、ご一報くださーい!)

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皆様の胸を借り、思う存分自由に表現することができたことをありがたく思っています。

絵本を読むために、と木の下に設置した小さな椅子は、
ときどき親子がそこに腰かけて、
おやつを食べたり遊んだりするちょっとした休憩スペース になっていました。

明るい日差しにまぶしい顔をして木を見上げている親子と、
空に踊る「おとのかたち」はひとつの風景となって、
絵本の1ページみたいだ、とこっそり感動したり。

ちいさな女の子が、かわいいお財布から
お金を出して選んでくれたポストカードは
特別な一枚のような気持ちになったり。

お子様れのお客さんが多いなか、
お子さんが作品を触りたがり、
ハラハラしながら作品を見てくださっているお母さんたち。

売り物じゃない子どもの好きそうな作品を置いておいてあげたら良かった。
自分だっていつも同じ気持ちでいるのに、
どうして気がついてあげられ なかったのかな、と反省したり。

2回目だというのに、やっぱり余裕がなく
作家のみなさんのブースを見て歩くことが叶いませんでした。
でも、お向かいの高見さんの美しい作品が、
風に揺れるさまを眺めたり
(沢山のショールがかかった円形のディスプレイがくるくると、
それはまる でダンスを見ているようでした
お隣の木のナカヤマサトシさんの
すてきなインスタレーションを
ほんのりと良い香りとともに何度も楽しめることが出来て幸せでした。

今回も反省点は多々あり、
あげだしたらきりがないくらいですが、
その反省は次へ進む宝物のように光っています。

この二日間、お客様と言葉をかわしながら、
絵本を読んでくださる顔を見ながら、
包装しながら、疲れてぼんやりしながらも、
チカチカと響いてくる瞬間がありました。
それらは泉のように湧いてくる制作への衝動のようなものでした。

反省という宝物と、制作への衝動を、力を、
あの場所で手に入れました。
なんて贅沢な二日間だったのでしょうか。

ただただ、感謝の気持ちで胸いっぱいです。
ありがとうございました。

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ああ、なんで撮らなかったんだろう、あきこさんの笑顔。
ブースをのぞくたびに、たくさんのお客様に囲まれて、
忙しいはずなのに、お顔はなんともふんわり柔和なままで。
あんまり幸せそうなその表情を、カメラを向けてほどいてしまうのが、
無意識のうちにはばかれていたのかもしれません。  

いただいた文章にも書かれてあるように、
小椅子に腰かけた大きなひと、
小さなひとの笑顔。
そして、思わず読みだしたあきこさんの本に目頭が熱くなってしまって、
困った表情のひとたち。

鎮守の杜の一角で、手と心に豊かな感触を与えてくれた時間が繰り広げられたこと。
今となっては夢の一幕のように思えてきます。

でも、やっぱり、夢、ではないのですよね。
あきこさんは、ここでこれだけのことを成し遂げたことで、
すでに次の地平に向かっているのだと思います。
あきこさんの見て、感じて、創りだしていくこれからのお仕事、
ぜひ、皆さんと一緒に見続けていきたいと思います。

にしむらあきこさんの出展前のメッセージはこちらです。
→ click

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高見由香さんから

おりひめ神社のほとりで手織り布を展示していた
高見由香さんからもメッセージをいただきました。

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・・・

風が終わって4日経ちました。
戻った日常の中で風の中にいた2日間をずっと考えています。

自信がもてず不安で一杯だった1回目の出展から6年
あの日悔しさの中に立っていました。
次、この場所に立つ時は背筋を伸ばし
自信を持ってこの時間を楽しめるようになってから立とうと
未来の自分に喝を入れるような気持ちになった事を覚えています。
今、2回目の風が吹き終わり
充実の先に次の場所をしっかり見据えて立つ自分がいます。

つくる中でいつも良いものが生まれるわけではなく
もがき、幾度も回り道をし、生み出すことはとても苦しいです。
その上で生まれた良いものが
お客様や自分以外の誰かに確実に届いていると
この2日間実感していました。
自分の中の「良い」が誰かに伝染する
あぁこれでいいんだなとすっと何かが落ちた感覚がありました。

つくり手にはいろんな時代があり私もその途中です。
その道中で吹く風が「工房からの風」。
風ある豊かな土壌で育まれ道を歩くつくり手
大きく広げた手で受け入れてくれるお客様
風は起こせるんだと広く深い眼差しを注いでくれる人
その全てが風 になって前へ連れ出してくれる
それが私の「工房からの風」でした。

感じた事を書きとめようと思っても
湧き上がるものでまとまらずにいたここ数日。
yossyのリリックを目にした時、
6行で綴られた言葉にズキュンと胸を打たれ
そういうことなんだよねーと私の涙腺は崩壊したのです。
ここだったかー。

そして今日も息をするように織る時間が流れています。

エプロン

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どこかクールな表情の高見さんからの熱いメッセージ。
初出展の作家の方々にぜひお読みいただきたいと思いました。

6年も前になったのですね。
高見さんが悔しい想いを抱えて一回目の展示を終えられたということ。
初めてお聞きしました。

その間、お仕事でのやりとりも続き、
母となり、子育てに勤しみながらも糸から離れなかった高見さん。
初出展の時の想いを火種のひとつとして、
二回目の出展の日に、豊かな実りを得られたこと。
こういうお仕事の熟し方があること、
皆さんと共有できたら、と思います。

それにしても、yossyのリリック、多くの人の心を射抜いてしまいましたねー。

高見由香さんの出展前のメッセージはこちらです。
→ click

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AC CRAFTさんから

ニッケ鎮守の杜に入ってすぐの右手奥。
ヒノキの良い香りにくるまれるブースがありました。
AC CRAFTさん。
石井学さんからもメッセージをいただきました。

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・・・
・・・

帰りの車中「ああすればよかったかなあ…」
「こうすればよかったかなあ…」
「これで良かったのかなあ…」
という思いが次々に浮かんできたのも正直なところで、
課題がたくさんではありますが、
今回新しいことにトライして、
「2015年の今の等身大の自分」が出せたのではないか、
とすっきりした気持ちでいます。

当日はたくさんのお客様とお話することができ、
8年前出展させていただいた際のお客様からも
何人かお声をかけていただいたり、
家具のご感想を伺うことができ嬉しい機会となりました。

出展者の方々と交流ができたことも本当に貴重な嬉しい機会でした。
『「収穫」ではなく「種をまく」気持ちで取り組んでほしい』
という一貫した姿勢に、救われることがしばしばありました。
準備期間から今まで、皆様に本当にあたたかくサポートしていただき本当に有難うございました。

出展が決まってからこの半年間に感じていた
「心のぐるぐる感」をこれからも常設させながら、
ものをつくっていけるように取り組みたい…そんな気持ちでいます。

8年ぶりに皆様と関わらせていただき、
「変わらぬ思い」と
「より一層高められた質、細やかさ、やさしさ」
に感動してしまいました。
制作をつづけ、いづれ3回目も挑戦し、
また何かの形で関わらせていただけたら… と思っております。

・・・
・・・

AC CRAFT3

8年ぶりの出展、とてもうれしかったです。
AC CRAFTさんのブース周辺に漂っていたヒノキのよい香りは、
実際の香りとともに、石井さんご夫妻の
ものづくりの姿勢が放つよい香りでもありました。

よき循環の中で生かされるべき素材に目を向け続けるお仕事は、
継続の中で、一層確かなものに育ってきましたね。

年月を経て、お仕事を覚えて、気にかけてくださる
お客様がいらっしゃることも、励みになられたことと思います。
美濃市の美しい「うだつのある町」にある工房。
「工房からの風」がご縁で訪ねる方が増えるといいですね。

AC CRAFTさんの出展前のメッセージはこちらです。
→ click

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Honda Silk Worksさんから

秩父のHonda Silk Worksさんからもメッセージをいただきました。
一部を共有させていただきますね。

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今回、私達は出展するに当たり一つ決めたことがあります。
それは、自分たちが本当に作りたい布だけを出すということです。
とは言え、技術も知識もまだまだ未熟な私達ですので’今’の時点での事ですが。

カラフルでもなく華やかでもない布、
でもお蚕さんの吐いた糸をたっぷりと使った気持ちの良い布。
纏ってもらいたい 巻いて身につけてもらいたいという思いで制作しました。
結果、あえて小品(コースター等)は制作せずストールだけの展示をしました。

それは私達にとって勇気のいる事でしたので、
お客様に受け入れて頂けるか不安な気持ちがありました。
しかし当日は、何度も足を運んで悩んだ末にご購入して下さった方や、
連日来場して頂き纏ったり巻いたりして下さったり、
ふらりと立ち寄りお話を通して布を手に取って下さったり….と
たくさんの方々に興味をもって頂けました。
お蚕さんの仕事の話も素直に伝えられたと思います。

そして、今回ご縁があり京都へ染織の勉強をしに行くことに決めました。
その背景には、出展が決まってから
半年の間の制作と考えを深め自分たちと向き合う日々、
他の作家の方々との交流があったからだと思います。

これから私達が向いていきたい方向、
私達は布を通して何を伝えられるかと考えました。
そのための技術を身に付けたいと思っていたので
すぐに決めることができました。

今振り返ると、この半年は次のステップへ行くための大切な期間でした。
工房からの風に出展させて頂き得られた手ごたえを大切に、
新しい風を取り入れに、たくさん見て勉強して、
体と手を動かして私達らしい布を制作していきます。
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小鮒草×藍 (800x600)

ニッケ鎮守の杜の奥の方、岩のある空間で
本多祐二さん、さくらさん夫妻が展開したブース。
養蚕から糸づくり、染め、織りと手掛けられたその空間にも、
いつもたくさんの人がじっくりと布に触れていましたね。

野外展で、新人作家が
小物を出さずに展開することは勇気のいることだったと思います。
それでも企画者や出展経験者との会話を重ねるうちに、
たとえそれで負の結果が出ようとも、自分たちのよいと思う方向で進もう!
そう思われたのですね。
そして、その成果をしっかりと感じられたことは、
これからの制作を続ける中での宝ものになりましたね。

お蚕さんのお仕事から注目されることも多いことでしょうが、
その特異性、ニュース性だけでは本当の仕事に育っていかないと感じたおふたり。
若い作家でそのことを見分ける力は、なかなかないものだと思います。
けれどおふたりは、注目に浮かれず、自らの足元を見つめなおして、
あらためて織を学ぶ道を選ばれました。
京都では優れた師の下で学ばれますから、きっと素直なお二人は、
めきめき腕を上げられていきますね。

「工房からの風」を単に世に出るきっかけにするのではなく、
準備期間からの体験を通して、歩を戻して学ぶ道を進む人が現れたこと、
眩しく、うれしく思います。
おふたりの糸との時間は始まったばかり。
洋々と広がるその世界で伸びやかにあるために選んだ道を
心から応援したいと思います。

Honda Silk Worksさんの開催前のメッセージはこちらです。
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