2023年 工房からの風

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大谷哲也さん・陶芸・滋賀

清潔できりっとした佇まい。
けれど、どこかほっこり和みのスパイスも効いた白磁の器。
信楽で作陶される大谷哲也さんです。

Q
『工房からの風』に、大谷さんはどのような作品を出展されますか?

A
普段使いの白いうつわと白い土鍋を出展します。
割れたり、家族が増えたりしても買い足しできるような定番が中心です。
僕たちの食卓は、和食だったりイタリアンだったり中華だったりインド料理だったりと、
とてもレパートリーに富んでいます。
おそらくこんなに色んなものを日常的に家庭で食べているのは日本人だけだと思います。
そんな豊かな食卓にあったうつわが作れたらいいなぁと考えながら制作しています。

哲也さんは料理が大好き!
5人家族にお客様も多い食卓を、奥様の桃子さんと一緒に
毎日おいしいもの作りを楽しんでいらっしゃいます。
キッチンに住みたかった!
って小さいときから思っていたというほど年季の入った
厨仕事好きな人の作った器ですもの、お料理が映えるのも当然なんですね。


Q
『工房からの風』は、大谷さんにとってどんな風ですか?

A
2003年に初めて作品を発表した場所なので、風の吹き始めたところです。
この9年間で積み上げてきたたものを、
またその場所で発表できることをとても楽しみにしています。

出展者が決まって第一回目の全体ミーティングのとき、
哲也さんがこの場にいることを、新人作家の方々が眩しく見ているのが印象的でした。
全国にファンを持つ哲也さんが、この場にこうして帰ってきてくださったこと。
うれしいです。
来場者の方ももちろん、出展作家に方にも刺激になりますね。

 

大谷哲也さんのホームページはこちら →

出展場所は、『ニッケ鎮守の杜』花壇のほとり。
メロウグラスさんのお隣です。
藍の赤い小花がたくさん咲くそのすぐそばで、
哲也さんの白い器が凛と輝いていることでしょう。

そして、10回展記念の書籍でも大谷哲也さん、桃子さんをご紹介しています。
こちらもぜひ、お読みいただければと思います。
ご紹介記事 → 

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メロウグラスさん・ガラス・長野

ガラスの持つ透明さ。
ガラス作家はそれをさまざまな方向に生かして制作を進めます。
研ぎ澄まされたエッジの効いたもの。
水や氷のように自然を思い起こさせてくれるもの。
やわらかなもの。
冷ややかなもの。

メロウグラスさんのガラスは、穏やかで優しい佇まいなのですけれど、
それだけではない、どこか遥かな時間や空間を思わせてくれるものがあります。
その秘密は、どんなところにあるのでしょう。

 


そのむこうに見えるもの

Q
メロウグラスさんは、『工房からの風』には、どのような作品を出展されますか?

A
日々のなかで見つけた景色や気持ちを硝子のオブジェにしています。
硝子のオブジェ作品と
作品をスケッチしたときの言葉を一緒に並べます。

定番のプレートやカフェプレート
そして
草花をちょこんといけられる花入れなどを展示します。

家や建物をモチーフに作られた作品は、その透明感から、
置いた周りの空気を清浄にしてくれるような爽やかさがあります。
(私は本棚にちょこんと置いて、本の醸しだす空気感を和やかにしています)
そして、小さな緑が映えるガラスの器も、小さいながらも豊かな存在感です。
展示では、その作品に添えられた言葉の柔らかさも
作品を豊かにまとうオーラのひとつになっていますよ。


メロウグラスさんにとって、『工房からの風』は、どんな風に感じられますか?

A
はじめての『工房からの風』。

風鈴が風にゆれて鳴る音
心地よくて やさしい音色が好きです。
そんな心地いい音色が鳴るような風にしたいと思います。

硝子と日々向き合うなかで
透明な硝子のなかにグングン入っていき
その中を見て作品をつくっています。
自分の心のなかだったり
意識の奥底だったり
指先で感じる感覚のようなものだったり。

工房からの風で
「わたしが見ている景色を見てもらえるように」
と思いながら作品をつくりました。

掌に載るほどの愛らしい作品も多いのですが、
その作り方はダイナミックさと繊細さが合わさったもの。
透明、または半透明の塊の中に、何を思い、何を見るのでしょうか。
作家の心へ思いを寄せるのもいいですし、
自分の心の中にある風景をそこに映してみるのも心楽しいですね。


家のある風景

メロウグラスさんにお会いすると、イマドキの言葉で言えば、女子力を高めたくなります!
なんというか、女性の持つやわらかさ、たおやかさ、しなやかさ、そしてよきつよさを、
メロウグラスさんから感じて、日々の自分の心の姿を反省します。
その反省する気持ちが、なんだかうれしいというのも、不思議な魔力!
そう、メロウグラスさんの作品の秘密は、しあわせ色の魔力なのかもしれません。。

メロウグラスさんのホームページはこちら → 
出展場所は、『ニッケ鎮守の杜』に入ってすぐの原っぱエリア。
秋草に揺れる『手仕事の庭』のほとりです。
草花とガラス作品が、囁きあっていますね、きっと。

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佐藤亜紀さん・染織・京都

秋から冬に向かうこの季節、
巻き物を探していらっしゃる方も多いのではないでしょうか。
そのような方々にぜひご覧いただきたいのが、
京都で染め織りをする佐藤亜紀さんの布。
こっくりとした草木染の糸を織り上げた布が登場します。

Q
佐藤さんは、工房からの風にどのような布を織ってきてくださいますか?

A
主に絹糸をつかったストールを中心に出展します。
経糸に絹、緯糸に綿、ウールを織りこんだものもあり、布の表情もさまざまです。

ウールを使ったのは今回が初めてで、
糸は、ホームスパンの作家の吉田麻子さんに原毛から紡いでもらいました。
絹のストールに比べ、かなりざっくりめの
ワイルドな仕上がりです。

布をまとった時の、素材と草木の色が重なる立体感、心地良さを
楽しんでもらえたらうれしいです。

他には、綿・麻のしっかりふっくら織り上げた布の
がまぐち小物入れシリーズ、くるみボタンなどなども並びます。

素材である糸の風合いをひとつひとつ生かして織り上げる佐藤さん。
どこか大陸的なものを感じさせるデザインも魅力です。

 

 

Q
佐藤さんにとって工房からの風ってどんな風に感じられているのでしょう?

A
いつか、いつか。。。と
見上げていたら、吹いてきてくれた風。

待ち焦がれていたものの、
吹いてきた大きな風にはとまどいの連続。
そんな大きな風が、気づけば前へ前へと
進めさせてくれていたように思います。

当日は、思いきって風に吹かれて
布たちを広げるのが楽しみです。

数年前から工房からの風を憧れてくださっていたという佐藤さん。
この出展を大風ととらえて、ぐんぐんお仕事を整え、新たなものへと
進化させてくださいました。
「布たちを広げるのが楽しみです」
って、なんて素敵な気持ちを表したフレーズなんでしょう!

 

佐藤亜紀さんのホームページはこちら →

佐藤さんの出展場所は、おりひめ神社を正面に鳥居の右側です。
年月を重ねたシイの高木に、草木で染めた布が、さっそうと広げられていることでしょう。

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川端健夫さん・木工・滋賀

滋賀のマンマミーア!
行かれたことはありますか?
古い農学校を改修して木工房とギャラリー、
そして洋菓子の販売とカフェを開く素敵な場所。

木工作家でありマンマミーア!のオーナーでもある
川端健夫さん。
工房からの風へ二度目の出展です。

Q
川端さん、『工房からの風』には、どのような作品を出展くださいますか?

A
5年前に『工房からの風』に出たときは、
まだお皿やカトラリーを作り始めて間もなくだったので、新作も多く出展しました。
今回はこの5年の間に作り続けてきたもの、
これからもずっと作り続けたいものをたくさん作って持って行こうと思っています。


ボウルやお皿にトレイ。
スプーン、フォーク・・などのカトラリーは、
マンマミーア!のカフェでも活躍するものも多い使い心地のよい器です。 


Q
川端さんにとって、『工房からの風』って、どんな風なのでしょうか?

A
前回出展時、子どもが一歳になったばかりで、
背中に背負って接客していたのを思い出します。

『工房からの風』は出て終わりの展覧会ではありませんでした。
あの時関わってくれた方たちが、ずっと見守ってくれていたからです。
だから、またいつか出展したいと思いつつ、
あの時と同じだと思われるのではないかと、なかなか応募できませんでした。

 

 

また出展できる機会をいただけて、本当に嬉しく思っていますが、実はまだ不安です。
6歳になる子どもの成長には敵わなくとも、
私も5年前に比べて少しでも成長していると良いのですが。
今はあせる気持ちを抑えつつ、いつも以上に丁寧にと心がけながら木を削っています。

私たちもよーく覚えています。

おんぶ紐で一樹君を 背負っていた健夫さん!
もう5年も経ったのですね。
いつも心でいっぱい考えをしている(哲学をしている)健夫さんの進み方は、
周りの方々によい影響を与えているのだと思います。
かくいう、私もそのひとりです!

川端さんは、『工房からの風』で、ワークショップも行います。

『被災地へ届けるベンチを作ろう』
両日10:30-11:30    14:00-15:00
定員各8名(小学生対象)無料

この日制作されたベンチは、東日本大震災で被災された方の仮設住宅に
川端さんたちがお届けします。
ぜひ、ご参加ください!

川端健夫さんのホームページはこちら →

出展場所は、おりひめ神社鳥居前。
神社に向かって左側で、作品展示とワークショップを行っています。

そして、10回展記念の書籍では、川端健夫さん、美愛さんのお仕事をご紹介しています。
こちらもぜひ、お読みいただければと思います。
ご紹介記事 → 

 

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松塚裕子さん・陶芸・東京

スペイン階段前の出展者を続けてご紹介しますね。
東京で作陶をする松塚裕子さんです。 

Q
『工房からの風』に向けて、松塚さんはどのような作品を制作されていますか?
A
ポットや、色々な大きさのピッチャー、ちいさな豆片口など
注ぐ器をたくさん作りました。
他にも、カップやお皿、小さな花器など
日々暮らしの中で使って頂ける器をお持ちします。
小さな風景や、時間の積み重なり、のようなものを
感じてもらえる器であったらいいなと思い、作っています。
それは、新芽に蓄えられたみずみずしいふくらみであったり
移りかわる空の色であったり。
はたまた、ぽつんと落ちている錆びたネジであったり。
ひとつひとつの表情の違いや、さまざまな形を
河原で好きな石ころを探すような気持ちで
楽しんで見ていただけたら嬉しいです。 

新芽に蓄えられたみずみずしいふくらみであったり
移りかわる空の色であったり。
はたまた、ぽつんと落ちている錆びたネジであったり。
って、素敵なフレーズですね。
松塚さんの心地よい曲線と、どこか懐かしさを湛えたような色合いが、
テーブルや暮らしの空間に、そっと風景を送り込んでくれるようです。 


Q
松塚さん
にとって、工房からの風』って、どんな風なのでしょう?
そして、どんな風にしてみたいですか?

A
ふわり、包むように吹く風。
歩をはこぶ足を軽やかにしてくれるような。
その風に運ばれてここまで歩いてきた、そんな感じです。

当日は、微力ながら自分も風の一部となって
作家のみなさんや来て下さる方々と一緒に
場所も人も包み込むような、大きな風をつくれたら…!

 

松塚さんの私の印象は、小春日和のひだまり。
ほんわかとしたぬくもりの中に、澄んだ感じと、
どこかしんとしたこところを感じるような。
作品にも、そんな松塚さんの雰囲気が表れていますよ。

松塚裕子さんのホームページはこちら → 
出展場所は、コルトン広場スペイン階段前となります。

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深見昌記さん・木工・愛知

木工の深見昌記さんからもメッセージが届きました。

Q
深見さんは、『工房からの風』に、どのような作品を出展されますか?

A
木をメインに鉄や真鍮などの異素材を組み合わせた作品。
木のかご、トレー、草木染の木のプレート、アクセサリーなどの小物と
スツールやタオル掛けなどの小さな家具を出展します。

深見さんの木工の経歴の始まりは、葬儀葬祭に使う祭壇の制作から。
その後、木工作家に師事して、木藝工房に入ったという方です。
祈りの空間のものづくりからのスタートが、
どこか静かな佇まいの作品づくりに映っているのでしょうか。
写真の 「栗の木のかご」もとっても素敵ですね。

Q
深見さんにとって、『工房からの風』って、とってどんな風ですか?

A
『工房からの風』は私にとってまさしく工房からの風です。
日頃、工房にこもって地道に製作している作品たちを
世の中に送り出す貴重な場所となります。
多くの方に見ていただき、できれば共感してもらえるような、
心地よい風をこの小さな工房からお届けできればと願っています。

写真の作品など、草木染めをしたものも制作する深見さん。
素材のこと、技術のこと、、、作品について、
会場でぜひいろいろお尋ねになってみてはいかがでしょう。

深見さんのホームページはこちら → 
出展場所はコルトン広場、スペイン階段前のテントです。

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加藤仁志さん・陶芸・岐阜

岐阜県土岐市で作陶さる加藤仁志さん。
今回で二度目の出展となります。

Q
今回、加藤さんはどのような作品を作られるのでしょうか?

A
毎日使って頂けるような日常使いの器を白磁、
粉引の作品を中心に出展します。

白磁は、薪窯で焼成しました。
燃やした薪の灰が1200度以上の
窯の中で器にかぶり様々な表情を見せてくれます。
白い色の中にも、複雑な色合いや力強さを感じて頂けたらと思います。

粉引は、山へ行き手掘りした土を使っています。
大きな石や木くずなどを取り除くために、土を乾燥させて木づちで叩き
粉状にし、ふるいにかけ再び水を含ませ粘土とします。
手間のかかる作業ですが、原土を使うことで素朴で温かみのある雰囲気が
出せると思ってこだわっています。

加藤仁志さんの器。
オーソドックスなその佇まいは、日々を気持ちよく整えるのにふさわしい器です。
見栄をきった華やかさではなく、もっと深いところでものづくりに向かわれているのが、
作品によく表れているからでしょうか、
一度使った方がリピートされて、ファンになってゆかれることがとても多いのです。
お人柄と作品がこんなに結びついているなんて!
ご一緒させていただいて5年ほどになりますが、
しみじみ思います。

Q
加藤さんにとって、工房からの風ってどのような風でしょうか?

A
5年前に出展させていただいた時には、「工房からの風」を
通じて本当に色々な出会いをいただきました。
刺激となり励みとなり、かけがえのないものを沢山頂きました。

人と人をつなげてくれるそんな風にしたいと思っています。
今回も素敵な出会いを楽しみにしています。
そんな出会いを通して、日常のかたわらにスッと自然と溶け込んでくれるような
モノを少しでも沢山の方に届けられたらと思っています。

今回も、きっとよい出会いが結ばれますね。

加藤仁志さんの出展場所は、コルトン広場、モニュメント周り。
柿渋染めの横山正美さんの隣です。

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今野恵さん・フェルト・神奈川

例年フェルトでの出展作家がいらっしゃいますが、
今年はひときわワイルドなフェルトです。
神奈川県で制作する今野恵さん。

Q
今野さん、「工房からの風」には、どのような作品と一緒にやってこられますか?

A
様々な種類の羊の、本来の色−自然の色−を生かした作品を出展します。

「冬支度」をイメージして、冬を暖かく過ごすアイテム、
帽子・バック・ミトン・ケープ・ポンチョなど身につけるものと、
敷物・クッション・ひざ掛けなど暮らしの中で使えるものを。

自然色の羊毛の中に、一色だけ緋色−心に暖かな火を灯すような−の羊毛を使いました。
見ているだけでも暖かくなるような赤い色です。
素材と向き合い、作品には羊毛ごとの特性を生かしました。
強く丈夫な羊毛、しなやかで優しい手触りの羊毛。。。
それぞれの羊毛が固くフェルト化され完成した作品から感じられるように、
縮絨率や作品ごとの厚みを考慮し、制作しました。

以前はカラフルなフェルト作品を発表していた今野さん。
どうして今のような自然の色と、自然の力強さを生かした制作へと移っていかれたのか。

ぜひ「小冊子」をご覧になってください。
毎年編んでいる小冊子、今年は13人の作家に文章を寄せていただきましたが、
今野さんから届いた文章は、どんとお腹に! 響きました。
巻頭でご紹介していますので、ぜひお読みくださいね。

Q
今野さんにとって、「工房からの風」とってどんな風なのでしょうか?

A
真南風(まはえ)。
沖縄の方言で梅雨が明けて夏の到来を告げる南風のことで、
「幸せをもたらす風」と信じられています。

フェルト制作には夏の湿度と気温が味方になってくれますから、
まさに今年は「工房からの風」を「真南風」と感じ、夏の間、制作に励むことが出来ました。

幸せをもたらす風。。。準備期間にディレクターの稲垣さんのお話や
個人ミーティングでの言葉、郵送物に手書きで一筆書いてくださった言葉、

出展者の方々の交流の中で交わした言葉が、
私の気持ちを突き動かし、地に足つけて制作に励むことができ、
すでに「幸せをもたらす風」と実感しています。

今野さんは、手ごわかったです(笑)

でも、迷いがすっと抜けてしまえば、あとはキラキラと眩しい表情でしたね。
自分の心と手が掴んだフェルト。
短いスパンで答えを出さず、ずっと続けていく中で、
ほんとうに見たかった花と出合えるのではないでしょうか。
私自身もそう思いながら進みたいです。

今野さんのホームページはこちら → 

出展場所は、おりひめ神社の脇。
木工の泉さんと 陶芸の中本純也さんの間となります。

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泉健太郎さん・木工・新潟

10回目を迎えた工房からの風。
その中でも今まで近いお仕事での出展のなかった
木彫の箱と卵殻の箱を主に作る
泉健太郎さんからもメッセージが届きました。


Q
泉さんは、『工房からの風』に、どのような作品を出品されますか?

A
主に木彫の箱と卵の殻を漆で貼り付けた箱を持っていきます。
幾何文様の木彫の雰囲気、卵の殻のヒビの美しさに何かを感じて
もらえたら嬉しいです。

実際に作品を見せていただきました。
とっても美しい箱でした。

彫刻刀で丹念に文様を刻んだ木箱。
そして、卵の殻を漆を用いて加飾した箱。
用具としてももちろんですが、その表情の美しさを
じっくり堪能いただきたいと思います。
そして、このような美しい仕事をどのように発展させていったらよいか、
ご来場の方々のご意見も、きっと作家はお聞きしたいかと思います。

Q
泉さんにとって、『工房からの風』って、どんな風ですか?

A
『工房からの風』は、これから自分がどういう方角、場所へ向かったらいいのか
を感じさせてくれる風だと思ってます。

当日は、自分が作っているものは少し変わっているので、箸休め的な?風を
吹かせられたらと思います。

箸休め!?
泉さん、面白いですね。

『工房からの風』の作家には、ざまざまな方 がいて、
また、さまざまな方向性があります。
それが、とってもいい、と思いますし、むしろ、もっとそうあったらいいなぁと思ってもいます。

使い手の方々にすぐに喜んで いただける、
販売の上でストライクゾーンの作品をたくさん作る方は、

精一杯それに向かうでしょうし、
泉さんのように、自身がこれをしたい!というお仕事の技術を深め、
そこから使い手の方との接点を模索していくアプローチもあっていいって思うからです。

今既に評価されている表現をみんなが作っていくばかりではなく、
作品のバリエーションはこれから広がっていく過程であっても、
作家の持っているすばらしい種、それを感じて、応援できるような会であったらいいですね。

作品の売買だけではなく、作る、ということのもっと本質的なところで交流できるような…

と、ご本人があっさり書いてくださったのに、私が書きすぎですね。
すみません!


泉さんのホームページはこちら → 

素敵な木の箱と出合えるのは、おりひめ神社周り、
稲荷社のほとりです。
ちょっとシャイ?な泉さん、お話しすると、楽しいですよ。

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qan:saviさん・革・愛媛

四国松山からやってきてくださるのは、qan:saviさん。
カンサビ
とお読みします。
『「神さび」(かみさび・かんさび・かむさび)といわれる、
古来より存在してきた価値観のひとつで、古びて年月を経たものから滲み出てくる、
神聖であり神々しい雰囲気を表す言葉からいただきました。』(ホームページより)
と、いう思いをこめて、名付けられたそうです。

Q
qan:saviさんは『工房からの風』に、どのような作品を出展されますか?

A
僕が作る作品のジャンルは大きく分けると「カメラ」「文具」
「ファッション」「アクセサリー」とあるのですが、
一通りできるだけたくさんの種類をお持ちしようと思っています。
中でも「一眼レフカメラ用のショルダーストラップ」「デジカメケース」「バッグ」

「財布」「革の小箱」「スケジュール帳カバー」に少し重点を置いて制作しました。


「パスポートも入る財布」や「トラベラーズノートのカバー」や
「一泊ぐらいに使えるトートバッグ」など、
「旅」ということをどこかで意識しながら制作したモノは
今後さらに広げていこうと思っている新しい要素のものも含まれていたりします。


全て手縫いで仕上げているのですが、
一針一針に気持ちを込められるのが手縫いの良いところだと思います。
ロウ引きした麻糸で縫ったステッチの味わいや、洗いをかけたり、シワを出していたり、
磨いたりという革の表面のニュアンスなども感じていただければと思います。
基本的には僕が使いたいものや興味のあるものを制作しているので
用途を特化したものが多いのですが、
みなさんに「あっ、こんなの欲しかった!」や「こういうのも良いね!」
というものを見つけてもえると嬉しいです。
わ、なんかとっても、もりもりですね。
qan:saviさんといえば、カメラストラップがとても人気がありますが、
おひとりで一点一点手仕事で仕上げているとは思えないくらい、
さまざまなジャンルにたくさんのバリエーションがあるのです。
工房からの風に向けて、思いっきり取り組んでくださっているので、
この充実の構成なのですね。
見応え、選び応えたっぷりの展示になりますね。

Q
『工房からの風』は、qan:saviさんにとって、どんな風ですか?
そして、どんな風にしたいですか?
A
瀬戸内の島と島の間を渡るおだやかであたたかな風の様です。
ミーティングなどでニッケ鎮守の杜に訪れるうちに、
何だか懐かしさとそこに携わっている方々の温かさや大きな安心感を感じました。
それと同時にそこに集う人が
その風をとても大切にしている想いが溢れていて気が引き締まります。
でもその中にはこの先には一体何があるんだろうという
ちょっとした冒険心みたいな
「心をくすぐられるもの」
が含まれていたりもするのです。
今まではその大らかな風を帆に受けて順風満帆でこさせてもらったので、
当日は自分もその風の一部になれればと思います。
『ニッケ鎮守の杜』をなつかしい!と思ってくださって、うれしい気持ちです。
そして、この先には、何があるんだろう!
って、素敵な感覚ですね。
速攻か、じんわりかは、それぞれですけれど、
きっと風がどこかへとつないでくれることと思っています。

それから、qan:saviさんは、こんなことも伝えてくれましたよ。

昨年こちらに出展されていた、クラフト作家・イラストレーターの
CRAFT Log. 井上陽子さんと少し前からコラボでの作品制作もさせてもらっています。
偶然にも二人に共通のご縁のある展ですので、
今進めているコラボの作品も少しですがご紹介させていただこうと思っています。
これは井上さんに革の表面に活版印刷機で一つ一つ手押しでプリントしてもらったものを
僕が手縫いで仕上げるといったもので、
井上さんのイラストやコラージュを活版印刷した凹凸の味わいやエイジングの加工は
同じものがない一点モノの特別なものとなっています。
よりストーリー性があったり、プリントがあることで成り立つものがあったりと
通常の作品とはまた違った雰囲気ですのでそちらも楽しんでいただければ幸いです。

井上陽子さんのエッセンス、今年も会場にそよいでくださるのですね。
楽しみです!

qan:saviさんのホームページはこちら → 
出展場所は、おりひめ神社お社の脇です。

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横山正美さん・柿渋染め・愛知

今年の工房からの風へも、多種多彩な布仕事の方が出展くださいます。
今日ご紹介するのは、布を柿渋で染めて、
バッグや暮らしまわりの布小物を制作する横山正美さんです。

Q
横山さんは、『工房からの風』に、どのような作品を出展されますか?

A
わたしは柿渋染のおおらかさと力強さ、色が好きです。
ざっくりとした手織りの布を染めています。
布に墨で柄を手描きして柿渋で染めたのや、媒染でいろんな柿渋色を作って、
それをカットし、つぎ合わせたりして作品を作っています。
工房からの風には、そんなつぎ合わせした柿渋染めのかばんを中心に、
そして、かばんの製作から出来るはぎれ布を使った
生活小物などを見て頂きたいと思っています。

横山さんの作品は、柿渋の茶と炭の黒のコントラストがあるところも特徴的です。
ちょっとワイルドな感じのものもありますね。
また、男性にも素敵に映えるものもあって、選ぶ楽しさいろいろです。

Q
『工房からの風』は、横山さんにとってどんな風ですか?

A
工房からの風は、下を向きかけてた”つくる仕事”への気持ちを、
すっとやさしく前に向けてくれました。
自分の中でガチガチに固くなってた焦りと自信の無さを薄く伸ばしてくれました。
そして、改めて「つくること」が自分の中で一番大切なものなんだって
思い出させてくれました。
下を向いてぐるぐる悩んでばかりで自分の足先しか見えてなかったのが
今、道の向こうが見えます。
日々、つくることがたのしい。
わたしに吹いてくれたやさしい工房からの風を、
今度は当日、たくさんの方々へ向けて。
たくさんの風を楽しんで頂けたらと思っています。
そして、わたしも思いっ切り楽しみたいです。 

 

工房に籠って仕事を進めていると、
ふっとどこの誰ともつながっていないのではないだろうか?
そんなことを思ってしまう作家の方も多いように伺います。
けれど、横山さんは、工房からの風を起点に、
いろんな作り手の方とつながって、そこから伝え手、使い手の方々と、
ぐんぐんつながっていく道を拓いているんですね。
気持ちが風を起こし、風を進めていくのかもしれません。

横山正美さんのホームページはこちら →
出展場所は、コルトン広場、モニュメント周りです。
お日様と柿渋染めは友達ですから、きっと鮮やかな展示になることでしょう!
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アトリエ倭さん・木工・埼玉

初出展組のトップバッターは、アトリエ倭さんです。
木のおもちゃと古材を使った小物などを制作するご夫婦です。

Q
アトリエ倭さん、『工房からの風』には、どのような作品と一緒にやってきてくださいますか?
また、当日はどのようなことをしてくださいますか?

A
『日本の伝統を伝える』をテーマにした木のおもちゃと、
古材を使った雑貨をお持ちします。

おもちゃは全て、日本の伝統に基づいたデザインになっていて、
木の美しさと気持ちよさを大切に作っています。
初めて目にした方から、よく工場で作られた物かと思われたりもしますが、
製材から全ての加工、パッケージデザインまで全て二人で行っています。

当日のブースで、おもちゃ製作のデモンストレーションも行う予定です。
木目を揃えて木を貼り合わせたり、コンマ1ミリの調整をカンナでしたり…
といった細かな仕事を、実際に見て頂けたらと思います。


ほかに、古材の雑貨は、すす竹を使った筆入れや、

大正ガラスが入った建具を使った函物を。
大工さんが刻んだ柱の形を活かしたスピーカーなど、大物もお持ちします。
時間を掛けて磨かれた古材の、艶と品を感じて頂けたら嬉しいです。

おふたりの前職は建具職人。
兄妹弟子として腕を磨き、今はアトリエ倭としてふたりでのもの作りを進めています。
日本の伝統的な木工、建具技術をベースにして作られた
創造性ゆたかなおもちゃは、ありそうでないものばかりです。
誠実印!のものづくりは、ぜひお手にとって感じていただきたいと思います。
さりげないだけに、ぐっときますよ。


  Q
『工房からの風』って、アトリエ倭さんにとって、どのような風でしょうか?
そして、この風を、どんな風にしていきたいと思われますか?

A
出展の通知を頂いた時は、実はまだぼんやりとした感覚で、

風を感じてはいなかったように思います。
でも5月に『風の予感』という展示に参加させて頂いて、
スタッフの皆さんや出展作家さん、お客様との時間を過ごし、
しなやかで瑞々しい風を感じました。

さらにその時に会場だった『らふと』の意味が筏であるとお聞きし、
私達も一艘の筏に乗って、帆に風を受け漕ぎ出したような気持ちになりました。
筏には作品と沢山の想いを乗せて、本展へ向けてスタートを切った5月でした。

そこから今まで、帆は膨らんだりしぼんだり(笑)を繰り返しながら、
自分達の核にあるものだけを乗せ、少しずつ進んでいる気がします。
当日の出会いでまた新しい風を帆に受けて、
きっと次の場所へ漕ぎ出せるのかな、と楽しみにしています。      

ブースでは優しくって力持ちタイプの進さんが黙々と手を動かし、
しっかり女房タイプの佳子さんが、きびきびと立ち働く 姿が今から見えるようです!
熱い思いをこめて制作に励むおふたりと、言葉を、心を通わせていただければと思います。

そしてニュース!
先行イベントとして、アトリエ倭さんのワークショップと作品展示販売を行います。
10月7日(日)10時から18時
ニッケコルトンプラザ2階タワーコート(エレベーターのある吹き抜けです)
木のコマに絵を書いたり、仕上げをして、オリジナルのコマを制作します。
随時 ひとつ500円

13日・14日にはアトリエ倭さんのワークショップはありませんので、
ぜひ7日、コルトンプラザへお越しください。
お子様と一緒に近隣の方、特にお薦めですよ!

アトリエ倭さんのホームページはこちら → 
出展場所は、galleryらふとの向かい、おりひめ神社の鳥居の近くです。
陶芸の加藤かずみ☆さんとお隣です。