2019年10月の記事一覧

「出展作家紹介/工房からの風」New

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佐藤かれんさん 染織 山梨

Q1
佐藤かれんさんは、工房からの風にどのような作品を出品なさいますか?

A1
リネンやコットンで織った、薄手ながらもキュッと吸水するタオル、つやつやと光沢感のあるクロスやミニクッションなどのインテリア雑貨をお持ちします。
また、カシミヤやベビーアルパカを使った秋冬に向けての落ち着いた色合いのストールも織りました。

私はスウェーデンに留学していたことがあり、そのときに織物の勉強を始めました。
当時の生活から学んだこと・影響を受けたことが今の自分の織物制作の種となっています。
その種を膨らませて、今の自分が美しいと思う、日常づかいできる布を織りました。

今回お持ちする作品が、使う方の暮らしをちょっぴり特別にするような、日々のアクセントになれば嬉しいです。

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Q2
ご自身の工房の中で、特に大切にしている場所、あるいは部分、印象的な場所、空間、または、道具の写真を1カット撮ってください。
そして、その説明をお願いします。

A2
工房の中で特に大切にしている道具は、織り機です。
スウェーデンから日本に帰国する際に、現在使っている織り機を先生のご友人から譲り受けました。
当時は自分の織り機を持っていなかったので、これから日本でも織物をやりたいけれど、果たしてそうできるのか不透明な状況でした。
なので、絶妙なタイミングで自分のもとに来てくれた織り機が、この先の希望の道しるべのように感じられ、とても思い入れのある特別な存在になりました。

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Q3
佐藤さんにとって、ものづくりの種火ともいえる、きっかけや動機、大切な人や物との出会いについて教えてください。

A3
私の母は若い頃に旅したイギリスで野草の生い茂る美しい庭に魅せられて以来、イングリッシュガーデンをつくることを仕事にしています。
庭づくりを通して、イギリスへの好奇心を絶やさず火を継ぎつづける母は、大変なことがあっても生き生きしていて刺激的です。
庭と手織物、分野は随分違いますが、私にとって母の存在は、自分が好きなことに素直に生きること・ものづくりを志すことの火種になったと思います。

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お母さまのことをこのように想えるって素敵ですね。
佐藤さんはまだ20代。
織りと共にある人生は始まったばかりなので、ぜひ佳き織り手の方々とも交流の機会を持ってもらえたらと思います。
工房からの風ゆかりの作家の方もたくさんいらっしゃいますし。

これから続く織りの制作の中で、佐藤さんの鉱脈がどこにあるかは、続けていく中で見つけていかれることでしょう。
今、佐藤さんらしさがよく表れていると感じるのはタオル。
スウェーデンで学んだ日々の中から生まれてきた実感がこもった布ですね。
そのほかのストールやクッションカバーにも、未来への種がひそんでいるように感じます。
その種を感じて、探し出すのも来場者の皆さんの醍醐味かもしれません。

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佐藤かれんさんの出展場所は、コルトン広場のスペイン階段前。
ホームページはこちらになります。
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Leather Lab. hi-hi 革 宮城

Q1
Leather Lab. hi-hiの平間博之と麻里さん、
「工房からの風」には、どのような作品を出品なさいますか?

A1
革の鞄と財布類を中心に素材の魅力を楽しめる作品を展示します。

主に国内外で作られている植物タンニン鞣しの牛革や、
地元の宮城県に自生する鹿の革を使用しており、
どれも個性があり経年変化を楽しめる素材です。

使い手をひき立たて寄り添うかたちを心がけ、
そこにほんの少しだけ私たちの遊びを取り入れています。

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Q2
ご自身の工房の中で、特に大切にしている場所、あるいは部分、印象的な場所、空間、または、道具の写真を1カット撮ってください。そして、その説明をお願いします。

A2
昨年の5月に念願の工房を構えることができました。
設計士さんと相談しながら、私たち自身も作りたいということで、
知人友人の手も借りながら小さな工房を建てました。

日々のものづくりと向き合える大切な空間であり、
ほっと安らげる居心地の良い空間でもあります。
当日は自ら手がけた工房の看板も持って行きます。

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Q3
Leather Lab. hi-hiさんにとって、
ものづくりの種火ともいえる、きっかけや動機、大切な人や物との出会いについて教えてください。

A3
2011年の3月、イタリア・フィレンツェへの留学中に東日本大震災により自宅を全て失いました。
夢と希望で満ちていた心は一瞬で糸が切れてしまい作ることの意味や希望まで失っていました。

そんなどん底にいた私に、ある日本人の料理人の方が手を差し伸べてくれたことをきっかけに、
「自分の手で恩返しをしよう、何もできない自分は作るしかない」
そう思わせ、また手を動かし始めました。

帰国後、道具も何もない0からのスタートでしたが、
知人の職人さんがチャリティーで道具を買い集め支援して下さったことにより、再び作り始めることが出来ました。

最悪の事態の中、一時は消えかけた火ですが、沢山の人の支えにより、私は今作らせてもらっています。
ものづくりに向き合える今の環境に喜び感謝できるようになったあの経験、人々との出会いこそ私の中の種火です。

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なんて愛らしい工房なんでしょう!
お二人のお城のような、秘密基地のような、絵本に出てくるような工房!
Leather Lab. hi-hi
ハイハイさん、と、他の出展作家の方たちから親しみを込めて呼ばれていらしたけれど、
ハイハイさんの作品が、この工房から生まれてくると知ると、とってもナットク!合点がいきました。
きちんとしていて、どこか楽しい。

宮城出身の平間さんは、震災でご自宅を失われるという苦難に遭われて。
夢を抱えて異国で学ぶ日々の中で、なんということでしょう。
平間さんの当時の想いは、私など思い及ばぬ深いものであったと思います。

あれから8年半。
今、こうして新たに豊かな作り手たちとの出会いを果たし、より広やかな出会いを叶えるために、
自らのイメージと手を働かせて「工房からの風」にやってきてくださること、心から歓迎します。

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Leather Lab. hi-hiさんの出展場所は、ニッケ鎮守の杜、galleryらふとの手前。
どこかご自身の工房の雰囲気を漂わせた楽しい空間で、使い心地も楽しい革のバッグや小物が並んでいることでしょう。

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中村理木工所 木工・漆 大分

Q1
中村理(おさむ)さん、「工房からの風」には、
どのような作品を出品なさいますか?

A1
日々の暮らしに灯る
ランプと燭台
森と食卓を結ぶ
平皿と弁当箱を
連れて行きます

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Q2
中村さんの工房の中で、特に大切にしている場所、あるいは部分、印象的な場所、空間、
または、道具の写真を1カット撮ってください。
そして、そのお話をしてくださいますか?

A2
障子一枚を通して
森を感じられる
漆部屋です

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Q3
中村さんにとって、ものづくりの種火ともいえる、きっかけや動機、
大切な人や物との出会いについて教えてください。

A3
小学生の時に
ヤマハゼの藪を漕いで
全身かぶれました

摂り続けても
脱感作されない
漆の持つ力への恐れが
私の種火です

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脱感作
未知の単語でしたので調べてみました。
「だっかんさ」と読むんですね。

アレルギーの原因となる物質を少量ずつ次第に増量しながら定期的に注射し過敏性を除去する療法。気管支喘息ぜんそく・蕁麻疹じんましん・アレルギー性鼻炎などに対して行う。除感作。減感作。(小学館 大辞泉)

漆は本当に不思議な植物です。
そもそも樹木なのに、キヘンではなくサンズイの文字。
乾かすために湿度が必要という不思議。
樹木が自らを修復するために出す液を、人が接着や補強のためにいただいているのですが、そのことに気づき、用いてきた先人の知恵と工夫には驚くばかりです。

そんな漆への興味関心のきっかけだったのが、
同じ科のハゼの木との出会いからだったとは。
中村少年の自然科学的なものへの興味関心は、
今の制作につながっているような気がします。
今回の展示では、作品である木のランプシェードを灯すために、
テントに風力の装置を取り付けたり、
科学的な思考と手工芸的な思想の融合した展開になりそうですね。

10月6日、この日は自由学園明日館で、
手塚えりかさん、森屋茉莉子さん、山口未来さんと一緒におりました。
硝子作品に、昼下がりの眩しい秋の光が射して輝いているとき、スマホが鳴りました。
中村理さんから。
もう間もなくの「工房からの風」での、何か展示場の質問かしら?
と思って出ると、
「先ほど、産まれました」
と。
?!
そうでした、「工房からの風」の頃、初めてのお子さんが誕生すると伺っていたのでした。
穏やかに、力強く、それでいてどこかふわっとしたような不思議な声。
喜びに満ちた声へのお祝いをこめて、この日を中村さんのご紹介の日にしようと思ったのでした。

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中村理木工所(なかむらおさむもっこうしょ)の出展場所は、
おりひめ神社の後方、立体駐車場側。
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人気の竹と漆のお弁当箱や、ランプシェードが連なる
印象的なテントが出現するでしょう。

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田屋道子さん 陶芸 山梨

Q1
田屋道子さんは、工房からの風にどのような作品を出品なさいますか?

A1
植物をモチーフにした、染付けと鉄絵の器。無地は黄色とオリーブの器を持っていきます。
素敵なお庭での展示ということもあり、
今回は花器やポットなどの植物を楽しむためのアイテムも色々と持っていく予定です。

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Q2
ご自身の工房の中で、特に大切にしている場所、あるいは部分、印象的な場所、空間、
または、道具の写真を1カット撮ってください。そして、その説明をお願いします。

A2
草・木・花・実・石・貝・何かの破片・・・気になるものを集めてしまいます。

そういう日々の暮らしの小さなところから、インスピレーションを感じることもあるので、
こんな子供のような行動を、まぁ良しとしています。

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Q3
田屋さんにとって、ものづくりの種火ともいえる、きっかけや動機、
大切な人や物との出会いについて教えてください。

A3
先生の作品から磁器という素材を知り、それ以降この素材を使い続けています。

制作する時の緊張感と、また出来上がって、
それを使っていく中で感じられる透明感のある明るさや素材の美しさに魅せられています。

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田屋道子さんは二回目の出展。
前回は、「studioカラン」という工房名で出展くださいました。
その時は、幾つかの色調の白い器で出品くださいましたが、
今回は、新たに取り組まれた呉須に印判で植物などを描いたもの、
(青い絵)鉄絵のもの(茶色い絵)が加わっています。

そして私も初めて拝見する「オリーブ」の器も。
飴釉のようなトロント美しい表情の器。
楽しみですね。

田屋さんは盛岡ご出身の方。
東日本大震災のあと、東北を元気にしたい!と作家の方々にかけあって、
巡回展を重ねたりと、心を尽くしてこられました。
先日の千葉の台風のあとにも、すぐに心配して連絡をくださって。

静かな印象の田屋さんの中には、
あったかくて、やさしい身持ちがぎゅっと詰まっているんだなぁと折々感じます。

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田屋道子さんの出展場所は、ニッケ鎮守の杜、手仕事の庭花壇のちかく。
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山口未来さん  ガラス 東京 

Q1
山口未来さんは、工房からの風にどのような作品を出品なさいますか?

A1
吹きガラス、江戸切子、バーナーワークの技法を組み合わせた器やアクセサリー作品を出品します。

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Q2
ご自身の工房の中で、特に大切にしている場所、あるいは部分、印象的な場所、空間、または、道具の写真を1カット撮ってください。
そして、その説明をお願いします。

A2
製作工程の中でも特に江戸切子の道具を大切にしています。
ひとつひとつの道具に癖や個体差があり、使い続けることで少しずつ自分に馴染んできました。

写真にあるのは木盤といって桐材の旋盤で仕上げの磨きをする道具です。
はじめてこの道具を手に入れた時、師匠が名前を彫ってくれたのが思い出に残っています。
そしてそれは「これ(ガラス)をやっていくんだ」という覚悟が実感できた時でもあります。

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Q3
山口さんにとって、ものづくりの種火ともいえる、きっかけや動機、大切な人や物との出会いについて教えてください。

A3
私にとってものづくりの種火と言えるのは「好き嫌い」なような気がします。
ガラスを始めた頃まずやったことは、自分が何を「好き」で何を「嫌い」なのかを知ることでした。
フランスで学生をしていましたが、その頃かなり挫折し自信を失っていたので
もはや何がよくて何が悪いのかも自分では判断できなかったのです。
そんな私ができたのは「好き嫌い」をジャッジし積み重ねる事だけでした。
そのためにあらゆる本や雑誌、街なかのあらゆるもの、美術館や博物館で物を見ては「好き」と「嫌い」に分けました。
理由や整合性は一切なくただの「好き嫌い」です。
そうするうち「好き」の輪郭が少し見えてきて、それを作ろうという方向が生まれました。

自分でも意識していなかった「好き」なものが、いつしか作りたいものになり、見てもらいたいものになりました。
そうしてそれがここまで私を連れてきたように思います。

それでも今もなお「好き嫌い」は難しい。
「好き」だと思っていたはずがそれほどでもなくなっていたり。
「嫌だ」と思っていたこともせざる負えなかったり。
「好きでも嫌いでもない」ものが多過ぎるような気がしたり。
時間は流れ、環境も変わる。自分も変わるからいつも揺らいでいるような心許ない気分にもなる。

ただそれでもいつも「好き」と「嫌い」はジャッジし続けていこうと思っています。
それだけは自分のやっていることの理由になってくれると信じています。

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山口未来さんが、港区で吹き硝子をされていると伺って驚きました。
どこか半信半疑(すみません!)でお訪ねすると、全日空ホテルの程近くにガラスの窯が!
聞けばさまざまなご縁が巡ってこの地で窯を開くことができたと。

山口さんのガラスとの出会いはフランス。
文学を学びに行ったフランスでガラスの修行へと転向し、
フランスの吹きガラス職人養成学校で国家資格を取得されました。
ドイツなどでも研修をされたのちに帰国して、
今度は江戸切子の技法を学ばれた山口さん。
その作品は和の技法を用いながらもどこかよい意味で無国籍な伸びやかさがありました。

長くお教室でレッスンのお仕事もされていましたが、
作家活動へと軸を動かされたタイミングで「工房からの風」に出展くださいました。
キャリアが長い方ながら、作品の制作発表はこれから広がっていくというタイミングですので、
伸び代をうんとお持ちだと私は思っています。

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山口未来さんの出展場所はコルトン広場、スペイン階段前。
本八幡方面からいらして、すぐのところです。

インスタグラムはこちらになります。
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菊知真由美さん 陶芸 埼玉

Q1
菊知真由美さんは、工房からの風にどのような作品を出品なさいますか?

A1
和紙染めという技法で装飾したうつわを出品します。
普段使いのうつわが主ですが、コンポートやピッチャーなど、生活に変化をもたらしてくれるようなテーブルウェアもご覧いただく予定です。

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Q2
ご自身の工房の中で、特に大切にしている場所、あるいは部分、印象的な場所、空間、または、道具の写真を1カット撮ってください。
そして、その説明をお願いします。

A2
和紙染めとは、好きな形に切った和紙をうつわに貼り付け、顔料を染み込ませるという伝統的な技法です。
ですが、私は和紙は使わず、キッチンペーパーを使っています。
リーズナブルだし、細かい形も切りやすいし、顔料もきれいに染み込みます。

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Q3
菊知さんにとって、ものづくりの種火ともいえる、きっかけや動機、大切な人や物との出会いについて教えてください。

A3
両親です。
幼い頃から私の遊びは絵を描くか、物を作るかのどちらかでした。
外に遊びにも行かず家にこもりがちな私を 、父も母も呆れながらも認めてくらていたように思います。
物作りの道を選んだ私を、ためらうことなく送り出してくれました。

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和紙染めをキッチンペーパーで。
考えてみたら、この技法が生まれた時には、紙は「和紙」だったんですよね。
身近な素材で新たな技法を生み出したことを思うと、
菊知さんが身近な紙を使って制作するというのは、しなやかな発想だなぁと思いました。
作品も、しなやかで軽快なリズムが流れているよう。

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菊知真由美さんの出展場所は、コルトン広場、スペイン階段前。
お隣はガラスの山口未来さんです。

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今年のメッセージ

木・火・土・金・水

工房からの風では五回にわたり、五行をテーマに展開しています。
今年のテーマは火。
作り手の心に宿る、もの作りの種火に心を寄せて企画をしました。
手仕事の庭を、ひとりひとりが携えたカンテラを照らしながら集う秋の日。
作り手たちが抱くもの作りの種火から実った作品との出会いを、ぜひお楽しみください。

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今年の工房からの風に込めた想い、
いや、込めたというより、「火」というテーマを巡って、
風人さんたちと考えた末に巡り合えた想いというのが正確なところです。

火としては、たとえば灯台的な大きな熱源もありますね。
みんなこっちだよ!と示してくれるような灯り。
そのような火の存在も大切ではあるけれど、小さな小さな種火のようなものを取り上げよう。
そんなことに思い至ったのでした。

ものづくり、作家活動は、決してたやすいものではありません。
現代において、あえてこのような仕事を選び、進もうとしている人たちは、
その原点に灯っている種火がきっとあるはず。
それらをあらためて作家本人が見つめ直し、それを披露することで風を呼び込み、
その火を膨らませていこう。
そんな想いに、まさに火が継がれていった企画期間だったように思います。

+++

今年の私からの質問はこちらです。

Q1
工房からの風にどのような作品を出品なさいますか?

Q2
ご自身の工房の中で、特に大切にしている場所、あるいは部分、印象的な場所、空間、または、道具の写真を1カット撮ってください。
そして、その説明をお願いします。

Q3
ものづくりの種火ともいえる、きっかけや動機、大切な人や物との出会いについて教えてください。

今、私の手元にはぞくぞく出展作家の方々からのメッセージが届いています。
今年は、特に熱くて濃ゆい!メッセージが多いような。
そうですよね、なんといっても「火」ですから。
そして、工房の中の大切な1カット!私もとっても楽しみなのです。

では、ご紹介、始めますね!!

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今年度出展作家エリア別ご紹介

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出展作家からのメッセージがすべて揃いましたので、
出展エリア別にあらためてリンクでご案内いたします。

コルトン広場
スペイン階段前
栗原志歩 ガラス
田中遼馬 陶芸
中里洋平 漆
平田いぶき 装身具
伊藤慎 陶芸
per. 装身具
繍-ぬいとり- 刺繍
glass accessory tubu ガラス
吉野千晴 陶芸
niu. 装身具
平野日奈子 陶芸
漆原圭子 装身具

ニッケ鎮守の杜
広場から入ってレンガ道左手
坂本友希 染
渡辺信史 陶芸
近藤亮介 陶芸
Awabi ware 陶芸
ヒヅミ峠舎 陶芸
小嶋紘平・祐希 和紙
YUSHI SOSHIRODA 革
foot of the mountain 木工
Atsuko Yamaguchi 染織

ニッケ鎮守の杜
広場から入って右手
小林達也 木工
tronco 革
加賀雅之 木工
R.BROWN Labo  革
三原なぎ ガラス
鈴木美佳子 陶芸
平厚志 陶芸

ニッケ鎮守の杜
中央部本部テント2近く
Humming Works 木工
竹下努 陶芸
noka by -かえる裁縫室- 服

ニッケ鎮守の杜
参道脇旧日本庭園
牛平安代 木彫
藤原里子 陶芸
Honda Silk Works 染織
髙際有希 手編み

ニッケ鎮守の杜
おりひめ神社周り
CHIGUMA 木工
OHAMA 革
佐藤亜紀 染織
中矢嘉貴 木工
越山千帆 装身具
吉澤佑種子 アダン帽子
Chizuca 装身具
玉元利幸 木工
Y.e.reeves 服
NODOKA SASAKI 織
yuki kawahara フェルト
松村淳 ガラス
ebico pottery 陶芸
京都炭山朝倉木工 木工

このほかに、企画テントや飲食のテントが並びます。
休憩したり、お茶をしたり、ランチをとられたりしながら、
ぜひ、ぐるぐる何周もまわってみてくださいね!
(本館には、トイレ、授乳室、ATM、レストラン街なども充実しています。
また、駐車場は2500台分のご用意があります。
本館でのお買い物と同様に駐車サービスがございます)

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大人のワークショップ

16歳以上の方にご参加いただくワークショップは
両日6講座ずつ開講します。

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会場に来られましたら、本部テントで、まずこのプリント ↑ を入手ください。

予約不要

当日、各ワークショップ開催テントにおいて、
開催時間30分前より承ります。
定員になり次第終了です。
(ご希望のワークショップには、
30分より前に該当テントにお立ち寄りになることをおすすめします)

※定員が少ないために、参加できなかった、、、
というお声をいただき、申し訳なく思っております。
ワークショップの内容が、難易度の低い大人数向けではないために、
どうしても人数に限りが生じてしまいます。
ご理解を賜りたくお願い申し上げます。

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『薬膳ハーブ茶づくり』
両日 10:30~11:30
定員各8名様
2,200円
workshopテントC

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今野 恵
『羊のお話と三日月の小物入れ』
両日 10:30~12:00
定員各6名様
3,000円
workshopテントB

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勢司恵美
『真竹の平ざるを編む』
両日 12:00~14:00
定員各6名様
4,500円
workshopテントA

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吉田 史
『芽生えのブローチ』
両日 12:45~14:15
定員各6名様
4,800円
workshopテントB

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RIRI TEXTILE
『コブナグサ色の緯刺し子織コースター』
両日 15:00~16:30
定員各6名様
2,500円
workshopテントB

おとなWS

大野八生
『庭の恵みのハーブリース』
両日 15:00~16:30
定員各8名様
2,000円
workshopテントA

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玉元利幸さん(木工)

今年の出展作家は49組。
(ほかに、ワークショップ等風人さんたちが18名いらっしゃいます)
いただいたメッセージのご紹介も最後のお一人となりました。
玉元利幸さん。
沖縄からの出展。
2013年から5年ぶり、はるばる市川までやってきてくださいます。

Q1
玉元さんは「工房からの風」にどのような作品を出品くださいますか?

A1
僕は沖縄本島の北部、やんばると呼ばれる緑豊かな地域で暮らし、
そこで育った木材を使い主に木の器を作っています。
今回の「工房からの風」には僕の作品で
よくお問い合わせをいただくようになった
「お弁当箱」をメインに作品の展示を行いますので、
この機会にお手にとってご覧いただきたいです。

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玉元さんのお弁当箱は、とても人気の高い作品。
「工房からの風」にむけて、玉元さんはそのお弁当箱をたっぷり制作くださいました。
こんなに一度に見て選べるのは、なかなかないことかと思います。

身の回りの材を使うことが、玉元さんにとっては自然なこと。
というか、自然なことでありたいという想いがそこにはあるのだと思います。

4年前の初夏、はじめて玉元さんの工房をやんばるに訪ねました。
関東とは違った植生の中、緑も、湿度も、光も濃い沖縄の地。
大地から生える樹々と、木材となって工房にある制作途中の木、
そして完成された器やお弁当箱が環のようにつながっていることが、
玉元さん一家の笑顔ともつながって、深い安らぎを感じたのでした。

Q2
工房でよく聴く音楽、
または、ものづくりを進める中で大切にしている本、
あるいは、心の中で大切にしている映画、
いずれかを教えてくださいますか?

A2
工房にはiphonをつないだスピーカーから常に音楽が流れています。
その時々によって様々なジャンルの音楽を聞いています。

木屑まみれになって木工機械を扱っているときは
気分を盛り上げるためにアップテンポの
ロックにソウルにヒップホップを流し、
心を落ち着かせての仕上げ削りや漆塗りなどの場合は
スローテンポのロックやソウル、
ジャズにフォークなどの音楽を選択しています。

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工程によって音楽のジャンルが変わる。
ひとつの器の中にも、弾んでいたり、静かだったり、
さまざまな調べの時間が重なっているのですね。

Q3
草や木で作られたもの(工芸品に限らず)で、
大切にしているものや、思い出に残るものをひとつ教えてください。

A3
僕が初めて木で作ったものはなんだろうと考えた時に
思い出されたのが中学生の時に
工事現場でいらなくなった木材をもらってきて作った犬小屋です。
あの頃はたいした道具もないのにそれなりに出来ていたなと覚えています。

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すでに日曜大工的なことを中学生から手掛けていた玉元さん。
器やお弁当箱だけではなく、ご自身の家も手掛けたりされていましたね。

今、お仕事も充実されて制作に忙しい日々を送る玉元さん。
沖縄、しかも空港からもはるか遠いやんばるから、市川の「工房からの風」に出展くださることは、
年単位でのスケジュール調整を基に、大変なことだったと思います。
それでも、「工房からの風」は、玉元さんの再びの出展を心待ちにしていました。

玉元さんを、玉元さんのご家族をずっと応援しているたくさんの作家の方がいらっしゃるので、
少し立ち入ったことを書くことをお許しください。

初出展のとき、それを心から喜んで玉元さんを応援していた夫人の佳世さんは、
私がやんばるでお会いした直後に病が発覚し、数か月の後、天に召されました。
玉元さんの木の仕事が誰よりも大好きで、最大の応援者だった佳世さん。
夏の青空のような満面の笑顔は、お嬢さんのHちゃんが瓜二つのように引き継いでいます。

あまりにも突然のことに、玉元さんの胸中はいかばかりのことだったでしょう。
そのことを知って、作家や私たちは、ただ応援することしかできませんでした。
それでも応援したいと願った人たちは、何かと心を寄せて、やりとりを重ねてきたのでした。

玉元さんの木の器が大好きだった佳世さんは、玉元さんがますます佳き作り手となって、
人に喜ばれる器、そしてお弁当箱を作る人でいることを、誰よりも喜んでいると思います。
そして、あんなに出展を喜んでくださった「工房からの風」に、再び出展することも。

8月末の全体ミーティングの時、5年ぶりにこの庭にやってきてくださった玉元さん。
お互い、佳世さんのことは言葉に出さなかったけれど、
なんだか自然に、空気のように佳世さんの存在を感じていました。

庭って不思議ですね。
彼岸此岸の境を飛び越えて、そのふかぶかとした奥行きに、
さまざまな生きた者の息吹きを感じさせてくれるような気がして。

湿っぽくならず、淡々と書こうと思いましたが、かなっていなかったとしたら私の力不足です。
たくさんの想いの果てに、今を精一杯に生きる玉元さんが、
そのお仕事である木の器を作ることで、この場に帰ってきてくださったこと。
そのたくましさ、清々しさがほんとうにうれしいのです。

今回、玉元さんの出展場所は、おりひめ神社脇奥。
ホームページはこちらになります。
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